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TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aポータル
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TSUNAGU — SUCCESSION GUIDE

全国共通の実務ガイド

ホテル・旅館の事業譲渡と株式譲渡

建物の売買、事業の承継、株主の交代。それぞれで変わる許可・契約・債務を先に整理します。

最初の確認
許可名義と法人格
旅館業の事業譲渡
効力発生前の承認
契約の移行
相手方・条項別に確認

Context, with sources

次の担い手へ、手続を確かに。

ホテル・旅館の譲渡では、最初に「誰が営業者であり、その法人格が変わるか」を確認します。株式譲渡は株主が替わる取引、事業譲渡は別の主体へ事業を移す取引で、許可や契約の扱いが同じではありません。土地建物だけを取得しても、宿泊営業を開始できるとは限りません。

契約書の名称だけで判断せず、営業許可証、法人の登記事項証明書、不動産登記、運営受託契約を並べましょう。所有者、許可営業者、実際の運営受託者、予約の販売名義が異なる施設では、誰から何を取得するかを一つずつ特定することが、引渡し後の営業を守る出発点になります。

At a glance

ひと目でわかる、ホテル・旅館の事業譲渡と株式譲渡。

要点・対象時点・確認範囲
項目確認できる内容対象時点・範囲
株式譲渡株主が交代しても、対象会社の法人格は維持される。[1]取引実行時
会社の株式の譲渡
事業譲渡対象事業・資産・契約等を選定し、移転の要件を個別に確認する。[1]取引実行時
特定の宿泊事業の譲渡
旅館業の承継2023年12月13日以後の制度では、譲渡効力発生前の承認が前提。[4]2023年12月13日施行
旅館業許可を受けた対象事業
個人データ事業承継に伴う提供は、承継前の利用目的等の条件を確認する。[7]確認時点
顧客・予約等の個人データ
雇用事業譲渡の労働契約承継では労働者の真意による承諾が必要。[6]確認時点
譲渡対象の労働契約
01

まず、宿の営業主体と取引の対象を特定する

取引対象を決める前に、所有と営業の名義を分けます。建物の売主と旅館業の許可営業者が同一であるとは限らず、許可証と登記を照合する作業が必要です。[1][3]

賃貸建物で宿を営む場合は、取得するものが不動産なのか、賃借権と営業なのか、営業会社の株式なのかで相手方が変わります。運営委託がある場合には、委託先が単に業務を担うのか、許可主体として営業するのかも、実態と契約で確認します。

宿泊、飲食、日帰り入浴、温泉利用の名義を一枚の一覧にし、売買対象の資産一覧と対応させると、取引の外に残る許可や契約を発見できます。この一覧を基に保健所へ相談し、選んだ手法で営業を続けるための手順を組み立てます。

項目確認内容
土地建物所有者、担保、賃貸借、取得の対象範囲
営業旅館業許可証の名義と許可区域
受託運営契約当事者、権限、終了・変更条件
02

株式譲渡では、会社に残る債務も調べる

株主が替わっても営業会社が存続する株式譲渡では、会社が持つ権利義務も基本的に会社に残ります。許可名義の法人が同じことと、変更届や契約上の同意が不要であることは別です。[1][2]

会社の借入金、未払賃金、未払税金、訴訟、返金義務などは、建物の見た目から分かりません。中小M&Aガイドラインも、株式譲渡では簿外債務や偶発債務の調査が重要になると整理しています。帳簿に加え、雇用、予約、修繕履歴などの原資料を確かめます。

代表者や商号の変更、支配株主変更条項のある融資・賃貸借・運営契約は、それぞれの届出や承諾要否を確認します。売主個人の経営者保証についても、株式の売買だけで解除されると考えず、金融機関との合意内容を取引条件に落とし込みましょう。

03

事業譲渡では、旅館業の事前承認と契約移行を並行する

旅館業の事業譲渡には、譲渡人と譲受人が受ける事前承認の制度があります。事業を引き渡した後に申請すればよい制度ではなく、承認と譲渡効力発生日の順序を合わせます。[4][5][1]

対象は許可を受けた事業であり、一つの許可で管理する複数棟の一棟だけを切り出す場合などは、そのまま承継制度を使えるとは限りません。譲渡区域と現況図面を示し、改修や規模の変更も含めて保健所に相談します。

仕入、リネン、清掃、リース、OTA、PMSなどの契約は、旅館業の承認によって一括して移るものではありません。各契約の譲渡禁止や同意、再契約、未払金の精算を確認し、引渡し日から必要なサービスが使える状態を整えます。

04

従業員・予約・個人データは、別の承継条件を持つ

営業許可の承継は、雇用契約や予約情報の無条件の移転を意味しません。労働者への説明と承諾、予約履行の担当、個人データの利用目的をそれぞれ整理します。[6][7]

事業譲渡では、対象となる従業員に譲受企業、業務、就業場所、労働条件などを説明し、真意による承諾を得る手順が必要です。合併や会社分割は法的な構成が異なるため、事業譲渡の書類をそのまま当てはめません。

顧客データは、事業承継に伴う提供の例外に該当しても、承継前の利用目的の範囲を引き継ぎます。交渉中の提供では用途、取扱方法、漏えい時や不成立時の措置を契約で整えます。予約金、キャンセル、苦情への対応者も、情報の移行とは別に取り決めましょう。

05

契約には、承認・同意を確認する節目を置く

取引の日程は、代金支払日だけでは決まりません。許可の承認、契約相手の同意、金融機関との調整、従業員の手順を並べ、実行までに必要な条件を確かめます。[4][2]

基本合意、調査、最終契約、承認申請、引渡しという各段階で、誰がどの資料を出し、何が未了なら日程を見直すかを共有します。契約の効力、所有権の移転、営業開始の日がずれる場合は、空白期間の責任と費用も確認が必要です。

日数や手数料は自治体と案件の内容によって異なります。全国一律の最短日程から逆算するのではなく、所在地の行政と契約相手の回答を基に予定を更新します。これは実務を整理する方法であり、特定の契約条項の有効性を一律に判断するものではありません。

06

譲渡後の営業を一日単位で点検する

引渡しの完成は鍵や書類の受領だけでは確認できません。予約受付、宿泊、食事、入浴、会計、緊急対応を新体制で実施できるか、担当と証跡を確かめます。[3][2]

初日の予約と入金、食材の受入れ、衛生記録、浴場の管理、当直と緊急連絡先を確認表にします。許可申請時の図面や変更履歴は新営業者が管理し、承継後の保健所の調査にも説明できる状態を保ちます。

調査で未確認の契約や設備が残ったときは、承継できたと記載せず、確認先と必要な資料を記録します。売主と買主の合意だけで第三者の契約や行政手続が整うとは限らないため、案件に応じた法務・税務・労務の確認を日程に組み込みましょう。

宿・ホテルの記憶を、次代へ

この土地で続けること。
次の担い手に、つなぐこと。

地域の需要、許可の条件、設備の状態を整理すると、売却・購入・運営の選択肢を具体的に考えられます。ご自身の条件を記録するところからでも、担当者へのご相談からでも始められます。

Questions & answers

よくある質問

株式譲渡なら旅館業の申請は何も要りませんか?

許可名義の法人が存続する場合でも、代表者や商号などの変更、設備の改修、個別契約の支配変更条項は別に確認します。法人が同じことだけで全手続不要とは判断できません。[1][3]

建物を買えばその日から営業できますか?

土地建物の所有権と営業許可は別です。営業者が替わる取引では旅館業の事前承認や他の許可・契約の移行を確認し、営業できる日を個別に整えます。[4]

旅館業の承認で従業員も自動的に移りますか?

事業譲渡の労働契約は、労働者の真意による承諾を得て承継する手順が必要です。旅館業の行政上の承認とは異なる手続です。[6]

最初に揃える資料は何ですか?

営業許可証、法人登記、不動産登記、現況図面、運営や賃貸借の契約、予約と入金の一覧を、取引対象に対応させます。原資料を基に、所在地の窓口と専門家へ確認を進めます。[3][1]

Sources & scope

出典と、確認した範囲。

編集・構成:TSUNAGU。公的統計、法令、自治体・交通機関等の公表資料を読み合わせた編集記事です。原統計の作成者・許認可の所管機関は各出典に記載しています。独自の実地調査や個別案件の法的判断を示すものではありません。

  1. 中小M&Aガイドライン第3版 ↗

    中小企業庁|対象:2024年8月・第3版|確認:2026-10-27

    中小M&Aの手法、DD、契約、価格算定、手数料と経営者保証。ホテル固有の価格相場を示す資料ではない。検索で本文を確認。

  2. 「中小M&Aガイドライン」を改訂しました ↗

    経済産業省・中小企業庁|対象:2024年8月30日公表・同年9月17日訂正案内|確認:2026-10-27

    第3版、手数料と提供業務、経営者保証、不適切な相手方に関する留意点と原資料への導線。

  3. 旅館業法改正・事業譲渡に係る手続の整備 ↗

    厚生労働省|対象:2023年12月13日施行の制度。確認時点の公開案内|確認:2026-10-27

    旅館業法3条の2の事前承認、衛生管理の責任、許可図面の保管、当分の間の承継後6月以内の調査。

  4. 旅館業の営業者の皆さまへ・事業譲渡に関する手続が整備されます ↗

    厚生労働省|対象:2023年12月13日施行|確認:2026-10-27

    全2頁。譲渡効力発生前の承認、対象許可事業の一部譲渡の対象外、許可条件と増改築の取扱い。全国一律の処理日数・費用は示さない。

  5. 旅館業法等における事業譲渡に係る規定の運用上の疑義について ↗

    厚生労働省|対象:2023年11月29日通知|確認:2026-10-27

    共通問8~12、旅館業法問1~5、旅館業法・公衆浴場法の問1。証明書類、主体、設備の同一性、建築・消防への照会。

  6. 企業組織の再編(会社分割等)に伴う労使関係(労働契約の承継等)について ↗

    厚生労働省|対象:確認時点・2026年1月改正案内を含む|確認:2026-10-27

    事業譲渡の真意による承諾、会社分割との区別、労働者保護の公式Q&Aへの導線。

  7. 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編) ↗

    個人情報保護委員会|対象:確認時点の公開版|確認:2026-10-27

    3-1-4、3-4、3-6-3(2)。事業承継前の利用目的、交渉時の契約、安全管理と委託先監督。未施行の改正事項を現行義務と混同しない。