必要資金を六つの箱に分ける
取得価格と仲介・登記・税等の費用は契約条件に応じて確認し、割合を一律に置きません。調査・設計は建物、設備、石綿、耐震、許認可等の対象ごとに、改修は数量と工事範囲ごとに記録します。
開業準備には備品、採用・研修、販売、試運営等の必要な支出を整理します。運転資金は売上の入金までに支払う人件費・仕入・光熱等を月ごとに並べ、自館の立上がりを計算します。
見積の根拠と確定度を入力欄へ残す
客室一室、外壁面積、配管延長等の単位が違う項目を混ぜず、共用工事は別に集計します。機器、搬入撤去、配管・電気、復旧、仮設、検査・試運転を分け、複数の見積の重複と除外事項を照合します。
予備費を置く場合は利用者自身の判断額として、対象となる未確定事項を添えます。一定率を一般相場として初期入力せず、調査で確定したら見積へ置き換え、計画の更新履歴を残します。
工事と休館を月ごとの資金に落とす
休館中も残る人件費、賃借、保守、保険等を、自館の契約・運用に基づき入力します。部分営業する案は、販売できる客室と利用できる共用部、清掃・受付の体制を工区ごとに設定します。
営業開始の予定がずれる案では、支出の増加と入金の遅れを別に計算します。工事費に休館中の売上全額を足すだけの方法ではなく、実際の固定・変動支出とキャッシュの動きを確認します。
料金と稼働の仮定を実績から分ける
既存施設の実績を使う場合は、期間、改修前の販売室数、休館、食事区分、税や手数料の扱いを確認します。取得後の業態や客室構成を変える計画は、旧実績をそのまま新計画の売上としません。
基本案、工期延長案、販売条件を変えた案等を、利用者が自分の仮定で入力して比較します。改修でADRが上がる、設備を足せば稼働が伸びるという係数を埋め込まず、どの入力が結果を変えたかを見える形にします。
補助金と融資は工事費から自動的に引かない
補助金は、対象経費と自己負担、入金までの立替え、未採択時の資金を分けて表示します。2026年省力化投資補助の記載公募は終了しており、現在の募集と混同せず、利用する制度の最新要領を確認します。
融資では自己資金、借入、返済、据置、利息等を契約条件に基づき入力します。日本政策金融公庫等の制度には対象・条件があり、本ガイドは金利や審査結果を仮定せず、金融機関に示す資金使途と計画を整理します。
比較表には前提と未確認事項を必ず添える
比較表には入力日、見積の版、営業条件、工期、税・手数料、補助金・融資の状態を添えます。空欄を計算上どう扱ったかも明示し、未入力をゼロ円や費用不要と誤読させないようにします。
次に調べる項目を、金額への影響と工程への影響で整理します。耐震や石綿、温泉供給、設備の追加調査等を進めるたびに入力を更新し、取得前の判断、契約条件、開業までの資金を同じ資料で確認できる状態にします。
Questions & answers
よくある質問
全国平均の改修単価を初期値にできますか。
本ガイドは根拠のない相場を置きません。工事範囲と数量、現地調査、個別見積を入力し、未確認分は空欄等で区別します。
入力していない費用はゼロと考えますか。
未確認とゼロ円は別です。未入力の項目を明示し、確定していない部分が結果に含まれないことを確認します。
改修後のADRやROIを自動的に上げてよいですか。
設備追加等による一定の上昇は仮定しません。料金・稼働・費用は利用者が自分の事業条件として入力し、実績と分けて比較します。
補助金予定額は必要資金から引けますか。
申請・採択・交付・入金の状態と立替えを確認する必要があります。未確定の支援を含めない案も作り、資金の時期を比べます。