本文へ移動
公開準備中現在は限られた参加者による試験運用中です。会員登録の一般受付は開始していません。
TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aポータル
メニューを開く

TSUNAGU — SUCCESSION GUIDE

全国共通の実務ガイド

従業員と宿の運営を引き継ぐ

宿のサービスと衛生水準を保つため、労働契約、説明、業務記録、初日の役割を分けて準備します。

事業譲渡の雇用
真意による承諾
現行の指針
2026年5月25日適用
運営の引継ぎ
人・手順・記録を対応

Context, with sources

次の担い手へ、手続を確かに。

ホテル・旅館の事業譲渡で従業員を引き継ぐときは、労働者の真意による承諾が必要です。旅館業の承継承認、株式譲渡、合併、会社分割はそれぞれ法的な仕組みが異なり、同じ雇用手続として扱うことはできません。

厚生労働省の事業譲渡等指針は2026年5月25日から改正後の内容が適用されています。賃金や職場だけでなく、譲受企業の情報、事業の見通し、就業場所、業務、労働条件を説明できる準備が必要です。日々のおもてなしを支える経験と、許可・衛生・安全の管理記録を一緒に受け継ぐ視点も欠かせません。

At a glance

ひと目でわかる、従業員と宿の運営を引き継ぐ。

要点・対象時点・確認範囲
項目確認できる内容対象時点・範囲
労働契約事業譲渡では個別の承諾が基本。会社分割等とは制度が異なる。[1][3]取引の計画・実行時
譲渡対象の労働者
改正指針2026年1月20日告示、2026年5月25日適用。[2]2026年5月25日
事業譲渡等指針
説明と協議事業と労働条件等を説明し、真意による判断の機会を確保。[3]承諾を得る前
関係する労働者等
個人情報人事資料の提供範囲、利用目的、安全管理を確認。[4]調査・承継時
従業員の個人データ
旅館業の責任譲受人が衛生管理の責任を担い、図面等を管理する。[5]営業承継後
許可事業の運営
01

取引手法と、雇用主が替わるかを確認する

株式譲渡で営業会社が存続する場合と、別会社が事業を譲り受ける場合では、労働契約の扱いが異なります。宿の名称や経営者の交代だけで判断しません。[1][3][6]

現在の雇用主を雇用契約書や給与の名義で確認し、正社員、有期、短時間、派遣、業務委託を分けます。同じ宿で働いていても、契約の相手と根拠が異なるため、全員を一括した名簿だけでは引継ぎの手順が分かりません。

事業譲渡なら個別承諾の手順、会社分割なら承継法に基づく通知や協議等の確認が必要になります。どの仕組みを使うかが決まる前に、全員の労働契約が自動的に移ると従業員へ説明しないことが大切です。

02

新しい会社と仕事、労働条件を具体的に説明する

承諾は署名の取得だけでは完結しません。労働者が新しい雇用主や働き方を理解し、真意に基づいて判断できる説明と協議を準備します。[2][3]

譲受企業、事業の見通し、業務、勤務地、労働条件などを、決まった事項と未定事項に分けて示します。担当者によって説明が食い違わないよう、共通資料と質疑の窓口を用意し、必要な検討の時間も含めて進めます。

2026年5月25日適用の指針改正は、企業価値担保権の活用による事業譲渡も背景に、労働者保護を整理しています。取引の資金調達が新しい制度であっても、労働者への説明や承諾を省けると考えず、現行の指針で確認しましょう。

03

賃金、勤続、休暇、未払分の扱いを整理する

事業を移す契約と、個々の労働契約の条件を対応させます。賃金、就業場所、職務、勤続の扱いなどを曖昧にしたまま、営業開始だけを先に決めないようにします。[3][6]

就業規則、賃金台帳、労働時間の記録、休暇、退職金規程、社会保険の状況を確認します。引き継ぐ条件と過去に発生した未払債務は別の論点なので、旧新の会社の間で整理する事項と、労働者との合意が必要な事項を区別します。

誰の債務をどこまで引き受けるかは、取引手法と契約、法令によって異なります。一律にすべて免れる、またはすべて移ると記載せず、原資料を基に労務・法務・税務等の担当者が確認し、説明資料へ反映させましょう。

04

宿の業務を、担当者が替わっても続く形にする

経験を引き継ぐには、仕事の名前だけでなく、実施の時刻と判断基準、記録の場所を確認します。接客と衛生、安全、設備保守を一つの担当表に対応させます。[5][6]

予約、客室割当、清掃、食事、アレルギー等の対応、浴場、夜間連絡、会計の業務を、一日の流れで整理します。個人の記憶だけに残っている仕入先との約束や設備の不具合は、確認できた事実と未確認を分けて記録します。

許可申請時の図面、衛生管理の手順と検査記録などは、従業員の経験とは別に新営業者が管理する資料です。委託先を替える場合も、現場で何を誰へ引き継ぐかを決め、初日から必要な管理が途切れないよう準備します。

項目確認内容
部門予約・清掃・食事・浴場・夜間・会計
知識手順、判断、例外時の相談先
記録許可図面、衛生・設備点検、契約と連絡先
05

人事情報は、必要な範囲で安全に扱う

従業員の名簿、賃金、健康等の情報を、交渉初期から無制限に開示するものではありません。必要な項目と段階、利用目的、アクセスする人を決めます。[4]

候補者を比較する段階は人数や職種などの集計から始め、個人を識別できる資料は検討の進行に応じて範囲を選びます。これは情報管理の提案であり、特定の匿名化方法を施せばあらゆる法的制限が消えるという意味ではありません。

事業承継の交渉で個人データを提供する場合には、個人情報保護委員会のガイドラインにある契約や安全管理の条件を確認します。不成立時の返還・削除、漏えい時の対応、承継後の利用目的まで整え、通常のNDAだけで十分と決めないことが必要です。

06

初日の運営を確認し、説明した条件と照合する

引渡し前に、勤務、予約、設備、緊急連絡の担当が揃っているかを確認します。雇用の合意書と実際のシフトや役割が食い違わない状態が必要です。[5][3][4]

共同の引継ぎ期間を設ける場合は、雇用主、指揮命令、費用、事故時の対応を曖昧にしません。新旧の会社の間で人が行き来する計画についても、どの契約と体制で行うかを個別に確認します。

営業後は、従業員からの相談、記録の抜け、衛生や安全上の課題を把握し、必要な手順を見直します。旅館業の承継後調査にも説明できるよう、雇用に関する資料と、日々の営業記録は適切な範囲で分けて管理しましょう。

宿・ホテルの記憶を、次代へ

この土地で続けること。
次の担い手に、つなぐこと。

地域の需要、許可の条件、設備の状態を整理すると、売却・購入・運営の選択肢を具体的に考えられます。ご自身の条件を記録するところからでも、担当者へのご相談からでも始められます。

Questions & answers

よくある質問

従業員は宿の売買で自動的に引き継がれますか?

事業譲渡の労働契約承継では、労働者の真意による承諾が必要です。株式譲渡、合併、会社分割は仕組みが異なるため、取引手法と現在の雇用主から確認します。[1][3]

どの版の指針を参照していますか?

厚生労働省が公表する、2026年1月20日告示、同年5月25日適用の改正後の事業譲渡等指針を参照しています。[2]

調査の初期に人事名簿を全部渡してよいですか?

必要な範囲、目的、相手と管理方法を確認してください。事業承継の交渉に伴う個人データ提供では、不成立時や漏えい時の措置を含む契約と安全管理を整えます。[4]

現場の引継ぎで重要な資料は何ですか?

許可図面、衛生管理・設備点検の記録、日々の業務手順、予約と緊急連絡先を担当者と対応させます。雇用の合意だけで営業の準備が整ったとは判断しません。[5][6]

Sources & scope

出典と、確認した範囲。

編集・構成:TSUNAGU。公的統計、法令、自治体・交通機関等の公表資料を読み合わせた編集記事です。原統計の作成者・許認可の所管機関は各出典に記載しています。独自の実地調査や個別案件の法的判断を示すものではありません。

  1. 企業組織の再編(会社分割等)に伴う労使関係(労働契約の承継等)について ↗

    厚生労働省|対象:確認時点・2026年1月改正案内を含む|確認:2026-10-27

    事業譲渡の真意による承諾、会社分割との区別、労働者保護の公式Q&Aへの導線。

  2. 事業譲渡等指針の一部改正について ↗

    厚生労働省|対象:2026年1月20日告示・2026年5月25日適用|確認:2026-10-27

    令和8年厚生労働省告示第11号、労働者への説明と協議、真意による承諾に関する現行改正案内。

  3. 事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針(改正後全文) ↗

    厚生労働省|対象:2026年5月25日適用の改正後全文|確認:2026-10-27

    真意による承諾、説明・協議と労働者保護。会社分割の承継法と区別。

  4. 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編) ↗

    個人情報保護委員会|対象:確認時点の公開版|確認:2026-10-27

    3-1-4、3-4、3-6-3(2)。事業承継前の利用目的、交渉時の契約、安全管理と委託先監督。未施行の改正事項を現行義務と混同しない。

  5. 旅館業法改正・事業譲渡に係る手続の整備 ↗

    厚生労働省|対象:2023年12月13日施行の制度。確認時点の公開案内|確認:2026-10-27

    旅館業法3条の2の事前承認、衛生管理の責任、許可図面の保管、当分の間の承継後6月以内の調査。

  6. 中小M&Aガイドライン第3版 ↗

    中小企業庁|対象:2024年8月・第3版|確認:2026-10-27

    中小M&Aの手法、DD、契約、価格算定、手数料と経営者保証。ホテル固有の価格相場を示す資料ではない。検索で本文を確認。