まず、予約がどの契約で販売されているか調べる
サービス名だけでなく、施設ID、契約者、請求先、入金先、管理者、契約更新日を記録します。複数の宿を一つのアカウントで管理する場合は、今回の取引に関係しない施設や予約まで移してしまわないよう、対象範囲を明確にします。
株式譲渡でも、代表者や口座、支配の変更等が契約上の届出に関係する場合があります。事業譲渡なら契約主体自体が替わるため、譲渡承諾や新規契約、本人確認等を各社の手続で確認しましょう。取引当事者の合意だけで利用権を保証しません。
掲載情報とレビューは、各社の条項で確認する
Booking.comの公開標準条項7.6には、所有者や運営者が変わる場合の掲載情報・レビュー等の利用と、変更前の義務に関する規定があります。しかし、これだけで施設の変更申請が完了したり、別のOTAでも同じ扱いになるものではありません。
施設が合意した契約の版と適用範囲を確認し、管理画面や窓口の案内に従って変更を進めます。レビューを残せること、施設IDを保てること、管理者が替わることは別の確認項目です。掲載順位や予約数まで引き継げるという保証もできません。
将来予約と前受金を、一件ずつ対応させる
OTA事前決済、現地決済、公式サイトからの前払、団体契約などで、入金の流れは違います。旧口座へ入った前受金と、新営業者が提供する宿泊をどう精算するかを契約で決め、システム上の表示だけに任せないことが必要です。
日程をまたぐ予約、既発生の苦情、取消しや返金、クーポンや預り金の扱いも確認対象です。変更後の連絡先や宿の案内が顧客へ正しく届くか、メールの差出人とテンプレートも合わせて点検し、誰から説明するかを決めましょう。
個人データは、承継前の目的を引き継ぐ
宿泊の履行に必要な予約情報と、過去の販促用データ、健康や配慮に関する情報を分け、必要な範囲を確認します。PMSから出力できることだけを理由に、すべての履歴を別の用途へ流用する説明はできません。
交渉段階で個人データを提供する場合には、利用目的、取扱方法、漏えい時、不成立時の措置を含む契約と安全管理を整えます。国外の事業者やクラウドへの提供・委託等が関わる場合も、実際の取扱いに応じて個別に確認しましょう。
決済と接続は、アカウント本体と別に試す
SuperControlの公式ヘルプは、アカウントの引継ぎと決済サービス、接続する販売経路の手続を分けています。これは同社の例であり、日本のすべてのPMSに同じ移行条件を当てはめるものではありません。使っている各サービスへ確認する材料になります。
切替えの前後では、在庫の二重販売、料金の誤送信、入金先の残存を避けるため、実施する時刻と担当を決めます。顧客に影響しない確認方法を各社と決め、結果を記録しましょう。実際に予約や課金を行うテストは、必要な権限と合意の下で行います。
最終日に、旧権限と記録の保管を整理する
旧営業者に必要な会計資料と、新営業者が管理する予約を分け、保管する根拠、範囲、期間を確認します。管理者ログイン、API接続、外部委託先の権限、問い合わせメール、決済の接続情報を一覧にして見直します。
旅館業の承認書、許可図面、営業上の記録は、OTA画面の移行だけでは引き継がれません。行政手続、システム、入金、顧客対応をそれぞれ完了確認し、未確認事項には担当と確認先を残すことが、営業開始後の安定した運営につながります。
Questions & answers
よくある質問
パスワードを受け取れば移行完了ですか?
契約上の変更、利用者権限、請求・入金先、接続の手続は別です。ログインできることだけで、正式な契約主体変更やデータの移行が完了したとは判断できません。
レビューは必ず引き継げますか?
サービスと適用契約によります。Booking.comには所有者・運営者変更時の条項がありますが、他社や個別施設の手続まで保証するものではありません。
顧客データを新会社の販促に自由に使えますか?
事業承継による取得でも、承継前の利用目的の範囲が関係します。目的外利用、安全管理、交渉中の提供条件等を個人情報保護のルールで確認します。
引渡し前に重要な確認は何ですか?
将来予約と入金の照合、返金や宿泊履行の担当、契約の変更、在庫・料金・決済接続、旧新の権限を確認します。旅館業等の行政手続も別に整えます。