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TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aポータル
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TSUNAGU — SUCCESSION GUIDE

全国共通の実務ガイド

宿泊施設の価格算定と総投資額

譲渡価格と取得後の資金需要を分け、業績、資産、債務、改修、運転資金を原資料で確認します。

価格と資金需要
分けて把握
業績の確認
同じ期間・範囲で比較
改修費
現況調査と個別見積り

Context, with sources

次の担い手へ、手続を確かに。

ホテル・旅館の価格は、建物の大きさや客室数だけで決まりません。不動産の価値、事業の収益力、契約、債務、必要な改修などを分けて確認します。売出価格と、買主が営業を始めるまでに必要な総投資額も異なります。

本稿は、公開されたM&Aや建物調査等の一次資料を基に、価格検討の項目を整理するものです。地域相場、一定の利益倍率、改修単価、将来利回りを推測で当てはめません。施設の実績と調査、見積りを使い、金額の対象、時点、含まれる範囲を明らかにして比較します。

At a glance

ひと目でわかる、宿泊施設の価格算定と総投資額。

要点・対象時点・確認範囲
項目確認できる内容対象時点・範囲
価格の対象不動産、事業、株式で、取得する権利と債務が異なる。[1]価格検討時
対象取引の範囲
収益の確認帳簿と予約・売上等を照合し、営業期間と部門の範囲を確認。[1]対象決算期・月
施設または会社の実績
設備と改修現況と計画を調査し、工事範囲を確定して見積る。[3]調査・見積り時
対象建物・設備
税務資産の種類と売主の課税関係等で確認。事業用建物の課税対象性と納税義務は別。[5]2026年4月1日現在の国税庁案内等
個人の事業用建物等は同案内の範囲
付随費用手数料、調査、登記、税、改修、休業、運転資金等を分解する。[2][3]予算作成時
案件固有の資金計画の提案
営業可能日旅館業の事前承認等と資金計画の時期を合わせる。[6]事業譲渡の実行前
対象営業の承継
01

不動産価格、事業価値、株式価格を分ける

同じ施設でも、不動産を買う場合と会社の株式を買う場合では、価格の範囲が違います。負債や現預金、契約を含むかを先に確認します。[1]

売出資料の金額に土地、建物、備品、営業権、在庫がどこまで含まれるかを明らかにします。株式価格で示される場合は、会社の借入や現預金の扱い、実行日までの変動をどう調整するかも確認が必要です。

中小M&Aガイドラインは複数の算定方法と調査・交渉の過程を整理していますが、ホテルに共通の一つの倍率を与えるものではありません。どの資料からどの範囲を評価したかを残し、別の取引手法の価格をそのまま比較しないようにします。

02

業績は、予約や入金と対象期間を照合する

売上と利益は、対象期間と営業範囲を揃えて確認します。宿泊、飲食、入浴、物販などの部門と、休館や一時的な収益を区別します。[1]

決算書、試算表、部門別の売上、予約・会計の出力、銀行入金などを対応させます。売上が計上された月と宿泊した月、前受金を受けた月は同じとは限らないため、実績の定義を揃えることが大切です。これは調査方法の提案であり、資料を揃えれば将来収益が確定するものではありません。

オーナー固有の費用、無償の家族労働、関連会社への支払などがあれば、新体制で必要な費用を確認します。買主の想定を実績として混ぜず、既存の記録、調整の根拠、将来の計画を別々に表示すると検討しやすくなります。

03

建物と設備の調査から、必要な改修を把握する

取得直後の改修費は、年数だけで一律に決められません。建物の現況、点検、不具合、予定する使い方を調べ、必要な工事範囲を見積りへつなげます。[3][4]

確認検査の履歴、増改築、耐震、給湯、空調、浴場や管路などを調べ、継続使用、修繕、更新のどれを想定するか整理します。国の現況調査ガイドラインは法適合の調査方法を示すもので、工事費の相場表ではありません。

見積りは、対象数量、仕様、撤去・運搬、仮設、設計・申請、検査、休業の範囲を確認します。客室単価や一室当たりの仮定だけで総額を決めず、調査後に判明する追加工事の扱いを契約と予算へ反映しましょう。

04

譲渡価格以外の資金を、重複なく積み上げる

総投資額を整理するときは、取得価格と付随費用、初期改修、開業準備、運転資金を分けます。借入金の返済や前受金を、二重に計上しないよう対象を明確にします。[2][1]

仲介やFA、調査、登記、税、備品、在庫、保証金、システム移行、採用・研修など、案件で必要な項目を一覧にします。手数料に何が含まれるかは契約で違うため、説明された業務と報酬を対応させることが必要です。

引渡し後の仕入や給与、予約金の精算、売上の入金までの運転資金も考えます。休館を伴う場合は、その期間と固定費を計画に反映します。これは資金表の作り方の提案であり、すべての宿に共通の金額や必要月数を提示するものではありません。

項目確認内容
取得不動産・事業・株式の価格の対象
整備調査、設計、申請、工事、検査、開業準備
運営仕入、給与、前受金精算、入金までの資金
05

税と債務は、主体と資産の種類から確認する

税務上の扱いは、個人か法人か、株式か資産か、資産の種類や課税関係等で異なります。売買総額へ一律の税率を掛けるだけでは整理できません。[5][1]

国税庁は、個人が事業用建物や機械等を売る場合の課税対象性を案内していますが、納税義務の免除などは別に判定するとしています。この案内の範囲を超えて、法人や個別案件の税額を確定する説明には使いません。

借入、リース、未払金、保証、修繕の未履行、預り金等も対象を調べます。株式譲渡と事業譲渡では引き継ぐ範囲が異なるため、価格算定と契約、税務の担当者が同じ対象一覧を使って確認すると、前提の食違いを減らせます。

06

前提を変えた資金表で、判断の根拠を残す

一つの金額だけを示すより、確認済みの見積りと未確定項目を分けます。営業開始日や改修の範囲が変わる場合の資金需要も確認すると、判断に必要な条件が見えます。[6][3][2]

利用者が入力する資金表なら、各金額の根拠資料、見積り日、税の含み方、支払時期を付けます。見込みの売上や稼働率は計画として明示し、原統計や過去の実績と混ぜず、将来の回収を保証する数値にはしません。

旅館業の承認や設備の是正が遅れる場合の開業時期、追加費用、誰の負担になるかを契約と並べます。資料の不足は未確認として残し、確認先と次の調査を決めることで、価格交渉を具体的な前提に基づいて進められます。

宿・ホテルの記憶を、次代へ

この土地で続けること。
次の担い手に、つなぐこと。

地域の需要、許可の条件、設備の状態を整理すると、売却・購入・運営の選択肢を具体的に考えられます。ご自身の条件を記録するところからでも、担当者へのご相談からでも始められます。

Questions & answers

よくある質問

客室数から売買価格を決められますか?

客室数だけでは、資産、収益、債務、設備と必要な改修を捉えられません。取引対象を定め、複数の原資料と調査に基づいて検討します。[1]

売出価格と総投資額は同じですか?

異なります。手数料、調査、税・登記、初期改修、開業準備、運転資金等を、案件ごとの根拠で別に積み上げます。[2][3]

建物に一律の改修単価を当ててもよいですか?

本稿は一律の単価を提示しません。現況と予定する工事、数量、仕様、申請・休業の範囲を確認し、個別の見積りで検討します。[3]

利回りや回収期間を保証できますか?

将来の売上、稼働、費用、改修や入金の時期は計画の前提です。確認済みの実績と見込みを分け、前提を変えた検討を行うもので、回収や収益を保証するものではありません。[1][3]

Sources & scope

出典と、確認した範囲。

編集・構成:TSUNAGU。公的統計、法令、自治体・交通機関等の公表資料を読み合わせた編集記事です。原統計の作成者・許認可の所管機関は各出典に記載しています。独自の実地調査や個別案件の法的判断を示すものではありません。

  1. 中小M&Aガイドライン第3版 ↗

    中小企業庁|対象:2024年8月・第3版|確認:2026-10-27

    中小M&Aの手法、DD、契約、価格算定、手数料と経営者保証。ホテル固有の価格相場を示す資料ではない。検索で本文を確認。

  2. 「中小M&Aガイドライン」を改訂しました ↗

    経済産業省・中小企業庁|対象:2024年8月30日公表・同年9月17日訂正案内|確認:2026-10-27

    第3版、手数料と提供業務、経営者保証、不適切な相手方に関する留意点と原資料への導線。

  3. 既存建築物の現況調査ガイドライン(第5版) ↗

    国土交通省|対象:2026年9月|確認:2026-10-27

    p1~4、調査1・調査2と現況報告。確認検査履歴、現地、既存不適格を規定ごとに整理する方法。

  4. 既存建築物の活用の促進について ↗

    国土交通省|対象:確認時点の公開資料一覧|確認:2026-10-27

    既存不適格の調査と緩和、2025年4月1日の旧ガイドライン統合、2026年9月第5版の位置付け。

  5. No.3240 個人が事業用建物等を譲渡した場合の消費税 ↗

    国税庁|対象:2026年4月1日現在法令等|確認:2026-10-27

    個人事業者の事業用建物等の譲渡は課税対象になり得ること、納税義務免除の別判定。法人の全税務や物件別税額を確定しない。

  6. 旅館業の営業者の皆さまへ・事業譲渡に関する手続が整備されます ↗

    厚生労働省|対象:2023年12月13日施行|確認:2026-10-27

    全2頁。譲渡効力発生前の承認、対象許可事業の一部譲渡の対象外、許可条件と増改築の取扱い。全国一律の処理日数・費用は示さない。