客室と共用部の使い方からゾーンを決める
中央熱源では、一部の客室しか使わない日にも大きな系統を動かしていないかを調べます。個別空調への変更では、室外機の置場、配管経路、排水、保守のための動線が確保できるかが具体的な設計課題です。
暑い・寒いという苦情を部屋番号と時刻に結び付け、日射、風、窓、空調機の運転状況を照合します。機器の能力不足と、制御や建物側の原因を分けることが、更新前の調査を有効にします。
熱源だけ替える案と系統を変える案を比べる
中央方式を残す案では、ポンプ、冷温水配管、弁、保温、ファンコイルの状態を確認します。熱源が新しくなっても、配管漏水や末端の詰まりが残れば客室の不具合は解消しないためです。
個別方式に変える案では、受電・幹線容量、室外機の騒音、外観、屋外設置場所の積雪や腐食、客室内の点検性を確認します。窓や外壁の断熱改修を同時に行うなら、その条件を空調負荷の検討に反映します。
見積には冷媒・配管・天井復旧まで載せる
既存配管を再利用する場合は、対応条件、健全性の確認、洗浄や気密の検査範囲を仕様に記載します。客室天井内に施工する工事では、養生、家具移動、内装補修、清掃まで誰の見積に含めるかを明らかにします。
機器の撤去を伴うときは、フロン排出抑制法の対象機器かを型式・銘板から確認します。冷媒回収の実施と証明に関する書類を撤去工事の工程に組み込み、単に廃棄運搬費だけを積む計画にしません。
換気と衛生を含めた省エネにする
フィルターや熱交換器の清掃、不要時間の停止、ゾーン制御など、既存設備でも検討できる運用があります。冷却塔を使う方式では水系統の管理も必要であり、熱源の効率だけで保全作業を判断しないことが大切です。
比較する使用量には集計月、販売客室、外気条件、共用部の稼働を添えます。異なる季節の請求額をそのまま比べたり、一般の省エネ事例を自館の確約値に置き換えたりせず、条件差を説明できる形にします。
客室を閉じる順番と停止範囲を合わせる
フロアごとの施工なら、騒音・振動、搬入経路、廊下の養生、避難経路、工事用電源を確認します。天井・壁等を扱う工事では、対象建材の石綿事前調査を先に行い、調査結果を施工方法と日程に反映します。
試運転では冷房・暖房の動作、ドレン排水、騒音、操作器、警報、換気との関係を確認します。季節の都合で確認できない運転モードがある場合は、追加確認の時期と対応窓口を検収記録に残します。
買収後の空調管理まで引き継ぐ
同一施設に家庭用と業務用のエアコンが混在する場合は、設置場所の用途だけで区分しません。環境省のFAQに沿って機器の製造上の区分を確認し、適用される管理・廃棄の制度を台帳に記します。
更新案の予算は、設備工事、内装復旧、休館等の運営影響、保守費を分けて入力します。台数を増減する計画では清掃・故障対応の作業量も確認し、見かけの機器価格だけで取得後の負担を判断しないようにします。
Questions & answers
よくある質問
空調機の更新時期は年数で決められますか。
一律の年数だけでは判断できません。点検、腐食、漏水、故障、部品供給、負荷と保守記録を確認し、修理を続ける案と比較します。
中央空調を個別空調にすれば省エネになりますか。
部分稼働の運用には利点が考えられますが、建物・負荷・電源条件で結果が変わります。受電、置場、配管、保全を含む案で比較します。
宿で使うエアコンはすべて業務用ですか。
設置場所だけでは決まりません。フロン排出抑制法の区分は、機器が業務用として製造・販売されたか等を確認します。
機器交換と一緒に天井工事が必要です。何を先にしますか。
開口・撤去する建材の石綿事前調査、配管経路、復旧範囲を先に確認します。調査結果と施工方法が工程・営業制限に影響します。