TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aポータル

MORE VALUE PLANNING / 資金・返済 / 17

リスケ・任意売却・サービサー案件の買主資金計画と決済

返済条件の変更や債権回収会社が関わる売却では、売主の債権調整と買主の資金審査が別々に進みます。価格がまとまっただけで決済できるとは限りません。担保の手続、営業の引継ぎ、買主の返済計画を同じ工程表へ置き、代金を払った後に残る課題を取得前に整理します。

01

資金の使い道

02

返済原資と資料

03

実行日と資金繰り

01 / PRACTICAL GUIDE

債権の保有者、回収窓口、担保名義を分ける

売主から借入一覧、返済明細、条件変更の内容、債権譲渡や受任に関する通知を受け取ります。登記も照合し、債権を持つ先、回収を受託する先、担保の名義を図にすると、連絡と合意の経路が整理できます。

サービサーは特定金銭債権を譲り受ける場合と、委託を受けて回収する場合があります。会社名だけで処分権限や減額可能額を推測せず、売主側の担当者と専門家に、誰の承認が必要かを確認してもらいます。[FINX1][F20]

02 / PRACTICAL GUIDE

代金配分と担保の手続を決済条件にする

売買価格が決まったら、売主側は担保権者等との調整を進め、買主側は抹消に必要な条件を確認します。売買代金の配分と借入の完済額が同じとは限らないため、金額、受取先、期限をそろえた精算案が必要です。

抵当権は、返済しただけで登記が自動的に消えるわけではありません。司法書士等と必要書類、原本の受渡し、抹消と買主側の新しい担保設定を確認し、決済当日にそろっていなければ進めない条件を決めます。[F20][F8]

03 / PRACTICAL GUIDE

買主の資金審査は独立した計画で進める

売主の借入条件や債権者の売却承諾は、買主への融資を約束するものではありません。買主は取得代金、調査、工事、開業準備、運転資金を計上し、自分の運営体制と事業収支を金融機関へ説明します。

取得後にすぐ売上が入る施設か、休業と改修を経て再開する施設かで資金需要が変わります。売主の過去売上を使う場合も、閉鎖期間や引継ぐ人員を調整し、買主が実際に提供できる営業へ組み替えます。[F7][F8][F9]

04 / PRACTICAL GUIDE

ブリッジは満期の返済額から逆算する

短期資金を検討するときは、元金、期間中の利息、当初手数料、期限前返済や担保変更の費用を並べます。支払が毎月か満期かも区別し、取得直後に必要な自己資金と、満期日に返す金額を分けます。

後日の借換を出口にするなら、借換先が求める営業実績、工事完了、担保や許認可の条件を聞き取ります。予定した借換額が減る場合や実行が遅れる場合を試算し、代替資金がなければ取得条件を見直します。[F8][F33][F34]

05 / PRACTICAL GUIDE

営業の承継と建物売買の日付をそろえる

営業許可証と営業者、事業の譲渡範囲、効力発生日を整理して保健所へ相談します。旅館業の事業譲渡による地位承継は、譲渡の効力が生じる前の承認が必要で、不動産の名義を替えるだけでは済みません。

温泉の利用許可や配湯契約、建築と消防の手続も別に調べます。売主と買主、行政の担当、工事担当で確認日を共有し、必要な承認や引渡し条件が整わない場合の日程変更や契約の扱いを事前に定めます。[L25][L26][L27][L29][L30]

06 / PRACTICAL GUIDE

決済までの確認と、不成立時の扱いを決める

買主融資、担保手続、営業承継、工事条件の進捗を担当別に管理します。売主側の調整は売主とその専門家、買主側の借入は買主と貸し手が進め、仲介担当は期限や資料の不足が全体へ及ぼす影響を整理します。

合意の前提が変わった場合は、売買契約や融資契約で定めた手順に沿って対応します。共有する債務資料や顧客情報は必要な範囲に絞り、秘密保持と閲覧先を決めます。価格変更と同時に資金計画も更新します。[F8][F27][F29][L26]

COMPARE THE OPTIONS

選択肢を、同じ条件で比べる。

方式ごとの実務上の違い
工程主な担当そろえる資料・条件次へ進む判断
売主の債権調整売主・債権者・必要な専門家借入、通知、担保、配分案誰の合意で担保手続ができるか
買主の融資審査買主・買主側金融機関総資金、運営体制、返済原資金額、実行日、必要条件
建物と設備の調査建築士・設備担当図面、現況、見積と工程取得条件と工事費が成立するか
営業の承継譲渡当事者・保健所等営業者、譲渡範囲、承認日程売買/事業譲渡と手続の順序
決済と登記当事者・金融機関・司法書士等送金、完済、書類、抹消/設定同日実行の条件がそろったか
不成立/遅延時当事者・契約担当・貸し手契約条項、資金残高、期限延期、追加資金、解除等の手順

[FINX1][F7][F8][F20][L10][L26][L27]

WORKED EXAMPLE

短期借入の費用と満期の不足を見える形にする

前提をそろえて考える例

  • 前提を置いた計算例。金額は万円。借入6,000、単利年8%、期間6か月、元金は満期一括、利息は毎月払いとします。
  • 当初手数料は元金の2%、登記等30、完済時費用は元金の1%と置きます。
  • 本融資は未確定です。比較のため、満期に借換額5,400だけ実行された場合を別の仮定として置きます。
  1. 6か月の利息は6,000×8%×6÷12=240。毎月の利払は40です。
  2. 当初手数料120+登記等30=150を開始時に用意します。完済時費用は60で、期間全体の費用は150+240+60=450。
  3. 満期に必要な元金と完済時費用は6,000+60=6,060。利息240は期間中に別途支払済みという計算です。
  4. 借換が5,400なら6,060−5,400=660の返済資金が不足します。取得後の運転資金を残したうえで別に用意できるかを検討します。

費用450万円と、仮定の借換時不足660万円を区別します。満期の必要額6,060万円と確認できた調達額を並べ、差額を用意できる条件で契約を組みます。[F8][F33][F34]

09 / HOW IT WORKS

地域と物件を知り、
非公開の対話へ。

実際の買主向けガイドから、検討を進める四つの画面を紹介します。

試験アカウントと説明用の架空データで操作して撮影したものです。施設名や詳しい資料は、必要な手続きと相手の承認のあとに共有されます。[T1]

ALLIANCE PARTNERS

次の宿づくりを、
一緒に支える企業の皆さまへ。

OTAの初期構築、PMS・電子キー、リノベーション、運営、資金計画。TSUNAGUでは、宿を承継・新規開業する方を支える企業・金融機関との連携を募集しています。

対応分野や地域を伺い、相互送客、実務事例の発信、導入支援など、双方の役割が明確なかたちからご相談します。

連携内容や費用、情報の扱いを相談のうえ、双方で合意して進めます。

YOUR NEXT STEP

現況と、残したい価値から。

気になる物件や改修の構想、現在の運営体制。分かる資料から条件を整理し、取得・再生・承継の進め方を考えます。

監修:堤 誠之(ジャパンリアルター株式会社 代表取締役)
実務の背景:堤 誠之・代表者紹介 / 代表者note ↗

QUESTIONS

具体的な計画に進む前に。

サービサーが関わると、債務が必ず大きく減りますか?

回収受託か債権の保有かでも役割が異なり、売却代金や減額の条件は個別の調整です。買主は会社名や債権の取得価格を推測せず、決済に必要な合意と担保の手続を確認します。[FINX1][F20]

売主の取引銀行が売却を認めれば、買主も借りられますか?

売主側の債権調整と買主の融資審査は別です。買主は取得後の運営と返済原資、担保条件を説明し、自分の借入金額と実行条件を確認する必要があります。[F8][F7]

買主が代金を払えば、担保の登記は消えますか?

支払と抹消登記は別の手続です。完済や担保解除の条件、必要書類、抹消と新しい設定の順序を関係者で整え、司法書士等と決済手順を確認します。[F20]

取得後も既存の旅館業許可で営業できますか?

取引方法と営業主体によります。事業譲渡による承継では効力発生前の承認が必要です。売買の対象と日付を保健所へ示し、温泉等の別手続も含めて営業開始の条件を整理します。[L25][L26][L27][L29][L30]

出典・確認範囲を見る

確認日:2026年10月28日。法令・通知・制度と、運営主体が公表した事例を分けて参照しています。自治体による取扱い、商品条件、公募期間は計画時点の公式案内で確認してください。

法規・許認可

  1. [L10] 国土交通省|既存建築物の活用の促進について

    現況調査ガイドライン第5版、緩和措置解説集第4版、2026年8月31日技術的助言。既存不適格を継続できる条件の検討。

  2. [L25] e-Gov|旅館業法

    第2条の営業区分・下宿営業、第3条の許可、第3条の2の事業譲渡承継。e-Gov法令APIで条文照合。

  3. [L26] 厚生労働省|旅館業法改正・事業譲渡に関する手続

    2023年12月13日施行の事業譲渡の事前承認、承継後の業務調査。

  4. [L27] 厚生労働省|旅館業法等における事業譲渡に係る規定の運用上の疑義について

    2023年11月29日通知。譲渡人と譲受人の承認、建築・消防の確認要否は各担当部署へ照会。

  5. [L29] e-Gov|温泉法

    第15条の公共浴用・飲用の利用許可、第16条の法人合併・分割、第17条の相続。旅館業の事業譲渡承認とは別。e-Gov法令APIで照合。

  6. [L30] 神奈川県|温泉関係の手続きについて(変更等の手続き)

    2026年6月19日更新。合併・分割によらない営業譲渡・施設売却等では温泉利用許可の地位承継対象にならず、新規許可が必要との案内。管轄を明記して参照。

金融・税務

  1. [F7] 日本政策金融公庫 創業計画書セルフチェック・資金計画

    見積の妥当性、開業後運転資金、借入依存の資金計画を点検する一次資料。例示比率を普遍要件としない。

  2. [F8] 金融庁 事業者と金融機関の信頼関係に基づく融資に関する検査・監督の考え方と進め方(2026年5月18日)

    事業実態・将来CF・継続対話、EBITDA/DSCR等の指標を案件に応じて選ぶ考え方。普遍的な融資承認閾値を示すものではない。

  3. [F9] 観光庁 宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドライン 第3章

    営業収益・費用の管理、償却前営業利益の算出、財務・事業管理。資料ごとの利益定義を揃える。

  4. [F20] 法務局 住宅ローン等を完済した方へ・抵当権の登記の抹消手続

    完済後も抵当権抹消登記の申請が別に必要で、金融機関から受け取る書類を用いること。事業用取引の個別決済手順は別途確認。

  5. [F27] 八十二長野銀行 事業承継・M&Aサポート

    専門チームによる承継プラン策定、M&A等の支援。現行公式ドメインの公表範囲。

  6. [F29] 静岡銀行 M&A(売り・企業譲渡など)のご支援

    企業譲渡の相談・コンサルティング、初期相談後のグループ会社サービスと手数料。融資商品ではない。

  7. [F33] セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン

    法人・個人事業主の事業性資金と不動産担保融資の案内。審査、返済・担保条件の確認が必要。

  8. [F34] セゾンファンデックス 貸付条件表一覧

    商品ごとの融資額、実質年率、期間、担保、代表者保証、手数料、中途解約手数料を確認できる一次条件表。

  9. [FINX1] 法務省 債権管理回収業に関する特別措置法の概要

    サービサーは特定金銭債権を譲り受け、または委託を受けて管理/回収する。債権保有と回収受託を区別する基礎。

TSUNAGUの画面説明

  1. [T1] TSUNAGU|実際の進め方(買主)

    本番で公開されている操作説明・試験アカウントと説明用データの画面。2026年10月28日に取得。

↑