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取得費・改修費・運転資金をつなぐ|宿泊再生の事業計画と資金調達

建物を買う日と、宿泊代が入る日は離れています。その間にも工事、採用、仕入れ、返済の支払が続きます。取得費と改修費を一枚の資金計画へまとめ、営業の利益と月ごとの現金残高を両方見ることで、開業までを支えられる調達額と投資の順番を考えます。

01

資金の使い道

02

返済原資と資料

03

実行日と資金繰り

01 / PRACTICAL GUIDE

総投資額を、支払先と確度まで分ける

売買価格に、調査、設計、取得諸費用、改修、家具備品、開業準備を加えます。さらに休業中の固定費と開業後の運転資金を置き、見積のある費用と概算の費用を区別すると、追加調査の優先順位も決まります。

資金表には金額だけでなく、支払先、支払月、見積日、増額し得る理由を残します。設備の入替えや是正工事が未確定なら、その部分を予備費へ隠さず項目として示し、見積更新のたびに必要総額を直します。[F7][F8]

02 / PRACTICAL GUIDE

売上は販売単位と営業可能日数から積む

客室数、実際に販売できる日数、稼働率、客室単価を同じ単位で組み立てます。一棟貸しを客室泊で数えたり、食事代込みの単価と室料だけの単価を混ぜたりすると、売上の見え方が変わってしまいます。

休館日と改修で販売できない部屋を先に除き、繁忙期、平日、閑散期を分けます。計画者は予約実績や比較施設の価格を用意し、運営担当者は清掃や接客で提供できる室数を確かめ、両者の数字をそろえます。[F8][F9]

03 / PRACTICAL GUIDE

人件費と外注費を、現場の仕事から積み上げる

清掃、予約対応、食事、設備点検の担当と作業量を決め、人件費や委託費へ落とします。客数で変わる消耗品やリネンと、売上が弱くてもかかる固定費を分けると、低稼働時の費用を具体的に計算できます。

OTA手数料、決済料、販促費、保険や税、定期修繕も確認します。運営委託料の計算基準とGOPの費用範囲を契約に合わせ、建物を持つ側の支出が運営側の収支から抜けていないか、経理担当者と見直します。[F9][F10]

04 / PRACTICAL GUIDE

返済前CFの調整表を作る

GOPや償却前利益から出発しても、それがそのまま返済資金になるとは限りません。所有側の固定支出、現金で払う税、運転資金の増減、更新投資などを調整し、返済前に使える現金の範囲を明示します。

DSCRを使うなら、その返済原資を同じ期間の元利返済額で割ります。既存借入も含むのか、今回の借入だけかを貸し手とそろえ、償還表と一緒に説明します。元金を費用に混ぜず、現金収支の段階で差し引きます。[F8][F10][F11]

05 / PRACTICAL GUIDE

下振れは、数字を動かす理由まで決める

稼働、単価、工事費、開業時期、金利をそれぞれ動かし、何が現金残高を最も減らすかを見ます。売上が下がれば一部の変動費も減るため、費用をすべて同じままにする試算と、変わる費用を反映する試算を分けます。

工事が延びた場合は、失う売上に加え、家賃や人員待機、追加工事、返済開始を月別に入れます。最低残高を確かめ、投資を分ける、工程を変える、追加資金を用意するなど、実行前に対応策を選びます。[F7][F8]

06 / PRACTICAL GUIDE

融資実行と営業入金を月次表でつなぐ

決済、工事の中間金、完成、許認可、開業、最初の売上入金を一本の表へ並べます。売上が計上された月と、OTAやカードから入金される月は分け、給与や仕入れの支払が先に来る期間を見える形にします。

調達欄では、自己資金、審査中の希望額、条件が決まった融資、未確定の補助金を区別します。毎月、実績残高と計画の差を更新する担当を決め、追加発注や価格変更を次の支払日までに資金表へ反映します。[F7][F8][F39]

COMPARE THE OPTIONS

選択肢を、同じ条件で比べる。

方式ごとの実務上の違い
必要資金主な根拠資料支払の節目調達との照合
取得代金売買契約案、精算案手付・残金決済設備/取得資金の対象と実行条件
改修・設備工事内訳、工程、機器見積着工・中間・完成工事進捗と実行時期の対応
調査・諸費用設計、登記、保険等の見積契約前後から決済時対象外費用を含む自己資金の確認
開業準備採用、研修、販促、備品計画営業開始前初期支出と売上入金までの運転資金
運転資金月次収支と入金/支払条件開業前後・閑散期最低残高と返済開始の重なり
追加調査・予備枠未確定事項と金額幅調査結果や変更時必要時に使える調達かを個別確認

[F7][F8][F9]

WORKED EXAMPLE

決済から開業までの最低残高を見る

前提をそろえて考える例

  • 取得から開業までの資金工程例。金額は万円で、消費税等を含む支払額とします。
  • 自己資金2,000と借入8,000が決済前に全額利用できる仮定です。実案件は金融機関の実行条件に置き換えます。
  • 別途、安定稼働年の返済前CF600、年間元利返済480を仮定します。
  1. 開始残高10,000。決済月に取得6,000と諸費用500を払い、残高は3,500。
  2. 翌月に工事1,500と固定費300を払い1,700。次の月に工事1,000と準備費300を払い400。
  3. 予定どおりの開業月に入金500、営業支出450、元利返済50なら、残高は400+500−450−50=400。
  4. 開業が遅れた同じ月に、入金0、待機固定費300、追加工事200、元利返済50なら、残高は400−300−200−50=−150。
  5. 安定稼働年の比較は別に、600÷480=1.25倍。返済後の年間CFは600−480=120です。

予定どおりなら残高400万円でも、仮定の遅延では150万円不足します。年間の返済余力があっても、開業前の資金不足は別に解消する必要があります。[F7][F8][F11]

09 / HOW IT WORKS

地域と物件を知り、
非公開の対話へ。

実際の買主向けガイドから、検討を進める四つの画面を紹介します。

試験アカウントと説明用の架空データで操作して撮影したものです。施設名や詳しい資料は、必要な手続きと相手の承認のあとに共有されます。[T1]

ALLIANCE PARTNERS

次の宿づくりを、
一緒に支える企業の皆さまへ。

OTAの初期構築、PMS・電子キー、リノベーション、運営、資金計画。TSUNAGUでは、宿を承継・新規開業する方を支える企業・金融機関との連携を募集しています。

対応分野や地域を伺い、相互送客、実務事例の発信、導入支援など、双方の役割が明確なかたちからご相談します。

連携内容や費用、情報の扱いを相談のうえ、双方で合意して進めます。

YOUR NEXT STEP

現況と、残したい価値から。

気になる物件や改修の構想、現在の運営体制。分かる資料から条件を整理し、取得・再生・承継の進め方を考えます。

監修:堤 誠之(ジャパンリアルター株式会社 代表取締役)
実務の背景:堤 誠之・代表者紹介 / 代表者note ↗

QUESTIONS

具体的な計画に進む前に。

売上予測は客室単価と稼働率だけでよいですか?

販売できる客室数と日数、休館、改修区画、食事代の含み方、販売経路もそろえます。月別の販売計画と現場の提供能力が一致しているかを運営担当者と確認します。[F8][F9]

GOPが黒字なら、返済できると判断できますか?

所有側の固定支出、税、更新投資や運転資金増減などを調整して返済前CFを見ます。そのうえで元利返済と比較し、返済後の残高が閑散期にも足りるかを確かめます。[F8][F10][F11]

DSCRを計算するとき、分子に何を入れますか?

資料によってNOI等を使う範囲が異なります。今回の計画では何を控除した返済原資かを調整表に示し、同期間の対象借入の元利返済と対応させ、貸し手との定義をそろえます。[F8][F11]

工事の予備費を置けば、開業遅延にも備えられますか?

工事の増額枠と、休業中の固定費や返済を払う資金は分けて点検します。遅延の月数を入れた資金繰りで最低残高を見て、必要な追加資金と、支出を止める判断時点を決めます。[F7][F8]

出典・確認範囲を見る

確認日:2026年10月28日。法令・通知・制度と、運営主体が公表した事例を分けて参照しています。自治体による取扱い、商品条件、公募期間は計画時点の公式案内で確認してください。

金融・税務

  1. [F7] 日本政策金融公庫 創業計画書セルフチェック・資金計画

    見積の妥当性、開業後運転資金、借入依存の資金計画を点検する一次資料。例示比率を普遍要件としない。

  2. [F8] 金融庁 事業者と金融機関の信頼関係に基づく融資に関する検査・監督の考え方と進め方(2026年5月18日)

    事業実態・将来CF・継続対話、EBITDA/DSCR等の指標を案件に応じて選ぶ考え方。普遍的な融資承認閾値を示すものではない。

  3. [F9] 観光庁 宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドライン 第3章

    営業収益・費用の管理、償却前営業利益の算出、財務・事業管理。資料ごとの利益定義を揃える。

  4. [F10] 国土交通省 不動産鑑定評価基準等の改正概要・事業価値と不動産価値の区別

    ホテルGOPからFF&Eリザーブ、運営委託料、リスクバッファ等を控除し負担可能賃料・純収益へ進む評価上の区分。数値水準の推奨ではない。

  5. [F11] 国土交通省 不動産証券化に係る用語集(50音順)

    DSCRとNOI、同期間の元利返済額との比較。借入金返済余裕と表面利回りを区別。

  6. [F39] 地域一体となった観光産業の効率化支援事業 公募要領・三次公募

    観光庁からリンクする事務局一次資料。2026年9月29日12時締切、事業後の報告と精算、交付決定前経費や用地取得等の除外、共同設備への補助と連携条件。

TSUNAGUの画面説明

  1. [T1] TSUNAGU|実際の進め方(買主)

    本番で公開されている操作説明・試験アカウントと説明用データの画面。2026年10月28日に取得。

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