CALCULATOR 05 — SHARE DEAL OR ASSET DEAL
株式譲渡か、
事業譲渡・不動産売買か
会社ごと売るか、会社が事業や不動産を売るか。お金の流れと税のかかり方の違いを、オーナーと顧問税理士が同じ表で確かめられます。
01 / SIMULATOR
価格と帳簿の数字を入れると、
三つの形を並べます。
三つの
株式譲渡では、株主であるオーナー個人が代金を受け取り、譲渡益に原則20.315%の申告分離課税がかかります。事業譲渡・不動産売買では、代金は会社に入り、譲渡益に法人税等がかかったうえで借入を返します。役員退職金の有無で手取りが変わるため、三つの形を並べて比べます。
計算結果
入力した数字はこのページの中だけで計算し、サーバーに送信・保存しません。
02 / HOW IT IS CALCULATED
税のかかり方を、
形ごとに分ける。
形ごとに
株式の譲渡益は所得税15%・住民税5%に復興特別所得税が加わり合計20.315%です。退職金は退職所得控除を引いた額の2分の1が課税対象で、役員等の勤続5年以下は2分の1の計算がありません。会社の譲渡益には法人税等がかかり、繰越欠損金は中小法人等なら所得の全額まで使えます。
株式譲渡(A)では、株式の譲渡価格から取得費を引いた譲渡所得に20.315%をかけています。売却代金全体にかかる税率ではありません。[6]
退職金を払ってから株式を譲渡する形(A′)では、退職金の分だけ株式の価格が下がると仮定しています。退職所得控除は勤続20年以下が40万円×年数(最低80万円)、20年超が800万円+70万円×(年数−20年)で、控除後の額の2分の1に所得税の速算表と住民税10%をかけています。[7][8]
事業譲渡・不動産売買(B)では、会社の譲渡益(価格−帳簿価額−退職金)から繰越欠損金を差し引き、入力した実効税率をかけています。中小法人等以外は、繰越欠損金を使えるのが所得の50%までです。法人税の公表税率をそのまま実効税率とは置けないため、顧問税理士の試算で置き換えてください。[9][10][12]
B で会社に残った現金を個人へ移すと、配当や清算の分配として別に課税されます。会社を残して別の事業に使う方法もあり、このシミュレーターでは計算していません。[12]
03 / LICENCES & CONTRACTS
税だけでなく、
許可と契約の移り方も違う。
株式譲渡は会社がそのまま残るため、許可や契約の名義は原則変わりませんが、簿外の債務も残るため調査が要ります。事業譲渡は引き継ぐ資産・負債を選べる一方、旅館業は譲渡前の承認、温泉の利用許可は新規の手続、従業員の契約は本人の承諾が必要になる場合があります。
| 項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 | 不動産の売買(建物だけ) |
|---|---|---|---|
| 何を移すか | 株主が替わり、会社はそのまま残る[1] | 対象の事業・資産・契約を選んで移す[1] | 土地・建物の所有権を移す(営業は移らない) |
| 旅館業の許可 | 許可を受けた会社は同じ。代表者の変更などの届出は確認[11] | 譲渡の効力が生じる前の承認で承継できる(2023年12月13日以後)[2] | 承継の制度の対象外。買主が許可を受ける[2] |
| 温泉の利用許可 | 許可を受けた会社は同じ | 合併・分割の承認の対象外で、新規の許可が必要になる例がある[3][4] | 新規の許可が必要になる例がある[4] |
| 従業員の雇用 | 会社との雇用はそのまま続く | 労働契約を移すには本人の承諾が必要[5] | 雇用は移らない |
| 借入・債務 | 簿外・偶発の債務も会社に残るため、調査が重要[1] | 引き継ぐ資産・負債を選べる[1] | 売主が借入を返し、抵当権を抹消する |
QUESTIONS
よくある質問
どちらの形が得かを、この計算で決めてよいですか?
決めないでください。所得の状況、欠損金を使えるか、法人の区分、地方税、保証や債務の扱いで結果が変わります。判断の材料をそろえるための概算として使い、申告の前に顧問税理士・税務署で確認します。
退職金を多く払えば手取りが増えますか?
退職所得には控除と2分の1の計算がありますが、役員等の勤続5年以下は2分の1の計算がなく、退職金の額が適正かどうかも問われます。売却の直前に形だけ整えず、専門家と条件を確かめます。
株式譲渡なら許可や契約の手続は何も要りませんか?
会社は同じでも、代表者の変更などの届出や、融資・賃貸借・運営契約の支配株主の変更に関する条項の確認が必要です。経営者保証も株式の売買だけで外れるとは限りません。
入力した数字は保存されますか?
保存も送信もしません。計算はこのページの中だけで行います。
出典・確認範囲
- 中小企業庁|中小M&Aガイドライン(第3版)
株式譲渡と事業譲渡の違い、簿外債務の調査
- 厚生労働省|旅館業法改正・事業譲渡に係る手続の整備
2023年12月13日施行、譲渡の効力発生前の承認
- 環境省|温泉の利用の許可を受けた者である法人の合併及び分割の承認の申請
温泉利用許可の法人の合併・分割の承認
- 神奈川県|温泉関係の手続きについて(変更等の手続き)
営業譲渡・施設売却では新規許可が必要とする運用例
- 厚生労働省|企業組織の再編に伴う労使関係(労働契約の承継等)
事業譲渡での労働契約の承継と本人の承諾
- 国税庁|No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
一般株式等の譲渡所得の税率
- 国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
退職所得控除、2分の1計算、特定役員退職手当等
- 国税庁|No.2260 所得税の税率
所得税の速算表、復興特別所得税
- 国税庁|No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除
繰越控除と中小法人等以外の50%の限度
- 国税庁|No.5759 法人税の税率
法人の区分と所得に応じた税率
- TSUNAGU|ホテル・旅館の事業譲渡と株式譲渡
取引の形ごとの許可・契約・債務の確認
- TSUNAGU|法人・個人の売却と税の見方
会社に残るお金と個人の手残りの区別
確認日:2026-10-29。法令・制度は改正されることがあります。手続の前に最新の公式案内を確認してください。
監修:堤 誠之(ジャパンリアルター株式会社 代表取締役)/ 運営:ジャパンリアルター株式会社/ 確認日:2026-10-29