TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aプラットフォーム
いわき湯本温泉・山際に立つ古滝屋の外観
いわき湯本温泉・山際に立つ古滝屋の外観Photo: DenkenMüller / CC0

HERITAGE ONSEN 100 — 15

守るべき日本の歴史・財産
名湯・秘湯遺産 厳選100撰

福島県 / 千年古湯・風土記と文人の湯

いわき湯本温泉。
炭鉱と湯の記憶を、駅から歩いてたどる。

いわき湯本は、古い湯の由緒と常磐炭田の歴史が重なる温泉地です。駅から湯屋や神社、童謡の資料を訪ね、ほるるで地下の仕事を知ると、湯が町へ届く仕組みにも目が向きます。石炭から観光へ移った土地の営みを読み、揚湯と配湯、文学と暮らしを次の世代へ渡す宿の姿を考えます。[S1][S2]

歴史

温泉神社の由緒と、採炭による湯の変化、1942年の送湯再開を伝える。

価値

駅に近い街路で、公衆浴場と童謡、炭鉱・化石の資料を結べる。

未来

揚湯と配湯の仕組みを、町を歩く滞在とともに引き継ぐ。

HISTORY / VALUE / THE NEXT CHAPTER

残したい風景と、
湯のある暮らし。

いわき湯本温泉・共同浴場「みゆきの湯」
いわき湯本温泉・共同浴場「みゆきの湯」Photo: くろふね / CC BY 3.0

湯本駅から町へ入ると、足湯、湯屋、神社が日々の道の途中にあります。海辺の印象が強いいわきにも、湯と地下の仕事を中心に育った町があります。館内で化石や採炭の資料を見た後に温泉へ入ると、同じ土地の地下にある石炭と湯を、違う時間の中で読めます。名所の数を急いで増やさず、駅と街路を往復する一日が、この町への入口になります。

いわき湯本の湯は、古代から途切れず同じ姿で流れたという単純な物語ではありません。採炭の影響で自噴が失われ、再び湯を確保し、町へ配る仕事が必要でした。野口雨情の言葉や炭鉱の記憶とともに、配管、ポンプ、清掃と保守も土地の遺産として読む。その視点から、宿を残すことを、建物と地域の供給の仕組みを継ぐ仕事として考えられます。[S1][S2]

※本ページは地域の温泉文化・歴史遺産の解説であり、掲載写真や施設が売却案件であることを示すものではありません。

TSUNAGU独自の編集企画「名湯・秘湯遺産100撰」の第15撰です。公的な認定や順位を表すものではありません。

02 / HISTORY & MEMORY

古湯の由緒を、炭鉱の時間と合わせて読む

いわき湯本には鶴の開湯伝承があり、温泉神社の由緒が古い湯の存在を伝えます。近代には採炭と温泉の関係が大きく変わり、自噴の喪失と送湯の再開を経験しました。古い湯治場と産業の町を別々にせず、人が湯を確保して使い続けた歩みとして読める場所です。[S1][S2][S5][S6][S7]

温泉神社は、湯ノ岳や観音山との関係、現在地への遷座を伝えています。鶴が傷を癒し、湯を開くきっかけになったという物語も、土地の由緒として語られます。記録に残る神社と、伝説の中の湯を分けて読むと、開湯年や年数を一つに決めなくても、この土地が長く湯へ関心を寄せてきたことを感じられます。

明治以後の採炭は町を繁栄させる一方、地下の湯へも影響しました。組合の歴史紹介では、一九一九年に揚湯ができなくなり、一九四二年の送湯契約で利用が再開した経緯を示します。古湯の看板の裏に、失われた湯を戻す交渉と設備の仕事があった。そのことを知ると、温泉地の歴史がより立体的になります。

石炭・化石館ほるるでは、採炭の道具や坑内の風景を模擬坑道等で知ることができます。片寄平蔵の足跡は、みろく沢等の周辺地域へつながります。温泉街だけで全ての史跡を回れるわけではありません。館内の資料と公開道を行程に合わせて選び、炭鉱から観光へ移る町の仕事を、自分の歩く時間に重ねられます。[S1][S2][S5][S6][S7]

  1. 開湯伝承

    鶴と佐波古の湯

    湯の恵みを伝える物語として読む。[S2]

  2. 927年の記録

    温泉神社の名

    組合が延喜式神名帳の記載を紹介する。[S1]

  3. 1919年

    揚湯できない時期

    採炭と温泉の関係が大きく変わる。[S1]

  4. 1942年

    送湯契約と利用再開

    炭鉱会社と財産区の関係から湯を再び使う。[S1]

  5. 1976年

    新源泉から揚湯

    炭鉱閉山に伴う湯の再確保を伝える。[S1]

野口雨情

野口雨情記念湯本温泉童謡館

町ゆかりの詩人として資料館が作品を伝える。滞在の詳細は個別記録へ照合する。[S4]

片寄平蔵

みろく沢等の周辺地域

常磐炭鉱の開発に関わった人物として、碑と石炭の道が足跡を伝える。[S7]

03 / THE WATER & ITS KEEPERS

地下の湯を、町へ届ける仕組み

いわき湯本の公式紹介は、含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉と、地下の配管を通じた各施設への配湯を示しています。硫黄の香りだけでなく、揚湯と供給の仕事にも土地の個性があります。分析書と浴槽の利用方法を分け、休息を挟みながら町の湯を味わえます。[S2][S3][S9][S11][L3]

さはこの湯の入浴や足湯は、町の中で湯へ触れる入口です。公衆浴場では、日々使う人の動きと現地の表示を見ながら利用します。湯上がりに駅や店へ戻れる近さは、長い移動をせずに休む旅にも向いています。香りや温まり方の感想は一人ずつ異なるため、入浴を続ける時間は体調に合わせ、途中に水分と休憩を置きます。

源泉の名称と泉質分類は、湯がどこから来るかを知る手掛かりです。浴場では分析年月日と源泉名に加え、加水や加温など温泉の利用方法を読むと、供給された湯と入浴する湯の関係が分かります。温度は源泉と浴槽で異なるため、その日の掲示や体調に合わせて入ります。泉質は湯の特徴を表すもので、個々の病気の治療や回復を保証するものではありません。

一つの供給系統は、保守の日程が複数の施設へ影響することもあります。宿の継承では、ポンプから配管、施設内の設備へ至る管理範囲と連絡先を図にします。温泉利用許可と供給契約、費用と停止時の対応をそろえ、所有権の移転だけで条件が全て続くと考えません。湯を届ける仕事の理解が、安定した案内につながります。[S2][S3][S9][S11][L3]

泉質・源泉と、資料が示す範囲
対象泉質・湯の特徴温度pH分析日・資料の時点確認範囲
常磐湯本温泉・湯本温泉源泉の公式紹介含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉分析年月日をそろえて確認分析書で確認対象源泉・現地掲示で照合町への配湯を紹介する資料。浴槽の温度と利用方法は施設別に読む。[S2]

源泉の分析と、浴槽で使う湯を読み分ける。

分析書の源泉名・採水場所・年月日と、施設が掲示する加水・加温・循環・消毒の方法を合わせて確認します。地域に複数の源泉がある場合、ひとつの値をすべての湯宿や浴槽へ当てはめず、訪れる施設の最新の掲示を読んで入浴します。

いわき湯本温泉・古滝屋内の原子力災害考証館furusato
いわき湯本温泉・古滝屋内の原子力災害考証館furusatoPhoto: 妖精書士 / CC0

04 / ARCHITECTURE & TOWNSCAPE

再現の湯屋と、地下を伝える展示

さはこの湯は江戸末期の建築様式を再現した公衆浴場で、江戸期の建物がそのまま残るという紹介とは分けられます。ほるるの展示、温泉神社と街路も、湯と産業の町を読む場所です。古い由緒と現在の施設を並べ、使われる空間としてそれぞれの価値を味わえます。[S3][S5][S6][S9][L1]

いわき湯本温泉・古滝屋内の美空ひばりギャラリー
いわき湯本温泉・古滝屋内の美空ひばりギャラリーPhoto: 妖精書士 / CC0

さはこの湯の和風の外観は、温泉街の道に湯屋の存在を知らせます。江戸の風情を表す意匠と、今日使う浴場の設備が、一つの建物で旅人を迎えます。岩風呂や桧風呂の利用は現行の案内に沿って選び、湯上がりには外観を街路から眺めてみます。町を歩く人が入口を見つけやすく、暮らしの中で湯へ立ち寄れることも、共同浴場の建築が持つ働きです。

ほるるは、地上の建物から地下の働く空間を学ぶ施設です。模擬坑道は実際に自由に入れる廃坑とは異なり、展示として安全と説明を整えた場所です。採炭の設備や暮らしの資料を見てから街路へ戻ると、町に残る産業の痕跡が身近になります。見学する場所と立ち入らない場所を分ける案内も、遺産を伝える設計の一部です。

温泉神社は、町の由緒を知る参拝の場所です。駅から足湯、湯屋、資料館へ続く公開街路と合わせると、信仰と生活、観光が近い町の構造を読めます。宿の改修でも、館内の意匠だけでなく、道からの入口、湯上がりの休憩、雨の日の動線を考えられます。湯を使う建物を、外へ出る旅と切り離さずに整える視点が役立ちます。[S3][S5][S6][S9][L1]

建物・街並み・湯の道具に残る価値
建物・場所年代・位置付け残したい特徴
さはこの湯公衆浴場江戸末期の様式を再現した現在の施設町で日々使う湯と歴史の表現を結ぶ。江戸の遺構とは分ける。[S3]
いわき市石炭・化石館ほるる現在の展示施設化石と採炭、坑内の働く風景を展示として伝える。[S5]
温泉神社と公開街路社伝では1768年に現在地へ遷座湯ノ岳、観音山、現在の町を由緒から読む。建物の現存年代と分ける。[S6]

05 / STAY THROUGH THE SEASONS

季節の行事と、屋内の学びを組み合わせる

湯本では、春夏の町の催しと、通年で楽しむ湯や資料の鑑賞を組み合わせられます。暑さや雨の日は屋内の展示と休憩を長く取り、秋冬は温泉と土地の食を中心に選べます。行事や入浴の条件は当年の案内で読み、海辺や周辺の史跡へ足を伸ばす日は移動を別に整えます。[S4][S5][S7][S8][S9]

春は町の桜や行事を、駅から歩く行程へ一つ加える楽しみがあります。大きな周遊を計画する前に、温泉神社、足湯、童謡の資料を短く結ぶだけでも町の個性に触れられます。花と催しの時期は天候や開催の判断で変わります。歩く時間に休憩を置き、公開施設の当日の案内に合わせて行程を選ぶと、無理なく湯へ戻れます。

夏は町の祭りやフラの文化への関心が、宿の外へ出るきっかけになります。実施する場所と日程を現行の公式案内で読み、常時公演があるという約束にはしません。暑い時間にはほるるの展示や館内の読書を選べます。地域の芸能は働く人が支える文化でもあり、催しの賑わいと普段の町の生活を、両方味わえる余白を持たせます。

秋冬は、海から届く食材と湯が滞在の楽しみになります。湯本の町と港の産地は同じ場所ではないため、献立と入荷を聞きながら土地の広がりを知れます。雨や冷え込む日は、歩く距離を短くし、展示と入浴、茶の休憩を中心に組み立てます。みろく沢等の道を選ぶ場合は、公開と路面、天候を確認した範囲で歩きます。[S4][S5][S7][S8][S9]

春

駅から町へ歩く日

花や行事の当年案内を読み、神社と湯、休憩を短く結ぶ。[S4][S9]

夏

祭りと屋内の学び

催しの実施条件と暑さに合わせ、展示と休息を挟む。[S4][S5]

秋・冬

土地の食と湯の時間

周辺の史跡は通行と天候に合わせ、寒い日は展示と湯を中心に過ごす。[S7][S8]

いわき湯本温泉・通りから見上げる古滝屋
いわき湯本温泉・通りから見上げる古滝屋Photo: 妖精書士 / CC0

A WALK BETWEEN BATHS

湯の前後に、もうひと歩き。

駅と湯屋の街路

  1. 湯本駅周辺
  2. 鶴のあし湯広場
  3. さはこの湯周辺

現行の施設案内に合わせ、湯と休憩を短く往復する。[S3][S9]

童謡と神社を読む

  1. 童謡館周辺
  2. 温泉神社
  3. 公開街路

資料館の公開日を読み、本人のゆかりと町の由緒を知る。[S4][S6]

地下の仕事への入口

  1. ほるる
  2. 周辺の公開街路

展示を中心に選び、産業遺産の現場は主催者の公開コースと条件で参加する。[S5][S10]

TASTE OF THE REGION

みそまんじゅう

味噌を使う皮と白餡の菓子として組合が紹介する。町を歩く茶の休憩の候補。[S8]

TASTE OF THE REGION

じゃんがら

郷土芸能の太鼓をモチーフにした菓子。踊りそのものの由来と商品を分けて楽しむ。[S8]

TASTE OF THE REGION

いわきの地酒

太平桜等の地域の酒を食卓と土産で知る。蔵の見学や提供は現在の受け入れ案内で選ぶ。[S8]

開花や展示、見学の予定に合わせて、散策先を組み合わせてみてください。共同浴場や山道などの利用案内は、訪問前に公式サイトでご確認いただけます。写真は、それぞれの撮影時点の記録です。

06 / PRESERVING THE HERITAGE

配湯と街路を、町の基盤として受け継ぐ

いわき湯本の継承では、採炭と湯の歴史を、現在の揚湯と供給の仕組みへ結びます。古湯の名称から湯量や権利を保証せず、契約、許可、建物と設備の範囲をそろえる。公開の道と産業遺産の管理も合わせ、暮らす人と旅人が無理なく使える町の基盤を引き継ぎます。[S1][S5][S10][S11][L1][L2][L3]

産業の記憶を宿で伝える場合は、資料の由来と、写真を撮った場所や時点を示します。現場の設備を見学へ組み込む時には、揚湯場の外観等の公開条件と実施者の案内を尊重します。私有地や坑口へ自由に入る案内をせず、展示と街路の行程を選ぶことが、文化を伝える仕事と現場の安全を両立させます。

建物の調査では、浴場の湿気と腐食、設備の更新、防火と避難を図面へ重ねます。温泉供給の点検や停止時の連絡を工程へ置き、営業の承継手続と別に整理します。町を歩く利用者の休憩や荷物、食事の時間も含め、必要な人と費用を見える形にします。古い温泉地だから同じ条件が続くという前提を置かず、実務の資料を継ぎます。[S1][S5][S10][S11][L1][L2][L3]

01

文化と景観を残す

湯屋の再現様式、童謡と炭鉱の資料、神社の由緒を分けて記録します。町の歩く道と展示の公開条件をそろえ、写真と記憶の時点を明らかにします。[S3][S4][S5][S6]

  • 現況と残す価値の写真
  • 区域と個別指定の資料
  • 市町村の文化・景観担当への相談
02

建物の履歴と安全を調べる

浴場の湿気と腐食、配管、換気、防火と避難を建築士と調べます。確認・検査と改修の履歴を現況へ重ね、既存不適格等の適用と必要な手続を個別に整理します。[L1]

  • 確認・検査と改修の履歴
  • 構造・防火・避難の調査
  • 建築士と所管窓口の工事範囲協議
03

敷地と土地利用を確かめる

街路と敷地、斜面や産業遺産の管理境界を地番へ重ねます。公開コースの名だけで立入を判断せず、外構や掘削等の計画を市や管理者へ示して相談します。[S7][S10][L1]

  • 地番・境界・接道の図面
  • 区域図と対象行為の照合
  • 土地・道路等の担当窓口照会
04

温泉を使う権利を整える

源泉から町の配管、施設内の浴槽までの管理範囲を図にします。温泉利用許可と供給契約、料金と停止時の対応を分け、供給者と保健所へ承継の順番を相談します。[S2][S11][L3]

  • 源泉と浴槽の系統図
  • 分析書と温泉利用許可
  • 供給・保守・承継の条件
05

営業の承継を日程へつなぐ

旅館業の事業譲渡は事前承認等を確認し、温泉や厨房等の手続と別に工程へ並べます。建物の引渡し日だけで営業継続を保証せず、必要な資料と条件をそろえます。[L2][L3]

  • 譲渡する事業と申請者
  • 客室・厨房・浴場の現況図
  • 保健所との事前相談と工程
06

湯守の仕事を引き継ぐ

温度と衛生、清掃、配管と換気の点検を記録します。広域の保守による供給停止の連絡、代わりの案内と予約対応も含め、現場の判断と相手先を引き継ぎます。[S2][S11][L3]

  • 温度・清掃・衛生の記録
  • 配管・換気・部材の補修歴
  • 停止時の連絡と判断の引継ぎ

残す部分と、
直す仕事を同じ図面に。

文化財の指定・登録、景観や公園の区域、建物の適法性、営業・温泉の許可は、対象と手続が異なります。用途変更の200㎡という面積基準だけで工事全体の要否を判断せず、工事の種類、規模、既存建築の状態を整理し、建築士と所管窓口へ同じ計画を示して相談します。[NAT02][NAT03][NAT04]

07 / MORE VALUE, WITH MEMORY

地下の仕事を知り、湯へ戻る一泊

湯本では、ほるるの資料と町の湯を結ぶ滞在、童謡を読む休憩、土地の食の紹介が、宿の再生の入口になります。新しい設備を増やす前に、配湯、換気と清掃、駅からの到着を整える。産業の記憶を今日の暮らしに近い言葉で伝えることで、町に泊まる理由を提案できます。[S2][S4][S5][S9][L1]

採炭を学んだ後に湯へ入る行程では、歴史の説明を長く詰め込むより、湯が町へ届くことを一つの問いにできます。宿の読書場所に地域の資料を置き、雨情の作品と町のゆかりも短く紹介します。資料の転載や写真の利用は権利を整え、実際の公開施設へつなげます。宿が展示の全てを抱えず、町の文化へ案内する方法です。

駅に近い条件を生かすなら、到着前後の荷物、着替え、湯上がりの休憩を先に考えられます。使う棟と設備を調べ、配管や換気の更新を段階へ分けます。以下は対象施設を調査した上で考える提案です。実施に向けては、所有者と運営者が調査結果を共有し、修理費と毎日の仕事を合わせて判断します。[S2][S4][S5][S9][L1]

MODEL 01

ほるるから湯へ戻る一泊

提案として、展示と町の公衆浴場を短く結び、宿で休む時間を置きます。公開施設の条件と移動を合わせ、地下の仕事を知る案内を添えます。[S3][S5]

MODEL 02

童謡を読む休憩の宿

提案として、雨情の作品と地域の資料を紹介する読書場所を整えます。掲載・利用の権利を調べ、実際の資料館の公開へつなぎます。[S4]

MODEL 03

供給と換気から始める改修

提案として、配湯の管理範囲、湿気と腐食、防火を調べ、使う棟と工事の順を選びます。湯守と清掃の記録を設計に反映します。[S2][S11][L1]

改修費と、続けるための資金。

湯本では、供給を受ける配管と施設内の浴場、換気、防火、厨房を分けて見積もります。産業や文学の資料を伝える計画には、権利と案内の整備費も置きます。調査と設計、工事、許可や契約の整理を工程へ並べ、開業前に必要な費用と再開後の運転資金を分けます。使わない棟の維持、休館中の固定費、設備の故障に備える費用も、手元資金に含めて計画します。

催しのある日と通常の平日、冬を分け、料理、清掃、湯の管理と保守に必要な人の時間を比べます。供給停止時の対応と休館の費用も見込みます。融資や支援制度は、申請者、対象経費、着手時期等を制度ごとに照会します。歴史ある温泉や古い建物の名称だけで採択や融資が決まるものではありません。見積りと返済の条件をそろえ、営業と湯、工事と引渡しの工程を資金計画へ重ねます。[F1][L1][L2][L3]

設備資金・運転資金、事業の対象、組合等の条件により融資制度は異なります。実際の費用と営業計画をそろえ、融資・補助金の募集条件と支払時期を確かめて資金繰りを組み立てます。[NAT05][NAT06]

08 / MARKET & RELATED GUIDES

福島全体と、浜通りの湯の旅を分ける

福島県の旅には会津、中通り、浜通りの異なる目的が含まれ、いわき市にも海、産業、温泉等の広がりがあります。湯本では駅、湯屋、資料と宿泊の関係を個別に読みます。県の動向を一棟へ置き換えず、季節、交通、食事と泊数を記録して、町で過ごす時間を考えます。[S5][S8][S9][S10][S11]

市内観光の途中に足湯へ寄る人と、炭鉱や童謡、湯を目的に泊まる人では、必要な時間が異なります。予約の記録では交通手段、到着時刻、泊数、食事、同行者を分けます。港や周辺の史跡へ行く計画も温泉街の徒歩圏と混同せず、最後の移動を現実の行程へ落とすことで、駅から宿までの案内が具体的になります。

催しの日だけで人員や設備を決めず、通常の平日と冬の運営を比べます。湯、清掃、料理と保守を何人で回せるかを、実際の作業から考えます。供給の保守や施設の休館は時点と対象を分けて案内し、過去の断湯のお知らせを現在の停止と表現しません。湯本の仕事と宿の利用を合わせることが、長く続ける計画の基礎になります。[S5][S8][S9][S10][S11]

観光庁2025年1〜12月確定値/都道府県全域の値
対象延べ宿泊者数外国人延べ宿泊者数外国人構成比リゾートホテル客室稼働率
福島県全域9,599,100人泊359,730人泊3.7%62.5%

外国人構成比は外国人延べ宿泊者数÷全体から算出。いずれも都道府県全域の統計で、この温泉地単独の集計や個別施設の売上・稼働率を示すものではありません。[MK01]

福島県全域の、
月別の宿泊者数。

県全域の季節変動を、その宿の客層や営業日、月別の販売実績と重ねます。地域全体の動きと個別の宿の運営を行き来しながら、滞在と事業の計画を考えます。

福島県の宿泊市場特集へ →
福島県の月別数値を表で確認する
福島県全域/2025年月別延べ宿泊者数
月人泊
1月660,230人泊
2月690,050人泊
3月778,510人泊
4月712,050人泊
5月781,750人泊
6月754,950人泊
7月819,870人泊
8月1,048,240人泊
9月822,650人泊
10月927,080人泊
11月851,870人泊
12月751,850人泊

09 / QUESTIONS

引き継ぐ前の疑問を、資料からほどく

古湯の歴史、江戸の様式を再現した湯屋、地下の展示には、それぞれ対象と時代があります。見学できる場所と供給設備、宿を所有することと温泉を使う権利も分けて読みます。継承では建物、湯、営業をそろえ、管理範囲と停止時の対応まで含めて相談の工程を整えます。[S1][L1][L2][L3]

昔から同じ湯が途切れず供給されていますか。

公式の歴史は採炭の影響による変化と、送湯再開、新源泉からの揚湯を示します。古湯の由緒と現在の供給の仕組みを分けて読みます。[S1]

さはこの湯は江戸時代の建物ですか。

公式案内は江戸末期の建築様式を再現した建物としています。様式の表現と建物自体の年代を分けます。[S3]

揚湯場や坑口へ自由に入れますか。

公式の見学コースにも外観から見る場所と事前申込が示されています。実施者の公開条件に従い、管理区域や私有地へ入る案内は行いません。[S10]

宿を所有すれば湯の権利も全て移りますか。

所有権、温泉利用許可、供給契約は別です。対象源泉と施設、料金、保守、停止時の対応、承継条件を供給者と保健所へ相談します。[S2][S11][L3]

10 / PASS IT ON

この土地の湯を、次の担い手へ

駅から町を歩き、地下の仕事を知り、湯へ戻る。いわき湯本の価値は、古湯と産業の歴史を同じ土地で読めることです。次の担い手へは、童謡と炭鉱の記憶に加え、揚湯、配湯、建物と保守の記録を渡します。地域と宿の仕事を結び、町で休む一泊の未来を具体的に考えます。[S1][L1][L2][L3]

残したい建物、引き継ぎたい仕事、守りたい屋号。今ある価値と、次に必要な手入れを言葉にするところから、宿の承継は始まります。

OWNERS

歴史ある湯宿を、
非公開で次へつなぐ。

施設名を伏せた下書きから、現在の営業、建物、温泉の条件を整理できます。公開を始める前の段階からご相談ください。

NEXT KEEPERS

受け継ぎたい価値から、
取得の条件を考える。

地域、予算、運営する人、必要な改修。大切にしたい文化と、続けられる事業の条件を整理して、次の宿との出会いに備えます。

売却・承継の前に、無料の計算ツールで手取りや税の目安を確かめられます。非公開での売却・保全のご相談はエージェントに相談、ご自身での登録は物件を登録からどうぞ。

編集:ジャパンリアルター株式会社 / 堤 誠之プロフィール / TSUNAGUの想い / 代表者note ↗

出典・写真・編集について

本文・統計の出典

  1. [F1] 日本政策金融公庫|創業計画書セルフチェック・資金計画

    設備資金と運転資金、見積りと調達方法の点検。

  2. [L1] e-Gov|建築基準法

    建物の用途、確認手続、大規模修繕、既存建築物の適用関係。

  3. [L2] e-Gov|旅館業法

    営業許可と事業譲渡の事前承認。

  4. [L3] e-Gov|温泉法

    温泉の掘削・採取・利用と地位承継に関する制度。

  5. [MK01] 観光庁|宿泊旅行統計調査・2025年確定値

    都道府県全域の2025年年計・月別データです。各温泉地や個別宿の実績ではありません。

  6. [NAT02] 国土交通省|既存建築物の活用の促進

    既存建築物の現況調査、改修と活用のためのガイドライン・制度資料を掲載しています。

  7. [NAT03] e-Gov法令検索|文化財保護法

    文化財の指定・登録、保存、現状変更と所有者変更などに関する法律の本文です。

  8. [NAT04] 環境省|国立公園における届出・申請

    区域と行為に応じて必要となる自然公園法上の許可・届出を案内しています。

  9. [NAT05] 日本政策金融公庫|一般貸付(生活衛生貸付)

    生活衛生関係営業の設備資金等について、対象と条件を案内しています。

  10. [NAT06] 日本政策金融公庫|振興事業貸付

    認定振興計画を持つ組合の組合員を対象とする融資と必要な証明を案内しています。

  11. [S1] いわき湯本温泉旅館協同組合|温泉の歴史

    温泉神社、炭鉱と湯の変化、送湯再開と新源泉。

  12. [S10] 同|産業遺産めぐりコース

    揚湯場の外観等を巡る事前申込の案内。

  13. [S11] 同|湯本温泉郷断湯のお知らせ

    設備保守と供給停止に伴う施設案内。

  14. [S2] 同|伝統の湯

    源泉名、泉質分類、町への配湯と開湯伝承。

  15. [S3] いわき市観光サイト|さはこの湯公衆浴場

    江戸末期の様式を再現した公衆浴場。

  16. [S4] 同|野口雨情記念湯本温泉童謡館

    雨情ゆかりの資料と温泉街の散策。

  17. [S5] いわき市|石炭・化石館ほるる

    化石展示と常磐炭田、模擬坑道の資料。

  18. [S6] 温泉神社|公式案内

    社伝と現在地への遷座の由緒。

  19. [S7] いわき市観光サイト|石炭の道

    片寄平蔵と炭鉱の足跡、公開道の紹介。

  20. [S8] いわき湯本温泉旅館協同組合|名産・物産品

    地酒、菓子と地域の工芸。

  21. [S9] いわき市観光サイト|日帰り温泉

    公共浴場と足湯の現行利用案内。

確認日:2026年10月29日。伝承、史料、分析値、建築・保存の記録と、編集上の再生提案を分けて記述しています。

写真の撮影地・利用条件

写真は各配布元の利用条件に従って掲載しています。撮影時点の景観・設備であり、現在の営業状況や、紹介施設が売却対象であることを示すものではありません。

↑