TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aプラットフォーム
稲取高原・海とススキがつくる秋の風景
稲取高原・海とススキがつくる秋の風景Photo: SQUAREZERO / CC BY 4.0

HERITAGE ONSEN 100 — 91

守るべき日本の歴史・財産
名湯・秘湯遺産 厳選100撰

静岡県 / 海と断崖・火山と絶景の湯

北川・稲取・下田温泉。
潮騒の湯から、針仕事と開港の里へ

海へ向く北川、つるし飾りと金目鯛の稲取、港と蓮台寺の歴史を抱く下田。伊豆東岸を南へたどる旅には、潮騒だけではない町の時間があります。北川の海辺の浴場、稲取の暮らしの細工、下田の湯と史跡を別々に知り、景色から人の仕事へと一泊の楽しみを広げます。[3][4]

歴史

蓮台寺の湯宿の古文書、松陰と村医者の出会い、稲取の針仕事をそれぞれの場所で読む。

価値

朝の海と湯、港の魚、町の細工と川沿いの史跡が異なる過ごし方をつくる。

未来

海辺の浴場と宿、源泉と供給、公開史跡と生活の道を分け、手入れと案内を継ぐ。

HISTORY / VALUE / THE NEXT CHAPTER

残したい風景と、
湯のある暮らし。

北川温泉・海沿いに続く温泉街
北川温泉・海沿いに続く温泉街Photo: Batholith / Public domain

朝の海が窓へ光を運ぶ北川では、水平線を眺める時間が旅の中心になります。稲取へ進むと、港の魚と、願いを込めて縫い継いだつるし飾りが迎えます。下田では海の町から少し離れた蓮台寺や河内にも湯があり、川沿いの道と木の浴場、幕末の史跡を訪ねられます。海岸線の距離だけで行程を決めず、町で足を止める時間を残したい地域です。

北川と稲取は東伊豆町、下田は下田市です。下田温泉という呼び名の中にも複数の区域と源泉が含まれます。波打ち際の共同浴場、民家を伝える史跡、今も湯を使う宿では、守る対象と運営が違います。海況と現在の営業、源泉と建物の履歴をそれぞれの資料から読むと、海辺の宿を次へ渡す仕事も具体的になります。古い写真は、その時代の湯と海岸の姿を伝えてくれます。[3][4]

※本ページは地域の温泉文化・歴史遺産の解説であり、掲載写真や施設が売却案件であることを示すものではありません。

TSUNAGU独自の編集企画「名湯・秘湯遺産100撰」の第91撰です。公的な認定や順位を表すものではありません。

02 / HISTORY & MEMORY

湯宿の記録と、町が縫い継いだ願い

蓮台寺には湯宿の営みを示す古文書と、松陰が村医者に迎えられた史跡があります。稲取のつるし飾りは、子の成長を願う和裁の習わしを伝えます。人物の滞在、開湯の伝承、今に続く暮らしの文化をそれぞれの場所で知ると、海辺の温泉旅行に町の時間が重なります。[3][4][5]

下田市の歴史的風致の資料は、1740年の温泉に関する定めから、蓮台寺に湯宿を営む人がいたことを読み取ります。行基が湯を開いた話は伝承です。温泉を授けた神を祀る湯権現や、旧道の湯の華小径には、湯を生活の中で使う時間が残ります。古い名前を眺めるだけでなく、湯と道と祈りが近くにある町として歩けます。

1854年、ペリー艦隊を追って来た吉田松陰は、蓮台寺の共同湯で村医者の村山行馬郎と出会い、その家に迎えられました。現在の吉田松陰寓寄処は県指定の史跡です。松陰の話を北川や稲取の宿泊へ広げず、湯で交わった人の縁としてこの場所で読みます。開港の大きな歴史のそばに、旅人を迎えた一軒の家の時間があります。

稲取の雛のつるし飾りは、着物の端切れを持ち寄り、子どもの幸せを願う小さな人形を縫った習わしとして紹介されます。起源が全て確定した一つの年を置くのでなく、家庭から家庭へ伝わった手の仕事として知ります。花やうさぎ、桃など形に込めた意味を見ていくと、温泉と港の町に暮らす人々の願いが、華やかな展示の奥に見えてきます。[3][4][5]

  1. 1740年

    蓮台寺の湯宿を示す定め

    市の歴史的風致資料が、温泉に関する古文書から湯宿の営みを読む。[4]

  2. 1854年

    松陰と村医者の出会い

    蓮台寺の共同湯で出会い、村山邸へ寄寓する。下田の開港の時代と、湯の里の人のつながりを伝える。[4][5]

  3. 1867年

    金谷旅館の開業

    金谷旅館が開業年として紹介する年。宿の沿革と、河内の湯を迎える場の歩みを伝える。[8]

  4. 1915年

    千人風呂の建築

    金谷旅館の木造大浴場の年代。浴場を使い続けるための手入れとともに、湯の空間を読む。[8]

  5. 1941年10月27日

    吉田松陰寓寄処の指定

    静岡県の史跡として指定。周辺の温泉宿とは指定を分ける。[5]

吉田松陰

蓮台寺

1854年に蓮台寺を訪ね村山邸へ寄寓。湯の里の出会いと、開港へ向かう下田の人の動きを伝える。[4][5]

村山行馬郎

旧村山邸

共同湯で出会った松陰を家へ迎えた村医者。[4][5]

つるし飾りを縫い継ぐ人々

稲取

端切れと和裁に子どもの幸せの願いを込め、家庭と町へ文化を伝える。[3]

03 / THE WATER & ITS KEEPERS

海岸と里の湯を、源泉ごとに味わう

稲取は塩化物泉として紹介され、下田では蓮台寺や河内など複数の湯が別々にあります。河内の金谷旅館は自家源泉の単純泉を公表します。海に近いという印象だけで全てを同じ泉質や供給方式へそろえず、源泉と浴槽、今の利用条件を一つずつ知って湯へ向かいます。[1][2][7][8]

稲取温泉旅館協同組合は泉質を塩化物泉と紹介しています。これは地域を知る入口で、各宿の井戸、配湯と浴槽の管理を全て同じとする説明ではありません。港を見ながら湯に入る宿も、海へ向く露天を持つ宿も、使う源泉と設備をそれぞれに読む必要があります。料理と眺めの印象に加え、湯の掲示に目を向けると施設ごとの違いを味わえます。

下田温泉は、蓮台寺、河内、白浜、観音、相玉などの湯を束ねた総称です。海岸の宿だけを指す名前ではありません。金谷旅館は河内温泉の自家源泉と、弱アルカリ性の単純泉を紹介します。総称のページの温度や湯量を全ての宿へ移さず、各源泉の現行分析と浴槽の使い方へ進みます。川沿いの里と海辺では、湯へ向かう風景も異なります。

北川の黒根岩風呂は、波打ち際の湯として知られますが、組合は2026年10月7日付で高波による破損と当面の営業停止を公表しています。現在入れる浴場として予定に組み込まず、再開は公式の案内で判断します。海の眺めと近さを魅力にする施設ほど、波と外装、給排水、清掃の動線を含めた維持の仕事が滞在を支えます。[1][2][7][8]

泉質・源泉と、資料が示す範囲
対象泉質・湯の特徴温度pH分析日・資料の時点確認範囲
稲取温泉塩化物泉として組合が紹介個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載源泉と供給、作湯は各施設の現行資料で調べる。[2]
河内・金谷旅館弱アルカリ性の単純泉個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載当宿の自家源泉かけ流しの説明。下田全施設へ一般化しない。[8]
下田温泉の総称複数の温泉の総称で、各区域と施設により異なる個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載蓮台寺・河内・白浜・観音・相玉を区別。総称の数値を全宿の分析値としない。[7]

源泉の分析と、浴槽で使う湯を読み分ける。

分析書の源泉名・採水場所・年月日と、施設が掲示する加水・加温・循環・消毒の方法を合わせて確認します。地域に複数の源泉がある場合、ひとつの値をすべての湯宿や浴槽へ当てはめず、訪れる施設の最新の掲示を読んで入浴します。

稲取・済廣寺の参道と鐘楼
稲取・済廣寺の参道と鐘楼Photo: Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0

04 / ARCHITECTURE & TOWNSCAPE

木の浴場と民家、海辺の湯のかたち

河内の木造浴場、蓮台寺の旧村山邸、北川の海辺の共同浴場は、違う使い方と保全を持ちます。古さを一つの価値へまとめず、現存部材と修理、指定対象と今の運営を読みます。館内の湯と公開史跡を別の場所として訪ねると、建物を使い続ける仕事の違いも伝わります。[1][4][5][8]

稲取港・漁船と港町の風景
稲取港・漁船と港町の風景Photo: Drivephotographer / CC0

金谷旅館の千人風呂は、公式が1915年の建築と紹介する木の大浴場です。湯船だけでなく、壁と天井にも木の表情が続きます。隣の婦人浴場や貸切の一銭湯には別のつくりと履歴があり、一銭湯は現存する古い部分が屋根の一部と説明されます。全てが創業時のまま残るとせず、湯を使いながら受け継いだ形として見たい場所です。

吉田松陰寓寄処は、村医者が暮らした旧村山邸を伝える史跡です。市の資料は詳細な建築年を不明とし、構造と記録から1854年以前の建物と考えています。旅館の客室として使う場所とは異なり、資料を保存し公開する役割があります。ここで人を迎えた小さな家の姿と、湯のある道の近さを一緒に読むと、幕末の旅が身近になります。

黒根岩風呂は、海と岩の間に浴槽を置く共同浴場です。美しい過去の写真にも、台風被害と修理の履歴があります。現在の破損と営業停止を隠して、いつでも入れる景観施設のようには紹介できません。海沿いの宿の改修を考える際も、海へ向く窓と席だけでなく、波と塩、避難、設備を点検する経路を建物の価値と一緒に読みます。[1][4][5][8]

建物・街並み・湯の道具に残る価値
建物・場所年代・位置付け残したい特徴
金谷旅館の千人風呂1915年と公式が紹介木の壁と天井、湯船の構造を、日々の湯の管理と一緒に読む。[8]
吉田松陰寓寄処・旧村山邸1854年以前と市資料が判断、詳細な建築年は不明県指定史跡。旅人を迎えた民家と公開施設の役割を読む。[4][5]
北川の黒根岩風呂海辺の共同浴場、被害と改修の履歴を持つ2026年10月7日付で当面休業。写真の美しさと現在の利用を分ける。[1]

05 / STAY THROUGH THE SEASONS

花と針仕事、海の食を違う季節に

早春の稲取ではつるし飾り、蓮台寺では花桃と文化財の特別公開が旅を彩ります。初夏は赤いか、秋冬は魚と湯を中心に過ごせます。日付を越えて催しが続くとせず、海況と各施設の公開に合わせて予定を組むと、海だけに頼らない伊豆東岸の滞在が生まれます。[3][6][9][10][11]

早春の稲取では、雛のつるし飾りを通して針仕事と家族の願いを知れます。文化公園雛の館や制作体験は、それぞれの公開と予約に沿って訪ねます。町の道を歩き、魚の食事と湯へ戻る一日が組めます。祭りの開催年と通常の展示、次の季節の予定を混ぜず、その時に開く場所を選ぶことで、日常の町にも無理なく立ち寄れます。

蓮台寺の春は、白や桃色の花桃が川沿いの里を彩ります。2026年の案内には大日如来坐像などの特別公開もあり、史跡を訪ねる行程が示されました。像と史跡、祭りの展示は公開の範囲が別々です。花の盛りを一日の約束にせず、湯の華小径と温泉、建物を訪ねる時間へ広げると、開花が前後する日にも里の雰囲気を楽しめます。

初夏の下田には赤いかを扱う料理企画があり、刺身や握り、天ぷらなど違う食べ方を知れます。金目鯛は稲取と下田で、水揚げと店の仕入れを知って味わいたい魚です。海況や入荷が替わる日は、同じ写真の一皿にこだわらず店の案内を聞きます。秋冬も魚と湯、町の休憩を中心に、潮と風に合わせて外歩きの長さを替えられます。[3][6][9][10][11]

早春

針仕事と花の里へ

稲取の展示と蓮台寺の花桃を別の行程で訪ねる。特別公開は開催年の案内に沿う。[3][6]

初夏

赤いかの食へ

下田の料理企画と入荷に合わせて一皿を選び、湯と港の短い散策を組む。[10][11]

秋から冬

魚と湯、館内の海景

金目鯛の食を店の仕入れに合わせて味わい、風と高波の日は館内で休む時間を増やす。[1][9][11]

下田・寝姿山から下田港を望む
下田・寝姿山から下田港を望むPhoto: Fumihiko Ueno / CC BY 3.0

A WALK BETWEEN BATHS

湯の前後に、もうひと歩き。

北川の海を公開道から

  1. 北川の海沿いの公開道
  2. 宿の海を眺める席

黒根岩風呂は2026年10月7日付で当面休業。浴場への立入や入浴を予定せず、高波時は海岸へ近付かない。[1]

稲取の針仕事へ

  1. 文化公園雛の館
  2. 稲取の町の公開道

展示と制作の背景を知り、港の食と組む。会場の公開と体験の予約をそれぞれの案内に沿って選ぶ。[3][9]

蓮台寺の湯と家へ

  1. 湯の華小径
  2. 吉田松陰寓寄処
  3. 天神神社の公開場所

古い道と湯の信仰を訪ねる。像の特別公開と通常の境内、生活に使う湯を別に考え、私有地に踏み込まない。[4][5][6]

TASTE OF THE REGION

稲取港の金目鯛

稲取港水揚げを仕入れる宿が、煮付けや刺身などを紹介する。魚の産地と仕込みを知り、提供する宿の味を楽しむ。[9]

TASTE OF THE REGION

下田の赤いか

初夏のケンサキイカを、刺身と火を通す料理で味わう。2026年6月の企画は終了した季節の例で、通年提供を約束しない。[10]

TASTE OF THE REGION

下田の市場の魚料理

市場内の食堂では金目鯛などの料理を提供する。水揚げと当日の仕込みに合わせ、港を眺める旅に食の仕事を重ねる。[11]

開花や展示、見学の予定に合わせて、散策先を組み合わせてみてください。共同浴場や山道などの利用案内は、訪問前に公式サイトでご確認いただけます。写真は、それぞれの撮影時点の記録です。

06 / PRESERVING THE HERITAGE

潮と木、湯の経路を別々に継ぐ

北川と稲取、下田の各区域では、海辺の浴場、宿の建物、公開史跡と生活の道が別の管理を持ちます。源泉と供給、作湯も施設ごとに調べます。古い写真と現在の営業を分け、海側の設備、木の修理、清掃と案内の担当を資料へ結ぶことが、次の運営の出発点です。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

北川では波と外装、給排水を、稲取では湯と厨房、町の展示を、下田では各源泉と建物の役割を分けて整理します。共同浴場と自館の宿、県史跡の保存を同じ工事の範囲へまとめません。残る木材と更新する設備、海岸と道路の管理を図にし、現在の休業と再開の情報を誰が客へ伝えるかまで、現場の仕事として引き継ぎます。

引継ぎの資料は、建物、営業、敷地、温泉、日々の管理に分けてそろえます。図面と現地が違う部分を先に洗い出し、所有者と管理者、工事を担う人を同じ表に置きます。保存の価値があることと、自由に改修できることは別の話です。残す部材と更新する設備を具体的に示せば、関係窓口との相談も、現場への引継ぎも進めやすくなります。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

01

海と町の文化を分けて残す

つるし飾り、蓮台寺の史跡、海の景観は別の対象。伝承と指定、現在の公開を資料へ結ぶ。[1][3][4][5]

  • 伝承と記録
  • 指定と公開範囲
  • 撮影年と現況
02

木の浴場と旧民家の履歴

浴場の修理と史跡の保存は役割が違う。残る部材、構造と設備、避難と公開の動線を個別に読む。[4][5][8]

  • 建築と修理の記録
  • 部材と設備の現況
  • 用途と避難の図
03

町と市、海岸と川の敷地

北川・稲取の東伊豆町、下田市の各区域を分ける。海岸の管理と私有地、道路と点検の経路を図にする。[1][2][4][7]

  • 所在地と境界
  • 海岸と道路の管理
  • 敷地と進入路
04

源泉と供給を別にたどる

稲取と下田の各湯、河内の自家源泉を混ぜず、分析と供給、作湯と排水の資料をそろえる。[2][7][8]

  • 源泉と配湯の資料
  • 現行分析と作湯
  • 排水と点検記録
05

宿と見学施設の役割

宿泊、共同湯、史跡の公開、展示と食を別の業務にする。営業の承継と建物の保存を一括しない。[1][3][5][8][11]

  • 用途と営業の資料
  • 見学と入浴の案内
  • 受付と清掃の担当
06

海況と湯の日々の管理

海辺の外装と給排水、木の浴場の点検を残す。休業と再開、見学の変更を客へ伝える担当も決める。[1][8]

  • 波と設備の記録
  • 湯と清掃の点検
  • 休業と再開の連絡

残す部分と、
直す仕事を同じ図面に。

文化財の指定・登録、景観や公園の区域、建物の適法性、営業・温泉の許可は、対象と手続が異なります。用途変更の200㎡という面積基準だけで工事全体の要否を判断せず、工事の種類、規模、既存建築の状態を整理し、建築士と所管窓口へ同じ計画を示して相談します。[NAT02][NAT03][NAT04]

07 / MORE VALUE, WITH MEMORY

海の朝から、町と里へ出る一泊へ

朝の海、稲取の針仕事と魚、蓮台寺の史跡と河内の湯を、違う時間に配する宿の役割を考えられます。休業中の共同浴場を商品の前提にせず、天候で予定を替える余白を持ちます。湯と清掃、配膳の担当が回せる小さな範囲から、一泊の楽しみを磨く提案です。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

海を眺める席に三地域の地図を置き、翌日の見学を一つ選べる案内を作る案があります。稲取では飾りの形に込めた願い、下田では湯で出会った人の話を短く伝えます。館外へ出る人と館内で休む人に同じ予定を押し付けず、食事の時刻と清掃を試します。景色のよい日だけを成功とせず、雨の日にも落ち着いて休める席を用意します。

再生は、客室の見た目を変えるだけで完了する仕事ではありません。小さな範囲で給湯、清掃、食事、案内の動きを試し、担当者が無理なく回せる形を探ります。以下の三案は、この土地の特徴から考えた計画の提案です。特定の宿の取引や実施済みの成果ではなく、地域の魅力を次の運営へ渡すための出発点として読んでください。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

MODEL 01

朝の海と町の手仕事を結ぶ

海を見る一泊に、稲取の展示と食を別の時間で組む提案。黒根岩風呂の再開を前提の商品にしない。[1][3][9]

MODEL 02

里の湯と開港の背景へ

下田の港と蓮台寺の史跡、河内の湯を分けて案内する提案。歴史の家を宿へ自由に転用する案ではない。[4][5][8]

MODEL 03

湯の設備と海側を段階更新

源泉と給湯、海側の外装と避難、清掃を先に調べ、席と部屋を順に整える提案。食の担当も同時に試す。[1][2][7][8]

改修費と、続けるための資金。

海側の外装と窓、波への備え、給湯と排水、木の浴場の修理、厨房と客室を分けて積算します。共同浴場や史跡の保存費を自館の工事へ一括せず、実施者と対象をそろえます。工事で休む範囲と期間、営業後の清掃と点検、海側の修繕を続ける資金まで計画へ入れます。

資金制度は、保存、設備、防災、運営など目的ごとに対象と手続を調べます。採択や融資を先に約束せず、所有者と実施者、工事の範囲、着工前の条件をそろえて相談します。更新費だけでなく、営業を休む間の費用と、開業後の点検・修繕に残す資金を合わせて考えます。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

設備資金・運転資金、事業の対象、組合等の条件により融資制度は異なります。実際の費用と営業計画をそろえ、融資・補助金の募集条件と支払時期を確かめて資金繰りを組み立てます。[NAT05][NAT06]

08 / MARKET & RELATED GUIDES

海岸線の人気と、各宿の一泊を分ける

伊豆半島全体、東伊豆町、下田市、共同浴場や史跡の来訪と宿泊では対象が違います。展示、花、海の食、温泉では季節と仕事も替わります。広域の知名度を各宿の稼働へ直接重ねず、自館の泊数と目的、食事と清掃、海況による変更と湯の維持から営業を組みます。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

海を見て通り過ぎる人、つるし飾りを見て泊まる人、史跡と湯を訪ねる人では、到着と出発の時刻が違います。自館では目的、人数、泊数、食事と外出、清掃と湯の担当、天候による変更を分けて記録します。海水浴の季節の来訪を通年の需要へ延ばさず、花と食の入荷、見学先の公開、海側の修繕費も含めてサービスを選びます。

事業の検討では、売る客室の数だけでなく、掃除や湯の管理、食事の準備に必要な時間を記録します。工事中に使えない場所と休止期間を先に置き、支出と入金の時期を並べます。温泉地としての評価や歴史は、個別施設の収益や資金調達を約束するものではありません。現場が受け持てる仕事の量から、季節ごとの営業計画を組み立てます。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

観光庁2025年1〜12月確定値/都道府県全域の値
対象延べ宿泊者数外国人延べ宿泊者数外国人構成比リゾートホテル客室稼働率
静岡県全域22,407,160人泊2,228,930人泊9.9%55.7%

外国人構成比は外国人延べ宿泊者数÷全体から算出。いずれも都道府県全域の統計で、この温泉地単独の集計や個別施設の売上・稼働率を示すものではありません。[MK01]

静岡県全域の、
月別の宿泊者数。

県全域の季節変動を、その宿の客層や営業日、月別の販売実績と重ねます。地域全体の動きと個別の宿の運営を行き来しながら、滞在と事業の計画を考えます。

静岡県の宿泊市場特集へ →
静岡県の月別数値を表で確認する
静岡県全域/2025年月別延べ宿泊者数
月人泊
1月1,621,850人泊
2月1,647,360人泊
3月2,045,910人泊
4月1,733,900人泊
5月1,838,730人泊
6月1,464,000人泊
7月1,940,780人泊
8月2,527,970人泊
9月1,726,690人泊
10月1,881,750人泊
11月2,035,460人泊
12月1,942,750人泊

09 / QUESTIONS

土地の価値と、個別の条件を分ける

地域の由緒、建物の指定、源泉と配湯、営業の許可は、それぞれ対象が異なります。土地の魅力を知った後は、個別の敷地と施設の資料へ進みます。残したい風景や過ごし方と、現場で続ける仕事を一緒に整理すると、調査や相談で確かめたい点が具体的になります。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

下田温泉は一つの源泉ですか。

複数の区域の湯を束ねた総称です。蓮台寺、河内、白浜、観音、相玉などを分け、各施設の資料を読みます。[7][8]

黒根岩風呂へ今すぐ入れますか。

2026年10月7日付の組合案内は高波による破損で当面休業としています。再開は公式の更新で判断します。[1]

松陰ゆかりの史跡は宿泊できる宿ですか。

吉田松陰寓寄処は旧村山邸を伝える県指定史跡です。営業する温泉宿とは別の公開施設として訪ねます。[4][5]

稲取の金目鯛は全ての宿で同じ産地ですか。

宿と店の仕入れで異なります。稲取港水揚げを公表する施設の説明を、周辺全宿へ一般化しません。[9]

10 / PASS IT ON

海と針仕事、湯の道から残す役割を探す

北川の海、稲取の展示、蓮台寺と河内を別の時間で訪ねてみてください。残したい過ごし方が見つかったら、現在の営業、所在地と敷地、建物の履歴、源泉と供給、食と清掃の担当へ進みます。海沿いの近さの中にある違いを知ることが、その宿の時間を次へ渡す入口です。[1][2][3][4][5][7][8][9][11]

残したい建物、引き継ぎたい仕事、守りたい屋号。今ある価値と、次に必要な手入れを言葉にするところから、宿の承継は始まります。

OWNERS

歴史ある湯宿を、
非公開で次へつなぐ。

施設名を伏せた下書きから、現在の営業、建物、温泉の条件を整理できます。公開を始める前の段階からご相談ください。

NEXT KEEPERS

受け継ぎたい価値から、
取得の条件を考える。

地域、予算、運営する人、必要な改修。大切にしたい文化と、続けられる事業の条件を整理して、次の宿との出会いに備えます。

売却・承継の前に、無料の計算ツールで手取りや税の目安を確かめられます。非公開での売却・保全のご相談はエージェントに相談、ご自身での登録は物件を登録からどうぞ。

編集:ジャパンリアルター株式会社 / 堤 誠之プロフィール / TSUNAGUの想い / 代表者note ↗

出典・写真・編集について

本文・統計の出典

  1. [1] 北川温泉旅館組合|黒根岩風呂

    海辺の共同浴場、2026年10月7日付の高波による休業。

  2. [10] 下田市観光協会|赤いかキャンペーン

    ケンサキイカと初夏の漁、2026年6月の料理企画。

  3. [11] 伊豆漁業協同組合|市場の食堂金目亭

    下田市魚市場にある食堂と市場直送の魚料理。

  4. [2] 稲取温泉旅館協同組合|稲取温泉について

    稲取の温泉と塩化物泉の地域紹介。

  5. [3] 同|雛のつるし飾り

    由来の伝承、端切れと和裁、文化公園雛の館と制作体験。

  6. [4] 下田市|蓮台寺温泉にみる歴史的風致

    1740年の古文書、湯権現、道と共同湯、村山邸の建築と松陰。

  7. [5] 下田市|吉田松陰寓寄処

    1854年の来訪と村山行馬郎、1941年県史跡指定。

  8. [6] 下田市観光協会|蓮台寺しだれ桃と歴史文化財めぐり

    2026年春の公開と花桃。大日如来像と史跡の指定を分ける資料。

  9. [7] 下田温泉旅館協同組合|伊豆下田100景

    下田温泉が複数の温泉の総称であることと施設別案内。

  10. [8] 金谷旅館|千人風呂

    1867年開業、1915年千人風呂、自家源泉の河内温泉と木造浴場。

  11. [9] はまべ荘|よくあるご質問

    稲取港水揚げの金目鯛を仕入れる当宿の料理と調理法。

  12. [MK01] 観光庁|宿泊旅行統計調査・2025年確定値

    都道府県全域の2025年年計・月別データです。各温泉地や個別宿の実績ではありません。

  13. [NAT02] 国土交通省|既存建築物の活用の促進

    既存建築物の現況調査、改修と活用のためのガイドライン・制度資料を掲載しています。

  14. [NAT03] e-Gov法令検索|文化財保護法

    文化財の指定・登録、保存、現状変更と所有者変更などに関する法律の本文です。

  15. [NAT04] 環境省|国立公園における届出・申請

    区域と行為に応じて必要となる自然公園法上の許可・届出を案内しています。

  16. [NAT05] 日本政策金融公庫|一般貸付(生活衛生貸付)

    生活衛生関係営業の設備資金等について、対象と条件を案内しています。

  17. [NAT06] 日本政策金融公庫|振興事業貸付

    認定振興計画を持つ組合の組合員を対象とする融資と必要な証明を案内しています。

確認日:2026年10月29日。伝承、史料、分析値、建築・保存の記録と、編集上の再生提案を分けて記述しています。

写真の撮影地・利用条件

写真は各配布元の利用条件に従って掲載しています。撮影時点の景観・設備であり、現在の営業状況や、紹介施設が売却対象であることを示すものではありません。

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