TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aプラットフォーム
湯河原・万葉公園の渓流と紅葉
湯河原・万葉公園の渓流と紅葉Photo: Tighten up! from Tokyo, Japan / CC BY 2.0

HERITAGE ONSEN 100 — 07

守るべき日本の歴史・財産
名湯・秘湯遺産 厳選100撰

神奈川県 / 千年古湯・風土記と文人の湯

湯河原温泉。
渓流と本の余白に、湯の時間が続く。

湯河原温泉では、万葉集に詠まれた湯の記憶から、文人の滞在、旅館を生かす美術館、現在の惣湯へと時間が続きます。渓流の木陰を歩き、展示を見て、本を開く。山の緑と海辺の柑橘に囲まれた町で、休む文化と湯を分かち合う仕事を、次の世代へつなぐ価値をたどります。[S1][S2]

歴史

万葉集の湯の歌と、共同の湯坪を大切にした惣湯の記憶を伝える。

価値

旧旅館を使う美術館、渓流の公園、文学と入浴が休む時間をつくる。

未来

景観の方針、町営温泉等の供給、建物の履歴を運営につなぐ。

HISTORY / VALUE / THE NEXT CHAPTER

残したい風景と、
湯のある暮らし。

湯河原・藤木川沿いの町並み
湯河原・藤木川沿いの町並みPhoto: Quercus acuta / CC BY-SA 4.0

湯河原の駅から温泉場へ向かうと、海辺の明るさが少しずつ山と川の風景へ変わります。万葉公園の木陰、美術館の庭、宿の部屋で本を読む時間は、遠くまで巡る旅とは別の満足をつくります。湯へ入る前後の余白が、この町を味わう手掛かりです。落合橋の周辺を歩き、行き先を一つ選んで腰を落ち着けると、谷の時間が身近になります。

湯河原には、地域で分かち合った惣湯の記憶と、近代の文化人が過ごした場所が重なります。古い宿を別の文化施設へ使うことも、湯と休息を現代の一日へ編み直すことも、継承の形です。土地の物語と実際の建物、源泉と営業の条件を丁寧に分けながら、静かに休める場所を働く人が守り続ける仕組みまで見ていきます。[S1][S2]

※本ページは地域の温泉文化・歴史遺産の解説であり、掲載写真や施設が売却案件であることを示すものではありません。

TSUNAGU独自の編集企画「名湯・秘湯遺産100撰」の第7撰です。公的な認定や順位を表すものではありません。

02 / HISTORY & MEMORY

歌の湯から、共有する惣湯へ

湯河原の歴史は、万葉集の湯の歌と、村人が共同で守った湯坪の記憶からたどれます。近代には文化人が静養に訪れ、休む場所としての性格が育ちました。由緒の古さと現存する建物の年代を分けて読むと、湯を分かち合う工夫が時代ごとに続いていると分かります。[S1][S2][S9]

万葉集に詠まれた湯は、今の公園の名にもつながります。町は佐佐木信綱の提言による命名を紹介し、古い歌が現代の風景の受け止め方を育てたことを伝えています。歌に現れる地名や湯を知ることと、現在の浴槽が当時から同じ姿であることは別です。言葉を手掛かりに川のそばへ出ると、土地の長い記憶に触れられます。

惣湯の公式案内は、河原から湧く共同の湯坪を村湯や惣湯と呼び、地域で管理した歴史を紹介しています。湯の価値は所有することだけでなく、人が一緒に使い手入れした関係にもあります。現在の施設は、その考え方を入浴と食、読書の時間へつなげています。昔の仕組みをそのまま再現するのではなく、現代にどう開くかという継承です。

町立美術館には、湯河原で晩年を過ごした竹内栖鳳や安井曾太郎など、土地にゆかりの画家の作品が集まります。文化人の滞在の記憶は、名前の一覧だけでなく、作品と建物、庭の関係として味わえます。展示の入れ替えや企画は現行案内で選び、毎回同じ作品が見られると決めずに訪ねると、町へ戻る楽しみも生まれます。[S1][S2][S9]

  1. 万葉集の時代

    湯を歌に詠む

    温泉の記憶が歌集を通して伝わる。[S1]

  2. 江戸時代

    共同の湯坪を守る

    惣湯や村湯という呼び名と地域の管理を公式案内が紹介する。[S1]

  3. 1998年

    旧旅館を改装して美術館へ

    湯河原ゆかりの美術館として開館。[S2]

  4. 2006年

    町立湯河原美術館へ改称

    平松礼二館の開設を機にリニューアル。[S2]

  5. 2014年4月5日

    休憩と交流の場を開設

    温泉場ぶらりお休み処が開く。[S11]

竹内栖鳳

町立湯河原美術館

晩年を湯河原で過ごし、作品が町立美術館に集められる画家。[S2]

安井曾太郎

町立湯河原美術館

湯河原で晩年を過ごした画家として、美術館が作品と関係を伝える。[S2]

佐佐木信綱

万葉公園

万葉公園の命名を提言したと町が紹介する。[S9]

03 / THE WATER & ITS KEEPERS

湯を分ける仕組みと、浴槽ごとの個性

湯河原の湯は、塩化物・硫酸塩を含む泉質として案内されます。地域の主な泉質と、対象源泉の分析書は別の情報です。宿や日帰り施設で使う湯の系統、温度の調整、衛生管理を知ると、静かに身をゆだねる一時間が、町と現場の仕事に支えられていると分かります。[S1][S8][S12][L3]

こごめの湯の公式紹介には、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉が示されています。主な泉質を知る入口として読み、別の宿の成分や源泉温度まで同じと考えません。浴場では源泉名と分析年月日、利用状況の掲示を読み、自分の体調に合わせて入ります。医療の結果を約束する言葉より、心地よく休む時間を大切にしたいものです。

湯河原町は、町営温泉の仕組みを伝える講座も設けています。温泉街の裏側には、湯を集め、送り、料金や設備を管理する制度と現場があります。宿を引き継ぐ際は、自家源泉か供給を受ける湯かを特定し、名義と契約、利用許可を分けます。町全体の物語から、実際に一つの浴槽へ届く条件へと視点を近づけていきます。

湯上がりに本や食事を挟む過ごし方は、入浴を何度も急ぐ行程にしない点でも役立ちます。惣湯や日帰り湯、宿の浴場にはそれぞれ利用条件があるため、予約や休止の情報は現行案内へつなぎます。清掃と温度管理の時間を確保し、設備が止まる場合の連絡まで整えることが、湯を分け合う文化を今日の運営へ引き継ぎます。[S1][S8][S12][L3]

泉質・源泉と、資料が示す範囲
対象泉質・湯の特徴温度pH分析日・資料の時点確認範囲
こごめの湯公式の主な泉質紹介ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉対象源泉の分析書で確認分析書で確認施設掲示で確認地域の主な泉質を紹介する施設公式ページ。源泉を特定した数値表ではない。[S8]

源泉の分析と、浴槽で使う湯を読み分ける。

分析書の源泉名・採水場所・年月日と、施設が掲示する加水・加温・循環・消毒の方法を合わせて確認します。地域に複数の源泉がある場合、ひとつの値をすべての湯宿や浴槽へ当てはめず、訪れる施設の最新の掲示を読んで入浴します。

湯河原・かつての独歩の湯の風景
湯河原・かつての独歩の湯の風景Photo: NY066 / CC BY-SA 3.0

04 / ARCHITECTURE & TOWNSCAPE

旅館を美術館へ、休息の場所を育てる

湯河原では、老舗旅館を改装した町立美術館が、建物を使いながら役割を変える例を伝えます。万葉公園の現代の施設、地域の休憩所も、町で過ごす時間を支えます。由緒と建築年代、文化財指定を混ぜず、川や庭と人の動きから、それぞれの器の価値を読みます。[S2][S3][S11][L1]

湯河原温泉・窓越しに緑を望む和室
湯河原温泉・窓越しに緑を望む和室Photo: Daniel Rubio from Sevilla, España / CC BY-SA 2.0

町立湯河原美術館は、一九九八年に老舗旅館を改装して開館しました。建物を全て昔のまま固定するのではなく、展示を見る、庭を眺める、休むという利用へ整えた場所です。旧旅館であることと、現在の全ての意匠や設備が同じ時代に属することは分けて考えます。用途を変えて残す際に、何を受け継ぎ何を改めるかを学べます。

二〇〇六年には平松礼二館の開設を機に改称し、現在は公開アトリエ等も案内されています。庭に面するカフェには足湯があり、鑑賞と湯が同じ滞在の中に入ります。新しい役割を加える時も、厨房、展示、入浴、休憩には異なる設備と動線が必要です。実際の再生計画では、魅力的な組み合わせを運営できる配置へ落とし込むことが大切です。

温泉場ぶらりお休み処は、旅人の休憩と住民の交流を兼ねる場です。こうした小さな拠点があれば、坂道の散策を短く区切れます。宿の改修でも、道路からの入口や外出の支度、雨の日の待機場所を見直す余地があります。建物の中の快適さだけでなく、町を歩く人へどう開くかという視点が、湯河原の風景とのつながりを育てます。[S2][S3][S11][L1]

建物・街並み・湯の道具に残る価値
建物・場所年代・位置付け残したい特徴
町立湯河原美術館1998年開館、2006年改称旧旅館を改装し、作品、庭、休憩の時間を結ぶ。文化財指定の説明ではない。[S2]
万葉公園・湯河原惣湯の施設現代の公園と入浴・休憩の拠点共同の湯の記憶を、食事や読書を含む現在の滞在へつなぐ。[S1]
温泉場ぶらりお休み処2014年4月5日開設旅人の休憩と住民の交流を兼ね、歩く町を支える。[S11]

05 / STAY THROUGH THE SEASONS

花と蛍、秋のみかんを訪ねる

湯河原の季節は、梅の花や渓流の緑、蛍、紅葉とみかんへ巡ります。万葉公園と美術館の庭を短くつなぐ日と、農園や梅林へ足を延ばす日を分けると、移動に追われません。湯と読書を軸に、天候と当年の案内に合う季節の景色を一つ加える旅を楽しめます。[S2][S4][S5][S10]

早春は湯河原梅林の催しが、花を訪ねるきっかけになります。温泉場の中心とは移動を分け、開花や道、交通の現行案内で行程を選びます。花の見頃に全てを合わせず、鑑賞のあとに美術館や湯で休む時間を残すと、寒い日にも落ち着いて過ごせます。庭の木々や川辺の色にも目を向けることで、小さな春の違いが見つかります。

初夏の万葉公園では木陰や渓流の音が近くなり、蛍の催しも旅の候補になります。夜に見られる生き物や催しは条件がそろっての楽しみとして、当日の案内を読みます。川へ降りたり光を追って暗い場所へ入ったりせず、公開された道から静かに眺めます。日中は展示や喫茶、夕方には湯というように、一日を緩やかに区切れます。

秋は奥の山の紅葉と、海沿いの斜面のみかんが同じ町に現れます。農園へ行く場合は案内所からの移動など現行の受け入れ条件に合わせます。温泉場の短い散歩だけでも、庭の紅葉や灯りの催しを候補にできます。みかんの加工品やきび餅を土産に選ぶと、旅の記憶が味とともに続きます。冬は館内で休む時間を長めに取るのも似合います。[S2][S4][S5][S10]

早春

梅の花と、湯で休む日

梅林への移動を温泉場の散歩と分け、開花や天候に合わせて選ぶ。[S10]

初夏

公園の木陰と蛍の夕方

渓流の公開道を歩き、催しは当年の案内に合わせる。[S1][S10]

秋・冬

紅葉と海辺の柑橘

庭の色、灯り、みかんや加工品を旅の候補にし、寒い日は館内の時間を増やす。[S2][S4][S5][S10]

湯河原温泉・湯かけまつりの賑わい
湯河原温泉・湯かけまつりの賑わいPhoto: Unknown author Unknown author / CC BY 4.0

A WALK BETWEEN BATHS

湯の前後に、もうひと歩き。

公園と湯の時間

  1. 落合橋周辺
  2. 万葉公園の公開園路
  3. 湯河原惣湯の案内拠点

川沿いの道を短く歩き、休憩と入浴を選ぶ。施設利用は予約等の現行条件に従う。[S1]

作品と庭を味わう

  1. 町立湯河原美術館
  2. 庭園
  3. 併設カフェ

展示を見て庭の席へ。作品の公開とカフェの利用条件は現行案内を読む。[S2][S3]

温泉場の小さな店へ

  1. 温泉場の公開街路
  2. ぶらりお休み処
  3. 菓子や加工品の店

坂の散歩を休憩で区切り、土地の味を選ぶ。住民の生活と通行を尊重する。[S5][S11]

TASTE OF THE REGION

湯河原のみかん・加工品

日当たりのよい斜面の柑橘は、果実のほかジャムや菓子にも使われる。[S4][S5]

TASTE OF THE REGION

きび餅

町の認定品に並ぶ菓子。作り手ごとの食感を楽しみ、茶の時間や土産に選ぶ。[S5]

TASTE OF THE REGION

豆腐・ゆばを使う料理

町立美術館のカフェは湯河原十二庵が関わる。展示と庭のあとに土地の加工の味を楽しめる。[S3]

開花や展示、見学の予定に合わせて、散策先を組み合わせてみてください。共同浴場や山道などの利用案内は、訪問前に公式サイトでご確認いただけます。写真は、それぞれの撮影時点の記録です。

06 / PRESERVING THE HERITAGE

温泉場の景観と、供給の条件をつなぐ

湯河原の継承では、町の景観計画を入口に、対象地の地区と工事を具体的に示します。温泉場と奥湯河原、海辺は条件が異なり、千歳川を越えれば自治体も変わります。建物、源泉、営業の資料を別にそろえ、休む文化を続けられる維持管理の計画へつなげます。[S6][S7][S12][L1][L2][L3]

町は全域を景観計画区域とし、地区の特性に応じた方針を示しています。だから全ての敷地に同じ高さや色の条件が当てはまるという意味ではありません。対象地の地番、立面、外構、照明、工事内容を示してまちづくり担当へ相談します。山の稜線、川、隣の住まいからの見え方を現地で読み、残す景色を具体化することが役立ちます。

湯河原という観光の呼び名だけで行政の範囲を決めず、神奈川県湯河原町か、隣接する熱海市側かを敷地で確認します。温泉の供給と利用、建築の手続、旅館業の承継はそれぞれの担当へ相談し、工事や引渡しの条件を整理します。静かな宿の価値も、湯が届き、設備が動き、人が清掃できる仕組みがあってこそ続いていきます。[S6][S7][S12][L1][L2][L3]

01

文化と景観を残す

町の景観計画と地区ごとの方針を読み、外観、照明、庭、山並みの見え方を整理します。旧旅館であることを文化財指定と同一視せず、対象の建物と敷地について担当へ相談します。[S2][S6][S7]

  • 地区と景観方針の図
  • 立面・照明・庭の計画
  • 町まちづくり課への相談
02

建物の履歴と安全を調べる

旅館から別用途へ変える場合も、現在の用途と工事範囲を資料で示します。増築や用途変更の履歴、確認・検査の書類を建築士と照合し、面積だけで手続や適法性を判断しません。[S2][L1]

  • 建築・用途・増築の履歴
  • 耐震・避難・湿気の調査
  • 建築士と確認手続の協議
03

敷地と土地利用を確かめる

川、坂、風致地区等の範囲は、対象地を地番で確認します。町と隣接市を分け、接道や擁壁、避難経路と最新の区域資料を重ね、必要な行為の相談先を整理します。[S7][L1]

  • 所在地・境界・接道
  • 風致等の区域資料
  • 河川・土地利用担当照会
04

温泉を使う権利を整える

町営温泉などの供給を受ける場合と自家源泉を分け、名義と利用条件を調べます。温泉利用許可、供給契約、分析書、配湯系統を一組にし、名義変更と休止時の扱いを確認します。[S8][S12][L3]

  • 源泉名と配湯系統
  • 利用許可・供給契約
  • 町温泉担当・保健所相談
05

営業の承継を日程へつなぐ

旅館業の譲渡では事前承認等と、温泉や食の手続を並べて考えます。読書やカフェを加える場合も、宿泊者と外来者の範囲を明確にし、保健所へ図面を示して営業開始の条件を整えます。[L2][L3]

  • 譲渡事業と利用者の範囲
  • 厨房・浴場・客室図面
  • 保健所との事前協議
06

湯守の仕事を引き継ぐ

静かな滞在には、湯や換気設備の音、清掃の時刻、供給が止まる時の案内も関わります。温度と衛生の記録を残し、現場の担当者から配管や設備を扱う手順を引き継ぎます。[S1][S8][L3]

  • 浴槽別の温度・衛生記録
  • 配管・換気の保守履歴
  • 休止・故障時の連絡手順

残す部分と、
直す仕事を同じ図面に。

文化財の指定・登録、景観や公園の区域、建物の適法性、営業・温泉の許可は、対象と手続が異なります。用途変更の200㎡という面積基準だけで工事全体の要否を判断せず、工事の種類、規模、既存建築の状態を整理し、建築士と所管窓口へ同じ計画を示して相談します。[NAT02][NAT03][NAT04]

07 / MORE VALUE, WITH MEMORY

予定の少ない一日を、運営から支える

湯河原で考える再生は、湯と読書、庭と食の間に余白を残す宿です。美術館や公園の公開施設を生かし、宿の中にも静かに休める場所を整えます。建物の履歴と供給の条件から改修を選び、少ない移動で過ごせる一日を、働く人の手順とともに育てていきます。[S1][S2][S3][L1][L3]

読書の場所や庭の席は、物を増やすだけでは心地よくなりません。音、照明、椅子、入浴後の休憩、飲食の提供を一緒に考え、清掃や片付けの負担も試します。美術館や町の店を紹介する案内は現行の公開条件と合わせ、全てを宿が用意する形にしないことで、小さな体制でも町の文化へつなぐ滞在を検討できます。

古い宿を使う場合は、眺めのよい部屋だけでなく、配湯、換気、避難、調理の動線を先に調べます。使う範囲を選び、静養のための環境と設備の更新を段階的に整える方法があります。以下は調査後に考える提案です。美術館等の実例を別の建物へそのまま当てはめたり、紹介する宿の事業や売却を示したりするものではありません。[S1][S2][S3][L1][L3]

MODEL 01

読書と庭の小さな宿

提案として、湯上がりに静かに座れる場所を整え、町の美術館や公園へ短くつなぎます。音と清掃、飲食の提供を試し、少ない移動で休める一日をつくります。[S1][S2]

MODEL 02

既存の宿を文化へ開く

提案として、残す客室や庭を調べ、展示や小さな集まりに使う範囲を選びます。美術館の実例を参考にしつつ、用途と設備の条件は対象建物ごとに整えます。[S2][L1][L2]

MODEL 03

柑橘と工芸を町へつなぐ

提案として、みかんや加工品、土地の店を紹介し、宿が抱え過ぎない食と散歩を考えます。農園の受け入れや店の営業日に合わせて案内を更新します。[S3][S4][S5]

改修費と、続けるための資金。

湯河原の宿では、客室や庭の整備とともに、温泉供給、配管、換気、遮音、避難や厨房の費用を項目ごとに見積もります。旧旅館の用途を変える計画は、必要な調査と行政相談を設計の前半へ置きます。静かな席を増やす場合も、清掃と飲食、人員の費用を含め、見た目の改装だけで資金の使い道を決めません。

平日と休日、短泊と長めの滞在で、食事や清掃の負担を分けて収支を計算します。供給料、保守、休館時の固定費と、工事中の営業停止を運転資金へ入れます。融資や支援制度は対象者と着手条件を確かめ、採択や融資を前提とした契約を避けます。温泉と営業の承継が整う条件を、支払と引渡しの工程へ反映します。[F1][L1][L2][L3]

設備資金・運転資金、事業の対象、組合等の条件により融資制度は異なります。実際の費用と営業計画をそろえ、融資・補助金の募集条件と支払時期を確かめて資金繰りを組み立てます。[NAT05][NAT06]

08 / MARKET & RELATED GUIDES

県の来訪と、湯河原で休む理由を分ける

神奈川県の観光には、横浜、鎌倉、箱根など異なる旅が含まれます。湯河原では日帰りの入浴と宿泊、展示や農園の利用を分けて読み、県全体の数字を客室の需要へ置き換えません。到着時刻や泊数、移動手段を合わせ、静かに休む滞在が成り立つ条件を探ります。[S2][S4][S10]

首都圏から訪れる旅でも、夕方に着く一泊と、平日に長く休む滞在では、必要な食事や館内の過ごし方が違います。個別宿では予約経路、泊数、同行人数、実際の到着と出発を整理します。近いことを来訪の保証にせず、なぜ湯河原へ泊まり、何に時間を使うのかを、利用した人の行動から読み取ることが役立ちます。

梅や紅葉の催しがある時期と、普段の曜日では、町の移動や店の利用も変わります。外の施設へ頼る滞在ほど、休館日と宿の食事提供を合わせて案内します。静けさを求める人に対して、忙しい行程や大きな共用空間が必ず合うとは限りません。県の動向を背景に、客室と人員、食の提供範囲を対象宿の条件から絞り込みます。[S2][S4][S10]

観光庁2025年1〜12月確定値/都道府県全域の値
対象延べ宿泊者数外国人延べ宿泊者数外国人構成比リゾートホテル客室稼働率
神奈川県全域26,794,990人泊4,927,440人泊18.4%66.5%

外国人構成比は外国人延べ宿泊者数÷全体から算出。いずれも都道府県全域の統計で、この温泉地単独の集計や個別施設の売上・稼働率を示すものではありません。[MK01]

神奈川県全域の、
月別の宿泊者数。

県全域の季節変動を、その宿の客層や営業日、月別の販売実績と重ねます。地域全体の動きと個別の宿の運営を行き来しながら、滞在と事業の計画を考えます。

神奈川県の宿泊市場特集へ →
神奈川県の月別数値を表で確認する
神奈川県全域/2025年月別延べ宿泊者数
月人泊
1月1,848,620人泊
2月1,829,440人泊
3月2,228,820人泊
4月2,403,340人泊
5月2,039,570人泊
6月1,859,790人泊
7月2,362,040人泊
8月2,715,310人泊
9月1,868,910人泊
10月2,569,260人泊
11月2,505,880人泊
12月2,564,030人泊

09 / QUESTIONS

引き継ぐ前の疑問を、資料からほどく

万葉の由緒、旧旅館の活用、町営温泉や景観の仕組みは、相談する資料がそれぞれ違います。温泉地の名前から行政区域や権利を推測せず、対象地と源泉を明らかにします。休む文化を残すためにも、建物と営業、供給の条件を分け、実際に回る運営へつなげます。[S1][L1][L2][L3]

町立美術館は新しく建てた施設ですか。

町は老舗旅館を改装して1998年に開館したと紹介しています。2006年には平松礼二館の開設を機に改称しました。用途を変えて使う実例ですが、別の宿で同じ改修ができるかは個別の判断です。[S2][L1]

惣湯はどのような意味ですか。

地域で大切に管理した共同の湯坪に結び付く呼び名です。現在の惣湯は、その記憶を湯、食事、読書の時間へつなげています。歴史上の施設と現在の建物や利用条件は分けて読みます。[S1]

湯河原と呼ばれる宿は全て同じ自治体ですか。

観光上の呼び名だけでは判断できません。川の向こうの熱海市側を含め、所在地と地番を確かめ、建築、営業、温泉等を担当する自治体や供給者を整理します。[S7][L1][L2][L3]

温泉を使う権利は建物と一緒に移りますか。

所有権と温泉利用許可、供給契約、旅館業の承継は別に調べます。町営等の供給か自家源泉かも特定し、取引方法と計画を示して担当窓口と日程を整えます。[S12][L2][L3]

10 / PASS IT ON

この土地の湯を、次の担い手へ

渓流を眺め、本を開き、湯上がりに庭の席へ座る。湯河原の豊かさは、予定を増やさずに過ごせる時間にもあります。次の担い手へ渡す時は、文人の記憶とともに図面や修繕、温泉供給の記録をそろえます。静かな一日を守る仕事から、宿の未来を考えていきます。[S1][L1][L2][L3]

残したい建物、引き継ぎたい仕事、守りたい屋号。今ある価値と、次に必要な手入れを言葉にするところから、宿の承継は始まります。

OWNERS

歴史ある湯宿を、
非公開で次へつなぐ。

施設名を伏せた下書きから、現在の営業、建物、温泉の条件を整理できます。公開を始める前の段階からご相談ください。

NEXT KEEPERS

受け継ぎたい価値から、
取得の条件を考える。

地域、予算、運営する人、必要な改修。大切にしたい文化と、続けられる事業の条件を整理して、次の宿との出会いに備えます。

売却・承継の前に、無料の計算ツールで手取りや税の目安を確かめられます。非公開での売却・保全のご相談はエージェントに相談、ご自身での登録は物件を登録からどうぞ。

編集:ジャパンリアルター株式会社 / 堤 誠之プロフィール / TSUNAGUの想い / 代表者note ↗

出典・写真・編集について

本文・統計の出典

  1. [F1] 日本政策金融公庫|創業計画書セルフチェック・資金計画

    設備資金と運転資金、見積りと調達方法の点検。

  2. [L1] e-Gov|建築基準法

    建物の用途、確認手続、大規模修繕、既存建築物の適用関係。

  3. [L2] e-Gov|旅館業法

    営業許可と事業譲渡の事前承認。

  4. [L3] e-Gov|温泉法

    温泉の掘削・採取・利用と地位承継に関する制度。

  5. [MK01] 観光庁|宿泊旅行統計調査・2025年確定値

    都道府県全域の2025年年計・月別データです。各温泉地や個別宿の実績ではありません。

  6. [NAT02] 国土交通省|既存建築物の活用の促進

    既存建築物の現況調査、改修と活用のためのガイドライン・制度資料を掲載しています。

  7. [NAT03] e-Gov法令検索|文化財保護法

    文化財の指定・登録、保存、現状変更と所有者変更などに関する法律の本文です。

  8. [NAT04] 環境省|国立公園における届出・申請

    区域と行為に応じて必要となる自然公園法上の許可・届出を案内しています。

  9. [NAT05] 日本政策金融公庫|一般貸付(生活衛生貸付)

    生活衛生関係営業の設備資金等について、対象と条件を案内しています。

  10. [NAT06] 日本政策金融公庫|振興事業貸付

    認定振興計画を持つ組合の組合員を対象とする融資と必要な証明を案内しています。

  11. [S1] 湯河原惣湯|ストーリー

    万葉集、共同湯坪、養生園と休息の文化。

  12. [S10] 湯河原温泉公式|年間イベント

    梅、蛍、湯かけ、秋の灯りなど季節の催し。

  13. [S11] 湯河原町|温泉場ぶらりお休み処

    2014年開設、旅人の休憩と地域の交流。

  14. [S12] 湯河原町|出前講座

    町営温泉の仕組みを伝える温泉担当の講座。

  15. [S2] 湯河原町|町立湯河原美術館

    1998年の旅館改装、画家との関係、2006年の改称。

  16. [S3] 湯河原町|MUSEUM CAFE and garden

    豆腐・ゆばの店が関わるカフェと足湯。

  17. [S4] 湯河原町|みかん狩りのご案内

    海沿いの斜面の柑橘、現行の農園利用案内。

  18. [S5] 湯河原町|湯河原ブランド認定品

    きび餅やみかん加工品など土地の商品。

  19. [S6] 湯河原町|景観計画・景観条例

    全町の景観計画区域と地区ごとの方針。

  20. [S7] 湯河原町|まちづくり課 計画係

    景観、風致地区、都市計画の資料と相談先。

  21. [S8] 湯河原温泉こごめの湯|泉質

    地域の主な泉質と施設の湯の紹介。

  22. [S9] 湯河原町|観光ボランティア

    万葉公園の命名と土地を案内する活動。

確認日:2026年10月29日。伝承、史料、分析値、建築・保存の記録と、編集上の再生提案を分けて記述しています。

写真の撮影地・利用条件

写真は各配布元の利用条件に従って掲載しています。撮影時点の景観・設備であり、現在の営業状況や、紹介施設が売却対象であることを示すものではありません。

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