TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aプラットフォーム
登別温泉・地獄谷の白い岩肌と山並み
登別温泉・地獄谷の白い岩肌と山並みPhoto: Calistemon / CC BY-SA 4.0

HERITAGE ONSEN 100 — 83

守るべき日本の歴史・財産
名湯・秘湯遺産 厳選100撰

北海道 / 海と断崖・火山と絶景の湯

登別温泉・カルルス温泉。
湯けむりの谷から、山間の静かな湯へ

登別地獄谷の白い湯けむりを眺め、温泉街の鬼の表情を探し、山あいのカルルスへ向かう。同じ登別市の中にも、湯と宿の過ごし方には違いがあります。開湯を支えた人と森を守る仕事、地元の乳製品や料理を訪ねながら、二つの温泉地に別々の一日を置く旅です。[1][2]

歴史

登別の滝本金蔵と、カルルスの明治期の開発を、それぞれの場所でたどる。

価値

地獄谷の噴気と温泉街、カルルスの森に囲まれた滞在が異なる一日を生む。

未来

湯の供給と森、冬の道と設備を個別に調べ、二つの場所の役割を受け継ぐ。

HISTORY / VALUE / THE NEXT CHAPTER

残したい風景と、
湯のある暮らし。

登別温泉・木道越しに望む地獄谷
登別温泉・木道越しに望む地獄谷Photo: Calistemon / CC BY-SA 4.0

登別地獄谷では、木々の間に現れる白い地面と噴気の広がりに目を奪われます。温泉街へ戻れば鬼の像や店が並び、湯と外歩きが近くにあります。そこから山間のカルルスへ移ると、森と山に囲まれた小さな温泉地の時間へ替わります。どちらかをもう一方の代わりにせず、違う休み方を選べる二つの場所として訪ねると、登別で過ごす旅の幅が見えてきます。

登別の多彩な泉質を味わった後、カルルスへ移ると湯と森の違いに気づきます。開湯の人物と時代、湯の来る道にもそれぞれの歴史があります。谷の噴気を見る道、湯を引く管、森を守る範囲、冬に休む駐車場までを知ると、眺めを楽しむ時間が日々の管理に支えられていることが分かります。土地の味と湯の時間を、急がず組み合わせたい場所です。[1][2]

※本ページは地域の温泉文化・歴史遺産の解説であり、掲載写真や施設が売却案件であることを示すものではありません。

TSUNAGU独自の編集企画「名湯・秘湯遺産100撰」の第83撰です。公的な認定や順位を表すものではありません。

02 / HISTORY & MEMORY

湯小屋と道をつくった人々

登別温泉の近代の歩みには滝本金蔵の湯小屋と道の整備、カルルスには明治期の源泉発見と共同浴場があります。温泉を見つけるだけでなく、人が通える道と泊まる場所を用意した仕事をたどります。二つの開湯を同じ年表へ溶かさず、人物と場所を結んで読みます。[1][2][3]

登別では、硫黄の採掘や湯治に関わる小屋、道路の整備を背景に、1858年の開湯が語られます。滝本金蔵は湯守として宿と道を整えた人物として紹介されています。湯の評判だけでは人は泊まれず、山へ向かう道と迎える場所が必要でした。開湯の話を読む時も、病が治ったという逸話を今の治療の約束へ置き換えず、人を迎える仕事の始まりに目を向けます。

カルルスは、日野愛憙と養子の久橘による明治期の発見・開発が紹介され、市と国民保養温泉地計画書は1899年の開湯を基点にしています。共同浴場と旅館から始まった山間の湯は、道路と交通の変化を通して訪れる人を増やしました。登別温泉の年をそのまま使わず、違う場所で道を開き、湯を使う仕組みをつくった歩みとしてたどります。

二つの温泉地は、療養の場として知られた時代を経て、それぞれ違う滞在の風景を持つようになりました。カルルスは1957年に北海道初の国民保養温泉地となり、山間で静かに休む役割を伝えます。登別の賑わいとカルルスの小さな宿を優劣にせず、どのような時間を過ごすために湯を訪れるか、その選択肢の広がりとして読むことができます。[1][2][3]

  1. 1858年

    登別温泉の近代開湯の基点

    滝本金蔵の湯宿と、湯守・道路整備に関わる歩みが伝えられる。[1][2]

  2. 1899年

    カルルスの開湯

    市と国の計画書が共同浴場と旅館の開設を基点として説明する。[2][3]

  3. 1924年12月9日

    登別原始林を指定

    原始林が国の天然記念物となる。温泉街全域の建物指定ではない。[6]

  4. 1957年

    カルルスの国民保養温泉地指定

    北海道では初の指定として、山間の保養の役割を伝える。[3]

  5. 2015年4月16日

    閻魔やきそばの提供開始

    地域の食材と平麺、特製ソースを組むご当地料理が登場する。[7]

滝本金蔵

登別温泉

登別で湯宿と道を整え、湯守の役割を担ったと紹介される。[1][2]

日野愛憙・日野久橘

カルルス温泉

カルルスの源泉発見と明治期の開発をつなぐ人物。[1][3]

森と湯を管理する担い手

二つの温泉地

公開園地、給湯、清掃と利用案内を通じて、自然と宿をつなぐ。[3][5]

03 / THE WATER & ITS KEEPERS

多様な湯と、山間の単純温泉

登別温泉は複数の泉質で紹介され、カルルスは計画書で無色透明の単純温泉と説明されます。どちらも施設や源泉の号数によって条件を分けて読みます。地獄谷の景観や温泉地名から、全ての浴槽の成分、温度、加水や供給の権利を同じものと考えず、湯の道筋をたどります。[3][4][5][10]

登別では、硫黄泉や塩化物泉など多様な湯が温泉地の魅力として語られます。湯の呼び名を知ると、同じ宿の浴槽の違いにも目が向きます。ただし、観光案内の分類数と現行の分析書の数は同じとは限りません。どの源泉を、どの浴槽で、どのように使うかを施設の表示で読み、自分の体調と休憩の時間に合う入浴を選びます。

カルルスの計画書は、川床から湧く湯と複数の源泉を説明し、地域の泉質を単純温泉として紹介しています。名の由来は欧州の温泉保養地との類似に求められます。現在使う湯の分類と成分は、各浴場の源泉に対応した分析書が伝えてくれます。温泉地の名前に込められた歴史と、現行の分析書に書かれる成分を別に読むと、湯への理解が落ち着きます。

噴気と湯を見せる場所では、景色のすぐ下に高温の水やガスがあります。地獄谷や大湯沼は、好きな場所へ入浴しに行く場ではなく、公開された道から火山を知る場所です。宿へ届く湯は、採取、供給、作湯、清掃、排水という仕事を経ています。景観の迫力と湯の管理を一緒に知ることが、この土地の温泉を長く使うための入口になります。[3][4][5][10]

泉質・源泉と、資料が示す範囲
対象泉質・湯の特徴温度pH分析日・資料の時点確認範囲
登別温泉の各施設硫黄泉、塩化物泉など複数個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載観光上の地域説明。施設と源泉、混合・作湯の条件を現行分析書で区別する。[2][10]
カルルス温泉の地域計画単純温泉個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載2025年12月の計画書の説明。複数源泉のため個々の数値と使用状況は施設ごとに読む。[3]

源泉の分析と、浴槽で使う湯を読み分ける。

分析書の源泉名・採水場所・年月日と、施設が掲示する加水・加温・循環・消毒の方法を合わせて確認します。地域に複数の源泉がある場合、ひとつの値をすべての湯宿や浴槽へ当てはめず、訪れる施設の最新の掲示を読んで入浴します。

登別温泉・地獄谷に立ちのぼる湯けむり
登別温泉・地獄谷に立ちのぼる湯けむりPhoto: Calistemon / CC BY-SA 4.0

04 / ARCHITECTURE & TOWNSCAPE

温泉街の表情と、森に囲まれた宿

登別では温泉街の鬼や堂、湯を見せる園地が歩く楽しさを生み、カルルスでは森を背負う小さな宿の配置が休む時間をつくります。寺社や像、森の指定と旅館建築は別々に読みます。外観の古さだけで保存の条件を決めず、建物が湯と道、眺めをどう受け止めるかに目を向けます。[1][3][5][6]

登別温泉・秋の地獄谷と散策路
登別温泉・秋の地獄谷と散策路Photo: Kentaro Ohno / CC BY 2.0

登別の温泉街には鬼や閻魔に結び付くしつらえがあり、湯へ向かう道に物語を加えています。歴史の長い温泉地でも、全ての像や堂が同じ時代の遺構というわけではありません。町歩きの象徴としての役割と、文化財として指定された対象は区別します。記念の年に整えられた場所にも、人を迎える街路の仕事を見ることができます。

カルルスでは、山に囲まれた敷地と宿の窓、湯へ向かう短い動線が滞在の骨格になります。大きな温泉街を歩く時間とは違い、館内で休み、外の森を眺め、また湯へ戻る一日が考えられます。建物の価値を知名度だけに求めず、どの部屋から何が見え、冬の移動をどう受け止め、清掃と給湯をどう続けるかという使われ方から読みます。

登別原始林は国の天然記念物ですが、その指定を市内の全ての旅館へ広げることはできません。円空の観音像なども、市の資料が対象ごとに指定を分けています。森、像、建物、湯を同じ保全の言葉へまとめず、それぞれの範囲を地図と台帳に置くと、残す景観と更新する設備の関係が具体的になります。[1][3][5][6]

建物・街並み・湯の道具に残る価値
建物・場所年代・位置付け残したい特徴
登別の温泉街と宿近代の開湯以後の展開街路に沿って湯と商い、宿が並び、入浴の前後に外を歩いて休める。日々の給湯と清掃が街の使い方を支える。[1][2]
カルルスの山間の宿1899年の開湯以後森に囲まれた滞在の配置と、湯治を受け継ぐ役割を持つ。[2][3]
地獄谷周辺の公開園地火山を見学するための施設道と展望、案内が景観と利用をつなぐ。自然保護と日常管理の範囲を分ける。[4][5][6]

05 / STAY THROUGH THE SEASONS

湯けむりと森の色を、別の一日で

春夏は公開された道から火山と森を知り、秋は木々の色、冬は雪と湯の時間を中心に過ごせます。登別の街歩きとカルルスの山間の滞在を一日で急がず、天候と道に合わせて選びます。乳製品や料理も組み合わせると、湯けむりの景色に土地の作り手の営みが加わります。[3][4][5][8]

新緑の頃は、地獄谷の白い地面と周りの緑の対比が印象に残ります。谷を眺める時間と、温泉街へ戻って休む時間を別に置くと、短い外歩きでも火山の表情を味わえます。原始林や園地の道は、公開される範囲に沿って歩きます。高温の場所や植生の中へ近道をつくらず、眺める地点を守ることが景色を次へ残します。

秋は、カルルスの周囲の山や登別の森の色が湯の時間を豊かにします。長い登山をしなくても、宿の窓と短い外歩きで季節を受け取る一日が考えられます。地域の酪農や乳製品を知る立ち寄りを別の行程に加えると、火山と温泉だけでは見えにくい高原の仕事へ視野が広がります。作り手の場所と湯の場所を、移動も含めてゆっくり結びます。

冬は、大湯沼駐車場へ通じる道路が閉鎖されるなど、夏の道をそのまま使えない時期があります。カルルスの雪景色や近隣の冬の活動も、施設と道路の現行案内に合わせて楽しみます。遠くまで歩くことを必須にせず、湯と食、窓からの眺めで休む予定を持つと、雪の日も宿に留まる時間が旅の中心になります。[3][4][5][8]

春から夏

白い谷と緑を知る

地獄谷と公開された森の道を短く歩き、湯へ戻る。高温の地面と植生の中へ入らず、展望の場所から眺める。[4][5][6]

秋

山間で休む時間

カルルスの宿と山の色、地域の乳製品をそれぞれ味わう。短い外歩きと館内での休憩を組める季節。[3][8]

冬

雪と湯を中心に

冬の道路と駐車場の閉鎖に合わせて移動を組み、館内の眺めと食を楽しむ時間を持つ。[3][5]

A WALK BETWEEN BATHS

湯の前後に、もうひと歩き。

地獄谷を公開地点から

  1. 地獄谷の展望地点
  2. 公開遊歩道

高温の噴気地帯へ踏み込まず、当日の公開区域で歩く。別県の同名地獄谷の規制情報を混ぜない。[4][5]

温泉街の表情を探す

  1. 登別温泉街の公開道
  2. 鬼や堂の案内地点

温泉街のしつらえと湯守の歴史を結ぶ短い歩き。像や堂の年代と、指定のある文化財を分けて見る。[1][6]

カルルスの森を眺める

  1. 宿周辺の公開道
  2. 温泉地の案内地点

山間の空気と森の色を短い外歩きで楽しむ。峠や湖への行程は別にし、積雪と公開状況に合わせて無理なく戻る。[3]

TASTE OF THE REGION

登別閻魔やきそば

北海道産小麦の平麺とピリ辛の特製ソース、地場食材を組む料理。店ごとの皿を楽しみ、材料や辛さを全店同じ量と決め付けない。[7]

TASTE OF THE REGION

のぼりべつ牛乳と乳製品

地域の酪農家と加工の担い手がつくる牛乳や乳製品。温泉街だけでなく、市内の高原で続く仕事へ目を向ける味。[8]

TASTE OF THE REGION

わかさいも

豆のあんと細い昆布で焼きいもを表した、洞爺湖の菓子。登別発祥とせず、周辺地域の食文化として湯上がりの時間に楽しむ。[9]

開花や展示、見学の予定に合わせて、散策先を組み合わせてみてください。共同浴場や山道などの利用案内は、訪問前に公式サイトでご確認いただけます。写真は、それぞれの撮影時点の記録です。

06 / PRESERVING THE HERITAGE

湯の道筋と、森の範囲を分けて守る

登別とカルルスの継承では、源泉と供給、森の指定、宿の建物、公開される道を別の資料で扱います。原始林の価値や保養の歴史は学ぶ入口ですが、個別の工事や営業条件を一律に決めません。湯守と園地、冬の設備の仕事をそろえ、残す景色と使い続ける範囲を考えます。[1][2][3][4][5][6][10]

登別の噴気地帯とカルルスの山間では、利用者の動きも設備の置き方も異なります。まず自館の源泉と敷地を地図へ置き、どこまでが施設の担当で、どこからが園地や道路の管理かを分けます。森と湯を一つの印象で扱わず、配管、排水、木部と外装、冬の通行を資料に結べば、景観を楽しむ時間を支える仕事の継承が具体的になります。

引継ぎの資料は、建物、営業、敷地、温泉、日々の管理に分けてそろえます。図面と現地が違う部分を先に洗い出し、所有者と管理者、工事を担う人を同じ表に置きます。保存の価値があることと、自由に改修できることは別の話です。残す部材と更新する設備を具体的に示せば、関係窓口との相談も、現場への引継ぎも進めやすくなります。[1][2][3][4][5][6][10]

01

谷と森の眺めを守る

噴気を見せる場所と原始林の指定を分け、公開道の傷みと人の動きを調べる。眺望の価値を自由な立入へ変えない。[4][5][6]

  • 指定と公開の図
  • 展望点と歩道
  • 植生の保全
02

宿の構造と冬の設備

二つの温泉地の建物を個別に調べる。温泉成分に触れる場所と、屋根や外装、冬の給排水を別々に記録する。[2][3]

  • 現況と改修履歴
  • 給湯と排水の図
  • 冬の点検箇所
03

自然公園と敷地を重ねる

カルルスの計画書にある公園区域の説明を入口に、自館の敷地と工事範囲を地図へ置く。市全域へ一律に広げない。[3][6]

  • 公園区域図
  • 敷地と進入路
  • 工事の事前相談
04

源泉と供給の違いを残す

登別の多様な湯とカルルスの複数源泉を別に追う。分析、供給契約、作湯と管の管理の境界をそろえる。[3][10]

  • 源泉と分析書
  • 供給と使用の資料
  • 清掃と排水記録
05

宿の営業と保養の役割

国民保養温泉地の指定と個別の営業許可は別。宿泊、日帰り、食事と地域の案内を誰が担うかから引継ぎを組む。[2][3][5]

  • 営業と用途の資料
  • 担当と連絡の表
  • 季節ごとの動線
06

湯守と園地管理の記録

清掃、給湯、歩道、冬季閉鎖の案内を仕事として残す。日々の異常と判断を記録し、次の担当へ渡す。[3][5]

  • 湯温と清掃の履歴
  • 歩道と駐車場の点検
  • 休止と再開の連絡

残す部分と、
直す仕事を同じ図面に。

文化財の指定・登録、景観や公園の区域、建物の適法性、営業・温泉の許可は、対象と手続が異なります。用途変更の200㎡という面積基準だけで工事全体の要否を判断せず、工事の種類、規模、既存建築の状態を整理し、建築士と所管窓口へ同じ計画を示して相談します。[NAT02][NAT03][NAT04]

07 / MORE VALUE, WITH MEMORY

二つの場所に、違う休み方を残す

登別では火山と街歩き、カルルスでは森と湯に留まる時間を中心に、異なる宿の役割を考えられます。地域の料理と乳製品を加え、雨や雪の日にも休める過ごし方を用意します。同じ規模や賑わいを目指さず、清掃と給湯、食事の担当が回せる範囲から試す計画の提案です。[1][2][3][4][5][6][10]

カルルスでは、窓から森を見て休む席と、湯へ戻りやすい動線を小さく磨く案があります。登別では、地獄谷の見学前後に食事と休憩を置く行程を試せます。どちらも外へ長く出ることを必須にせず、天候によって予定を替えられるようにします。地域の担い手へ任せる時間と宿で迎える仕事を分けることで、その場所らしい一日が形になります。

再生は、客室の見た目を変えるだけで完了する仕事ではありません。小さな範囲で給湯、清掃、食事、案内の動きを試し、担当者が無理なく回せる形を探ります。以下の三案は、この土地の特徴から考えた計画の提案です。特定の宿の取引や実施済みの成果ではなく、地域の魅力を次の運営へ渡すための出発点として読んでください。[1][2][3][4][5][6][10]

MODEL 01

火山を知る町歩きの一泊

地獄谷の短い見学、温泉街の道、食と湯を組む提案。長い散策が難しい人にも、公開地点と館内で学び休む時間を用意する。[4][5][7]

MODEL 02

カルルスで予定を詰めない滞在

森を眺め、湯と休憩、食を繰り返す一日を小さく試す提案。登別温泉の賑わいを同じ形で持ち込まず、山間の役割を磨く。[2][3]

MODEL 03

冬の使う範囲から更新する

屋根、給湯、排水、客室を分けて更新し、冬に必要な仕事と開ける範囲を合わせる提案。工事と営業の時期を段階化する。[3][5]

改修費と、続けるための資金。

登別とカルルスでは、温泉成分に触れる浴場と管、外装、冬の給排水、厨房を別に積算します。園地や道路の管理を自館の設備費へ混ぜず、工事で休む範囲と期間も整理します。地名や保養地の指定を資金の約束にせず、日々の担当と修繕を続けるための費用まで含めて計画します。

資金制度は、保存、設備、防災、運営など目的ごとに対象と手続を調べます。採択や融資を先に約束せず、所有者と実施者、工事の範囲、着工前の条件をそろえて相談します。更新費だけでなく、営業を休む間の費用と、開業後の点検・修繕に残す資金を合わせて考えます。[1][2][3][4][5][6][10]

設備資金・運転資金、事業の対象、組合等の条件により融資制度は異なります。実際の費用と営業計画をそろえ、融資・補助金の募集条件と支払時期を確かめて資金繰りを組み立てます。[NAT05][NAT06]

08 / MARKET & RELATED GUIDES

市の温泉需要と、各宿の目的を分ける

北海道や登別市の宿泊動向と、登別温泉、カルルスの個々の宿の利用は対象が違います。日帰り見学、団体の宿泊、静かな滞在、冬の活動では仕事も替わります。広域の数値は背景に置き、自館の泊数と目的、食事、清掃と給湯の時間から、季節ごとの迎え方を組み立てます。[1][2][3][4][5][6][10]

地獄谷を短く見て移動する人と、カルルスでゆっくり泊まる人では、到着や食事の時刻が異なります。自館では来訪目的、人数、泊数、館外への移動、湯と清掃の仕事を分けて記録します。登別という名前の人気を全ての宿の稼働へ重ねず、冬の道路や設備の維持も含め、現場が提供できる時間からサービスの範囲を選びます。

事業の検討では、売る客室の数だけでなく、掃除や湯の管理、食事の準備に必要な時間を記録します。工事中に使えない場所と休止期間を先に置き、支出と入金の時期を並べます。温泉地としての評価や歴史は、個別施設の収益や資金調達を約束するものではありません。現場が受け持てる仕事の量から、季節ごとの営業計画を組み立てます。[1][2][3][4][5][6][10]

観光庁2025年1〜12月確定値/都道府県全域の値
対象延べ宿泊者数外国人延べ宿泊者数外国人構成比リゾートホテル客室稼働率
北海道全域46,503,620人泊13,302,640人泊28.6%51.1%

外国人構成比は外国人延べ宿泊者数÷全体から算出。いずれも都道府県全域の統計で、この温泉地単独の集計や個別施設の売上・稼働率を示すものではありません。[MK01]

北海道全域の、
月別の宿泊者数。

県全域の季節変動を、その宿の客層や営業日、月別の販売実績と重ねます。地域全体の動きと個別の宿の運営を行き来しながら、滞在と事業の計画を考えます。

北海道の宿泊市場特集へ →
北海道の月別数値を表で確認する
北海道全域/2025年月別延べ宿泊者数
月人泊
1月4,110,380人泊
2月4,081,420人泊
3月3,529,520人泊
4月2,607,420人泊
5月3,492,960人泊
6月3,832,360人泊
7月4,678,690人泊
8月5,016,410人泊
9月4,052,320人泊
10月3,965,080人泊
11月3,124,500人泊
12月4,012,550人泊

09 / QUESTIONS

土地の価値と、個別の条件を分ける

地域の由緒、建物の指定、源泉と配湯、営業の許可は、それぞれ対象が異なります。土地の魅力を知った後は、個別の敷地と施設の資料へ進みます。残したい風景や過ごし方と、現場で続ける仕事を一緒に整理すると、調査や相談で確かめたい点が具体的になります。[1][2][3][4][5][6][10]

登別温泉とカルルスは同じ源泉ですか。

別の温泉地です。登別の複数の泉質と、カルルスの源泉を分け、各浴場の現行分析書と作湯、供給を読みます。[2][3][10]

カルルスの開湯年はいつですか。

市と環境省の計画書は、1899年の共同浴場と旅館の開設を基点に説明します。源泉発見や道路整備の年とは分けます。[2][3]

登別原始林の指定は温泉街の建物にも及びますか。

国天然記念物の指定対象と各敷地・建物の条件は別です。地域名から一律の文化財指定や改修条件を判断しません。[3][6]

大湯沼へは冬も夏と同じ道で行けますか。

大湯沼駐車場は道路の冬季閉鎖に伴い利用できない時期があります。公開道と天候を見て、施設の案内に沿って行程を替えます。[5]

10 / PASS IT ON

谷と山間で、残したい一日を選ぶ

地獄谷の公開地点と温泉街を歩き、別の日にカルルスの森と湯へ留まってみてください。残したい時間が見つかったら、建物と敷地、森の指定、源泉と供給、冬の管理と食の担い手を資料へ結びます。二つの場所の違いを知ることが、それぞれの宿の役割を次へ渡す入口になります。[1][2][3][4][5][6][10]

残したい建物、引き継ぎたい仕事、守りたい屋号。今ある価値と、次に必要な手入れを言葉にするところから、宿の承継は始まります。

OWNERS

歴史ある湯宿を、
非公開で次へつなぐ。

施設名を伏せた下書きから、現在の営業、建物、温泉の条件を整理できます。公開を始める前の段階からご相談ください。

NEXT KEEPERS

受け継ぎたい価値から、
取得の条件を考える。

地域、予算、運営する人、必要な改修。大切にしたい文化と、続けられる事業の条件を整理して、次の宿との出会いに備えます。

売却・承継の前に、無料の計算ツールで手取りや税の目安を確かめられます。非公開での売却・保全のご相談はエージェントに相談、ご自身での登録は物件を登録からどうぞ。

編集:ジャパンリアルター株式会社 / 堤 誠之プロフィール / TSUNAGUの想い / 代表者note ↗

出典・写真・編集について

本文・統計の出典

  1. [1] 登別国際観光コンベンション協会|登別の歴史

    滝本金蔵と日野父子、開発の人物と温泉街の記憶。

  2. [10] 登別国際観光コンベンション協会|10の湯のものがたり

    泉質と湯の呼び方を紹介。各浴場の源泉と分析は個別。

  3. [2] 登別市|まちのセールスポイント

    登別とカルルスの違い、1899年の共同浴場。

  4. [3] 環境省|カルルス温泉国民保養温泉地計画書

    2025年12月計画。開湯、1957年指定、自然環境と温泉管理の方針。

  5. [4] 登別国際観光コンベンション協会|登別地獄谷

    地獄谷の火山景観と見学地点。

  6. [5] 自然公園財団|登別支部

    園地の管理、冬の大湯沼駐車場閉鎖と公開施設。

  7. [6] 登別市|指定文化財

    登別原始林の国天然記念物、円空像等の市指定文化財の区別。

  8. [7] 登別ブランド推進協議会|閻魔やきそば

    2015年登場の料理と北海道産小麦、地場食材等の定義。

  9. [8] 農林水産省|のぼりべつ酪農館

    地域の酪農と生乳、加工と作り手のつながり。

  10. [9] 農林水産省|わかさいも

    洞爺湖で育った菓子の原料と成り立ち、地域の乳の加工を紹介。

  11. [MK01] 観光庁|宿泊旅行統計調査・2025年確定値

    都道府県全域の2025年年計・月別データです。各温泉地や個別宿の実績ではありません。

  12. [NAT02] 国土交通省|既存建築物の活用の促進

    既存建築物の現況調査、改修と活用のためのガイドライン・制度資料を掲載しています。

  13. [NAT03] e-Gov法令検索|文化財保護法

    文化財の指定・登録、保存、現状変更と所有者変更などに関する法律の本文です。

  14. [NAT04] 環境省|国立公園における届出・申請

    区域と行為に応じて必要となる自然公園法上の許可・届出を案内しています。

  15. [NAT05] 日本政策金融公庫|一般貸付(生活衛生貸付)

    生活衛生関係営業の設備資金等について、対象と条件を案内しています。

  16. [NAT06] 日本政策金融公庫|振興事業貸付

    認定振興計画を持つ組合の組合員を対象とする融資と必要な証明を案内しています。

確認日:2026年10月29日。伝承、史料、分析値、建築・保存の記録と、編集上の再生提案を分けて記述しています。

写真の撮影地・利用条件

写真は各配布元の利用条件に従って掲載しています。撮影時点の景観・設備であり、現在の営業状況や、紹介施設が売却対象であることを示すものではありません。

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