湖が、町を結んでいた
霞ヶ浦は、江戸と周辺の町を結ぶ舟運の道でした。1877年には深川と高浜を結ぶ蒸気船も就航し、その後、鉄道や道路の発達で交通の形が変わっていきます。湖岸の町を巡るとき、水の道が地域を育てた歴史も感じられます。[04]

TSUNAGU — HOMES & LOCAL STORIES 26
茨城県 / かすみがうら・石岡・土浦・小美玉
空き家・住宅地の売却と活用
霞ヶ浦の湖岸、土浦の町、八郷の山裾。果樹園や田畑、古い家の梁と庭には、この土地で過ごしてきた時間が残ります。眺望や建物の趣だけで計画を決めず、農地、道路、水回りと修繕の費用から、住まい・仕事場・滞在の拠点へ継ぐ道を考えます。
歴史と、いまの暮らし
公的地価を同じ時点で
実務の視点と、再生の道
01 — HOME & LOCAL STORIES
霞ヶ浦の湖岸、土浦の町、八郷の山裾。果樹園や田畑、古い家の梁と庭には、この土地で過ごしてきた時間が残ります。眺望や建物の趣だけで計画を決めず、農地、道路、水回りと修繕の費用から、住まい・仕事場・滞在の拠点へ継ぐ道を考えます。
片付けや改修を急いで決める前に、家の来歴、土地の使い方、必要な手入れから考えてみる。住まいとして売る・貸す道と、家族の二拠点利用や宿泊活用を、一軒ごとの条件に沿って比べます。
02 — HISTORY & NEIGHBOURHOODS

霞ヶ浦は、江戸と周辺の町を結ぶ舟運の道でした。1877年には深川と高浜を結ぶ蒸気船も就航し、その後、鉄道や道路の発達で交通の形が変わっていきます。湖岸の町を巡るとき、水の道が地域を育てた歴史も感じられます。[04]
八郷では、茅葺き民家と果樹農業の景観が地域資源として調査されています。古民家を残す仕事は、屋根や柱だけを保存することにとどまりません。周囲の農地や庭をどう維持するか、暮らしの仕事ごと受け渡す視点が必要です。[05]
農家住宅、湖畔の家、町へ通う分譲地。同じ広い敷地でも、来歴によって道路や排水、土地の地目は変わります。元の図面や農地の資料を集めると、建物を直すだけでは見えなかった使い方の範囲を整理できます。
03 — DIFFERENT HOMES, DIFFERENT LIVES
千代田・八郷エリア・おおつ野・玉里 等
里山の眺めと古民家の骨組みを生かすなら、農地、山林、敷地の境界と道路を最初に調べます。農業を続ける買主と、住まいを使いたい買主では、引き継ぐ範囲の整理も異なります。[05]
湖を訪れる楽しみと、日常の買物・通勤を一緒に見ます。湖岸からの高低差、水の流れ、台風時の風、外壁や金物の手入れを、建物ごとに調べます。
駅や生活施設へ通う住まいと、湖辺への週末利用を分けて考えます。新しい街区と古い住宅の相場を読み分け、接道や給排水、改修の履歴が近い物件を比較します。
畑や集落、湖へ向かう道が日々の風景です。住宅地と農地の区分、水道や浄化槽、管理を頼める範囲を調べ、家全体を使う案と、使う部屋から整える案を比較します。
04 — REASONS TO SPEND TIME HERE
八郷の景観には、果樹畑と民家が重なります。季節の収穫を楽しみ、農産物を買って家の台所で味わう。町の魅力を施設内だけで完結させない過ごし方があります。[05]
つくば霞ヶ浦りんりんロードでは、水辺の眺めと地域の店を巡る旅ができます。自転車を安全に置き、道具を乾かせる場所がある家なら、滞在の使いやすさも変わります。[06]
高浜や土浦へ続いた水の道、霞ヶ浦の風景。湖を見る楽しみに、港や町の歴史を重ねると、通うたびに違う発見があります。観光の一日だけでなく、地域に長く関わる拠点を思い描けます。[04]

05 — LAND VALUES & LOCAL CONTEXT
湖の眺望、山裾、駅や市街地への移動を分けて比較します。古民家では土地の広さと建物の保存費、農地の有無を確認し、売買価格に屋根・水回り・外構の見積りを加えて判断します。[10]
2026年地価公示 / 住宅地・市区町村別平均価格
標準地の土地価格をもとにした自治体別の平均です。町丁や分譲地ごとの売値、古家付き住宅の取引価格とは区別して読みます。調査地点の立地と数は自治体によって異なります。
都県が公表した2026年地価公示の住宅地平均価格を原表から転記しました。複数の自治体をまとめた独自平均は算出していません。平均変動率は継続地点の変動率の平均で、今年と前年の公表平均価格同士を比較した変化率とは異なります。標準地数は原表の表記に従い、隔年調査等の注記は原典で確認できます。
200㎡換算は「円/㎡×200㎡÷10,000」。面積による単純な算術例で、個別敷地の形状・接道・造成・権利や建物・解体・修繕の費用は反映していません。
| 市区町村 | 住宅地平均価格 | 200㎡の算術例 | 原表PDF |
|---|---|---|---|
| かすみがうら市 | 19,500円/㎡ | 390万円 | 21ページ |
| 石岡市 | 18,200円/㎡ | 364万円 | 20ページ |
| 土浦市 | 30,700円/㎡ | 614万円 | 20ページ |
| 小美玉市 | 13,700円/㎡ | 274万円 | 20ページ |
この指標を手掛かりに、次は駅や道路、敷地の高さ、築年、建物と設備の状態が近い取引を探します。売出価格は募集時の希望額、取引価格は実際の売買の記録。それぞれの時点を確かめ、査定額と必要な工事費を並べると、現況のまま引き継ぐ場合の手残りも考えやすくなります。
国土交通省の取引価格情報を調べる ↗06 — TSUNAGU’S VIEW
実務の視点 — 堤 誠之
八郷などの農地付きの家は、建物と敷地を一つの価格だけで見ないことが大切です。どの地番が宅地で、どこが農地か。買主が農地も使うのか、住宅部分を中心に引き継ぐのかで、準備する手続きが変わります。分筆や農地転用、非農地の扱いはそれぞれ要件があるため、方法を先に決めず現況と台帳から相談します。古い梁や建具も、次の人の使い方が見えるまで残せるかを考えたいところです。
本特集に寄せられた、この地域に関する実務コメントを趣旨を保って編集しています。
エリアの見解 — TSUNAGU編集部
湖畔の眺めと里山の暮らしは、住宅の駅距離だけでは伝えきれない魅力です。一方、その景色を維持するには、庭や農地、屋根、排水を守る仕事が続きます。TSUNAGUでは、古民家の趣を残す費用と、新しく使う設備の費用を分け、実需の住まいとしての引継ぎと宿泊施設への再生を比べます。広さを全て事業へ使うより、管理できる範囲から計画を始める方が、その家を長く残す道になると考えます。
地域の公的資料、地価の原表、上記の実務視点を踏まえた編集部の分析です。
07 — REPAIR & INFRASTRUCTURE
古い家は屋根、雨漏り、土台、蟻害、増改築を調べます。古民家の構造に詳しい専門家と、梁や建具を残す方法と、安全・断熱を整える工事を分けて見積もります。
地番、地目、農用地区域、境界を調べ、庭・駐車場・排水に使える範囲を整理します。分筆しただけで農地の規制がなくなるわけではなく、農業委員会等への確認が必要です。
湖岸の水位や風、山裾の排水、敷地へ水が集まる場所を調べます。雨の日の現況と防災情報、浄化槽や水路の状態を、見た目の景色と一緒に記録します。
雨漏りや構造の傷み、落下や倒壊につながる部分は、使い方を決める前にも対応が必要です。点検した内容、工事の履歴、見積りが揃うと、次の買主や借主に引き継ぐ条件も具体的になります。
08 — SIX CHOICES, ONE HOUSE
農業や庭仕事をしたい人へ、土地の範囲と管理の負担を明らかにして渡す案です。農地を含む取得や利用には、所管窓口で要件を確認します。
使う部屋を絞り、屋根と水回りを先に整えます。制作道具や収納、断熱と通信を、実際の利用頻度に合わせて加えていく方法があります。
少人数の一棟貸しや古民家宿を考える案です。建物・敷地と許認可の条件、清掃や管理を担う人を先に調べ、地域の食や体験との連携を検討します。
工事を決める前の比較
現況の売却査定と、改修・解体後の査定を比べ、工事・片付け・測量・売却までの維持費を差し引きます。先に出す費用と、引継ぎまでの期間まで揃えると、ご家族が選びやすくなります。
現況売却と解体の手残りを試算する →09 — A PLACE TO STAY
里山の古民家宿や湖辺の一棟貸しを考える場合は、建物の調査と農地の扱いを並行して進めます。住宅宿泊事業の届出と旅館業の許可では要件が異なり、農地を庭や駐車場へ使う計画にも別の手続きが関わります。自転車の洗い場や屋外の滞在空間は、排水・近隣の暮らし・ごみも含めて設計。地域で続く管理をつくり、営業日数と定員、修繕予算から無理のない運営規模を考えます。
住宅宿泊事業は住宅の要件を満たし、年間180日以内の上限や地域の条例に沿って行う制度です。一棟貸しという呼び方だけでは営業区分は決まらず、旅館業は用途・施設・営業方法に応じた許可等を確認します。[08][09]
用途地域、地区計画、接道、建築、消防、給水・排水を調べ、所在地を管轄する行政へ事前相談します。庭や室内の改装を発注する前に、使える範囲と必要な工事を具体的にします。
予約や鍵を電子化した後も、清掃、設備故障、夜間の連絡、ごみと近隣対応は続きます。移動と駐車、作業の報酬、緊急時の担当まで含めて、住宅賃貸や自己利用の案と比較します。
10 — START WITH WHAT YOU KNOW
所在地・地番、名義、納税通知書、図面、工事の履歴。揃わない資料は、所在と入手先から整理できます。
使う予定、片付け、修繕、維持費、相続の状況。売却に決めていなくても、優先したいことから比べられます。
再建築、農地、道路、地区計画、宿泊営業など、論点に合わせて資料と図面を示し、必要な手順を相談します。
| 相談したいこと | 窓口・公式案内 | 用意したい資料・相談内容 |
|---|---|---|
| 空き家バンク・管理・活用の相談 | 石岡市 生活環境課空家相談室 0299-23-1111 | 所在地・地番、名義が分かる資料、家の状態と希望する使い方。 |
| 空き家バンク・管理・活用の相談 | 土浦市 生活安全課 029-826-1111 | 所在地・地番、名義が分かる資料、家の状態と希望する使い方。 |
| 空き家バンク・管理・活用の相談 | かすみがうら市 地域コミュニティ課 029-897-1111 | 所在地・地番、名義が分かる資料、家の状態と希望する使い方。 |
| 空き家バンク・管理・活用の相談 | 小美玉市 環境課 0299-48-1111 | 所在地・地番、名義が分かる資料、家の状態と希望する使い方。 |
| 住宅宿泊事業の届出・事前相談 | 茨城県 生活衛生課 029-301-3414 | 所在地、住宅としての利用状況、図面、地区計画と管理体制。調整区域は開発担当へも確認。 |
| 旅館業の営業許可 | 所在地を管轄する保健所 | 敷地と建物の図面、定員、給水・排水、工事と運営の計画。水戸市は市保健所が担当。 |
消防設備は管轄消防とも協議します。受付時間、予約、担当課の連絡先は、リンク先の公式案内で確認できます。
11 — TOOLS & PRACTICAL GUIDES
費用を試す。契約や土地の言葉を知る。地域の歴史と宿の実務を読む。気になることから、TSUNAGUの既存特集へ進めます。
12 — QUESTIONS FROM OWNERS
分筆は土地の区画を分ける手続きで、農地法等の利用制限が自動でなくなるものではありません。現況、農地区分、農用地区域、買主の利用目的を農業委員会等と確認し、権利移転や転用の方法を検討します。
残す価値と建物の安全を調べながら検討できます。屋根、構造、土台、配管、改修履歴を専門家と確認し、保存する部分と更新する設備を分けて見積もります。使い方や宿泊営業の要件も合わせて確認します。
所在地と、いま分かることから相談できます。名義や権利、建物の状態、残す品と処分する品を整理し、大きな片付けや改修を発注する前に、現況での引継ぎも含めて比べます。
土地としての需要に加え、修繕して住みたい買主の選択肢もあります。現況と解体後の査定、工事費、再建築の条件、税負担と管理費を比べます。危険な部分には早めに対応し、大きな工事は査定や見積りを踏まえて判断できます。
相談できます。住宅や別荘としての売却、戸建て賃貸、家族の二拠点利用などを、立地と建物の条件から比較します。宿泊転用の可否だけで、家の引継ぎ方が決まるわけではありません。
住宅宿泊事業の住宅要件と営業日数、賃貸借の契約、実際の利用形態を確認して検討します。1か月以上という期間だけで旅館業に当たらないと決まるものではありません。所在地の条例・規約と管理体制を含め、管轄窓口へ相談します。
構造、用途、築年、取得価額と使用状況、取得後の工事内容で取扱いが異なります。耐用年数や修繕費・資本的支出の区分を税理士等に確認し、売買契約と工事明細、取得後の収支を合わせて検討できます。
相談できます。家族が使う予定と年間の維持費、今後の修繕を整理し、売却、賃貸、自己利用、宿泊活用、解体、維持管理を比較します。登記・税務・建築・許認可などは必要に応じて専門家と確認します。
13 — TSUNAGU, THE NEXT CHAPTER
売ると決めていなくても。
修繕や土地の条件が気になっていても。
家と、ご家族に合う引継ぎを。
JAPAN REALTOR — PRACTICAL PERSPECTIVE
不動産業界21年目。一棟収益不動産や宿泊施設の売買・事業再生に携わり、旅館法人3社の代表として再生・運営に関わってきました。空き家や空き別荘、企業保養所について、現況での売却・引継ぎから活用の検討まで相談を受けています。
土地の利用条件と、取得・修繕・運営の費用を一緒に考え、必要に応じて登記・税務・建築・許認可の専門家と連携します。
代表者の経歴と相談領域を読む →売却のご相談0120-940-592
ジャパンリアルター株式会社/宅地建物取引業:東京都知事(2)第104145号
14 — EDITORIAL, DATA & PHOTO CREDITS
編集・構成:TSUNAGU編集部(ジャパンリアルター株式会社)。編集確認日:2026年11月1日。官公庁・自治体・観光協会・施設運営者等の公表資料および公的統計をもとに、地域の歴史・暮らしと、空き家の売却・保存活用の視点から編集した専門特集です。地価の対象時点・原典・転記と計算の条件は本文に記しています。実務の視点は堤 誠之から寄せられた地域別コメントを趣旨を保って編集し、エリアの見解は公開資料と実務視点を踏まえた編集部の分析として掲載しています。個別の掲載写真や施設、住宅が空き家・売却募集中であることを示すものではありません。最新の利用案内や個別条件については、各公式情報・管轄窓口にてご確認ください。
かすみがうら市の湖岸から望む霞ヶ浦
Photo: Σ64 / CC BY 4.0 / 原写真と利用条件
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土浦市街の風景
Photo: 土浦 / CC BY-SA 3.0 / 原写真と利用条件
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霞ヶ浦大橋と湖の広がり
Photo: katorisi / CC BY-SA 3.0 / 原写真と利用条件
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