川を行き交う人と物
利根町の布川には、河岸のにぎわいと文人の記憶が残ります。柳田國男が少年期を過ごした場所や小林一茶ゆかりの句碑を訪ねると、川辺が暮らしと文化を育てた土地だったことが分かります。住宅地の背後にも、人が集まってきた長い時間があります。[04]

TSUNAGU — HOMES & LOCAL STORIES 24
茨城県 / 取手・龍ケ崎・利根・河内
空き家・住宅地の売却と活用
取手の駅や住宅地から、龍ケ崎の丘、利根町の川辺へ。都心へ通ってきた家も、庭仕事を楽しんだ家も、この地域の暮らしの一部です。残された家具や設備を急いで処分する前に、住む人の一日と、土地・建物に必要な手入れから、次の引継ぎ方を考えます。
歴史と、いまの暮らし
公的地価を同じ時点で
実務の視点と、再生の道
01 — HOME & LOCAL STORIES
取手の駅や住宅地から、龍ケ崎の丘、利根町の川辺へ。都心へ通ってきた家も、庭仕事を楽しんだ家も、この地域の暮らしの一部です。残された家具や設備を急いで処分する前に、住む人の一日と、土地・建物に必要な手入れから、次の引継ぎ方を考えます。
片付けや改修を急いで決める前に、家の来歴、土地の使い方、必要な手入れから考えてみる。住まいとして売る・貸す道と、家族の二拠点利用や宿泊活用を、一軒ごとの条件に沿って比べます。
02 — HISTORY & NEIGHBOURHOODS

利根町の布川には、河岸のにぎわいと文人の記憶が残ります。柳田國男が少年期を過ごした場所や小林一茶ゆかりの句碑を訪ねると、川辺が暮らしと文化を育てた土地だったことが分かります。住宅地の背後にも、人が集まってきた長い時間があります。[04]
取手市の計画には、戸頭住宅団地が昭和40年代後半に整備されたこと、その生活機能を維持しながら再生を進める考え方が記されています。学校や公園、買物の場所と一緒に育った住宅地は、建物を直すことに加え、暮らしのつながりを受け渡す場所でもあります。[05]
戸頭、桜が丘、北竜台、羽根野台や早尾台。同じ時代の住宅でも、駅への道、敷地の高さ、接道、設備の更新状況は異なります。分譲当時の図面と今の姿を照らし合わせることで、残す部分と整える部分を具体的に考えられます。
03 — DIFFERENT HOMES, DIFFERENT LIVES
戸頭・取手桜が丘・光風台・竜ヶ崎ニュータウン・利根羽根野台・早尾台 等
鉄道や買物に近い住まいと、駅まで車やバスを使う住まいを分けて見ます。庭を駐車場へ変える案も、接道や歩道の工事、植栽と隣地の境界から検討したいところです。
ニュータウンの戸建ては、通学や通勤、家の中と庭の段差が次の暮らしに関わります。外観の印象に加え、給湯器、屋根、配管をいつ更新したかが、再生予算を考える手掛かりになります。
布川の旧市街と住宅地では、町の風景と日々の移動が変わります。家具が残った家も、何を引き渡すか、庭の手入れを誰が担うかを決めることで、相談を進められます。[04][06]
農地と住宅が隣り合う敷地では、地番、農地の扱い、水と排水の経路まで確かめます。広さを生かす計画には、浸水への備えと不在時の管理も欠かせません。
04 — REASONS TO SPEND TIME HERE
柳田國男記念公苑や一茶の句碑、神社や寺を歩く時間。名所を一度に巡るより、近所の道を少しずつ知っていく楽しみがあります。家を残す理由を、川辺の暮らしから探せます。[04]
利根町の親水公園や桜づつみは、水辺に親しむ場所です。春の散歩、季節の花、庭の手入れを一つの休日に重ねれば、遠くへ旅に出なくても過ごす場所ができます。[04]
戸頭の再生計画が大切にしているのは、暮らしを支える施設と歩いて楽しい町です。家の広さに加え、公園や店へ無理なく行けるかも、次の住まい手に伝えたい魅力になります。[05]

05 — LAND VALUES & LOCAL CONTEXT
鉄道を使う通勤圏と、車で暮らす住宅地を分けて比較します。駅からの距離、土地の高さ、道路、水回り、残置物の負担が近い取引を探すと、自宅の査定に役立つ材料になります。[10]
2026年地価公示 / 住宅地・市区町村別平均価格
標準地の土地価格をもとにした自治体別の平均です。町丁や分譲地ごとの売値、古家付き住宅の取引価格とは区別して読みます。調査地点の立地と数は自治体によって異なります。
都県が公表した2026年地価公示の住宅地平均価格を原表から転記しました。複数の自治体をまとめた独自平均は算出していません。平均変動率は継続地点の変動率の平均で、今年と前年の公表平均価格同士を比較した変化率とは異なります。標準地数は原表の表記に従い、隔年調査等の注記は原典で確認できます。
200㎡換算は「円/㎡×200㎡÷10,000」。面積による単純な算術例で、個別敷地の形状・接道・造成・権利や建物・解体・修繕の費用は反映していません。
| 市区町村 | 住宅地平均価格 | 200㎡の算術例 | 原表PDF |
|---|---|---|---|
| 取手市 | 46,500円/㎡ | 930万円 | 21ページ |
| 龍ケ崎市 | 29,100円/㎡ | 582万円 | 20ページ |
| 利根町 | 13,600円/㎡ | 272万円 | 21ページ |
| 河内町 | 9,700円/㎡ | 194万円 | 21ページ |
この指標を手掛かりに、次は駅や道路、敷地の高さ、築年、建物と設備の状態が近い取引を探します。売出価格は募集時の希望額、取引価格は実際の売買の記録。それぞれの時点を確かめ、査定額と必要な工事費を並べると、現況のまま引き継ぐ場合の手残りも考えやすくなります。
国土交通省の取引価格情報を調べる ↗06 — TSUNAGU’S VIEW
実務の視点 — 堤 誠之
この生活圏では、家財が残っていることだけを理由に、売主が先に大きな片付け代や改装費を出す必要があるかを考えたいですね。買主がDIYや賃貸再生を考えているなら、残す家具や建具にも使い道があります。屋根や水回り、道路と境界を調べ、現況で引き渡す案と売主が整える案を、手残りまで比べます。駅や通勤先への移動が合う住宅としての引継ぎも、宿泊活用と同じように大切な選択肢です。
本特集に寄せられた、この地域に関する実務コメントを趣旨を保って編集しています。
エリアの見解 — TSUNAGU編集部
公示地価には、取手・龍ケ崎と利根・河内で異なる指標が表れます。ただ、市町の平均だけでは、整った住宅地の一軒と農地に囲まれた家の違いは見えません。TSUNAGUでは、生活圏が合う買主を探す視点と、修繕を引き受ける買主を探す視点を重ねたいと考えます。先に内装を一新するより、接道・水回り・工事履歴を伝えられることが、費用を決める話し合いにつながります。
地域の公的資料、地価の原表、上記の実務視点を踏まえた編集部の分析です。
07 — REPAIR & INFRASTRUCTURE
駐車台数を増やすなら、門塀や庭石を撤去する費用、歩道切下げ、隣地との高低差を見積もります。庭を全て舗装する案だけでなく、既存の植栽を残す案も比べられます。
床下の湿気、給排水管、過去の浸水や漏水の記録を調べます。川や低地が近い家は、ハザード情報と敷地の高さ、避難や通行の経路を一緒に見ます。
家財の一覧と、残すもの・処分するものを写真で共有します。引渡し後の撤去、設備の故障、越境など、把握した内容と負担を契約に記すことが大切です。
雨漏りや構造の傷み、落下や倒壊につながる部分は、使い方を決める前にも対応が必要です。点検した内容、工事の履歴、見積りが揃うと、次の買主や借主に引き継ぐ条件も具体的になります。
08 — SIX CHOICES, ONE HOUSE
通勤や学校、買物が合う家族向けに、必要な水回りと安全を整える案です。賃料査定と工事見積りを先に取り、空室と次の設備交換にも備えます。
床や壁、庭を自分で整えたい買主や借主に、建物の状態を見てもらう方法です。借主が工事する場合は、施工範囲と費用、退去時の扱いを取り決めます。
暮らす部屋を絞り、庭仕事や在宅勤務の拠点に戻す案です。通う頻度、交通費、巡回や草刈りを含む一年の負担から考えます。
工事を決める前の比較
現況の売却査定と、改修・解体後の査定を比べ、工事・片付け・測量・売却までの維持費を差し引きます。先に出す費用と、引継ぎまでの期間まで揃えると、ご家族が選びやすくなります。
現況売却と解体の手残りを試算する →09 — A PLACE TO STAY
川辺や庭で過ごす一棟貸しを考える場合も、住宅としての売却や賃貸と並べて検討します。用途地域・地区計画・住宅の要件と、消防、清掃、騒音、ごみを調べ、改修費と営業できる日数から収支を組みます。茨城県の住宅宿泊事業の相談先は県生活衛生課。市街化調整区域では開発担当への事前確認も必要です。旅館業は施設所在地の保健所へ、別の許可手続きとして相談します。
住宅宿泊事業は住宅の要件を満たし、年間180日以内の上限や地域の条例に沿って行う制度です。一棟貸しという呼び方だけでは営業区分は決まらず、旅館業は用途・施設・営業方法に応じた許可等を確認します。[08][09]
用途地域、地区計画、接道、建築、消防、給水・排水を調べ、所在地を管轄する行政へ事前相談します。庭や室内の改装を発注する前に、使える範囲と必要な工事を具体的にします。
予約や鍵を電子化した後も、清掃、設備故障、夜間の連絡、ごみと近隣対応は続きます。移動と駐車、作業の報酬、緊急時の担当まで含めて、住宅賃貸や自己利用の案と比較します。
10 — START WITH WHAT YOU KNOW
所在地・地番、名義、納税通知書、図面、工事の履歴。揃わない資料は、所在と入手先から整理できます。
使う予定、片付け、修繕、維持費、相続の状況。売却に決めていなくても、優先したいことから比べられます。
再建築、農地、道路、地区計画、宿泊営業など、論点に合わせて資料と図面を示し、必要な手順を相談します。
| 相談したいこと | 窓口・公式案内 | 用意したい資料・相談内容 |
|---|---|---|
| 空き家の管理・利活用 | 取手市役所 0297-74-2141 | 所在地、名義と現況、管理の困りごとや売却・活用の希望。代表窓口から空き家の管理・利活用を担当する部署へ相談。 |
| 空き家バンク・管理・活用の相談 | 龍ケ崎市 まちの魅力創造課空家対策室 0297-64-1111 | 所在地・地番、名義が分かる資料、家の状態と希望する使い方。 |
| 空き家バンク・管理・活用の相談 | 利根町 生活環境課 0297-68-2211 | 所在地・地番、名義が分かる資料、家の状態と希望する使い方。 |
| 空き家バンク・管理・活用の相談 | 河内町 生活環境課 0297-84-6970 | 所在地・地番、名義が分かる資料、家の状態と希望する使い方。 |
| 住宅宿泊事業の届出・事前相談 | 茨城県 生活衛生課 029-301-3414 | 所在地、住宅としての利用状況、図面、地区計画と管理体制。調整区域は開発担当へも確認。 |
| 旅館業の営業許可 | 所在地を管轄する保健所 | 敷地と建物の図面、定員、給水・排水、工事と運営の計画。水戸市は市保健所が担当。 |
消防設備は管轄消防とも協議します。受付時間、予約、担当課の連絡先は、リンク先の公式案内で確認できます。
11 — TOOLS & PRACTICAL GUIDES
費用を試す。契約や土地の言葉を知る。地域の歴史と宿の実務を読む。気になることから、TSUNAGUの既存特集へ進めます。
12 — QUESTIONS FROM OWNERS
相談できます。残すものと処分するもの、撤去費用の負担を写真や一覧で共有し、現況引渡しと片付け後の売却を比較します。危険な箇所への応急対応は先に手配します。
所在地のハザード情報、敷地の高さ、過去の浸水や床下・配管の状態、避難経路を確認します。川沿いという地名だけで安全性を判断せず、現地の条件と記録を合わせて考えます。
所在地と、いま分かることから相談できます。名義や権利、建物の状態、残す品と処分する品を整理し、大きな片付けや改修を発注する前に、現況での引継ぎも含めて比べます。
土地としての需要に加え、修繕して住みたい買主の選択肢もあります。現況と解体後の査定、工事費、再建築の条件、税負担と管理費を比べます。危険な部分には早めに対応し、大きな工事は査定や見積りを踏まえて判断できます。
相談できます。住宅や別荘としての売却、戸建て賃貸、家族の二拠点利用などを、立地と建物の条件から比較します。宿泊転用の可否だけで、家の引継ぎ方が決まるわけではありません。
住宅宿泊事業の住宅要件と営業日数、賃貸借の契約、実際の利用形態を確認して検討します。1か月以上という期間だけで旅館業に当たらないと決まるものではありません。所在地の条例・規約と管理体制を含め、管轄窓口へ相談します。
構造、用途、築年、取得価額と使用状況、取得後の工事内容で取扱いが異なります。耐用年数や修繕費・資本的支出の区分を税理士等に確認し、売買契約と工事明細、取得後の収支を合わせて検討できます。
相談できます。家族が使う予定と年間の維持費、今後の修繕を整理し、売却、賃貸、自己利用、宿泊活用、解体、維持管理を比較します。登記・税務・建築・許認可などは必要に応じて専門家と確認します。
13 — TSUNAGU, THE NEXT CHAPTER
売ると決めていなくても。
修繕や土地の条件が気になっていても。
家と、ご家族に合う引継ぎを。
JAPAN REALTOR — PRACTICAL PERSPECTIVE
不動産業界21年目。一棟収益不動産や宿泊施設の売買・事業再生に携わり、旅館法人3社の代表として再生・運営に関わってきました。空き家や空き別荘、企業保養所について、現況での売却・引継ぎから活用の検討まで相談を受けています。
土地の利用条件と、取得・修繕・運営の費用を一緒に考え、必要に応じて登記・税務・建築・許認可の専門家と連携します。
代表者の経歴と相談領域を読む →売却のご相談0120-940-592
ジャパンリアルター株式会社/宅地建物取引業:東京都知事(2)第104145号
14 — EDITORIAL, DATA & PHOTO CREDITS
編集・構成:TSUNAGU編集部(ジャパンリアルター株式会社)。編集確認日:2026年11月1日。官公庁・自治体・観光協会・施設運営者等の公表資料および公的統計をもとに、地域の歴史・暮らしと、空き家の売却・保存活用の視点から編集した専門特集です。地価の対象時点・原典・転記と計算の条件は本文に記しています。実務の視点は堤 誠之から寄せられた地域別コメントを趣旨を保って編集し、エリアの見解は公開資料と実務視点を踏まえた編集部の分析として掲載しています。個別の掲載写真や施設、住宅が空き家・売却募集中であることを示すものではありません。最新の利用案内や個別条件については、各公式情報・管轄窓口にてご確認ください。
取手市・古利根沼
Photo: English: Abasaa 日本語: あばさー / Public domain / 原写真と利用条件
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取手市藤代・小貝川橋
Photo: Miyuki Meinaka / Public domain / 原写真と利用条件
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取手市・小貝川の風景
Photo: jofutsu / CC BY 3.0 / 原写真と利用条件
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