水と手仕事が育てた地域
小川・東秩父に伝わる細川紙の製作技術は、2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。暮らしの中で受け継がれてきた手仕事が、地域を訪ねる理由にもなっています。[02]

TSUNAGU — HOMES & LOCAL STORIES 14
埼玉県 / 小川・嵐山・ときがわ・東秩父
空き家・住宅地の売却と活用
和紙を漉く手仕事、有機農業の畑、都幾川沿いの道。小川・嵐山・ときがわ・東秩父には、暮らしの営みと訪れる楽しみが近くにあります。昭和の戸建ても、里山の古民家も、残す素材と直す土台を見つめ直せば、次の人が手を入れて使う道を考えられます。
歴史と、いまの暮らし
公的地価を同じ時点で
実務の視点と、再生の道
01 — HOME & LOCAL STORIES
和紙を漉く手仕事、有機農業の畑、都幾川沿いの道。小川・嵐山・ときがわ・東秩父には、暮らしの営みと訪れる楽しみが近くにあります。昭和の戸建ても、里山の古民家も、残す素材と直す土台を見つめ直せば、次の人が手を入れて使う道を考えられます。
片付けや改修を急いで決める前に、家の来歴、土地の使い方、必要な手入れから考えてみる。住まいとして売る・貸す道と、家族の二拠点利用や宿泊活用を、一軒ごとの条件に沿って比べます。
02 — HISTORY & NEIGHBOURHOODS

小川・東秩父に伝わる細川紙の製作技術は、2014年に「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。暮らしの中で受け継がれてきた手仕事が、地域を訪ねる理由にもなっています。[02]
ときがわの慈光寺は、長く地域の信仰と文化を支えてきた寺です。町には国宝の経典や重要文化財を伝える歴史があり、山道や集落の風景にも土地の歩みが重なります。寺の来歴には寺伝として伝わる部分もあり、史料と伝承を分けて味わえます。[04]
小川町は、有機農業を地域づくりへつなぐオーガニックビレッジを宣言しています。町なかの住宅地と山裾の集落が近い地域では、仕事、家庭菜園、手仕事を暮らしに取り込む家の使い方も考えられます。空き家バンクは、その一軒を次の人へ紹介する入口です。[01][05]
03 — DIFFERENT HOMES, DIFFERENT LIVES
小川みどりが丘・東小川・嵐山花見台 等
計画された住宅地では、通勤・通学、買物、庭と駐車の使いやすさを確認。使う人が手を入れる余地と、先に直すべき雨漏りや設備を分けて伝えます。[05]
古い商家や戸建て、畑に近い家では、素材や庭の使い方も魅力になります。宅地と農地、道路、建物の用途を整理し、住まいと仕事場を組み合わせる案も比較します。[01]
駅周辺の暮らしと、山裾へ通う暮らしでは移動の仕方が違います。敷地と工事車両の通路、日々の買物を確かめ、住む・貸す・週末に使う案を並べます。[06]
景色と静けさに加え、斜面、土砂災害、給排水、不在中の管理を調べます。庭や建具、古い梁を残す場合も、安全と設備の調査を最初の予算に含めたいところです。[04][02]
04 — REASONS TO SPEND TIME HERE
小川町和紙体験学習センターでは、紙料作りから学ぶ体験が案内されています。工芸品を買うだけでなく、手を動かす時間を暮らしの近くに持てることも、この地域の魅力です。[03]
有機農業の取組が続く小川町では、畑と食のつながりを身近に感じられます。家の台所を使いやすく直し、地元の食材を楽しむ休日を重ねる。大がかりな施設を足さなくても、滞在の理由を育てられます。[01]
ときがわ町の慈光山歴史公苑には、寺と文化財を訪ねる楽しみがあります。町を歩き、山里の道をたどる時間を、一軒の家から始める。雨天時や足元の条件も含めて行程を組むと、無理のない滞在になります。[04]

05 — LAND VALUES & LOCAL CONTEXT
駅や計画住宅地の近さと、山里の眺め・敷地の広さを同じ指標で比べないことが大切です。地価の標準地と家の位置、接道、農地・山林の範囲を確かめ、改修費と管理費を加えて取得総額を見ます。[12]
2026年地価公示 / 住宅地・市区町村別平均価格
東秩父村は、今回参照した市町村別表に住宅地平均価格の掲載がありません。
標準地の土地価格をもとにした自治体別の平均です。町丁や分譲地ごとの売値、古家付き住宅の取引価格とは区別して読みます。調査地点の立地と数は自治体によって異なります。
都県が公表した2026年地価公示の住宅地平均価格を原表から転記しました。複数の自治体をまとめた独自平均は算出していません。平均変動率は継続地点の変動率の平均で、今年と前年の公表平均価格同士を比較した変化率とは異なります。標準地数は原表の表記に従い、隔年調査等の注記は原典で確認できます。
200㎡換算は「円/㎡×200㎡÷10,000」。面積による単純な算術例で、個別敷地の形状・接道・造成・権利や建物・解体・修繕の費用は反映していません。
| 市区町村 | 住宅地平均価格 | 200㎡の算術例 | 原表PDF |
|---|---|---|---|
| 小川町 | 25,300円/㎡ | 506万円 | 17ページ |
| 嵐山町 | 36,600円/㎡ | 732万円 | 17ページ |
| ときがわ町 | 16,900円/㎡ | 338万円 | 17ページ |
この指標を手掛かりに、次は駅や道路、敷地の高さ、築年、建物と設備の状態が近い取引を探します。売出価格は募集時の希望額、取引価格は実際の売買の記録。それぞれの時点を確かめ、査定額と必要な工事費を並べると、現況のまま引き継ぐ場合の手残りも考えやすくなります。
国土交通省の取引価格情報を調べる ↗06 — TSUNAGU’S VIEW
実務の視点 — 堤 誠之
小川やときがわの家では、買主が自分で手を加える楽しみも大切にしたいと考えます。売主の好みで内装を一新する前に、残したい建具や床、家具を分け、次の人の計画を聞く方法があります。ただし、DIYで楽しむ部分と、雨漏り・構造・水回りなど専門家が調べる部分は別です。住まい、アトリエ、週末拠点、条件を満たす宿泊施設を並べ、使い方に必要な工事と管理を具体的にしてから、現況で渡す範囲を決めたい地域です。
本特集に寄せられた、この地域に関する実務コメントを趣旨を保って編集しています。
エリアの見解 — TSUNAGU編集部
手漉和紙や農業、木の手入れが今も営まれる地域では、家に手を入れること自体が暮らしの目的になり得ます。その良さを伝えるには、古さを情緒だけで飾るのではなく、残せる部材、土地の権利、改修を続ける費用を具体的に示すことが大切です。整った住宅地の戸建てと山里の古民家を同じ予算で比べず、生活と管理の違いを伝える。そのうえで使い手が工夫できる余白を残すことが、地域らしい再生につながると考えます。
地域の公的資料、地価の原表、上記の実務視点を踏まえた編集部の分析です。
07 — REPAIR & INFRASTRUCTURE
見える梁や建具を残す前に、屋根からの雨水、土台・柱の腐朽、シロアリ等を点検します。内装を外した後に必要な工事が増える場合も見込み、予備費を残します。
庭のように見える土地も、登記や現況を地番ごとに確かめます。農地の利用、山林の境界、水路や進入路を整理し、買主が使える範囲を図面で共有します。
給水方式、浄化槽、排水先、露出配管、浴室や寝室の断熱を点検。長期不在なら水抜きや巡回を手配し、直した設備を使い続ける仕組みまで考えます。
雨漏りや構造の傷み、落下や倒壊につながる部分は、使い方を決める前にも対応が必要です。点検した内容、工事の履歴、見積りが揃うと、次の買主や借主に引き継ぐ条件も具体的になります。
08 — SIX CHOICES, ONE HOUSE
建具や床、庭の石などを見直し、安全・インフラは専門工事で整える案。残置物も一括撤去を先に決めず、引き継ぐ品と処分品を使い手と取り決めます。
アトリエや作業部屋を持つ家として、電源、音、換気、駐車、用途の条件を確認。生活と仕事を分ける場所を設け、無理のない改修から始められます。
宿泊を考えるなら、地域の食や体験とつなぎつつ、清掃・ごみ・緊急時対応を具体化。定員に合う給排水や消防の費用を含め、住宅として使う案と比較します。
工事を決める前の比較
現況の売却査定と、改修・解体後の査定を比べ、工事・片付け・測量・売却までの維持費を差し引きます。先に出す費用と、引継ぎまでの期間まで揃えると、ご家族が選びやすくなります。
現況売却と解体の手残りを試算する →09 — A PLACE TO STAY
古民家や庭があることと、宿泊営業ができることは別に確認します。用途地域、区域区分、農地、自然公園や防災上の指定を所在地から調べ、旅館業と住宅宿泊事業の手続き、建築・消防・衛生設備を相談します。住宅宿泊事業は年間180日以内の上限と住宅の要件があり、家主不在時の管理体制も検討が必要です。工事の前に計画を示し、山里の清掃・搬入・冬季対応を続けられる費用まで見積もります。
住宅宿泊事業は住宅の要件を満たし、年間180日以内の上限や地域の条例に沿って行う制度です。一棟貸しという呼び方だけでは営業区分は決まらず、旅館業は用途・施設・営業方法に応じた許可等を確認します。[10][11]
用途地域、地区計画、接道、建築、消防、給水・排水を調べ、所在地を管轄する行政へ事前相談します。庭や室内の改装を発注する前に、使える範囲と必要な工事を具体的にします。
予約や鍵を電子化した後も、清掃、設備故障、夜間の連絡、ごみと近隣対応は続きます。移動と駐車、作業の報酬、緊急時の担当まで含めて、住宅賃貸や自己利用の案と比較します。
10 — START WITH WHAT YOU KNOW
所在地・地番、名義、納税通知書、図面、工事の履歴。揃わない資料は、所在と入手先から整理できます。
使う予定、片付け、修繕、維持費、相続の状況。売却に決めていなくても、優先したいことから比べられます。
再建築、農地、道路、地区計画、宿泊営業など、論点に合わせて資料と図面を示し、必要な手順を相談します。
| 相談したいこと | 窓口・公式案内 | 用意したい資料・相談内容 |
|---|---|---|
| 小川町の空き家の売却・賃貸相談 | 小川町 空き家バンク担当 | 所在地、所有関係、住宅・仕事場などの希望、建物資料。 |
| 嵐山・ときがわ・東秩父の所在地別相談先 | 埼玉県 市町村空き家バンク案内 | 所在地を確認し、一覧から該当町村の制度・担当窓口へ進みます。 |
| 住宅宿泊事業の届出・管理体制 | 埼玉県 観光課 民泊・旅行業受付窓口 048-830-3959 | 所在地、住宅としての利用状況、平面図、管理方法。来庁相談は事前予約。 |
| 旅館業の施設基準・許可 | 埼玉県の管轄保健所 | 所在地、平面図、客室数・定員、給排水、営業計画を示して所管の保健所を確認。 |
消防設備は管轄消防とも協議します。受付時間、予約、担当課の連絡先は、リンク先の公式案内で確認できます。
11 — TOOLS & PRACTICAL GUIDES
費用を試す。契約や土地の言葉を知る。地域の歴史と宿の実務を読む。気になることから、TSUNAGUの既存特集へ進めます。
12 — QUESTIONS FROM OWNERS
使い手が残したいものと、撤去が必要なものを分けて相談できます。建物の安全や雨漏りを先に確認し、家具・建具は所有関係と引渡し範囲、処分費を契約で取り決めます。
住宅の敷地と農地を地番・現況から分けて確認します。農地を耕作以外に使う場合の転用や取得には手続きが関わるため、利用計画を示して所在地の農業委員会等へ事前相談します。
所在地と、いま分かることから相談できます。名義や権利、建物の状態、残す品と処分する品を整理し、大きな片付けや改修を発注する前に、現況での引継ぎも含めて比べます。
土地としての需要に加え、修繕して住みたい買主の選択肢もあります。現況と解体後の査定、工事費、再建築の条件、税負担と管理費を比べます。危険な部分には早めに対応し、大きな工事は査定や見積りを踏まえて判断できます。
相談できます。住宅や別荘としての売却、戸建て賃貸、家族の二拠点利用などを、立地と建物の条件から比較します。宿泊転用の可否だけで、家の引継ぎ方が決まるわけではありません。
住宅宿泊事業の住宅要件と営業日数、賃貸借の契約、実際の利用形態を確認して検討します。1か月以上という期間だけで旅館業に当たらないと決まるものではありません。所在地の条例・規約と管理体制を含め、管轄窓口へ相談します。
構造、用途、築年、取得価額と使用状況、取得後の工事内容で取扱いが異なります。耐用年数や修繕費・資本的支出の区分を税理士等に確認し、売買契約と工事明細、取得後の収支を合わせて検討できます。
相談できます。家族が使う予定と年間の維持費、今後の修繕を整理し、売却、賃貸、自己利用、宿泊活用、解体、維持管理を比較します。登記・税務・建築・許認可などは必要に応じて専門家と確認します。
13 — TSUNAGU, THE NEXT CHAPTER
売ると決めていなくても。
修繕や土地の条件が気になっていても。
家と、ご家族に合う引継ぎを。
JAPAN REALTOR — PRACTICAL PERSPECTIVE
不動産業界21年目。一棟収益不動産や宿泊施設の売買・事業再生に携わり、旅館法人3社の代表として再生・運営に関わってきました。空き家や空き別荘、企業保養所について、現況での売却・引継ぎから活用の検討まで相談を受けています。
土地の利用条件と、取得・修繕・運営の費用を一緒に考え、必要に応じて登記・税務・建築・許認可の専門家と連携します。
代表者の経歴と相談領域を読む →売却のご相談0120-940-592
ジャパンリアルター株式会社/宅地建物取引業:東京都知事(2)第104145号
14 — EDITORIAL, DATA & PHOTO CREDITS
編集・構成:TSUNAGU編集部(ジャパンリアルター株式会社)。編集確認日:2026年11月1日。官公庁・自治体・観光協会・施設運営者等の公表資料および公的統計をもとに、地域の歴史・暮らしと、空き家の売却・保存活用の視点から編集した専門特集です。地価の対象時点・原典・転記と計算の条件は本文に記しています。実務の視点は堤 誠之から寄せられた地域別コメントを趣旨を保って編集し、エリアの見解は公開資料と実務視点を踏まえた編集部の分析として掲載しています。個別の掲載写真や施設、住宅が空き家・売却募集中であることを示すものではありません。最新の利用案内や個別条件については、各公式情報・管轄窓口にてご確認ください。
小川町の町並み
Photo: Subcommandante / CC BY-SA 3.0 / 原写真と利用条件
原写真を縮小・WebP再圧縮。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
小川町・旧下里分校の木造校舎
Photo: Koda6029 / CC BY-SA 4.0 / 原写真と利用条件
原写真を縮小・WebP再圧縮。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
小川町・宮ノ入集落から望む官ノ倉山
Photo: Koda6029 / CC BY-SA 4.0 / 原写真と利用条件
原写真を縮小・WebP再圧縮。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。