TSUNAGUホテル・旅館の売買・M&Aプラットフォーム
奥道後・坪中川沿いの庭と湯宿
奥道後・坪中川沿いの庭と湯宿Photo: lienyuan lee / CC BY 3.0

HERITAGE ONSEN 100 — 95

守るべき日本の歴史・財産
名湯・秘湯遺産 厳選100撰

愛媛県 / 海と断崖・火山と絶景の湯

道後・鈍川・奥道後。
町の湯屋から、二つの渓谷の宿へ

道後の湯屋と商店街、今治の鈍川の渓谷、石手川に沿う奥道後。愛媛の湯を訪ねる旅には、町で湯上りを過ごす時間と、山の緑を眺めて休む時間があります。保存修理を重ねる公共浴場、里の温泉組合、昭和の建築を別々に読み、湯と建物を守る仕事へ近付きます。[1][3]

歴史

道後の本館改築と文学、鈍川の組合の仕事、奥道後の昭和建築を別の履歴として読む。

価値

湯上りの町歩き、里の食、渓谷を望む席に、三つの異なる休む時間がある。

未来

公共浴場と宿、源泉と作湯、保存修理と設備更新を分け、維持を担う人へ結ぶ。

HISTORY / VALUE / THE NEXT CHAPTER

残したい風景と、
湯のある暮らし。

鈍川温泉・せせらぎ交流館の入口周辺
鈍川温泉・せせらぎ交流館の入口周辺Photo: キアラア / CC0

道後温泉本館の周囲では、湯を使う人と町を歩く人が行き交います。そこから山へ目を向けると、松山市の奥道後には石手川と杉立山、今治市の鈍川には蒼社川の上流の緑があります。三つを同じ温泉街へまとめず、それぞれに腰を落ち着けると、湯上りに町へ出る一日と、館内から渓谷を眺める一日が違う魅力を持っていることが伝わります。

道後の本館は公共浴場であり、泊まる旅館とは役割が異なります。鈍川と奥道後も、道後の源泉の延長ではありません。源泉と温度の整え方、建物の履歴と改修、生活の道と館内の通路を別々に読むことが大切です。本館の修理から学べることと、個々の宿で残す部材や更新する設備を分ければ、地域の名声だけに頼らず、次の運営の具体的な姿を考えられます。[1][3]

※本ページは地域の温泉文化・歴史遺産の解説であり、掲載写真や施設が売却案件であることを示すものではありません。

TSUNAGU独自の編集企画「名湯・秘湯遺産100撰」の第95撰です。公的な認定や順位を表すものではありません。

02 / HISTORY & MEMORY

湯屋を改め、里と渓谷へ迎える

道後本館には改築を進めた伊佐庭如矢と漱石の来遊、鈍川には地元の有志が組合をつくった歴史があります。奥道後は湯山の由緒と昭和の本館を重ねます。古い伝承と近代の建物、現在の営業を分けて読むと、湯のある場所を人が使い続けるための工夫が見えてきます。[1][3][4][5][6][8]

道後では老朽化した湯屋を改める仕事に伊佐庭如矢が取り組み、1894年に神の湯本館が完成しました。翌年、英語教師として松山に来た夏目漱石は、手紙に湯と休憩を楽しむ建物の様子を残します。小説『坊っちゃん』と土地の関わりを知ると、湯に入るだけでなく、上階で茶を飲み休む時間にも目が向きます。古代の白鷺の話は別の伝承として楽しめます。

鈍川の組合は、1871年の温泉場整備、1921年の有志による組合設立、後の温泉施設の発展を紹介します。山の湯を見つけるだけでなく、道と建物、供給と受付を整えて客を迎えた歴史です。古い時代の湧出の説明には資料内の年代差があるため、古代の確定年を置かず、近代の組合と運営の記録から、里の湯を続ける仕事を読みます。

奥道後の宿公式は、石手川沿いにあった湯山七湯の由緒と、自館の湯を引く場所を分けて紹介します。今の本館は1967年の建築で、2020年に耐震工事を終えたと公表しています。古い湯の話と建物の年代は同じではありません。渓谷を望む昭和の空間に腰を落ち着けると、眺めを残しながら館を使い続ける近年の仕事も見えてきます。[1][3][4][5][6][8]

  1. 1871年

    鈍川の温泉場整備

    組合の沿革が旧今治藩の整備を紹介。古代の湧出伝承とは別の記録。[6]

  2. 1894年

    神の湯本館の改築

    伊佐庭如矢の取組で湯屋を改める。全ての棟が同じ年の建築ではない。[3][4]

  3. 1921年

    鈍川の温泉組合設立

    地元の有志が開発と運営を進める。[6]

  4. 1967年

    奥道後の本館

    根津耕一郎の設計による建物と運営者が紹介する。[8]

  5. 2020年

    奥道後本館の耐震工事

    施設が工事完了を公表。以後の個別点検と用途の条件は別に読む。[8]

  6. 2024年

    道後本館の営業再開と修理完了

    7月11日に全館営業を再開し、12月20日に修理工事完了。[3]

伊佐庭如矢

道後

老朽化した道後の湯屋を改め、1894年の本館へつないだ。[4]

夏目漱石

松山・道後

1895年の松山赴任と書簡に湯屋を伝える。『坊っちゃん』の表現と実際の滞在を分けて読む。[5]

鈍川の組合をつくった有志

鈍川

1921年の組合設立などを通して、里の湯の開発と運営を進めた。[6]

根津耕一郎

奥道後

奥道後の本館を設計し、川と緑を望む昭和の空間を残した。[8]

03 / THE WATER & ITS KEEPERS

混ぜて整える湯と、温めて使う湯

道後では異なる温度の源泉を混合して湯を整え、鈍川には冷鉱泉、奥道後の施設には加温する湯があります。三つの地域を同じ源泉と作湯へそろえず、それぞれの掲示を読みます。湯の心地よさは、源泉だけでなく配湯と温度、清掃と検査を担う日々の仕事にも支えられます。[1][6][7][8][9]

道後の公式は、異なる温度の源泉を組み合わせ、加水と加温をせずに温度を整える仕組みを紹介します。これは公表された共同浴場の湯の使い方です。周辺の宿では、それぞれが使う源泉と給湯の仕組み、浴槽の管理を個別に読めます。分湯場を公開地点から眺めると、町に湯が届く経路を知れます。源泉数と温度の総括値よりも、採用する分析と施設の対象をそろえて読みます。

鈍川の組合の表には玉川鉱泉を低張性アルカリ性冷鉱泉とする記載があり、今治市も冷鉱泉の地域として紹介します。本文のアルカリ性単純泉という短い呼び方と、分析対象の表は分けて読みたい情報です。源泉の低い温度と浴槽で使う温度には、温める仕事があります。湯のぬめりの印象だけで、無加温や全施設同一の湯を約束する地域名にはなりません。

奥道後壱湯の守は、大露天の硫黄系の泉質と加温調整を公表しています。同じページでも貸切の欄には異なる細かな泉質表現があるため、使う浴槽と現行分析の対象をそろえます。湯山七湯の全てが自館へ届くという意味でもありません。源泉と供給、熱を加える設備、貯湯と排水を別に記録することで、渓谷の眺めの下にある湯守の仕事を引き継げます。[1][6][7][8][9]

泉質・源泉と、資料が示す範囲
対象泉質・湯の特徴温度pH分析日・資料の時点確認範囲
道後の公式紹介の湯アルカリ性単純温泉個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載異なる温度の源泉を混合する調整。全宿全浴槽の作湯へ一般化しない。[1]
鈍川・玉川鉱泉の掲載表低張性アルカリ性冷鉱泉個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載組合本文と表で泉質表現が異なる。現行分析と施設別の加温を読む。[6][7]
奥道後壱湯の守の大露天アルカリ性単純硫黄泉として施設が公表個別源泉の分析書で確認個別源泉の分析書で確認採用する分析書に記載加温調整あり。貸切欄の別表現と分析対象を区別する。[8][9]

源泉の分析と、浴槽で使う湯を読み分ける。

分析書の源泉名・採水場所・年月日と、施設が掲示する加水・加温・循環・消毒の方法を合わせて確認します。地域に複数の源泉がある場合、ひとつの値をすべての湯宿や浴槽へ当てはめず、訪れる施設の最新の掲示を読んで入浴します。

鈍川温泉・せせらぎ交流館の館内展示
鈍川温泉・せせらぎ交流館の館内展示Photo: キアラア / CC0

04 / ARCHITECTURE & TOWNSCAPE

木の湯屋と、川に沿う昭和の館

道後本館は時代を異にする棟をつなぎ、保存修理を経て湯屋の役割を続けます。奥道後の本館は川に沿う横長の空間、鈍川は里の湯と宿のまとまりを持ちます。指定建築と一般の宿、公開と営業を分け、残す意匠と今も使う設備を一緒に読むことが大切です。[2][3][6][8]

奥道後・撮影時に残っていた旧ロープウェイの施設
奥道後・撮影時に残っていた旧ロープウェイの施設Photo: lienyuan lee / CC BY 3.0

道後本館は神の湯本館、又新殿・霊の湯棟、南棟と玄関棟など、異なる時代の建物がつながります。木の意匠と屋根、浴場と休憩の移動に、増築と修理の履歴があります。保存修理の資料は、屋根と部材、補強と排水などの仕事を伝えます。2024年の全館営業再開と修理完了を経た姿として、昔の工事囲いの写真とは時点を分けて眺めたい建物です。

奥道後壱湯の守は、根津耕一郎による本館と、川に沿って広がる眺めを紹介します。本館と露天は屋根のある連絡通路で結ばれ、館内の移動距離も施設が説明しています。大きな窓から眺める緑と、客が湯へ移る道、清掃と配膳の距離が一つの館をつくります。全館を新築同様とするのでなく、耐震工事の公表とその後の現況を合わせて読みます。

鈍川には日帰りのせせらぎ交流館と旅館があり、渓谷と里にそれぞれの入口を持ちます。温泉組合の沿革を、現在の各棟の建築年へ一括して移すことはできません。川を眺める席と湯、玄関から客室へ向かう道、食事と点検の動きを施設ごとに見ます。共同の湯を使う人と泊まる人、地域の生活の道を整理すると、里の静けさと営業を両立する形が見えてきます。[2][3][6][8]

建物・街並み・湯の道具に残る価値
建物・場所年代・位置付け残したい特徴
道後温泉本館の各棟1894年以後の増築と修理、2024年保存修理完了公共浴場の文化財建築。旅館の宿泊客室とは別の役割。[2][3]
奥道後壱湯の守本館1967年、2020年耐震工事完了と施設が公表根津耕一郎による川に沿う空間。窓と通路、館内移動を読む。[8]
鈍川の宿とせせらぎ交流館近代以後、施設ごとの沿革日帰りと宿泊、渓谷と生活の道をつなぐ建物。浴場と客室の役割、改修と手入れが、里で休む時間を支える。[6][7]

05 / STAY THROUGH THE SEASONS

町へ出る日と、渓谷を眺める日

道後では町歩きと菓子、鈍川では山菜と緑、奥道後では川沿いの四季が一泊を彩ります。花や紅葉の見頃を一日へ固定せず、外を歩く時間と館内で休む時間を分けます。三つの場所を一つの徒歩圏へまとめず、移動する日と腰を落ち着ける日を選ぶと、湯の旅に余白が生まれます。[6][8][10][11]

春は道後公園や町の公開道を歩き、湯上りに菓子を味わう時間をつくれます。鈍川の組合は桜と山菜料理を紹介し、山里で季節を迎える違う一日があります。どちらも開花と献立は天候と仕込みに合わせて替わります。一日に全てを訪ねるのでなく、町で歩く日と渓谷へ向かう日を分けると、湯へ戻る時間を急がずに過ごせます。

夏は鈍川の清流と奥道後の川沿いの緑が旅の景色になります。奥道後では館内の窓と屋根のある通路から自然を眺める選択もできます。川を望めることと、川へ降りて遊べることは別です。公開された遊歩道と施設内の案内に沿い、雨や増水の日は館内へ予定を寄せます。町の道後でも、暑い昼を避けた短い外歩きと湯上りの休憩が組めます。

秋冬は渓谷の色づきと温泉、鈍川のいのぶた鍋が楽しみになります。名物の材料と野菜の仕立ては提供する宿で替わります。町では坊っちゃん団子を店で選び、湯と商店街の行程を短く組めます。山の宿へ移る日は、道の天候と食事の時刻に合わせて余裕を持ちます。湯のある地域の知名度だけでなく、その日過ごしたい静けさから滞在先を選べます。[6][8][10][11]

春

町の花と山菜へ

道後の公開道、鈍川の花と食を別の行程で組み、湯へ戻る時間を残す。[6][10]

夏

緑を館内から眺める

川の公開道と施設の窓を使い分け、雨と増水の日は館内で休む時間へ替える。[6][8]

秋から冬

色づく渓谷と鍋の食

紅葉と湯、いのぶた鍋を宿の提供に合わせて味わい、町の菓子へも時間を配する。[6][8][11]

奥道後・坪中川沿いの庭の木々
奥道後・坪中川沿いの庭の木々Photo: lienyuan lee / CC BY 3.0

A WALK BETWEEN BATHS

湯の前後に、もうひと歩き。

道後の湯と分湯の背景へ

  1. 本館周辺の公開道
  2. 第4分湯場の公開地点
  3. 道後公園

湯を使う町の道を歩く。分湯設備の作業区画や地下へ自由に入る見学ではない。[1][10]

鈍川の渓谷を短く

  1. 鈍川温泉の公開道
  2. 整備された遊歩道の公開区間

橋と休憩所、緑を眺める。雨と増水、通行の案内に合わせ、川の岩へ降りる行程にしない。[6][7]

奥道後の館内から四季へ

  1. 本館ロビー
  2. 屋根付きの連絡通路
  3. 利用する浴場

館内移動を含めた滞在の行程。外の滝や伝説の岩へ自由に降りる散策とは別。[8][9]

TASTE OF THE REGION

鈍川のいのぶた鍋

地域の名物として組合が紹介する鍋。野菜と肉を合わせる仕立てを、料理を提供する宿で味わい、山里の一泊へつなげる。[6]

TASTE OF THE REGION

山菜の料理

鈍川の春を伝える食。採取場所を旅行者へ開放する案内ではなく、宿や店の料理として季節を味わう。[6]

TASTE OF THE REGION

坊っちゃん団子

小説にちなむ三色の串団子を、道後と松山の店で選ぶ。漱石が現在の商品を食べたという説明とは区別する。[11]

開花や展示、見学の予定に合わせて、散策先を組み合わせてみてください。共同浴場や山道などの利用案内は、訪問前に公式サイトでご確認いただけます。写真は、それぞれの撮影時点の記録です。

06 / PRESERVING THE HERITAGE

三つの湯と建物を、個別の図へ結ぶ

道後の公共浴場、鈍川の里の宿、奥道後の川沿いの館では、建物と供給、管理の役割が違います。指定の対象と自然公園の位置、源泉と温度調整を分けて調べます。残す部材と更新する設備、清掃と修理の担当を資料へ結び、今の使い方を次へ渡すことが出発点です。[1][2][3][6][7][8][9][10]

道後の保存修理からは、部材と屋根、補強と排水を一緒に考える過程を学べます。自館では同じ工事を写すのでなく、現在の構造と用途、供給と熱の設備を調べます。今治と松山、鈍川と石手川の位置を分け、川と道路、公園と敷地の境界を図にします。公開する場と宿泊する部屋、地域の湯と自館の管理を個別の担当へ結びます。

引継ぎの資料は、建物、営業、敷地、温泉、日々の管理に分けてそろえます。図面と現地が違う部分を先に洗い出し、所有者と管理者、工事を担う人を同じ表に置きます。保存の価値があることと、自由に改修できることは別の話です。残す部材と更新する設備を具体的に示せば、関係窓口との相談も、現場への引継ぎも進めやすくなります。[1][2][3][6][7][8][9][10]

01

湯屋の指定と地域の景観

道後本館の対象と周辺の宿、鈍川の自然公園、奥道後の敷地を分ける。位置と工事内容から相談する。[2][3][6][7]

  • 指定と区域図
  • 敷地と対象の範囲
  • 工事と公開の計画
02

木の部材と昭和の構造

道後の保存修理、奥道後の耐震、鈍川の各宿の履歴を別に読む。残す部分と更新する設備を図にする。[3][6][8]

  • 修理と改修の記録
  • 構造と部材の現況
  • 用途と避難の図
03

二市と二つの川の敷地

松山の道後・奥道後と今治の鈍川を分ける。川と道路、自然公園と自館の境界を整理する。[6][7][8]

  • 自治体と所在地
  • 川と道路の管理
  • 区域と敷地図
04

源泉と温度調整を継ぐ

道後の混合、鈍川の冷鉱泉、奥道後の加温を別々に調べる。供給と熱の設備、排水の担当を残す。[1][6][9]

  • 源泉と配湯資料
  • 現行分析と作湯
  • 加温と排水の記録
05

公共浴場と宿の営業

本館は公共浴場。宿泊と日帰り、見学と休憩の業務を分け、営業の承継と所有・管理の資料をそろえる。[2][6][9]

  • 用途と営業資料
  • 所有と管理の範囲
  • 受付と清掃の担当
06

湯と渓谷の日常管理

管路と熱の設備、木部と外装、館内の長い動線を記録する。増水と休止の案内を伝える担当も決める。[3][6][8][9]

  • 湯と設備の点検
  • 清掃と部材の記録
  • 天候と休止の連絡

残す部分と、
直す仕事を同じ図面に。

文化財の指定・登録、景観や公園の区域、建物の適法性、営業・温泉の許可は、対象と手続が異なります。用途変更の200㎡という面積基準だけで工事全体の要否を判断せず、工事の種類、規模、既存建築の状態を整理し、建築士と所管窓口へ同じ計画を示して相談します。[NAT02][NAT03][NAT04]

07 / MORE VALUE, WITH MEMORY

町の外歩きと渓谷の休憩を磨く

道後の湯上りの町歩き、鈍川の里の食、奥道後の川を眺める席を、各地の滞在として磨けます。三つを急いで回る行程へせず、一つの宿で休む余白を残します。源泉と設備、清掃と配膳の担当が回せる範囲から、その場所らしい時間を整える再生の提案です。[1][2][3][6][7][8][9][10]

町の宿では湯と商店街への短い地図を用意し、渓谷の宿では雨の日も眺める席と休む場所を整える案があります。食卓にはいのぶたや菓子の背景を短く添えます。客室を増やす前に、長い館内通路と配膳、湯の清掃が回るかを試します。三地域の名声を一つに借りるのでなく、自館が渡せる景色と静けさから一泊の過ごし方を選びます。

再生は、客室の見た目を変えるだけで完了する仕事ではありません。小さな範囲で給湯、清掃、食事、案内の動きを試し、担当者が無理なく回せる形を探ります。以下の三案は、この土地の特徴から考えた計画の提案です。特定の宿の取引や実施済みの成果ではなく、地域の魅力を次の運営へ渡すための出発点として読んでください。[1][2][3][6][7][8][9][10]

MODEL 01

町へ出る湯上りを磨く

道後で湯と商店街、文学の背景を短く案内する提案。公共浴場と泊まる宿の役割を分けて伝える。[1][5][10][11]

MODEL 02

渓谷を眺める一泊へ

鈍川の食と奥道後の館内の眺めを、各宿の特徴に沿って磨く提案。二つの地域を同じ徒歩圏にしない。[6][8][9]

MODEL 03

供給と構造から段階更新

源泉と温度調整、建物の部材と構造を先に整理し、席と部屋を順に整える提案。食と清掃も小さく試す。[1][3][6][8][9]

改修費と、続けるための資金。

木部と屋根、昭和の構造、海ではなく川沿いの外装、給湯と加温、排水と厨房を分けて積算します。公共浴場の保存と自館の工事を一つにせず、実施者と対象をそろえます。工事で休む範囲と期間、営業後も湯の点検と清掃、部材と設備の修繕を続ける資金を計画します。

資金制度は、保存、設備、防災、運営など目的ごとに対象と手続を調べます。採択や融資を先に約束せず、所有者と実施者、工事の範囲、着工前の条件をそろえて相談します。更新費だけでなく、営業を休む間の費用と、開業後の点検・修繕に残す資金を合わせて考えます。[1][2][3][6][7][8][9][10]

設備資金・運転資金、事業の対象、組合等の条件により融資制度は異なります。実際の費用と営業計画をそろえ、融資・補助金の募集条件と支払時期を確かめて資金繰りを組み立てます。[NAT05][NAT06]

08 / MARKET & RELATED GUIDES

愛媛全体と、町と山の宿泊を分ける

愛媛県全体、松山市、今治市、公共浴場の利用と各宿の宿泊では対象が違います。町歩き、渓谷、食と温泉では来る目的と必要な仕事も替わります。広域の数字を一つの施設の稼働へ直接重ねず、自館の泊数と目的、食と清掃、交通と湯の維持から営業を組みます。[1][2][3][6][7][8][9][10]

本館へ日帰りで入る人、道後に泊まって町を歩く人、山の宿で休む人では、移動と食事の時刻が違います。自館では目的、人数、泊数、館外の移動、食事、湯と清掃の担当を分けて記録します。県全域の来訪を各地域の同じ需要へ延ばさず、町と山で違う交通、館内移動、源泉の熱と建物の修繕費まで含めてサービスを選びます。

事業の検討では、売る客室の数だけでなく、掃除や湯の管理、食事の準備に必要な時間を記録します。工事中に使えない場所と休止期間を先に置き、支出と入金の時期を並べます。温泉地としての評価や歴史は、個別施設の収益や資金調達を約束するものではありません。現場が受け持てる仕事の量から、季節ごとの営業計画を組み立てます。[1][2][3][6][7][8][9][10]

観光庁2025年1〜12月確定値/都道府県全域の値
対象延べ宿泊者数外国人延べ宿泊者数外国人構成比リゾートホテル客室稼働率
愛媛県全域4,363,300人泊580,850人泊13.3%41.7%

外国人構成比は外国人延べ宿泊者数÷全体から算出。いずれも都道府県全域の統計で、この温泉地単独の集計や個別施設の売上・稼働率を示すものではありません。[MK01]

愛媛県全域の、
月別の宿泊者数。

県全域の季節変動を、その宿の客層や営業日、月別の販売実績と重ねます。地域全体の動きと個別の宿の運営を行き来しながら、滞在と事業の計画を考えます。

愛媛県の宿泊市場特集へ →
愛媛県の月別数値を表で確認する
愛媛県全域/2025年月別延べ宿泊者数
月人泊
1月327,190人泊
2月319,640人泊
3月394,350人泊
4月358,150人泊
5月371,920人泊
6月289,930人泊
7月328,010人泊
8月424,110人泊
9月349,390人泊
10月410,570人泊
11月420,500人泊
12月369,540人泊

09 / QUESTIONS

土地の価値と、個別の条件を分ける

地域の由緒、建物の指定、源泉と配湯、営業の許可は、それぞれ対象が異なります。土地の魅力を知った後は、個別の敷地と施設の資料へ進みます。残したい風景や過ごし方と、現場で続ける仕事を一緒に整理すると、調査や相談で確かめたい点が具体的になります。[1][2][3][6][7][8][9][10]

鈍川と奥道後は道後の源泉から引く湯ですか。

別の源泉と供給の説明を持ちます。道後の混合の仕組みを鈍川や奥道後の全施設へ当てません。[1][6][8][9]

道後本館へ宿泊できますか。

本館は公共浴場です。入浴と休憩、見学の案内を持つ場所で、周辺の旅館の宿泊とは別です。[2]

かけ流しなら加温していませんか。

奥道後の施設は源泉かけ流しと加温調整を公表します。流し方と熱を加えることは別の情報です。[9]

本館の指定は鈍川と奥道後の宿も含みますか。

対象は別です。本館各棟の文化財と周辺の敷地、別地域の宿を分け、位置と工事内容から条件を調べます。[2][3][6][8]

10 / PASS IT ON

湯上りの過ごし方から、残す役割を探す

道後の公開道と湯屋、鈍川の里、奥道後の川を眺める席を別の時間で訪ねてみてください。残したい過ごし方が見つかったら、所在地と敷地、建物の履歴、源泉と供給、温度調整、食と清掃の担当へ進みます。三つの土地の違いを知ることが、その宿の継承を考える入口です。[1][2][3][6][7][8][9][10]

残したい建物、引き継ぎたい仕事、守りたい屋号。今ある価値と、次に必要な手入れを言葉にするところから、宿の承継は始まります。

OWNERS

歴史ある湯宿を、
非公開で次へつなぐ。

施設名を伏せた下書きから、現在の営業、建物、温泉の条件を整理できます。公開を始める前の段階からご相談ください。

NEXT KEEPERS

受け継ぎたい価値から、
取得の条件を考える。

地域、予算、運営する人、必要な改修。大切にしたい文化と、続けられる事業の条件を整理して、次の宿との出会いに備えます。

売却・承継の前に、無料の計算ツールで手取りや税の目安を確かめられます。非公開での売却・保全のご相談はエージェントに相談、ご自身での登録は物件を登録からどうぞ。

編集:ジャパンリアルター株式会社 / 堤 誠之プロフィール / TSUNAGUの想い / 代表者note ↗

出典・写真・編集について

本文・統計の出典

  1. [1] 道後温泉公式|歴史・泉質・風情

    伝承と歴史、源泉を混合する温度調整、町の眺め。

  2. [10] 道後温泉公式|観光情報

    分湯場、空の散歩道、道後公園と寺社などの公開場所。

  3. [11] 松山市公式観光|坊っちゃん団子

    小説にちなむ三色の串団子と町の菓子。

  4. [2] 道後温泉公式|本館

    公共浴場の各棟、入浴と休憩、現行の利用案内。

  5. [3] 道後温泉公式|保存修理工事

    建築の変遷、修理と2024年全館営業再開・工事完了。

  6. [4] 松山市|本館改築と伊佐庭如矢

    1894年改築と初代町長の取組。

  7. [5] 松山市|夏目漱石と坊っちゃん

    1895年の松山赴任、書簡と小説の関わり。

  8. [6] 鈍川温泉郷温泉旅館組合|温泉について

    1871年整備と1921年組合、玉川鉱泉、渓谷といのぶた料理。

  9. [7] 今治市|温泉・温浴

    鈍川の冷鉱泉と施設、公園と湯治場の紹介。

  10. [8] 奥道後壱湯の守|歴史

    1967年根津耕一郎設計の本館、2020年耐震、湯山七湯と当宿の源泉。

  11. [9] 同|温泉

    当施設の硫黄系の泉質、加温と露天・貸切・客室の利用。

  12. [MK01] 観光庁|宿泊旅行統計調査・2025年確定値

    都道府県全域の2025年年計・月別データです。各温泉地や個別宿の実績ではありません。

  13. [NAT02] 国土交通省|既存建築物の活用の促進

    既存建築物の現況調査、改修と活用のためのガイドライン・制度資料を掲載しています。

  14. [NAT03] e-Gov法令検索|文化財保護法

    文化財の指定・登録、保存、現状変更と所有者変更などに関する法律の本文です。

  15. [NAT04] 環境省|国立公園における届出・申請

    区域と行為に応じて必要となる自然公園法上の許可・届出を案内しています。

  16. [NAT05] 日本政策金融公庫|一般貸付(生活衛生貸付)

    生活衛生関係営業の設備資金等について、対象と条件を案内しています。

  17. [NAT06] 日本政策金融公庫|振興事業貸付

    認定振興計画を持つ組合の組合員を対象とする融資と必要な証明を案内しています。

確認日:2026年10月29日。伝承、史料、分析値、建築・保存の記録と、編集上の再生提案を分けて記述しています。

写真の撮影地・利用条件

写真は各配布元の利用条件に従って掲載しています。撮影時点の景観・設備であり、現在の営業状況や、紹介施設が売却対象であることを示すものではありません。

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