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紅葉の那須岳と山肌を進むロープウェイ

TSUNAGU — ONSEN STORIES 24

栃木県 那須町

那須温泉NASU ONSEN

高原の風と、古湯のぬくもり。

白鹿の伝説をたどる湯本から、茶臼岳を望む高原へ。山の温泉と牧場の味を楽しみ、那須の奥行きに触れる旅。

Photo: 9689tatsuya / CC BY 4.0 · 2020年10月
土地
茶臼岳の麓に広がる温泉郷
湯
硫黄泉・単純温泉など
歴史
白鹿の開湯伝承が残る湯

The spirit of NASU

山の湯を訪ね、
高原の時間を楽しむ。

那須温泉は、那須連山の山麓に湧く温泉を訪ねる旅の入口です。歴史ある那須湯本を中心に、大丸、北温泉、新那須など、場所を変えると湯も周囲の景色も変わります。ひと続きの商店街に宿が並ぶ温泉地とは違い、山の斜面や森の中にそれぞれの湯宿があるため、まずは地図を開き、泊まりたい場所を探すところから旅が始まります。

湯本では鹿の湯や温泉神社を歩いて訪ね、翌日は茶臼岳の眺めや牧場へ。温泉の歴史に触れる時間と、高原でのびのび過ごす時間を一つの旅に組み込めます。山に近い宿で早めに休むのも、家族で楽しむ観光を一つ加えるのも那須らしい選び方。移動の予定を詰めすぎず、湯上がりに窓の外を眺める時間を残すと、高原に泊まる喜びが深まります。

NASU at a glance

那須温泉の基本情報

泉質・歴史・アクセスの要点(2026年10月26日確認)
所在地栃木県那須郡那須町・那須連山の山麓[6]
代表的な湯那須湯本の鹿の湯は硫黄泉[3]
歴史の手掛かり7世紀の開湯伝説と、738年の文献上の記録[1]
山の象徴茶臼岳は標高1,915mの活火山[4]
交通の起点JR那須塩原駅・黒磯駅から路線バス[7]

一つの名前の中に、異なる湯がある。

湯本を代表する湯
鹿の湯に代表される硫黄泉
温泉郷の広がり
湯本・大丸・北温泉・新那須など、山麓に点在する湯
宿選びの手掛かり
温泉地の名称に加え、使用源泉と浴槽の泉質を確認

那須湯本を代表する鹿の湯は、那須町観光協会が硫黄泉として紹介している湯です。湯の香りや浴場のたたずまいに触れると、山から湧く温泉を人々が大切に使ってきたことが身近に感じられます。一方、那須温泉郷には異なる源泉を使う施設があり、硫黄泉だけで全体を説明することはできません。色のある湯、透明な湯など、目当ての浴場を起点に宿を探す楽しみがあります。

湯本の湯を味わいたいのか、森に囲まれた露天風呂で過ごしたいのか。最初に希望を一つ決めると、広い那須の中でも選びやすくなります。源泉名や泉質は宿の温泉案内で、加水・加温・循環ろ過などは浴場ごとの掲示で確認を。共同浴場と宿の大浴場では設備や利用方法も異なるので、それぞれの案内に沿って、自分のペースで湯を楽しみましょう。

泉質・温泉の参考資料[1][2][3]

白鹿の伝説と、奈良時代の記録をたどる。

那須の古湯には、傷ついた白鹿を追った狩人が、鹿の浸かる湯を見つけたという開湯伝説があります。鹿の湯という名前にも、その物語が受け継がれています。伝説の年代と別に、那須町は738年の『駿河国正税帳』に那須温泉の名が見えることを紹介しています。伝わる話と記録に残る事実を合わせて読むと、この山の湯が長い時間をかけて知られてきたことが分かります。

湯本の町並みにも、変化を乗り越えた歩みがあります。町の解説によると、1858年の大雨による山崩れで湯川沿いの温泉場が被災し、温泉街は高台へ移りました。その後、明治には旭温泉、大正以降には新那須などが加わり、山麓の温泉郷が広がっていきます。いま歩く湯本と、森の中に点在する宿。その配置には、湯を守る営みと新しい滞在の形を育ててきた歴史が表れています。

白鹿にまつわる開湯年は、那須町の紹介では629年、那須高原ビジターセンターの紹介では630年とされています。本記事では7世紀の開湯伝説として扱い、738年の文献上の記録と区別しています。[1][2]

  1. 7世紀の伝説

    狩人が白鹿の浴びる湯を発見したという物語が伝わる。

  2. 738年

    那須町が紹介する『駿河国正税帳』に那須温泉の名が見える。

  3. 1858年

    大雨と山崩れの被害を経て、湯本の温泉街が高台へ移る。

  4. 明治〜大正以降

    旭温泉や新那須などが加わり、温泉郷の範囲が広がる。

歴史の参考資料[1][2]

湯本の散歩と、森に泊まる夜。

湯本の散歩では、温泉神社、殺生石、鹿の湯を地図の上でつないでみてください。湯の湧く場所と、人々が祈りを重ねてきた場所が近くにあることに気づきます。石や木々の姿を見ながら歩く時間は、車窓で見る高原とは違う那須を教えてくれます。坂道があるので、宿からの距離と高低差を確かめ、短い区間から楽しむとよいでしょう。

温泉街を離れると、滞在の中心は宿の中へ移ります。森に面した部屋で読書をしたり、夕食までひと眠りしたり。翌朝の予定を一つだけ決めておくくらいの余白が似合います。同じ那須でも、にぎやかな観光施設の近くと山深い湯宿では夜の過ごし方が異なります。夕食を宿で取るか、外へ出るかまで考えて選ぶと、土地との距離がちょうどよくなります。

古湯の物語から、那須連山の眺めへ。

那須湯本の山あいに建つ鹿の湯
湯本の歴史を伝える、鹿の湯のたたずまい。撮影:2022年5月写真クレジット ↗
01

鹿の湯

那須湯本を代表する、白鹿の開湯伝説に名を残す湯です。温泉神社や殺生石の散策と組み合わせると、温泉が湧く土地の歴史がつながります。入浴を予定する場合は、当日の受付や浴場の利用方法を公式案内で確認してから訪ねましょう。[3]

02

那須温泉神社

那須湯本で、温泉の物語とともに訪ねたい神社です。周辺には殺生石や地蔵群を結ぶ散策路があり、湯の町の成り立ちを歩きながら感じられます。参道の段差も見込んで、歩きやすい靴でゆっくりお参りを。[2]

03

殺生石

九尾の狐の伝説で知られる、那須湯本の名所です。木々に囲まれた神社の一角から、岩の目立つ谷へと景色が変わり、火山の山麓にいることを感じさせます。見学できる範囲は火山ガスや整備状況で変わるため、現地の掲示に従って散策してください。[2]

04

茶臼岳

標高1,915m、那須連山を代表する活火山です。湯本の背後に連なる山を近くで見ると、高原と温泉の関係がより鮮やかになります。山へ向かう日は、散策と登山を区別して計画し、天候・火山情報・運行や登山道の状況を確認しましょう。[4]

滞在に加えたい、もう一つの楽しみ。

南ヶ丘牧場

那須町湯本にある観光牧場。動物とのふれあいや乗馬のほか、牧場の牛乳やソフトクリームも楽しめます。体験を一つ選び、おやつを味わう時間を合わせると、温泉とは違う高原の休日になります。体験の実施状況は来場前に確認を。[5]

那須高原ビジターセンター

那須甲子地域の自然や歴史を、展示と案内で知ることができる施設です。散策ポイントや旬の自然情報も紹介しているので、湯本に着いてから行き先を考える際にも役立ちます。見える山や植物の名前を知ると、翌日の散歩が少し楽しみになります。[6]

山と高原で、季節の表情を見つける。

雪に覆われた那須温泉神社の参道
雪の参道に、山の温泉地の冬を感じる。撮影:2013年12月写真クレジット ↗

SPRING春

芽吹きの高原と湯本をゆっくり歩く季節。山側には雪が残ることもあるので、麓と同じ服装で考えず、当日の気温を見て行き先を決めましょう。

SUMMER夏

牧場や自然の案内施設を訪ね、夕方は宿へ戻る一日を。日差しの下で動く時間と木陰や館内で休む時間を組み合わせ、高原の風を味わいます。

AUTUMN秋

山の色づきを目当てにするなら、標高による季節の進み方も旅の楽しみに。山側の観光と湯本の散歩を別の時間帯に置くと、違う景色を味わえます。

WINTER冬

湯本や宿で過ごす時間を中心に、温泉のぬくもりを楽しむ休日へ。積雪や凍結を前提に交通を選び、到着後に無理なく過ごせる宿を探しましょう。

季節の過ごし方は編集上の提案です。花・紅葉・積雪の様子や体験の催行状況は年ごとに変わります。

牧場のミルクを、旅の寄り道に。

那須で高原らしい味を楽しむなら、牧場の乳製品も候補です。南ヶ丘牧場ではガーンジィ牛の牛乳を使った製品や、牛乳・ソフトクリームを味わえる軽食が案内されています。散策の後に冷たいおやつを一つ、帰りには持ち帰りやすい乳製品を探す。生産する場所と食べる場所が近いことが、牧場を訪ねる楽しさにつながります。

宿の夕食は、日中の過ごし方に合わせて選びたいもの。牧場や観光施設で昼食を楽しむ日は、チェックインに余裕を持たせて、湯に浸かってから食卓へ向かう流れにすると落ち着けます。宿泊施設の場所によっては外食先への移動が必要になるので、夕食の有無、食事の開始時刻、子どもの食事などを予約時に確認すると、夜の時間をゆっくり使えます。

地域の食・文化の参考資料[5]

同じ那須でも、泊まる場所で旅が変わる。

湯本の歴史を歩いて楽しむなら、散策の起点に近い宿を。山の景色を眺めたいなら標高や客室の向きを、家族で観光を組み合わせるなら訪ねたい施設への移動を重視すると、自分たちに合う宿が見えてきます。那須温泉という名前だけで近さを判断せず、地区名と地図を確かめることが、この温泉郷の宿選びの第一歩です。

公共交通を利用する場合は、最寄りのバス停から宿までの道順と送迎の有無が大切です。車なら山側の道路状況も確認を。露天風呂の眺め、貸切風呂の利用条件、食事の形式など、滞在中に大切にしたい条件を二つほど決めてから比較すると、施設の規模や価格だけでは分からない違いを見つけられます。

温泉地全体の宿泊施設総数

未確認参照資料の対象範囲による数値 [8]

温泉地の規模を知る、施設数の参考資料

確認できた公表資料からは、対象温泉地全体の旅館・ホテル総数を確定できませんでした。下記の予約サイト掲載件数は、全営業施設の総数と区別した参考値です。

参考:ゆこゆこ「那須温泉の宿」の表示は12件。2026年10月26日確認。これは同サイトの掲載件数で、那須温泉郷の全旅館・ホテル数や、ペンション等を含む那須町全体の宿泊施設数ではありません。[8]

宿を選ぶときの、三つの視点

  • 景色と立地見たい景色と、宿の周囲での過ごし方。
  • 温泉と食事利用する源泉・浴場、夕食の形式と会場。
  • 移動駅やバス停からの道順、送迎、荷物を持った移動。

湯本と高原を楽しむ、一泊二日の過ごし方。

宿での時間を大切にしながら、土地の見どころにも触れる一泊二日。以下は滞在の組み立て例です。

  1. 1日目・午後

    湯本へ到着。那須高原ビジターセンターで散策情報を集め、温泉神社や殺生石周辺を、足元と立入範囲を確認しながら歩きます。入浴を組み込む場合は、受付時刻にも余裕を。

  2. 1日目・夕方〜夜

    明るいうちに宿へ。選んだ源泉の湯と夕食を楽しみ、翌日の山の天気や交通を確認します。夜に移動を増やさず、部屋で落ち着く時間を残しておきましょう。

  3. 2日目・午前

    天候に恵まれたら茶臼岳方面の景色へ。登山をしない日は牧場で動物や乳製品を楽しむコースに替え、帰りの列車や道路の混雑も見込んで出発します。

2022年に割れた那須湯本の殺生石
温泉神社とあわせて訪ねたい、殺生石のある谷。撮影:2022年5月写真クレジット ↗

アクセスと、到着してからの過ごし方

鉄道ではJR那須塩原駅・黒磯駅から那須湯本方面の路線バスが基本です。那須町観光協会のアクセス案内から、関東自動車の現行時刻表を確認できます。温泉郷は広く、同じ方面のバスでも全ての宿の前へ行けるわけではありません。目的地の停留所、宿の送迎、山側の季節運行を組み合わせて計画しましょう。[7]

那須温泉の宿が、次へ繋ぐもの。

古湯の名と物語を守る湯本、森や山の環境を生かして客を迎える宿、高原の食をつくる牧場。那須の魅力は、それぞれが違う役割を持ちながら、一つの滞在につながるところにあります。湯を使い続ける営みと、山麓で過ごす楽しさを次へつなぐことが、那須らしいおもてなしを育てていきます。

宿の記憶を、次代へ

那須の湯と高原の滞在を、次の時代へ。

この土地で宿を営んできた方へ。これから地域の宿を受け継ぎたい方へ。TSUNAGUでは、ご自身で進めることも、必要な場面で担当者に相談することもできます。

本特集は温泉地の紹介です。写真・施設数・観光施設の記載は、TSUNAGUへの物件掲載や売却意向を示すものではありません。

Questions

那須温泉を、もう少し知る。

那須温泉と那須湯本温泉は同じですか?

那須湯本は、山麓に広がる那須温泉郷の歴史ある一地区です。那須温泉という名称で紹介される範囲には、大丸・北温泉・新那須なども含まれます。予約時は地区名と宿の所在地を確認してください。

那須温泉はすべて硫黄泉ですか?

鹿の湯は硫黄泉ですが、温泉郷には異なる源泉や泉質を使う施設もあります。目当ての湯がある場合は、宿の名称だけで判断せず、浴槽ごとの泉質や源泉を確認すると選びやすくなります。

開湯は何年と考えればよいですか?

白鹿にまつわる7世紀の開湯伝説があり、紹介資料では629年・630年の表記が見られます。一方、那須町は738年の文献に温泉名があると紹介しています。本記事は伝説の年代と記録を分けています。

車がなくても楽しめますか?

那須湯本方面へは那須塩原駅・黒磯駅から路線バスを利用できます。温泉神社や周辺散策を中心にするなら、湯本の停留所に近い宿が便利です。離れた施設も訪ねる日は、バスの便と宿の送迎を先に確認しましょう。

茶臼岳の観光と温泉を一日に楽しめますか?

組み合わせは可能ですが、山の観光と登山では必要な時間や装備が異なります。天候、火山情報、運行状況を確かめ、宿に戻る時刻を決めて計画を。荒天時はビジターセンターなどを軸に予定を替えられます。

掲載宿数12件は那須全体の宿数ですか?

ゆこゆこが那須温泉のページに掲載する宿の件数です。2026年10月26日に12件の表示を確認しました。那須町の宿泊施設全体や、温泉郷で営業する全施設の総数を表すものではありません。

Sources & photo credits

出典・写真クレジット

編集・構成:TSUNAGU。最終確認日:2026年10月26日。自治体・観光協会・施設運営者などの公表資料に基づく独自の特集です。開湯年の異説や集計時点が分からない数値は、その条件を本文に添えています。滞在プランと宿選びの提案は編集上の考察です。現地取材や独自の施設調査を実施した記事ではありません。料金・時刻・空室・当日の営業は各公式案内をご確認ください。

  1. 那須町|湯本温泉源 ↗湯本温泉源、白鹿の伝説、738年の記録、1858年の災害と移転、温泉郷の広がり
  2. 那須高原ビジターセンター|地域紹介・歴史と伝説 ↗開湯伝説の630年表記、温泉神社・殺生石と散策路
  3. 那須町観光協会|日帰り湯検索 ↗鹿の湯の泉質表記、温泉地による泉質の違い
  4. 栃木県|自然『山』茶臼岳 ↗茶臼岳の標高と活火山・那須連山の位置付け
  5. 南ヶ丘牧場|公式サイト ↗牧場の所在地、動物とのふれあい・乗馬、ガーンジィ牛の乳製品と飲食
  6. 那須高原ビジターセンター|施設紹介 ↗那須湯本の所在地、自然・歴史の展示、散策と自然情報の案内
  7. 那須町観光協会|アクセス ↗那須塩原駅・黒磯駅から那須湯本方面の路線バスと運行者への案内
  8. ゆこゆこ|那須温泉 ↗指定参考資料、那須温泉の掲載宿12件という表示。2026年10月26日確認

掲載写真について

Wikimedia Commonsで公開され、下記ライセンスで再利用できる実写写真を使用しています。配布元の縮小画像を保存し、表示時に枠に合わせてトリミングしています。撮影時点の風景であり、現在の施設の営業状況を示す写真ではありません。

紅葉の那須岳と山肌を進むロープウェイ ↗

原題:Tochigi-Mt. Nasu that burns in autumn-m.jpg

写真:9689tatsuya / CC BY 4.0 / 2020年10月

変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。

原掲載:https://search.find47.jp/ja/i/G9zmJ

那須湯本の山あいに建つ鹿の湯 ↗

原題:Deer's Spa, Nasu-Yumoto.jpg

写真:Miyuki Meinaka / CC BY-SA 4.0 / 2022年5月

変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。

この写真と表示用トリミングの改変部分は、元写真と同じCC BY-SA 4.0で提供します。

雪に覆われた那須温泉神社の参道 ↗

原題:Onsen Shrine; December 2013.jpg

写真:superidoljp / CC BY-SA 2.0 / 2013年12月

変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。

原掲載:https://www.flickr.com/photos/superidoljp/14096786009/

この写真と表示用トリミングの改変部分は、元写真と同じCC BY-SA 2.0で提供します。

2022年に割れた那須湯本の殺生石 ↗

原題:Splited Sessho-Seki.jpg

写真:Miyuki Meinaka / CC BY-SA 4.0 / 2022年5月

変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。

この写真と表示用トリミングの改変部分は、元写真と同じCC BY-SA 4.0で提供します。