SHIMA at a glance
四万温泉の基本情報
| 所在地 | 群馬県吾妻郡中之条町。四万川に沿って五つの地区が続く温泉地。[10] |
|---|---|
| 代表的な泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。成分量は源泉により異なります。[1] |
| 保養地の歩み | 1954年、酸ヶ湯・日光湯元とともに最初の国民保養温泉地に指定。[12] |
| 四万ブルー | 奥四万湖は四万川ダムによる人造湖。水の色は季節や光で変わります。[3] |
| 歴史ある建物 | 日向見薬師堂は国指定重要文化財。現在の堂は1598年建立。[5] |
川のそばの宿で、四万の湯を楽しむ。
- 代表的な泉質
- ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
- 温泉への親しみ方
- 宿の浴場に加え、足湯や共同浴場などを散歩に組み合わせる。
- 源泉の違い
- 成分量は源泉によって異なり、浴槽での利用方法も施設ごとに確認。
四万温泉協会は、四万の湯をナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉と紹介しています。源泉によって成分量が異なるため、温泉地の名だけで、すべての浴場が同じと考えることはできません。川の眺めを楽しむ露天風呂、落ち着いた内湯、貸切風呂など、どこでどんな時間を過ごしたいかを考えて宿を選ぶと、湯浴みの楽しみが具体的になります。
温泉街には足湯や共同浴場、飲泉所もあり、湯が宿の外の日常にも近いことが分かります。散歩の途中で足湯に寄るなら、小さなタオルを持つと便利です。飲泉は、どこの源泉でも自由に飲めるという意味ではなく、利用可能な飲泉所で表示に従って楽しむもの。宿や共同浴場の源泉名、浴槽の利用状況も確かめながら、四万の湯に親しんでみてください。
泉質・温泉の参考資料[1]
伝説から古文書へ、湯治の町の歩みを知る。
四万という名には「四万の病を癒す霊泉」という伝説が重なります。開湯についても、坂上田村麻呂に結びつく説と、989年に日向守碓氷貞光が夢のお告げから湯を知ったという説があります。これらは湯に寄せられた信仰や物語を伝えるものです。一方、積善館が紹介する古文書には、1681〜1684年の天和年間に温泉宿があったことを示す記録があり、江戸時代の湯治場の姿を具体的にたどれます。
宿に泊まり、湯に入り、土地の食べ物を味わいながら休む。四万では、その過ごし方が長く受け継がれてきました。積善館の本館は1691年に建てられ、1694年に旅籠として開業。時代の異なる建物が加わり、滞在の形も変わっていきます。1954年には酸ヶ湯、日光湯元とともに、最初の国民保養温泉地に指定されました。温泉だけでなく、休息の場としての環境も、この土地を知る大切な手掛かりです。
温泉名の由来や989年の開湯は伝説として記載しています。古文書が伝える江戸時代の宿の存在や、建物の建立年、国民保養温泉地の指定とは区別しています。[2][5][6][12]
- 開湯の伝説
坂上田村麻呂説と、989年の碓氷貞光のお告げにまつわる説が伝わる。
- 1598年
現在の日向見薬師堂が建立される。
- 1681〜1684年
積善館の紹介する古文書に、四万の温泉宿の存在を示す記録が残る。
- 1691・1694年
積善館の本館が建築され、1694年に旅籠として開業する。
- 1954年
酸ヶ湯、日光湯元と同時に、最初の国民保養温泉地に指定される。
川音を聞きながら、歩く距離を少しずつ。
四万の街歩きは、川と橋を目印にすると、その土地の形が分かってきます。宿の前から少し歩いて水を眺め、店や休憩場所を見つけて戻る。川沿いに複数の地区があるので、遠い名所を急いでつなぐより、泊まる地区の周辺から散策を始めると落ち着いて楽しめます。窓から見えていた川を橋の上から眺めれば、宿で過ごす時間と外の景色が自然につながります。
木造の宿のたたずまいを楽しむ日には、新湯周辺と積善館の外観を眺める散歩を。湯の由来に触れたい日には、日向見薬師堂へ。青い水を目当てに訪ねた場合でも、湖の写真を撮った後に、町でお茶を飲み、湯に浸かる時間を残してみてください。印象的な景色のそばに、長く泊まる人を迎えてきた日常が続いていることも四万の魅力です。
青い水と、湯治の歴史に出会う四つの名所。

奥四万湖
四万温泉の奥にある、四万川ダムによって生まれた湖です。「四万ブルー」と呼ばれる青い水は、場所や季節、天候、時間帯によって表情を変えます。協会は雪解け水の入る4〜5月も見どころと紹介しています。同じ青を再現しようとするより、その日に見える色を楽しみたい風景です。[3]
四万の甌穴
川の流れの中で小石が回転し、長い時間をかけて川底の岩を削ってできた穴です。吾妻観光連盟の案内では約130mの間に8つあり、1971年に県の天然記念物に指定されました。青い流れだけでなく、岩の丸い形にも目を向けると、水がつくってきた地形の面白さを感じられます。[4]
日向見薬師堂
国の重要文化財に指定されたお堂です。中之条町は、現存する棟札から創建を1537年以前とし、現在の堂は1598年に建てられたと紹介しています。開湯の伝承を知ってから訪ねると、温泉に寄せてきた人々の思いも身近に。建物の細部を眺め、静かに過ごしたい立ち寄り先です。[5]
積善館
本館、山荘、佳松亭と、時代の異なる建物を持つ温泉旅館です。運営者の案内では、本館は1691年建築、1694年開業。町を歩く際に外観から歴史に触れることも、宿泊や日帰り入浴で滞在することもできます。館内は宿泊者の場でもあるため、見学・利用できる範囲を公式案内で確かめて訪ねましょう。[6]
滞在に加えたい、もう一つの楽しみ。
湖でカヌーを楽しむ
四万温泉協会は、奥四万湖や四万湖でのカヌー体験を紹介しています。岸から眺める水と、湖面から見る山並みでは景色の楽しみ方も変わります。二つは別の湖なので、申し込む体験の開催場所、集合場所、所要時間を確かめ、宿との移動も含めて予定を組みましょう。[7]
河原の湯に立ち寄る
四万川と新湯川の合流地点、萩橋のたもとにある共同浴場です。石造りの外観や浴槽が特徴で、宿とは違う湯の場を知ることができます。営業時間や利用条件は訪問前に公式案内で確認し、地域の人も利用する場として、譲り合いながら楽しみたいところです。[9]
足湯を散歩の途中に
温泉協会は日向見、ゆずりは、山口の各地区の公共の足湯を紹介しています。宿の近くで立ち寄れる場所を一つ探すと、遠くへ出掛けない日にも温泉街らしい時間を楽しめます。足湯ごとの開放状況を確認し、タオルを持って、歩く途中の休憩に組み込んでみてください。[1]
湖の色と、山の食卓が季節を知らせる。

SPRING春
雪解けの水と新緑を楽しむ季節。奥四万湖は、観光協会が4〜5月の青さも見どころとして紹介しています。春の献立では山菜に出会えることも。湖を眺める時間と宿で味わう夕食をつなげると、山の季節を景色と食事の両方で楽しめます。
SUMMER夏
湖でのカヌーなど、水辺の体験を旅の目的に選べる季節です。体験の日は集合から着替え、宿へ戻る移動まで見込み、温泉はその後の楽しみに。屋外で過ごした翌朝は、川を少し眺めるだけの散歩にしても、充実した一泊になります。
AUTUMN秋
山の木々と青い水の組み合わせを眺めたい季節です。奥四万湖の紅葉の目安は、協会の案内で10月中旬〜11月上旬。きのこや新米などを紹介する食の案内もあり、見たい景色と味わいたい料理を手掛かりに、宿と訪問時期を選べます。
WINTER冬
山あいの宿で温泉と食事をゆっくり楽しみたい季節。雪景色はその日の天候によって変わるため、遠くまで歩く予定を詰めず、宿の周りの短い散歩を中心に。湖や坂道へ向かう日は、道路や足元の状況を確かめ、移動に余裕を持たせましょう。
季節の過ごし方は編集上の提案です。花・紅葉・積雪の様子や体験の催行状況は年ごとに変わります。
山菜ときのこ、土地の季節を食卓で味わう。
四万温泉協会の食の案内には、春から初夏のふきのとう、こごみ、たらの芽などの山菜、秋のきのこや新米が登場します。献立の中に山の食材を見つけると、散歩で眺めた景色と食事がつながります。どの食材をどの時期に提供するかは宿や店によって異なるので、季節の味を楽しみたい場合は、予約時に料理の案内も見ておくとよいでしょう。
湯治場ではかつて、山菜や川魚などを旅館に持ち込み、調理して食べる暮らしもあったと協会は紹介しています。今の旅では宿の料理をゆっくり味わい、翌日の昼食は町の店を選ぶなど、食べる時間を中心に滞在を組み立てるのも楽しみ方の一つです。連泊するなら、毎食を慌ただしく変えず、湯に入り、散歩し、お腹が空いたら食卓へ向かう、そんな一日の流れを大切にしてみてください。
地域の食・文化の参考資料[8]
泊まる地区と、過ごしたい一日から選ぶ。
四万温泉の宿選びでは、まず泊まる場所を地図で確かめてみてください。温泉口から日向見まで地区が続くため、同じ温泉地でも、近くの散歩先やバス停、湖への向かいやすさが異なります。町を歩く一泊にするか、宿の風呂と食事を楽しむ一泊にするか。宿の規模や名前に加え、一日の過ごし方から選ぶと、希望する滞在に近づきます。
川の眺めを楽しみたいなら、部屋や浴場から何が見えるかを予約するプランごとに確認しましょう。静かに過ごしたい場合は、食事の場所や館内の休憩スペースも選ぶ手掛かりです。鉄道とバスで訪ねるなら、最寄りの停留所と宿までの移動、荷物を預けられる時間を確かめておくと、到着後も身軽に散策できます。連泊なら、昼食の用意や清掃中の過ごし方も聞いておくと便利です。
日本温泉協会掲載の宿泊施設数
37軒参照資料の対象範囲による数値 [10]温泉地の規模を知る、施設数の参考資料
日本温泉協会の四万紹介ページに掲載される「宿泊施設数と温泉地全体の収容力」は37軒/2,924人です。集計年月は明記されていないため、規模を知るための紹介値として掲載し、2026年現在の営業施設総数とは区別しています。資料確認日:2026年10月26日。
参考:ゆこゆこの確認時掲載数8件。2026年10月26日確認。予約サイト掲載宿に限る数で、日本温泉協会の37軒とは時点・集計範囲が異なります。[11]
宿を選ぶときの、三つの視点
- 景色と立地見たい景色と、宿の周囲での過ごし方。
- 温泉と食事利用する源泉・浴場、夕食の形式と会場。
- 移動駅やバス停からの道順、送迎、荷物を持った移動。
一泊二日、青い水と温泉街の時間を味わう。
宿での時間を大切にしながら、土地の見どころにも触れる一泊二日。以下は滞在の組み立て例です。
1日目・午後
中之条駅からバスで温泉街へ。宿に荷物を預けられるかを確認し、近くの橋や新湯周辺を散策します。積善館の外観などを眺め、移動で疲れていたら無理をせず、明るいうちに宿へ入ります。
1日目・夕方〜夜
温泉と夕食をゆっくり楽しみます。翌日に湖や日向見方面へ向かうなら、移動手段と天候を確認。夜まで遠くへ歩く予定を入れず、窓辺で休んだり、もう一度入浴したりと、宿で過ごす時間を旅の中心に。
2日目・午前
奥四万湖の眺めを楽しむか、日向見薬師堂へ。湖の体験を予約している場合は、集合場所への移動を優先します。バスの時刻と荷物の受け取りを先に決め、立ち寄り先を一つに絞ると、帰りを急がず楽しめます。

四万温泉の宿が、次へ繋ぐもの。
川沿いの眺め、湯治の歩みを伝える建物、山の食材を生かす料理。四万の宿は、土地の自然を楽しむ時間と、落ち着いて休む時間の両方を支えています。散歩の行き先を伝え、季節の料理を用意し、もう一泊したくなる居心地を整える。温泉と建物に加えて、長く滞在する人を迎えてきたこうした知恵も、次の担い手へつないでいきたい価値です。
宿の記憶を、次代へ
四万の湯と、休息を届ける宿を次へ。
この土地で宿を営んできた方へ。これから地域の宿を受け継ぎたい方へ。TSUNAGUでは、ご自身で進めることも、必要な場面で担当者に相談することもできます。
本特集は温泉地の紹介です。写真・施設数・観光施設の記載は、TSUNAGUへの物件掲載や売却意向を示すものではありません。
Questions
四万温泉を、もう少し知る。
四万温泉はどこにありますか?
群馬県吾妻郡中之条町にあります。四万川に沿って温泉口、山口、新湯、ゆずりは、日向見の地区が続く温泉地です。宿の地区を確かめると、散策と交通の予定を組み立てやすくなります。
四万温泉の泉質は?
温泉協会はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉と紹介しています。源泉により成分量は異なり、浴槽ごとの温泉利用状況も施設の案内や浴場の掲示で確認できます。
開湯989年とは、確定した年代ですか?
989年は、碓氷貞光が夢のお告げから湯を知ったという開湯伝説の年代です。坂上田村麻呂に結びつく別の説もあります。本記事では伝説と、古文書に残る江戸時代の宿の記録を分けています。
奥四万湖と四万湖は同じ湖ですか?
別の湖です。奥四万湖は四万温泉の奥にある四万川ダムの湖です。温泉協会は両方の湖でのカヌー体験を紹介しているため、予約時は実施する湖と集合場所を必ず確かめてください。
旅館やホテルは何軒ありますか?
日本温泉協会の紹介値は37軒ですが、集計年月は示されていません。2026年現在の全営業施設数とは区別しています。ゆこゆこの2026年10月26日確認時の8件は、同サイトの掲載宿に限る別の数です。
車がなくても訪ねられますか?
中之条駅から四万温泉方面の路線バスを利用できます。日本温泉協会の案内では約40分です。宿ごとの最寄り停留所と送迎の有無を確認し、奥四万湖などへ向かう日は温泉街からの移動も予定に入れましょう。
Explore the context
土地を知り、運営を考え、次の一歩へ。
Sources & photo credits
出典・写真クレジット
編集・構成:TSUNAGU。最終確認日:2026年10月26日。自治体・観光協会・施設運営者などの公表資料に基づく独自の特集です。開湯年の異説や集計時点が分からない数値は、その条件を本文に添えています。滞在プランと宿選びの提案は編集上の考察です。現地取材や独自の施設調査を実施した記事ではありません。料金・時刻・空室・当日の営業は各公式案内をご確認ください。
- 四万温泉協会「四万の泉質」 ↗代表泉質と源泉ごとの成分差、公共の足湯・飲泉所・共同浴場の案内。
- 四万温泉協会「四万の歴史と現在」 ↗温泉名にまつわる伝説、開湯の諸説、1954年の三温泉地同時指定。
- 四万温泉協会「奥四万湖」 ↗四万川ダムの湖、青色の季節・時間変化、4〜5月の紹介、紅葉の目安。
- 吾妻観光連盟「四万の甌穴」 ↗甌穴の形成、約130mの範囲の8つの穴、1971年の県天然記念物指定。
- 中之条町「中之条町の文化財」 ↗日向見薬師堂の国重要文化財指定、1537年以前の創建、1598年の現存堂建立。
- 積善館「積善館について」 ↗1681〜1684年の古文書が伝える宿、1691年本館建築と1694年開業、建物の沿革。
- 四万温泉協会「四万の夏」 ↗奥四万湖と四万湖のカヌー体験、季節の過ごし方。
- 四万温泉協会「四万の食と文化」 ↗山菜・きのこ・新米の食文化、かつての湯治客の食事。食材の提供は施設・時期により異なる。
- 四万温泉協会「河原の湯」 ↗四万川と新湯川の合流地点、萩橋近くの立地、石造りの共同浴場。
- 日本温泉協会「四万」 ↗川沿いの五地区、所在地、中之条駅からバス約40分。宿泊施設37軒・収容2,924人は集計年月不明の紹介値。
- ゆこゆこ「四万温泉」 ↗2026年10月26日確認。予約サイトの宿一覧掲載数8件のみを参照。
- 環境省「国民保養温泉地」全国温泉地サミット資料 ↗1954年に酸ヶ湯・四万・日光湯元の三温泉地を最初に指定した沿革。古い資料の全国指定数は使用しない。
- 中之条町観光協会「アクセス」 ↗JR中之条駅への鉄道等の交通経路。直行高速バスの現行運行は本文では断定していない。
掲載写真について
Wikimedia Commonsで公開され、下記ライセンスで再利用できる実写写真を使用しています。配布元の縮小画像を保存し、表示時に枠に合わせてトリミングしています。撮影時点の風景であり、現在の施設の営業状況を示す写真ではありません。
原題:四万温泉 中之条 2013 (9993444756).jpg
写真:Kentaro Ohno from Tokyo, Japan / CC BY 2.0 / 2013年9月
変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。
原題:四万温泉 中之条 2013 (9993494075).jpg
写真:Kentaro Ohno from Tokyo, Japan / CC BY 2.0 / 2013年9月
変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。
原題:Shimagawa Dam lake.jpg
写真:Photographed by Qurren (talk), with IXY Digital 10 compact digital camera. / CC BY-SA 3.0 / 2008年11月
変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。
原掲載:https://commons.wikimedia.org/wiki/User:Qurren
この写真と表示用トリミングの改変部分は、元写真と同じCC BY-SA 3.0で提供します。
原題:Shimagawa Dam 107070854 org.jpg
写真:Rubber Soul / CC BY 2.1 jp / 2011年9月
変更:配布元の縮小画像を使用。表示枠に合わせたトリミングあり。色調補正・合成なし。
