城下町と宿場町の往来
小田原は北条氏の城下町として発展し、江戸時代には東海道の宿場町として栄えました。旅人や物資を迎えてきた町には、城と旧街道、商いの営みが残り、現在の散策や食の楽しみにもつながっています。[01]

TSUNAGU — HOMES & LOCAL STORIES 21
神奈川県 / 小田原・南足柄・足柄上郡
空き家・住宅地の売却と活用
根府川の海、曽我の梅、足柄平野から山へ続く道。小田原と足柄には、城下町・宿場町の文化と、果樹や農のある暮らしが重なります。古い家の眺めや庭を残すために、斜面、農地、道路、水回りから、売却と再利用を具体的に考えます。
歴史と、いまの暮らし
公的地価を同じ時点で
実務の視点と、再生の道
01 — HOME & LOCAL STORIES
根府川の海、曽我の梅、足柄平野から山へ続く道。小田原と足柄には、城下町・宿場町の文化と、果樹や農のある暮らしが重なります。古い家の眺めや庭を残すために、斜面、農地、道路、水回りから、売却と再利用を具体的に考えます。
片付けや改修を急いで決める前に、家の来歴、土地の使い方、必要な手入れから考えてみる。住まいとして売る・貸す道と、家族の二拠点利用や宿泊活用を、一軒ごとの条件に沿って比べます。
02 — HISTORY & NEIGHBOURHOODS

小田原は北条氏の城下町として発展し、江戸時代には東海道の宿場町として栄えました。旅人や物資を迎えてきた町には、城と旧街道、商いの営みが残り、現在の散策や食の楽しみにもつながっています。[01]
明治以降には政財界人の居住や別邸が加わり、大正期には北原白秋や谷崎潤一郎ら文学者も暮らしました。歴史的風致の保存では、建築と庭だけでなく、町の仕事や暮らしを合わせて残す視点が大切にされています。[01][02]
小田原の柑橘や梅、足柄の農産物を扱う直売所が、県の食の駅案内にまとまっています。住宅地の周りにも農の営みが続く地域では、古い家と付属する土地を地番から読み、暮らしと生産の場所を整理して次へ渡します。[03]
03 — DIFFERENT HOMES, DIFFERENT LIVES
橘団地・小竹・曽我光海台・根府川・江之浦・内山・山田 等
住宅地と農の風景が近い地域です。家の敷地、庭、畑を図面と登記で分け、道路と駐車、水回りを調べます。定住向け住宅と家族の週末拠点の両方から見られます。
海を望む斜面では、見晴らしとともに擁壁、敷地への進入、雨水の流れが大切です。庭やテラスを整える計画は、安全の調査と農地等の利用条件を確かめてから具体化します。
山里と生活圏を行き来する暮らしを考える地域です。通勤や買物の移動、日当たり、冬の管理、農地や山林の境界を確かめ、使い続けられる範囲から整えます。
足柄上郡の各町には、平野の住宅と山側の家が混在します。同じ地名の広域紹介で一律にせず、所在地の都市計画、道路、給排水、土地の区分と役所の担当から確認します。[05]
04 — REASONS TO SPEND TIME HERE
曽我梅林と富士山を望む景色は、小田原の季節を感じる場所の一つです。花を見に行く日だけでなく、周りの道や畑に日常の営みがあることも、拠点を持つ楽しみにつながります。[01]
小田原城、文学者ゆかりの街並み、港や商店での買物。見学と食事を一日に詰め込まず、台所のある家から何度も訪ねる暮らしを思い描けます。[01]
県の食の駅案内には、小田原や南足柄の農産物直売所が紹介されています。旬の柑橘や野菜を買い、家で料理する時間は、住宅としても滞在拠点としても育てたい魅力です。[03]

05 — LAND VALUES & LOCAL CONTEXT
小田原の駅周辺、海を望む斜面、南足柄や足柄上郡の住宅地では、比べる取引の条件が異なります。土地だけの価格指標に、建物を直す費用、擁壁、農地の手続、搬入や駐車の条件を重ねて、取得から利用開始までの総額を考えます。[12]
2026年地価公示 / 住宅地・市区町村別平均価格
標準地の土地価格をもとにした自治体別の平均です。町丁や分譲地ごとの売値、古家付き住宅の取引価格とは区別して読みます。調査地点の立地と数は自治体によって異なります。
都県が公表した2026年地価公示の住宅地平均価格を原表から転記しました。複数の自治体をまとめた独自平均は算出していません。平均変動率は継続地点の変動率の平均で、今年と前年の公表平均価格同士を比較した変化率とは異なります。標準地数は原表の表記に従い、隔年調査等の注記は原典で確認できます。
200㎡換算は「円/㎡×200㎡÷10,000」。面積による単純な算術例で、個別敷地の形状・接道・造成・権利や建物・解体・修繕の費用は反映していません。
| 市区町村 | 住宅地平均価格 | 200㎡の算術例 | 原表PDF |
|---|---|---|---|
| 小田原市 | 102,400円/㎡ | 2,048万円 | 12ページ |
| 南足柄市 | 63,000円/㎡ | 1,260万円 | 12ページ |
| 大井町 | 62,800円/㎡ | 1,256万円 | 12ページ |
| 松田町 | 94,300円/㎡ | 1,886万円 | 12ページ |
| 山北町 | 35,200円/㎡ | 704万円 | 12ページ |
| 開成町 | 112,400円/㎡ | 2,248万円 | 12ページ |
この指標を手掛かりに、次は駅や道路、敷地の高さ、築年、建物と設備の状態が近い取引を探します。売出価格は募集時の希望額、取引価格は実際の売買の記録。それぞれの時点を確かめ、査定額と必要な工事費を並べると、現況のまま引き継ぐ場合の手残りも考えやすくなります。
国土交通省の取引価格情報を調べる ↗06 — TSUNAGU’S VIEW
実務の視点 — 堤 誠之
小田原の高台や根府川周辺では、海の眺めに加え、擁壁と農地の扱いを先に整理します。みかん畑などが付属する家は、住宅の敷地と農地を一続きの庭として考えず、地番と利用計画を分けて確認することが大切です。斜面の工事や排水、建物への進入にかかる費用が見えると、現況で渡す案と、改修して二拠点住宅や滞在施設にする案を比べやすくなります。眺望を買うために、その後も維持できる土地と建物かを丁寧に見たい地域です。
本特集に寄せられた、この地域に関する実務コメントを趣旨を保って編集しています。
エリアの見解 — TSUNAGU編集部
小田原・足柄は、海の景色だけでなく、旧街道、農、町の生活が近くにあることが魅力です。宿泊施設への再生を考える場合も、周囲の農地や住宅地とどう共存できるかが計画を支えます。建物を残す価値を見いだす一方、付属地をどこまで使えるか、擁壁や排水を誰が維持するかを明確にしたいところです。敷地の使える範囲と費用を示して渡すことが、眺めや古い家の個性を次の人につなぐ出発点になると考えます。
地域の公的資料、地価の原表、上記の実務視点を踏まえた編集部の分析です。
07 — REPAIR & INFRASTRUCTURE
家の背後からの雨水、擁壁の排水穴、敷地内の水の出口を確認します。テラスや増築部分を直すときも、支える構造と下側の土地との境界を一緒に調べます。
家と一緒に売る土地を、登記と現況、地番ごとに一覧にします。駐車場や庭への転用を考える場合は、農地法や農用地区域などの確認を先行し、使える面積から計画します。
潮風が当たる金属部、屋根、窓、給湯器に加え、給排水管や浄化槽の履歴を調べます。見える内装の工事と、長く使うための設備更新を分けて見積ります。
雨漏りや構造の傷み、落下や倒壊につながる部分は、使い方を決める前にも対応が必要です。点検した内容、工事の履歴、見積りが揃うと、次の買主や借主に引き継ぐ条件も具体的になります。
08 — SIX CHOICES, ONE HOUSE
海や里山を楽しむ日と、買物・仕事へ通う日を両立する案です。坂道と駐車、通信、夏冬の室内環境を確かめ、使う部屋から整える方法もあります。
農地と住宅の敷地を整理し、建物の特徴を評価する人へ渡します。売主が先に庭や建具を一新せず、残したい部分と必要な修繕を共有することで、買主の計画に合わせられます。
家の眺めや地域の食を滞在に生かす案です。営業条件と、清掃・搬入・緊急対応が成り立つ道を調べ、維持に必要な支出まで含めて計画します。
工事を決める前の比較
現況の売却査定と、改修・解体後の査定を比べ、工事・片付け・測量・売却までの維持費を差し引きます。先に出す費用と、引継ぎまでの期間まで揃えると、ご家族が選びやすくなります。
現況売却と解体の手残りを試算する →09 — A PLACE TO STAY
小田原市の住宅と、南足柄・足柄上郡の住宅では、管轄の保健福祉事務所が異なります。住宅宿泊事業の住宅要件・年間180日以内の上限と、旅館業の許可を分けて確認します。斜面や農地を含む土地では、用途や敷地利用、消防車両や避難、給水・排水も計画に関わります。眺めを楽しむデッキや庭をつくる前に、土地の利用と建物の安全、夜間の音や照明の配慮を整えます。
住宅宿泊事業は住宅の要件を満たし、年間180日以内の上限や地域の条例に沿って行う制度です。一棟貸しという呼び方だけでは営業区分は決まらず、旅館業は用途・施設・営業方法に応じた許可等を確認します。[10][11]
用途地域、地区計画、接道、建築、消防、給水・排水を調べ、所在地を管轄する行政へ事前相談します。庭や室内の改装を発注する前に、使える範囲と必要な工事を具体的にします。
予約や鍵を電子化した後も、清掃、設備故障、夜間の連絡、ごみと近隣対応は続きます。移動と駐車、作業の報酬、緊急時の担当まで含めて、住宅賃貸や自己利用の案と比較します。
10 — START WITH WHAT YOU KNOW
所在地・地番、名義、納税通知書、図面、工事の履歴。揃わない資料は、所在と入手先から整理できます。
使う予定、片付け、修繕、維持費、相続の状況。売却に決めていなくても、優先したいことから比べられます。
再建築、農地、道路、地区計画、宿泊営業など、論点に合わせて資料と図面を示し、必要な手順を相談します。
| 相談したいこと | 窓口・公式案内 | 用意したい資料・相談内容 |
|---|---|---|
| 小田原市内の空き家・ワンストップ相談 | 小田原市 都市政策課 都市調整係 0465-33-1307 | 所在地、家の現況、図面、登記、相談受付票 |
| 南足柄市内の空き家相談 | 南足柄市 都市計画課 0465-73-8026 | 地番、建物の図面、付属地、管理や活用の希望 |
| 大井・松田・山北・開成など、所在地の町の担当課へ | 足柄上郡各町の空き家担当 | 所在地、土地建物の資料、生活や管理で困っていること |
| 小田原市は小田原、南足柄・足柄上郡は足柄上が宿泊事業の相談先 | 県小田原保健福祉事務所/県足柄上センター | 所在地、平面図、住宅の利用状況、定員・運営計画 |
消防設備は管轄消防とも協議します。受付時間、予約、担当課の連絡先は、リンク先の公式案内で確認できます。
11 — TOOLS & PRACTICAL GUIDES
費用を試す。契約や土地の言葉を知る。地域の歴史と宿の実務を読む。気になることから、TSUNAGUの既存特集へ進めます。
12 — QUESTIONS FROM OWNERS
住宅の敷地と農地を地番ごとに分け、農地の区分と利用計画を確認します。農地以外への利用には転用の手続などが関わり、農用地区域の扱いも確認が必要です。農業委員会や農政担当と相談し、使える範囲から計画します。
屋根や水回りに加え、擁壁、敷地の排水、進入路と資材の搬入、海風が当たる設備を調べます。内装だけの見積りで判断せず、土地と建物を使い始めるまでの支出をまとめて比較します。
所在地と、いま分かることから相談できます。名義や権利、建物の状態、残す品と処分する品を整理し、大きな片付けや改修を発注する前に、現況での引継ぎも含めて比べます。
土地としての需要に加え、修繕して住みたい買主の選択肢もあります。現況と解体後の査定、工事費、再建築の条件、税負担と管理費を比べます。危険な部分には早めに対応し、大きな工事は査定や見積りを踏まえて判断できます。
相談できます。住宅や別荘としての売却、戸建て賃貸、家族の二拠点利用などを、立地と建物の条件から比較します。宿泊転用の可否だけで、家の引継ぎ方が決まるわけではありません。
住宅宿泊事業の住宅要件と営業日数、賃貸借の契約、実際の利用形態を確認して検討します。1か月以上という期間だけで旅館業に当たらないと決まるものではありません。所在地の条例・規約と管理体制を含め、管轄窓口へ相談します。
構造、用途、築年、取得価額と使用状況、取得後の工事内容で取扱いが異なります。耐用年数や修繕費・資本的支出の区分を税理士等に確認し、売買契約と工事明細、取得後の収支を合わせて検討できます。
相談できます。家族が使う予定と年間の維持費、今後の修繕を整理し、売却、賃貸、自己利用、宿泊活用、解体、維持管理を比較します。登記・税務・建築・許認可などは必要に応じて専門家と確認します。
13 — TSUNAGU, THE NEXT CHAPTER
売ると決めていなくても。
修繕や土地の条件が気になっていても。
家と、ご家族に合う引継ぎを。
JAPAN REALTOR — PRACTICAL PERSPECTIVE
不動産業界21年目。一棟収益不動産や宿泊施設の売買・事業再生に携わり、旅館法人3社の代表として再生・運営に関わってきました。空き家や空き別荘、企業保養所について、現況での売却・引継ぎから活用の検討まで相談を受けています。
土地の利用条件と、取得・修繕・運営の費用を一緒に考え、必要に応じて登記・税務・建築・許認可の専門家と連携します。
代表者の経歴と相談領域を読む →売却のご相談0120-940-592
ジャパンリアルター株式会社/宅地建物取引業:東京都知事(2)第104145号
14 — EDITORIAL, DATA & PHOTO CREDITS
編集・構成:TSUNAGU編集部(ジャパンリアルター株式会社)。編集確認日:2026年11月1日。官公庁・自治体・観光協会・施設運営者等の公表資料および公的統計をもとに、地域の歴史・暮らしと、空き家の売却・保存活用の視点から編集した専門特集です。地価の対象時点・原典・転記と計算の条件は本文に記しています。実務の視点は堤 誠之から寄せられた地域別コメントを趣旨を保って編集し、エリアの見解は公開資料と実務視点を踏まえた編集部の分析として掲載しています。個別の掲載写真や施設、住宅が空き家・売却募集中であることを示すものではありません。最新の利用案内や個別条件については、各公式情報・管轄窓口にてご確認ください。
小田原・曽我梅林と富士山
Photo: Quercus acuta / CC BY-SA 4.0 / 原写真と利用条件
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JR根府川駅の駅舎
Photo: Rory trains / CC BY-SA 4.0 / 原写真と利用条件
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小田原城天守
Photo: Σ64 / CC BY 3.0 / 原写真と利用条件
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