港が育てたまち
横須賀は、幕末の製鉄所建設を起点に港とともに発展し、1907年に市制を施行しました。戦後は旧軍用財産の転活用が進み、産業・教育・公共施設がまちに重なっていきました。海の眺めの背後には、人が働き、暮らしてきた歴史があります。[01]

TSUNAGU — HOMES & LOCAL STORIES 19
神奈川県 / 横須賀・三浦・横浜金沢
空き家・住宅地の売却と活用
港を見下ろす窓、坂の途中の小さな庭、買物帰りに寄れる海辺。横須賀・三浦・横浜市金沢区では、地形とともに育った住まいが、いまもまちの表情をつくっています。階段や擁壁にかかる費用を確かめながら、住む・貸す・残す方法を考えます。
歴史と、いまの暮らし
公的地価を同じ時点で
実務の視点と、再生の道
01 — HOME & LOCAL STORIES
港を見下ろす窓、坂の途中の小さな庭、買物帰りに寄れる海辺。横須賀・三浦・横浜市金沢区では、地形とともに育った住まいが、いまもまちの表情をつくっています。階段や擁壁にかかる費用を確かめながら、住む・貸す・残す方法を考えます。
片付けや改修を急いで決める前に、家の来歴、土地の使い方、必要な手入れから考えてみる。住まいとして売る・貸す道と、家族の二拠点利用や宿泊活用を、一軒ごとの条件に沿って比べます。
02 — HISTORY & NEIGHBOURHOODS

横須賀は、幕末の製鉄所建設を起点に港とともに発展し、1907年に市制を施行しました。戦後は旧軍用財産の転活用が進み、産業・教育・公共施設がまちに重なっていきました。海の眺めの背後には、人が働き、暮らしてきた歴史があります。[01]
横浜の金沢には、鎌倉時代の金沢北条氏に由来する金沢文庫と称名寺の文化が残ります。1930年の湘南電気鉄道開通を経て、海辺の行楽と住宅地の暮らしが近づいていきました。古い道や丘の形を知ると、現在の街並みも違って見えます。[02][03]
現在の横須賀市には、駅周辺の谷戸にある階段上部の家を紹介する空き家バンクや、眺望などの長所に光を当てる一芸住宅バンクがあります。車の入りにくさを調べつつ、その家だけの魅力も伝えるという考え方が、地域の仕組みにも表れています。[04]
03 — DIFFERENT HOMES, DIFFERENT LIVES
湘南鷹取・ハイランド・馬堀・走水・津久井浜・野比・三崎・釜利谷 等
通勤や通学を支えてきた住宅地では、家から駅・バス停までの実際の道と、駐車場から玄関までの動きが大切です。庭を削って駐車場を広げる案は、擁壁や道路への出入りの工事まで見積ります。
馬堀海岸の平坦な街区と、周辺の丘陵や斜面では家の条件が変わります。海が見えることに加え、高潮・津波・土砂災害の情報、潮風が当たる向き、日々の買物を一軒ずつ見ていきます。
港のまちを楽しむ拠点と、静かな住環境を受け継ぐ家では、望まれる使い方が異なります。船や海辺への近さだけでなく、細い道の搬入、排水、庭の管理、夜間の音への配慮も計画に含めます。
横浜市の住宅地としての利便性を見ながら、坂と緑のある住まいを評価する地域です。横須賀・三浦とは行政窓口が異なるため、金沢区の所在地を示して建築・衛生の条件を確認します。[08]
04 — REASONS TO SPEND TIME HERE
かつて中継貿易や船の避難を支えた浦賀では、港の形に歴史が残っています。海辺の散策を日常の楽しみにできる家なら、窓からの景色だけでなく、徒歩で出かける道も魅力として紹介できます。[05]
港周辺の商店街で食材を選び、持ち帰って料理をする。外食だけに頼らず地域の店を楽しめる暮らしは、台所のある二拠点住宅や長めの滞在を考える手掛かりになります。
称名寺の境内を歩き、県立金沢文庫で地域の歴史に触れる。海と住宅地の近くに中世の文化が残ることも、この生活圏の奥行きです。観光名所までの距離に加え、普段通いたい場所から家を見られます。[03]

05 — LAND VALUES & LOCAL CONTEXT
横須賀・三浦と横浜市金沢区の数字を、同じ生活圏の価格としてまとめすぎないことが大切です。駅、階段、車両進入、接道、眺望、擁壁、建物の修繕費をそろえて比較し、土地の指標と建物付きの取得総額を分けて読みます。[13]
2026年地価公示 / 住宅地・市区町村別平均価格
標準地の土地価格をもとにした自治体別の平均です。町丁や分譲地ごとの売値、古家付き住宅の取引価格とは区別して読みます。調査地点の立地と数は自治体によって異なります。
都県が公表した2026年地価公示の住宅地平均価格を原表から転記しました。複数の自治体をまとめた独自平均は算出していません。平均変動率は継続地点の変動率の平均で、今年と前年の公表平均価格同士を比較した変化率とは異なります。標準地数は原表の表記に従い、隔年調査等の注記は原典で確認できます。
200㎡換算は「円/㎡×200㎡÷10,000」。面積による単純な算術例で、個別敷地の形状・接道・造成・権利や建物・解体・修繕の費用は反映していません。
| 市区町村 | 住宅地平均価格 | 200㎡の算術例 | 原表PDF |
|---|---|---|---|
| 横須賀市 | 111,700円/㎡ | 2,234万円 | 12ページ |
| 三浦市 | 63,900円/㎡ | 1,278万円 | 12ページ |
| 横浜市金沢区 | 199,000円/㎡ | 3,980万円 | 10ページ |
この指標を手掛かりに、次は駅や道路、敷地の高さ、築年、建物と設備の状態が近い取引を探します。売出価格は募集時の希望額、取引価格は実際の売買の記録。それぞれの時点を確かめ、査定額と必要な工事費を並べると、現況のまま引き継ぐ場合の手残りも考えやすくなります。
国土交通省の取引価格情報を調べる ↗06 — TSUNAGU’S VIEW
実務の視点 — 堤 誠之
横須賀や三浦の高台では、階段の先にある家を、解体後の土地だけで評価しないことが大切です。まず接道と再建築、擁壁、資材を運べる経路を調べ、解体する費用と、既存の家を直す費用を並べます。そのうえで、海を望む窓や古い建具、落ち着いて制作できる部屋を、次の人がどう使えるかを考えたいところです。眺望を楽しむ住宅やアトリエ、一棟貸しなど、使い方ごとの条件と支出が見えると、手放す側も判断しやすくなります。
本特集に寄せられた、この地域に関する実務コメントを趣旨を保って編集しています。
エリアの見解 — TSUNAGU編集部
この地域では、「車が入るか」と「その家で過ごす理由」を同じ重さで見たいと考えます。市の谷戸・一芸住宅バンクにも、一般的な住宅条件だけでは伝わりにくい長所を紹介する発想があります。眺望を残す改修に価値があっても、階段や擁壁の費用がその計画を支えられるかは別に確かめます。現況で引き継ぐ案を先に見せ、買主の暮らしや事業計画に沿って工事を決める進め方が合う地域です。
地域の公的資料、地価の原表、上記の実務視点を踏まえた編集部の分析です。
07 — REPAIR & INFRASTRUCTURE
日常の上り下りに加え、給湯器や家具、解体材をどこから運ぶかを確認します。車が入らない家では、運搬方法と養生の範囲まで施工者に見てもらい、工事費の見込みを具体的にします。
擁壁のひび、水抜き穴、敷地の排水と、誰が維持する工作物かを調べます。海が見える高台でも、斜面の安全性や境界の確認を終えてから、テラスや庭の改修へ進めます。
屋根、バルコニー、金物、室外機、給湯器を外回りから点検します。表面のさびだけで済むのか、固定部分や配管まで交換が必要かを分け、継続する維持費も見ます。
雨漏りや構造の傷み、落下や倒壊につながる部分は、使い方を決める前にも対応が必要です。点検した内容、工事の履歴、見積りが揃うと、次の買主や借主に引き継ぐ条件も具体的になります。
08 — SIX CHOICES, ONE HOUSE
窓辺と台所、水回りを優先して整え、家族が無理なく通う拠点に。階段のある家は、荷物の置場や手すりも含めて、実際の暮らしに合うかを考えます。
静かな部屋や古い建具を残して、アトリエ兼住宅として引き継ぐ方法です。制作内容に応じた音、電気容量、搬入、用途の条件まで具体的にします。
一棟貸しなどを検討するなら、階段を利用する宿泊者と清掃担当者の負担を先に見ます。営業できる所在地かを確かめ、緊急対応、駐車、ごみまで運営計画に含めます。
工事を決める前の比較
現況の売却査定と、改修・解体後の査定を比べ、工事・片付け・測量・売却までの維持費を差し引きます。先に出す費用と、引継ぎまでの期間まで揃えると、ご家族が選びやすくなります。
現況売却と解体の手残りを試算する →09 — A PLACE TO STAY
横須賀市、三浦市、横浜市金沢区では、民泊の担当窓口が分かれます。住宅宿泊事業は住宅の要件と年間180日以内の上限、地域の条例・地区計画等を確認し、旅館業の許可とは分けて考えます。眺望や駅への近さがあっても、階段、避難、消防設備、清掃、ごみ、近隣への音の配慮を支える体制が必要です。改修の前に所在地と図面を管轄窓口へ示し、家を使い続けられる計画にします。
住宅宿泊事業は住宅の要件を満たし、年間180日以内の上限や地域の条例に沿って行う制度です。一棟貸しという呼び方だけでは営業区分は決まらず、旅館業は用途・施設・営業方法に応じた許可等を確認します。[11][12]
用途地域、地区計画、接道、建築、消防、給水・排水を調べ、所在地を管轄する行政へ事前相談します。庭や室内の改装を発注する前に、使える範囲と必要な工事を具体的にします。
予約や鍵を電子化した後も、清掃、設備故障、夜間の連絡、ごみと近隣対応は続きます。移動と駐車、作業の報酬、緊急時の担当まで含めて、住宅賃貸や自己利用の案と比較します。
10 — START WITH WHAT YOU KNOW
所在地・地番、名義、納税通知書、図面、工事の履歴。揃わない資料は、所在と入手先から整理できます。
使う予定、片付け、修繕、維持費、相続の状況。売却に決めていなくても、優先したいことから比べられます。
再建築、農地、道路、地区計画、宿泊営業など、論点に合わせて資料と図面を示し、必要な手順を相談します。
| 相談したいこと | 窓口・公式案内 | 用意したい資料・相談内容 |
|---|---|---|
| 横須賀市内の空き家・住まいの活用 | 横須賀市 まちなみ景観課 046-822-8087 | 所在地、図面、家の写真、通行や建物の資料 |
| 三浦市内の空き家相談 | 三浦市 都市計画課 046-882-1111 | 地番、図面、現在の使い方、売却・活用の希望 |
| 金沢区を含む横浜市内の空き家相談 | 横浜市 住宅政策課 045-671-4121 | 所在地、登記や図面、相続・管理で困っていること |
| 宿泊営業の相談先は所在地で区分。三浦市は県三崎センター、横須賀・横浜は各市 | 横須賀市・横浜市の民泊窓口/県三崎センター | 所在地、平面図、住宅の利用状況、定員・運営計画 |
消防設備は管轄消防とも協議します。受付時間、予約、担当課の連絡先は、リンク先の公式案内で確認できます。
11 — TOOLS & PRACTICAL GUIDES
費用を試す。契約や土地の言葉を知る。地域の歴史と宿の実務を読む。気になることから、TSUNAGUの既存特集へ進めます。
12 — QUESTIONS FROM OWNERS
相談できます。階段の段数や車両の進入、接道と再建築、擁壁、修繕・搬入費を調べ、眺望や部屋の使い方と一緒に伝えます。横須賀市には谷戸や家の長所を紹介する空き家バンクもあり、制度ごとに対象条件を確認できます。
所在地の用途地域、地区計画、建築・消防・衛生の要件と、宿泊事業の管理体制を確認して判断します。横須賀市、横浜市金沢区、三浦市では相談先も異なるため、改修前に所在地と図面を示して相談します。
所在地と、いま分かることから相談できます。名義や権利、建物の状態、残す品と処分する品を整理し、大きな片付けや改修を発注する前に、現況での引継ぎも含めて比べます。
土地としての需要に加え、修繕して住みたい買主の選択肢もあります。現況と解体後の査定、工事費、再建築の条件、税負担と管理費を比べます。危険な部分には早めに対応し、大きな工事は査定や見積りを踏まえて判断できます。
相談できます。住宅や別荘としての売却、戸建て賃貸、家族の二拠点利用などを、立地と建物の条件から比較します。宿泊転用の可否だけで、家の引継ぎ方が決まるわけではありません。
住宅宿泊事業の住宅要件と営業日数、賃貸借の契約、実際の利用形態を確認して検討します。1か月以上という期間だけで旅館業に当たらないと決まるものではありません。所在地の条例・規約と管理体制を含め、管轄窓口へ相談します。
構造、用途、築年、取得価額と使用状況、取得後の工事内容で取扱いが異なります。耐用年数や修繕費・資本的支出の区分を税理士等に確認し、売買契約と工事明細、取得後の収支を合わせて検討できます。
相談できます。家族が使う予定と年間の維持費、今後の修繕を整理し、売却、賃貸、自己利用、宿泊活用、解体、維持管理を比較します。登記・税務・建築・許認可などは必要に応じて専門家と確認します。
13 — TSUNAGU, THE NEXT CHAPTER
売ると決めていなくても。
修繕や土地の条件が気になっていても。
家と、ご家族に合う引継ぎを。
JAPAN REALTOR — PRACTICAL PERSPECTIVE
不動産業界21年目。一棟収益不動産や宿泊施設の売買・事業再生に携わり、旅館法人3社の代表として再生・運営に関わってきました。空き家や空き別荘、企業保養所について、現況での売却・引継ぎから活用の検討まで相談を受けています。
土地の利用条件と、取得・修繕・運営の費用を一緒に考え、必要に応じて登記・税務・建築・許認可の専門家と連携します。
代表者の経歴と相談領域を読む →売却のご相談0120-940-592
ジャパンリアルター株式会社/宅地建物取引業:東京都知事(2)第104145号
14 — EDITORIAL, DATA & PHOTO CREDITS
編集・構成:TSUNAGU編集部(ジャパンリアルター株式会社)。編集確認日:2026年11月1日。官公庁・自治体・観光協会・施設運営者等の公表資料および公的統計をもとに、地域の歴史・暮らしと、空き家の売却・保存活用の視点から編集した専門特集です。地価の対象時点・原典・転記と計算の条件は本文に記しています。実務の視点は堤 誠之から寄せられた地域別コメントを趣旨を保って編集し、エリアの見解は公開資料と実務視点を踏まえた編集部の分析として掲載しています。個別の掲載写真や施設、住宅が空き家・売却募集中であることを示すものではありません。最新の利用案内や個別条件については、各公式情報・管轄窓口にてご確認ください。
横須賀・平和中央公園から望む街並みと東京湾
Photo: Tmv / CC BY-SA 4.0 / 原写真と利用条件
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三浦市・三崎宿の古民家
Photo: Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0 / 原写真と利用条件
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三崎の朝市の風景
Photo: Aimaimyi / CC BY-SA 3.0 / 原写真と利用条件
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