街道と山里をつなぐ
津久井地域では薪炭、養蚕、織物などが営まれ、甲州街道と鉄道が往来を支えてきました。1901年には中央線の八王子・上野原間が営業を始め、1969年には中央自動車道が開通しました。山間の暮らしと都市とのつながりが重なっています。[01]

TSUNAGU — HOMES & LOCAL STORIES 23
神奈川県 / 相模原市緑区/津久井・相模湖・藤野・城山
空き家・住宅地の売却と活用
相模湖の水面、藤野に点在するアート、津久井の山里と城山の住宅地。同じ緑区でも、家から町へ向かう道と、休日の過ごし方はさまざまです。古い家を残して使うなら、景色の魅力とともに、道路、区域、給排水、不在時の管理から次を考えます。
歴史と、いまの暮らし
公的地価を同じ時点で
実務の視点と、再生の道
01 — HOME & LOCAL STORIES
相模湖の水面、藤野に点在するアート、津久井の山里と城山の住宅地。同じ緑区でも、家から町へ向かう道と、休日の過ごし方はさまざまです。古い家を残して使うなら、景色の魅力とともに、道路、区域、給排水、不在時の管理から次を考えます。
片付けや改修を急いで決める前に、家の来歴、土地の使い方、必要な手入れから考えてみる。住まいとして売る・貸す道と、家族の二拠点利用や宿泊活用を、一軒ごとの条件に沿って比べます。
02 — HISTORY & NEIGHBOURHOODS

津久井地域では薪炭、養蚕、織物などが営まれ、甲州街道と鉄道が往来を支えてきました。1901年には中央線の八王子・上野原間が営業を始め、1969年には中央自動車道が開通しました。山間の暮らしと都市とのつながりが重なっています。[01]
相模ダムは1947年、城山ダムは1965年に完成し、相模湖と津久井湖が地域の風景に加わりました。湖の周辺を歩くと、首都圏の水を支える地域の歴史と、山里の暮らしの近さを感じられます。[01][02]
藤野には、自然と調和する屋外作品や地域の芸術活動があります。戦前戦後に疎開した画家たちが芸術都市を構想した歴史も、市の資料に残ります。家やアトリエを使い継ぐことを、地域で過ごす文化とともに考えられる場所です。[03][04]
03 — DIFFERENT HOMES, DIFFERENT LIVES
湘南小倉山・若葉台・長竹・青野原・寸沢嵐・藤野小渕 等
町へ通う住まいとしての便利さと、丘陵の地形を一緒に見ます。家族の通勤・通学、駐車場、道路から玄関までの段差、擁壁の維持を確認し、日々の使いやすさを伝えます。
市街地に近い家と、山側の集落にある家では、道路と給排水、買物や巡回の条件が変わります。農地や山林が付く家は、宅地との境界と利用目的から整理します。
湖や山へ出かける楽しみを持ちながら、住宅地や集落の暮らしが続く地域です。相模湖地区には中央線の駅や高速道路の出入口があり、拠点の位置から移動と管理を考えられます。[05]
芸術や里山の時間を楽しむ拠点として、家や作業場の使い方を描けます。駅に近い場所と山側では、清掃や工事の搬入にかかる手間も異なり、実際に通う道を確かめます。[03]
04 — REASONS TO SPEND TIME HERE
湖畔の散策と町での買物、家で休む時間をゆっくり組み合わせられます。湖の眺めを楽しめる家でも、湖畔へどう下りるか、暗くなる前にどう帰るかまで見ておくと、日常の拠点として考えやすくなります。[05]
自然の中の屋外作品や、ゆずを使う特産品など、藤野には地域ならではの楽しみがあります。家の中だけで休日を完結させず、店や催しへ出かけ、土地の人と関わる時間も育てられます。[03]
相模湖地区には甲州街道の小原宿本陣や、石老山などの自然があります。歴史を歩く日と山を楽しむ日を分け、何度も通う家から少しずつ地域を知る過ごし方ができます。[05]

05 — LAND VALUES & LOCAL CONTEXT
城山の住宅地、津久井の生活圏、相模湖や藤野の山側を、緑区という一括りの価格で比べないことが大切です。駅・買物への移動、建て替えの条件、道路、斜面、給排水、土地の区分と改修費を、公表価格の指標に重ねて判断します。[14]
2026年地価公示 / 住宅地・市区町村別平均価格
標準地の土地価格をもとにした自治体別の平均です。町丁や分譲地ごとの売値、古家付き住宅の取引価格とは区別して読みます。調査地点の立地と数は自治体によって異なります。
都県が公表した2026年地価公示の住宅地平均価格を原表から転記しました。複数の自治体をまとめた独自平均は算出していません。平均変動率は継続地点の変動率の平均で、今年と前年の公表平均価格同士を比較した変化率とは異なります。標準地数は原表の表記に従い、隔年調査等の注記は原典で確認できます。
200㎡換算は「円/㎡×200㎡÷10,000」。面積による単純な算術例で、個別敷地の形状・接道・造成・権利や建物・解体・修繕の費用は反映していません。
| 市区町村 | 住宅地平均価格 | 200㎡の算術例 | 原表PDF |
|---|---|---|---|
| 相模原市緑区 | 161,300円/㎡ | 3,226万円 | 10ページ |
| 相模原市中央区 | 180,900円/㎡ | 3,618万円 | 10ページ |
| 相模原市南区 | 228,500円/㎡ | 4,570万円 | 10ページ |
この指標を手掛かりに、次は駅や道路、敷地の高さ、築年、建物と設備の状態が近い取引を探します。売出価格は募集時の希望額、取引価格は実際の売買の記録。それぞれの時点を確かめ、査定額と必要な工事費を並べると、現況のまま引き継ぐ場合の手残りも考えやすくなります。
国土交通省の取引価格情報を調べる ↗06 — TSUNAGU’S VIEW
実務の視点 — 堤 誠之
相模湖や藤野、津久井の家は、自然の近さだけで使い方を決めず、所在地の区域区分と土砂災害の情報、道路、給水・排水を最初に整理します。家族が週末に通う案と、一棟貸しとして運営する案では、必要な設備も現地へ通う回数も変わります。庭やアトリエ、サウナを加える場合も、造成や工事を始める前に、用途と改修費を確認したいところです。眺めや静けさを残しながら、その家へ実際に通う人が無理なく支えられる計画を考えます。
本特集に寄せられた、この地域に関する実務コメントを趣旨を保って編集しています。
エリアの見解 — TSUNAGU編集部
この地域では、駅や高速道路からの時間よりも、最後の道と、継続して通う人を具体的にしたいと考えます。同じ緑区でも、城山の住宅地と藤野の山里では、日常の移動も工事・清掃の手配も変わります。地域の水源や芸術の歴史を魅力として伝え、その家をどう管理し、どの部屋を使い直すかまで示す。小さく始める二拠点利用と、事業者へ引き継ぐ方法を並べることで、古い家を長く使う道を見つけやすくなります。
地域の公的資料、地価の原表、上記の実務視点を踏まえた編集部の分析です。
07 — REPAIR & INFRASTRUCTURE
都市計画上の区域、土砂災害の指定、農地や山林を含む土地の区分を地番から確認します。区域の違いを地域全体の説明で済ませず、建て替えや用途変更の条件を敷地ごとに調べます。
水道や井戸、浄化槽、排水経路、点検と清掃の記録を確認します。不在期間の長い家では、通水、換気、露出配管の保温と冬の点検も管理の予定に含めます。
屋根にかかる枝、落ち葉の詰まる雨樋、床下の湿気、細い道の搬入を見ます。樹木の手入れと建物の工事を一緒に考え、伐採できる範囲や隣地との境界も確かめます。
雨漏りや構造の傷み、落下や倒壊につながる部分は、使い方を決める前にも対応が必要です。点検した内容、工事の履歴、見積りが揃うと、次の買主や借主に引き継ぐ条件も具体的になります。
08 — SIX CHOICES, ONE HOUSE
使う部屋と水回りから整え、庭仕事や在宅勤務、地域の散策を楽しむ方法です。通う頻度と不在中の管理費を、一年の予定にして比べられます。
藤野の文化に親しみながら、制作と暮らしを重ねる案です。音、搬入、電気、通信、作業内容に応じた用途の確認を行い、地域の生活と共存する形を考えます。
宿泊営業を考えるなら、所在地の条件を先に調べ、清掃や緊急対応の人が通える範囲で計画します。屋外の設備を増やす前に、避難、排水、照明、ごみの運用まで整えます。
工事を決める前の比較
現況の売却査定と、改修・解体後の査定を比べ、工事・片付け・測量・売却までの維持費を差し引きます。先に出す費用と、引継ぎまでの期間まで揃えると、ご家族が選びやすくなります。
現況売却と解体の手残りを試算する →09 — A PLACE TO STAY
相模原市は独自の保健所窓口が住宅宿泊事業を担当します。住宅の要件、年間180日以内の上限、市の条例や所在地の地区計画、建築・消防の条件を確認し、旅館業の許可とは分けて検討します。旧津久井・相模湖・藤野などでは、都市計画や土地の条件も敷地ごとに調べます。電子キーを入れた後も清掃・設備保守・緊急時の対応は残るため、管理を担う人が通える道と時間まで考えて事業計画を作ります。
住宅宿泊事業は住宅の要件を満たし、年間180日以内の上限や地域の条例に沿って行う制度です。一棟貸しという呼び方だけでは営業区分は決まらず、旅館業は用途・施設・営業方法に応じた許可等を確認します。[12][13]
用途地域、地区計画、接道、建築、消防、給水・排水を調べ、所在地を管轄する行政へ事前相談します。庭や室内の改装を発注する前に、使える範囲と必要な工事を具体的にします。
予約や鍵を電子化した後も、清掃、設備故障、夜間の連絡、ごみと近隣対応は続きます。移動と駐車、作業の報酬、緊急時の担当まで含めて、住宅賃貸や自己利用の案と比較します。
10 — START WITH WHAT YOU KNOW
所在地・地番、名義、納税通知書、図面、工事の履歴。揃わない資料は、所在と入手先から整理できます。
使う予定、片付け、修繕、維持費、相続の状況。売却に決めていなくても、優先したいことから比べられます。
再建築、農地、道路、地区計画、宿泊営業など、論点に合わせて資料と図面を示し、必要な手順を相談します。
| 相談したいこと | 窓口・公式案内 | 用意したい資料・相談内容 |
|---|---|---|
| 空き家を所有・管理する方の相談 | 相模原市 住宅課 042-769-9817 | 所在地、図面、登記、利用や管理の希望 |
| 近隣の空き家等に関する相談 | 緑区役所 地域振興課 042-775-8801 | 所在地、現況、周囲への影響が分かる情報 |
| 相模原市内の住宅宿泊事業等の相談 | 相模原市 保健所生活衛生課 042-769-9251 | 所在地、平面図、住宅の利用状況、管理・定員の計画 |
| 建築・改修、耐震、住まいに関する相談先の案内 | 相模原市 住まい・まちなみの相談案内 | 地番、配置図・間取り、道路、修繕や用途の希望 |
消防設備は管轄消防とも協議します。受付時間、予約、担当課の連絡先は、リンク先の公式案内で確認できます。
11 — TOOLS & PRACTICAL GUIDES
費用を試す。契約や土地の言葉を知る。地域の歴史と宿の実務を読む。気になることから、TSUNAGUの既存特集へ進めます。
12 — QUESTIONS FROM OWNERS
現在家があることだけでは判断せず、所在地の区域区分、接道、土地の区分、建物の履歴、災害の指定などを確認します。改修と解体・再建築では確認する条件が変わるため、建築士や市の担当窓口と敷地ごとに整理します。
家族の利用でも換気・通水・庭木や設備の点検が必要です。貸別荘では、営業の手続に加えて、利用ごとの清掃、鍵、事業系ごみ、近隣対応、緊急時の現地対応を用意します。管理を担う人が通う道と回数から費用を考えます。
所在地と、いま分かることから相談できます。名義や権利、建物の状態、残す品と処分する品を整理し、大きな片付けや改修を発注する前に、現況での引継ぎも含めて比べます。
土地としての需要に加え、修繕して住みたい買主の選択肢もあります。現況と解体後の査定、工事費、再建築の条件、税負担と管理費を比べます。危険な部分には早めに対応し、大きな工事は査定や見積りを踏まえて判断できます。
相談できます。住宅や別荘としての売却、戸建て賃貸、家族の二拠点利用などを、立地と建物の条件から比較します。宿泊転用の可否だけで、家の引継ぎ方が決まるわけではありません。
住宅宿泊事業の住宅要件と営業日数、賃貸借の契約、実際の利用形態を確認して検討します。1か月以上という期間だけで旅館業に当たらないと決まるものではありません。所在地の条例・規約と管理体制を含め、管轄窓口へ相談します。
構造、用途、築年、取得価額と使用状況、取得後の工事内容で取扱いが異なります。耐用年数や修繕費・資本的支出の区分を税理士等に確認し、売買契約と工事明細、取得後の収支を合わせて検討できます。
相談できます。家族が使う予定と年間の維持費、今後の修繕を整理し、売却、賃貸、自己利用、宿泊活用、解体、維持管理を比較します。登記・税務・建築・許認可などは必要に応じて専門家と確認します。
13 — TSUNAGU, THE NEXT CHAPTER
売ると決めていなくても。
修繕や土地の条件が気になっていても。
家と、ご家族に合う引継ぎを。
JAPAN REALTOR — PRACTICAL PERSPECTIVE
不動産業界21年目。一棟収益不動産や宿泊施設の売買・事業再生に携わり、旅館法人3社の代表として再生・運営に関わってきました。空き家や空き別荘、企業保養所について、現況での売却・引継ぎから活用の検討まで相談を受けています。
土地の利用条件と、取得・修繕・運営の費用を一緒に考え、必要に応じて登記・税務・建築・許認可の専門家と連携します。
代表者の経歴と相談領域を読む →売却のご相談0120-940-592
ジャパンリアルター株式会社/宅地建物取引業:東京都知事(2)第104145号
14 — EDITORIAL, DATA & PHOTO CREDITS
編集・構成:TSUNAGU編集部(ジャパンリアルター株式会社)。編集確認日:2026年11月1日。官公庁・自治体・観光協会・施設運営者等の公表資料および公的統計をもとに、地域の歴史・暮らしと、空き家の売却・保存活用の視点から編集した専門特集です。地価の対象時点・原典・転記と計算の条件は本文に記しています。実務の視点は堤 誠之から寄せられた地域別コメントを趣旨を保って編集し、エリアの見解は公開資料と実務視点を踏まえた編集部の分析として掲載しています。個別の掲載写真や施設、住宅が空き家・売却募集中であることを示すものではありません。最新の利用案内や個別条件については、各公式情報・管轄窓口にてご確認ください。