夏目漱石
湯上がりを、書簡に残す。
1895年に松山へ赴任し、道後を訪れた。友人への書簡で本館と湯上がりの様子を好意的に記した。[DC05][DC22]
道後温泉本館・坊っちゃんの間

古代の言葉と、文人の足跡
湯屋の建築と、町の営み
保存・安全・続けられる経営
HISTORY / VALUE / THE NEXT CHAPTER

湯上がりに町を歩く人がいる。入浴の合間に言葉を交わす人がいる。浴場を訪れることが、宿に泊まり、商店街で買い物をし、松山の文化に触れる一日の入口にもなる。道後温泉を受け継ぐとは、建物と湯、その周りで続く時間を一緒に考えることです。
本館に積み重なった建築、地元で親しまれる椿の湯、伝統工芸を取り入れた飛鳥乃湯泉。三つの共同浴場には、同じ土地の湯を異なる空間で楽しむ面白さがあります。文学や町の道具をたどる寄り道も加えると、一度の入浴から滞在へ、道後で過ごす時間が広がります。[DC01][DC18][DC19][DC20]
※本ページは地域の温泉文化・歴史遺産の解説であり、掲載写真や施設が売却案件であることを示すものではありません。
道後温泉本館は松山市が所有する公共浴場です。本稿は、その保存と文化を学ぶ地域特集として紹介しています。[DP01]
TSUNAGU独自の編集企画「名湯・秘湯遺産100撰」の第1撰です。公的な認定や順位を表すものではありません。
02 / HISTORY & MEMORY
道後温泉は、白鷺や玉の石の伝承、万葉の歌、漱石と子規の足跡が重なる湯のまちです。伝承を残す地誌と文学作品、近代の建築記録をたどると、湯を囲む町の暮らしや、建物を残す人の仕事に触れられます。本館から公園や博物館へ歩き、時代ごとの道後に出会えます。[DC01][DC02][DC03][DC04][DC05][DC06][DC07]
道後の歴史は、湯を見つけた白鷺や、玉の石にまつわる神々の物語から始まります。白鷺の話を載せる地誌は江戸時代に編まれ、玉の石の説話は伊予国風土記逸文に伝わります。物語が書き留められたことと、開湯の実年代が明らかであることを分けると、土地の記憶を丁寧に味わえます。太子の碑文も伝わりますが、飛鳥乃湯泉の中庭にある碑は、その姿を現代に伝える復元です。
万葉の歌や、源氏物語に現れる伊予の湯桁の言葉には、湯の土地が人々の想像を誘った歴史が見えます。近代になると、英語教師として松山へ来た漱石が本館を訪れ、書簡に湯上がりの様子を記しました。子規と漱石が道後界隈を歩き、句を作った関係は、子規記念博物館の展示とともにたどれます。
道後公園の湯釜薬師へ向かうと、一遍が六字を書いたという伝承にも出会います。宝厳寺付近の生誕地との結び付き、江戸の湯の運営、明治の本館改築へと視線を移せば、時代ごとに湯を囲む人の姿が変わります。入浴の前後に一つだけ寄り道を加えると、まちに残る言葉や道具が身近になります。[DC01][DC02][DC03][DC04][DC05][DC06][DC07]
夏目漱石
1895年に松山へ赴任し、道後を訪れた。友人への書簡で本館と湯上がりの様子を好意的に記した。[DC05][DC22]
道後温泉本館・坊っちゃんの間
正岡子規
1895年の松山滞在中、漱石と道後界隈を散策し、句を作った。[DC05][DC06]
道後界隈・松山市立子規記念博物館
一遍
現在の宝厳寺付近に生まれたと市が紹介。道後公園の湯釜薬師に残る湯釜にも伝承で結ばれる。[DC07][DC20]
宝厳寺・道後公園の湯釜薬師
伊佐庭如矢
初代道後湯之町町長として本館改築に取り組み、1894年の神の湯本館竣工につなげた。[DC01][DC13]
道後温泉本館
白鷺や玉の石、太子来浴の話は、道後に伝わる物語として紹介しています。来浴伝承、文学作品、建築の記録は、それぞれの資料に沿って読んでいます。
03 / THE WATER & ITS KEEPERS
道後の共同浴場では、温度の異なる源泉を合わせたアルカリ性単純温泉を楽しめます。松山市の掲示資料には分湯場別の温度とpH、分析年月日が記され、加温・加水と衛生管理も説明されています。湯の性格を確かめてから、三つの外湯を訪ねる楽しみがあります。[DC01][DC15][DC16][DC18][DC19][DC20][DC30]
道後の湯を知る入口は、温度の異なる源泉を集めて混ぜる分湯場です。公式案内は、この方法で湯温を調整し、加温・加水をせずに浴場へ送る仕組みを紹介しています。駅の近くの第4分湯場では、分湯の仕組みを身近に知ることができ、入浴の前に立ち寄ると、町を支える温泉の仕事が見えてきます。
松山市の成分掲示は、泉質をアルカリ性単純温泉としています。2023年12月6日の分析では、本館の神の湯・霊の湯に対応する第2分湯場が48.7℃、椿の湯や飛鳥乃湯泉に対応する第1分湯場が48.1℃で、pHはいずれも9.0でした。掲示の使用位置は42.0℃と別に書かれ、源泉の分析値と浴場での温度を読み分けられます。
無加温・無加水の案内とともに、市は三館で塩素系薬剤による消毒を行うことも説明しています。本館の石の浴室、地元に親しまれる椿の湯、工芸を楽しむ飛鳥乃湯泉。同じ温泉地でも、空間と湯上がりの過ごし方に違いがあります。成分の掲示や入浴案内に目を通し、自分の体調に合わせて、休憩も含めた時間を選びたいところです。[DC01][DC15][DC16][DC18][DC19][DC20][DC30]
| 対象の掲示 | 分析した分湯場 | 泉質 | 温度の記載 | pH | 分析日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 本館:神の湯・霊の湯 | 道後温泉 第2分湯場 | アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉) | 分析時の源泉 48.7℃/掲示の使用位置 42.0℃ | 9.0 | 2023年12月6日[DC16] |
| 椿の湯 | 道後温泉 第1分湯場 | アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉) | 分析時の源泉 48.1℃/掲示の使用位置 42.0℃ | 9.0 | 2023年12月6日[DC16] |
| 飛鳥乃湯泉:大浴場 | 道後温泉 第1分湯場 | アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉) | 分析時の源泉 48.1℃/掲示の使用位置 42.0℃ | 9.0 | 2023年12月6日[DC16] |
| 飛鳥乃湯泉:特別浴室 | 道後温泉 第1分湯場 | アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉) | 分析時の源泉 48.1℃/掲示の使用位置 42.0℃ | 9.0 | 2023年12月6日[DC16] |
この表は、共同浴場の掲示にある分湯場の分析値です。源泉ごとの数値や、道後の全旅館・全浴槽の実測値を表すものではありません。温泉の供給方法と、浴槽で行う衛生管理も分けて読みます。加温・加水の有無と消毒の有無は別の項目で、松山市は三館の塩素系薬剤による消毒を案内しています。[DC15][DC16]
泉質やpHだけで入浴の効果を言い切らず、公式掲示の適応症・禁忌症、入浴方法、当日の体調を合わせて確かめます。詳しい成分と入浴上の注意は、各浴場の最新の掲示で確認できます。[DC16]

ASUKA-NO-YU
飛鳥乃湯泉は、道後の伝承と、愛媛の伝統工芸を取り入れた共同浴場です。本館の建築を味わう時間、椿の湯での入浴、工芸を楽しむ湯上がり。同じ道後で過ごす時間にも、いくつもの選び方があります。[DC18][DC19]
三館の公式利用案内を見る ↗04 / ARCHITECTURE & TOWNSCAPE
道後温泉本館は、1894年竣工の神の湯本館に、明治・大正期の棟を重ねた複合建築です。四棟と附指定の建造物等が国の重要文化財に指定され、保存修理を経て湯屋として使われています。屋根や塔屋、石の浴室に目を向けると、町が受け継いできた仕事に触れられます。[DC09][DC10][DC11][DC12][DC13][DC14][DC17][DC20][DC27][DC28][DC01][DC30]

本館を通りから見上げると、大きな入母屋屋根の上に振鷺閣が立ち、いくつもの屋根が重なります。現在の姿は一度に完成したものではありません。1894年の神の湯本館、1899年の又新殿・霊の湯棟、1924年の南棟と玄関棟が組み合わさり、それぞれの役割をつないできました。南の空の散歩道から眺めると、その複雑なまとまりを別の角度で楽しめます。
国の重要文化財に指定されたのは、この四棟と附指定の建造物等です。瓦や銅板、檜皮など、場所ごとに異なる屋根の材料にも表情があります。保存修理では部材を調査し、増築や改造を重ねた履歴を読み取りながら、時代ごとの技法を受け継ぎました。湯上がりの休憩室や浴場を見る時間に、材料と職人の仕事への興味も重ねられます。
保存修理は2019年に始まり、2024年7月11日に全館営業を再開、同年12月20日に工事を完了しました。本館は、人が入浴し、休み、町へ戻るための湯屋として使われ続けています。又新殿の観覧や休憩を含むコースは、現在の公式案内で選びながら、建物の中で過ごす時間を旅へ加えられます。[DC09][DC10][DC11][DC12][DC13][DC14][DC17][DC20][DC27][DC28][DC01][DC30]
05 / STAY THROUGH THE SEASONS
道後は、桜の道後公園、初夏の花、秋の木々、冬の椿と、歩く場所を変えながら楽しめます。本館を見下ろす空の散歩道や、子規を訪ねる博物館、商店街を組み合わせれば、湯上がりにも余白のある旅に。花の様子や展示、入浴案内は訪問前に公式情報で確かめられます。[DC06][DC07][DC20][DC21][DC23][DC24][DC25][DC26][DC29]
春は桜の道後公園へ。湯築城跡の地形を歩き、子規記念博物館で文学に触れると、温泉街とは違う静かな時間が生まれます。初夏から夏には、空の散歩道のアジサイや公園のスイレンが散策の候補です。本館を見下ろす場所では、夕方へ向かって変わる屋根や町の光も楽しめます。花の状態に合わせて行き先を少し変える、ゆとりのある日程が似合います。
秋は宝厳寺のイチョウや公園の紅葉、冬は椿を探しながら、短い散歩と湯を組み合わせられます。宝厳寺と湯釜薬師には一遍の関係が、博物館には子規と漱石の交友が残り、同じ道でも目を向けるものが変わります。坂や石段を歩く日と、駅前の放生園や商店街を中心にする日を選べば、体力や天気に合わせた道後の過ごし方ができます。
食事は、炊き込みと刺身で趣の違う鯛めしを選び、休憩には三色の坊っちゃん団子や柑橘ジュースを。道後ハイカラ通りは本館と駅を結ぶアーケードで、土産を探す時間も旅の一部になります。花の見頃、博物館の展示、共同浴場の利用案内はそれぞれの公式情報へ。季節の眺めと食、ひと休みをつなぐことで、一回の入浴の前後にも道後らしい時間が広がります。[DC06][DC07][DC20][DC21][DC23][DC24][DC25][DC26][DC29]
桜の時期の公園を歩き、子規記念博物館で道後をめぐる言葉に触れる組合せ。木々と文学を入口に、温泉街の外側へ歩幅を広げられます。[DC20][DC21][DC06]
開花の便りと展示の予定に合わせて、散歩と博物館の時間を組み合わせて。
空の散歩道のアジサイ、道後公園のスイレンを候補に、湯のまちの緑を楽しむ散策。夕方は本館を見下ろす眺めを加えると、昼と異なる屋根の表情に出会えます。[DC20]
暑い日は短めの散歩にして、湯上がりの休憩もゆっくりと。
秋は宝厳寺のイチョウや公園の紅葉、冬は道後公園と空の散歩道の椿が候補。短い散歩と入浴を組み合わせ、季節が移る温泉街の色をゆっくり探せます。[DC20]
石段のある参拝と平坦な商店街の散歩を、天気や体力に合わせて選べます。

A WALK BETWEEN BATHS
通りから塔屋と重なる屋根を見上げ、南の冠山へ移って全景を眺める散歩。保存修理で受け継いだ複数棟の構成を、町の中で確かめられます。[DC13][DC20]
湯釜を再利用した足湯や鷺石、商店街をたどり、分湯場で温度の異なる湯を集める仕組みに触れる散歩。浴場へ届く湯と町の暮らしを結びます。[DC01][DC20][DC26]
一遍の生誕地とされる一帯、文字の伝承をもつ湯釜、近代文学の展示をつなぐ候補。人物ごとに時代と関係の違いを感じながら歩けます。[DC06][DC07][DC20]
TASTE OF MATSUYAMA
TASTE OF MATSUYAMA
鯛と米を炊き込む松山風と、刺身にたれを合わせる宇和島風を料理として選び分ける。道後・松山で愛媛の郷土料理に触れる食事候補。[DC24][DC29]
TASTE OF MATSUYAMA
柑橘の品種や加工の違いを、ジュースやゼリーで味わう。道後商店街にも柑橘の専門店・ジューススタンドがあると市が紹介。[DC25][DC26][DC29]
開花や展示、見学の予定に合わせて、散策先を組み合わせてみてください。共同浴場の利用案内は、訪問前に公式サイトでご確認いただけます。写真は、それぞれ明記した撮影時点の記録です。
06 / PRESERVING THE HERITAGE
残したいのは、建物の姿だけでなく、湯を囲む道後の営みです。意匠や部材の価値を調べ、耐震・防火・衛生の対策と重ねて保存方針を考えます。市所有の重要文化財である本館の修理を手がかりに、一般の湯宿では指定の有無や建物の状態に合う道筋を探します。[DP01][DP02][DP09][DP10][DP12]
歴史ある湯宿の計画は、敷地と建物、文化財としての位置付け、営業、温泉の利用と供給を一枚ずつ確かめるところから始まります。道後では、町の景観を守る制度と、湯を使うための許可・条件にも目を向けます。
文化財指定の対象は、建物や部材のどこまでか。所有者、指定・登録の資料、過去の保存修理記録をそろえ、文化財課と保存方針を相談します。本館の指定を、周囲の宿や道後全域の指定と混同しないことが出発点です。[DP01][DP12][DP14]
地番をもとに、景観形成重点地区、風致地区、周知の埋蔵文化財包蔵地などの区域と、計画する行為を照合します。外観、屋根、外構、掘削といった工事の内容を示し、必要な届出・許可を別々に整理します。[DP03][DP04][DP05][DP06][DP27]
既存図面、確認・検査の書類、改修履歴、現況を建築士と照合します。既存不適格と違反の問題を分け、耐震、防火、避難、衛生、断熱、設備更新を設計します。用途変更の確認手続と、大規模修繕等の判断も工事範囲に応じて確かめます。[DP07][DP08][DP09][DP10][DP11][DP22]
不動産の所有権移転と、旅館業の営業を引き継ぐ手続は別の作業です。売買・事業譲渡等の形、営業者、引継ぎ日を先に決め、保健所へ相談します。浴場の日帰り利用を含める場合は、公衆浴場法上の取扱いも確認します。[DP15][DP16][DP21]
松山市では、温泉利用者が通常の事業譲渡で変わる場合、新たな温泉利用許可の対象です。内湯の使用許可、配湯契約等による供給条件も独立して確認します。保健所と道後温泉事務所へ、営業承継と同じ工程を示して相談します。[DP17][DP18][DP19][DP20]
引き継ぎたいのは書類だけではありません。湯量や温度の記録、清掃・消毒・水質検査、配管やポンプの点検、停止時の連絡先まで確認します。どの設備を誰が管理するかを図面に落とし、現場の手順と契約の範囲をそろえます。[DP17][DP19][DC15][DC16]
自然公園法、森林法、河川法などの適用は、所在地と行為に応じて調べます。道後の全域を国立公園の特別地域として扱うことはせず、区域図と地番を重ねて担当窓口へ確認します。景観の届出や風致地区の許可、文化財の手続も、それぞれの根拠と対象を整理します。[DP03][DP06][DP24][DP25][DP26]
歴史的建築物の保存活用には、文化財の指定や条例による保全、建築基準法の適用関係を踏まえた正規の道筋があります。用途変更の200㎡という面積基準と、大規模な修繕・模様替、既存不適格への対応は別の論点です。残す意匠と安全対策を図面で示し、使える制度と必要な手続を建築士・所管窓口と確認します。[DP09][DP10][DP11][DP12][DP13]
07 / MORE VALUE, WITH MEMORY
湯宿として継ぐ、共同浴場を続ける、滞在と文化体験を組み合わせる。建物に合う使い方は一つではありません。営業許可と温泉の供給条件を確かめ、改修費、休業中の支出、開業後の人員と資金繰りを揃えて比べると、続けられる条件を具体的に検討できます。[DP15][DP16][DP17][DP19][DP21][DP28][DP29]
以下は、個別の建物・権利・運営体制を確認して検討する再生の提案です。保存したい部分を決め、必要な工事と日々の仕事、資金の流れを重ねて考えます。
MODEL 01
玄関、客室、庭、浴場のどこに宿らしさが宿るのかを、古写真や現地調査から読み解きます。既存の営業を継ぐ案では、建物の適法性と旅館業承継、温泉利用許可、内湯の使用条件を先に整理。価値の高い部分を生かしながら、耐震、防火、給排水などの更新を設計します。客室数と料金は、実際に必要な人員や清掃時間、修繕費を含めて検討し、少ない客室でも維持できる運営を探ります。建物の持ち主、運営者、設計者が同じ保存方針を共有し、休業中の資金も含めて開業までの工程を描く案です。[DP01][DP02][DP10][DP15][DP16][DP17][DP19][DP28][DP29]
MODEL 02
朝夕の入浴や顔なじみとの会話など、地域の日常を支える湯の使われ方から運営を考えます。対象は個別に権利と運営体制を確認できる浴場で、本館を民間売買の対象に見立てる案ではありません。一般公衆浴場とその他公衆浴場の区分、承継手続、配湯と温泉利用の条件を保健所等へ相談し、必要な整備を整理します。脱衣室や浴室の雰囲気に配慮しながら、清掃、換水、水質管理、設備点検の動線を整えます。利用人数と時間帯、料金の取扱い、人件費や設備更新費を重ね、続けられる営業時間と収支を組み立てる案です。[DP01][DP16][DP17][DP19][DP21][DP28]
MODEL 03
すぐに全館を開業する負担が大きい建物では、雨漏りや傷みを抑える保全と調査を先行し、滞在、展示、地域交流などの使い方を比べます。守る意匠と設備を更新できる範囲を図面に分け、用途変更や文化財の手続、建物全体の避難計画を確かめてから段階を決めます。一部を使う場合も、閉鎖部分を含む安全管理と工事動線の計画が必要です。各段階の工事費と維持費、担い手、収入の見通しを揃え、調査結果に応じて次の投資を判断します。地域に開く役割と滞在の魅力を少しずつ育てる案です。[DP09][DP10][DP12][DP13][DP14][DP15][DP22][DP28][DP29]
文化財の保存事業と、民間の宿泊施設の設備更新では、使う制度と対象経費が異なります。建物調査、工事、休業中の維持費、開業準備、運転資金を分け、支出月と調達時期を資金繰りへ置きます。料金や客室数は、需要と人員、清掃、保守・更新の費用をそろえて検討します。[DP12][DP14][DP28][DP29]
公庫の一般貸付と振興事業貸付は、対象となる事業や資金使途、組合等の条件を確認して使い分けます。補助金は公募期間、対象工事、交付決定、着手、実績報告、入金を順に確認します。採択額を先に使える現金とせず、入金が遅れたり減額されたりする場合も資金計画へ入れます。[DP28][DP29][DP30][DP31][DP32]
08 / MARKET & RELATED GUIDES
2025年の愛媛県の延べ宿泊者数は4,363,300人泊、外国人は580,850人泊です。道後だけの集計ではないため、県全域の季節変動を知る材料として読みます。既存の温泉地・市場・運営ガイドと、検討する宿の月別実績を行き来して事業計画へ落とし込みます。[MK01]
| 対象 | 延べ宿泊者数 | 外国人延べ宿泊者数 | 外国人構成比 | リゾートホテル客室稼働率 |
|---|---|---|---|---|
| 愛媛県全域 | 4,363,300人泊 | 580,850人泊 | 13.3% | 41.7% |
外国人構成比は外国人延べ宿泊者数÷全体から算出。道後温泉単独の集計、施設数、売上、個別宿の稼働率を示すものではありません。[MK01]
県全域の宿泊需要には季節ごとの動きがあります。道後の宿を検討するときは、客層、営業日、交通、食事や行事の需要と、その宿の月別の販売実績を重ねます。
愛媛県の宿泊市場特集へ →| 月 | 人泊 |
|---|---|
| 1月 | 327,190人泊 |
| 2月 | 319,640人泊 |
| 3月 | 394,350人泊 |
| 4月 | 358,150人泊 |
| 5月 | 371,920人泊 |
| 6月 | 289,930人泊 |
| 7月 | 328,010人泊 |
| 8月 | 424,110人泊 |
| 9月 | 349,390人泊 |
| 10月 | 410,570人泊 |
| 11月 | 420,500人泊 |
| 12月 | 369,540人泊 |
09 / QUESTIONS
文化のある宿を引き継ぐときは、建物の所有権に加え、営業の許可、配湯の条件、建築と景観のルールを別々に確かめます。ここでは道後の湯宿を検討する際に生じやすい疑問を、資料をそろえる順序と相談窓口の違いから整理し、実際の調査や専門家との相談へつなぎます。[DP03][DP07][DP15][DP17][DP19]
古さや温泉地名だけでは決まりません。敷地の接道、用途地域、防火規制、景観・風致地区、文化財指定などを建物ごとに調べます。既存建物の活用と建て替えは別の検討なので、現況図と改修履歴を持ち、建築指導課で実現できる範囲を確かめることから始めます。[DP03][DP06][DP07][DP08][DP09][DP10][DP24]
200㎡は、一定の特殊用途への変更で建築確認を要するかに関わる面積基準です。確認申請が不要な場合も、用途制限、避難・防火などの適用規定を調べます。また、主要構造部の一種以上の過半を直す大規模修繕等は別の判断です。工事範囲と用途を変える部分を図面に分け、建築士と整理しましょう。[DP07][DP09][DP10][DP11]
編集:ジャパンリアルター株式会社 / 堤 誠之プロフィール / TSUNAGUの想い / 代表者note ↗
道後に伝わる物語、文学との関わり、源泉の温度調節と湯の使い方、町の風景を紹介しています。
聖徳太子の来浴伝承と碑文、飛鳥乃湯泉に復元された碑を紹介しています。
熟田津の歌や伊予温泉を詠んだ歌と、道後に残る文学の記憶を紹介しています。
『源氏物語』に現れる「伊予の湯桁」の言葉と道後の関係を解説しています。
1895年の松山赴任、漱石の書簡、小説『坊っちゃん』と道後の関わりを紹介しています。
子規と漱石の交友、道後界隈の散策、博物館の復元展示を紹介しています。
一遍と宝厳寺付近の生誕地、湯釜に残る伝承を紹介しています。
神の湯本館の構造と重要文化財指定を掲載しています。竣工年は道後温泉公式の保存修理記録によります。
又新殿・霊の湯棟の竣工年、構造、屋根材と重要文化財指定を掲載しています。
南棟の竣工年と、東西の棟を廊下で結ぶ建築構成を掲載しています。
玄関棟の竣工年、構造と屋根材、重要文化財指定を掲載しています。
本館各棟の変遷と保存修理、2024年の全館営業再開・工事完了を記録しています。
保存修理の開始と、全館営業再開に向けた当時の計画を公表した2024年1月の記事です。
泉質、禁忌症・適応症、入浴上の注意と共同浴場三館の衛生管理を案内しています。
施設区分ごとの泉質、源泉温度、使用位置の温度、pH、分析年月日を掲載した松山市の温泉成分掲示です。
三館の利用方法、料金・営業時間、待ち時間や新着情報への公式入口です。
椿の湯の歩み、花崗岩の浴室と湯釜、入浴の案内を紹介しています。
飛鳥乃湯泉の建築、愛媛の伝統工芸、浴室と湯上がりの空間を紹介しています。
空の散歩道、分湯場、公園、寺社、博物館と季節の見どころを紹介しています。
道後公園の桜と、開花状況の確認先を案内しています。
「坊っちゃんの間」の命名と、室内の展示について紹介しています。
小説にちなむ三色の串団子、その餡と餅の特徴を紹介しています。
炊き込みの松山風と刺身を使う宇和島風など、愛媛の郷土料理を紹介しています。
柑橘を使ったジュース、ゼリー、冷菓などを紹介しています。
本館と駅を結ぶ道後ハイカラ通り、飲食店や土産店を紹介しています。
2024年7月11日の道後温泉本館・全館営業再開を伝える当日の記事です。
本館の年代、実測調査、時代ごとの技法と部材の修理を記録した工事パンフレットです。
鯛めし、柑橘、道後商店街などで味わえる松山の食を紹介しています。
神の湯と霊の湯の浴室、湯釜、石材などを紹介しています。
本館四棟の重要文化財指定と、松山市が所有する建造物であることを掲載しています。
保存修理の完了と、構造補強を含む工事の概要を公表した松山市の資料です。
道後温泉本館周辺を含む景観形成重点地区と、届出の対象行為・必要図書を案内しています。
松山市の景観条例と施行規則を掲載しています。
道後温泉本館周辺地区の区域と、外観・色彩・素材などの景観形成基準をまとめています。
風致地区内の建築、土地の変更、伐採、色彩変更等の許可を案内しています。
建築物の審査・検査、道路、防災などを担当する建築指導課の窓口案内です。
敷地、道路、用途地域、高さ、耐震など、既存建築を調べる際の質問に答えています。
建築確認、用途変更、大規模修繕、既存不適格などに関する法律の本文です。
既存建築物の現況調査と、活用に関する制度・技術資料を掲載しています。
2025年4月施行後の木造建築の大規模なリフォームと、確認手続の考え方を解説しています。
文化財の指定・登録、所有者変更、現状変更、保存活用計画などに関する法律の本文です。
歴史的建築物の保存活用と、条例・代替安全措置による制度の組立てを解説しています。
文化財の保護、保存活用計画、埋蔵文化財の調整を担当する窓口案内です。
旅館業の許可・承継の様式、構造設備基準、建築・消防関係の資料を案内しています。
旅館業、公衆浴場などの事業譲渡に伴う承継手続を案内しています。
温泉利用許可、利用者の変更、配湯契約等の権利資料、配管図・使用量の資料を案内しています。
道後温泉事務所が公開する、内湯使用許可等の審査基準への入口です。
内湯使用許可の審査基準と標準処理期間を掲載しています。個別の供給・承継条件は道後温泉事務所で確認します。
源泉・配湯や事業施設を担当する道後温泉事務所の窓口案内です。
一般・その他公衆浴場の区分、構造設備、事業譲渡に伴う届出を案内しています。
旅館・ホテルの消防法令適合通知書と、必要な図面・申請先を案内しています。
瀬戸内海国立公園の区域と地種区分、公園計画図を掲載しています。
国立公園内で行う建築などの許可・届出の制度を案内しています。
公園の区域や計画を相談する四国の自然保護官事務所等を案内しています。
埋蔵文化財の区域照会、試掘や工事前の届出を案内しています。
生活衛生関係営業の一般貸付について、資金使途、対象、限度額と期間を案内しています。
認定振興計画を持つ組合の組合員を対象とする融資制度と、必要な証明を案内しています。
地方誘客のための安全・安心対策に関する観光庁の公募案内です。対象・期間・予算の条件は申請時点で確認します。
避難所機能強化の応募、交付決定、実績報告と支払、取得財産の管理を定めた応募要領です。
松山市の歴史的建造物の外観等の整備と、クラウドファンディングを活用する事業の案内。公募の有無・対象区域・条件は各年度の掲載資料で確認します。
観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年確定値。愛媛県全域の年計・月別データを掲載しています。
確認日:2026年10月29日。伝承、史料、分析値、保存修理の記録、編集上の提案を分けて記述しています。制度・利用条件は実行時点の公式案内で確かめます。
道後温泉本館の南西側。2024年7月3日撮影、全館営業再開前の外観。
松山市 / CC BY 4.0
WebP変換・サイズ調整・表示枠による切り取り。原画像データの配布元 ↗
道後温泉本館・神の湯2階席休憩室。2024年7月2日、全館営業再開前に撮影。
松山市 / CC BY 4.0
WebP変換・サイズ調整・表示枠による切り取り。原画像データの配布元 ↗
道後温泉別館・飛鳥乃湯泉。2017年12月22日撮影の外観。
松山市 / CC BY 4.0
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道後温泉・椿の湯。2021年10月7日撮影の正面外観。
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道後温泉駅前の坊っちゃんカラクリ時計。2008年10月6日撮影。
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写真は松山市公式オープンデータから取得し、撮影日とCC BY 4.0の条件を確認しています。本館の写真は全館営業再開前の撮影で、その他の写真も撮影時点の記録です。本文の現在の利用案内とは区別しています。