田宮虎彦

2月10日付で藤三旅館本館と白猿の湯が国登録有形文化財に。国重要文化財とは区分が異なります。
市は岩盤をくりぬいた深さ約1.3メートルの浴槽と、石段で下りる浴室の構成を紹介しています。
本館と別館、湯治部に異なる部屋があり、部屋の設備や滞在の形を選べます。
HISTORY / VALUE / THE NEXT CHAPTER
残したい風景と、
湯のある暮らし。

鉛温泉を訪ねると、湯舟の深さだけでなく、そこへ下りる石段と頭上に広がる空間が印象に残ります。白猿の湯は岩盤をくりぬいた浴槽と吹き抜けを持ち、建物と湧く湯が近い関係にあります。豊沢川沿いの藤三旅館本館を歩けば、唐破風の玄関や中廊下、川に向く客室に、温泉へ泊まる人を受け止めてきた宿の形が見えてきます。
2026年、本館と白猿の湯は国の登録有形文化財になりました。守る対象が具体的になった一方、宿は現在も人が泊まり、食事をし、湯に入る生活の場です。旅館部と湯治部、木造と鉄筋の建物、文学の記憶と今の浴場の使い方を分けて読むと、一つの宿の中にも違う時間が流れています。過去の形を眺めるだけでなく、使いながら継ぐ価値を知る旅です。[B40S1][B40S2]
※本ページは地域の温泉文化・歴史遺産の解説であり、掲載写真や施設が売却案件であることを示すものではありません。
TSUNAGU独自の編集企画「名湯・秘湯遺産100撰」の第40撰です。公的な認定や順位を表すものではありません。
02 / HISTORY & MEMORY
白猿の伝承から、作家の部屋へ
白猿が湯に浸かったという伝承を名に残す鉛温泉。現在の本館は1941年に建てられ、田宮虎彦の滞在や宮沢賢治の作品の記憶が重なります。伝承の時代と実証された建築の年代を分けると、湯を使う文化と宿の形が見えてきます。2026年の国登録は、その価値を次へ伝える節目です。[B40S1][B40S2][B40S4][B40S8][B40S10]
宿は、藤井家の祖先が山で木を切っていたとき、白猿が泉で傷を癒す姿を見たという由来を伝えています。1443年頃に仮小屋を建てたという話も、伝承として紹介されるものです。猿の名を持つ浴場へ下りると、自然の湯を見つけ、身近に使うようになった人の物語が感じられます。確定した発掘や建築の年代と同じ扱いにはせず、土地の語りとして味わいます。
市の登録資料によると、現在の本館は1941年の木造三階建です。豊沢川に面した大きな建物に、座敷棟と唐破風の玄関がつながります。温泉の起こりの話とは違い、こちらは現存する建物の年代と構造をたどれる資料です。宿が長い歴史の中で建て替えや手入れを重ねたことを知ると、古い姿を保つことと使い続けることが、同じ歩みの中に見えてきます。
田宮虎彦は玄関上の三階の部屋に一か月余り滞在し、『銀心中』を執筆したと宿が紹介しています。宮沢賢治には親類として訪れたという宿の説明があり、『なめとこ山の熊』にも鉛の湯が登場します。来訪の説明と作品の中の言葉を分けて読むと、建物の一室と、物語が広げる山の世界の両方が楽しめます。静かな部屋で本を開く時間も似合う湯宿です。[B40S1][B40S2][B40S4][B40S8][B40S10]
03 / THE WATER & ITS KEEPERS
岩盤の湯と、湯守が整える浴場
白猿の湯は、その場で湧く温泉と深い岩風呂が一体となった浴場です。宿は五つの源泉、四つの浴場と掛け流しの利用を紹介しますが、成分や温度は各源泉・浴場の掲示へ。立つ湯、川を見る湯、休む場所を選ぶ時間を通じて、自然の湯を日々整える湯守の仕事にも触れられます。[B40S1][B40S3][B40S11]
白猿の湯では、石段を下りた浴室の中央に深い浴槽があります。市は深さを約1.3メートル、宿は平均1.25メートルと紹介しており、測る範囲の違う値を一つの精密な数値へ揃えません。立って入る浴槽であることを理解し、無理のない利用を選びます。湯の湧く場所へ近づく感覚と、上の空間の広がりが、この浴場ならではの体験をつくります。
宿は五本の源泉と全四浴場の掛け流しを案内し、加熱や加水、循環をせずに利用すると説明しています。泉質の紹介は単純温泉・アルカリ性単純高温泉で、泉温は57度との表記があります。ただし源泉を一括したウェブの紹介から、すべての浴槽やシャワーの温度を決めません。実際に入る浴場の掲示と、その日の湯の案内を読むと、湯の使い方が具体的に分かります。
桂の湯は川と木々を、白糸の湯は岩肌を伝う水の景色を望む浴場として紹介され、銀の湯には貸切の運用があります。女性専用や入替、清掃の時間は、その日の案内に沿って選びます。宿は湯守による管理も紹介しています。掛け流しという言葉だけで完成する設備ではなく、湯を整え、清掃し、利用する人へ伝える日々の仕事が、湯の時間を支えています。[B40S1][B40S3][B40S11]
| 対象 | 泉質・湯の特徴 | 温度 | pH | 分析日・資料の時点 | 確認範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| 藤三旅館の温泉案内 | 単純温泉・アルカリ性単純高温泉 | 57℃(宿の泉温紹介。浴槽温度ではない) | 分析書で確認 | ウェブ紹介に分析年月日の記載なし | 五源泉・四浴場を案内する宿の説明。源泉ごとの分析表と区別[B40S3] |
| 白猿の湯 | 浴槽直下で湧く温泉として紹介。成分は当該分析書へ | 当日の浴場案内で確認 | 分析書で確認 | 当該浴場の掲示で確認 | 立居浴の浴場。深さの説明と成分の分析は別の資料[B40S1][B40S3] |
源泉の分析と、浴槽で使う湯を読み分ける。
分析書の源泉名・採水場所・年月日と、施設が掲示する加水・加温・循環・消毒の方法を合わせて確認します。地域に複数の源泉がある場合、ひとつの値をすべての湯宿や浴槽へ当てはめず、訪れる施設の最新の掲示を読んで入浴します。

04 / ARCHITECTURE & TOWNSCAPE
唐破風の玄関から、地階の浴室へ
本館の木造三階、白猿の湯の越屋根と地階の浴室、別館や湯治部の部屋。鉛では建物を一つの古さでまとめず、棟と使い方ごとに読む楽しみがあります。登録対象の形と価値を押さえ、現在の設備や滞在の快適さをどう重ねるか。使われる文化財の仕事が見える場所です。[B40S1][B40S4]
本館では、唐破風の玄関から入母屋屋根や楼閣風の上部へ、視線が上がります。内部は中廊下の南北に客室が並ぶ構成です。市の資料は、川に面する三階建のたたずまいが温泉地の風情を伝える点を紹介しています。装飾だけを見るのではなく、川を見る客室と、客を迎えて各部屋へつなぐ経路を読むと、旅館の建築としての意味が分かります。
白猿の湯は昭和前期の建築で、2004年に改修された浴室棟です。寄棟の屋根の中央に越屋根があり、二つの入口から石段で下ります。石敷きの床と石壁、岩盤の浴槽、頭上の吹き抜けが重なり、地階にありながら開放的な空間をつくります。建物と浴槽、湧く湯の位置が関わるため、設備だけを別のものへ置き換える前に、空間全体を記録する価値があります。
宿は木造の本館だけでなく、鉄筋の別館と湯治部の客室を案内しています。トイレや洗面の有無など、部屋ごとの設備も異なります。すべての棟を同じ文化財の対象として扱わず、登録された建物と現在の部屋の使い方を照合します。共同の設備を使いながらゆっくり過ごす時間と、個室の快適さを選ぶ時間が、一つの宿に重なっています。[B40S1][B40S4]
05 / STAY THROUGH THE SEASONS
豊沢川の色と、花巻の食を味わう
豊沢川の若葉、夏の川音、紅葉、雪の季節に湯へ向かう時間。鉛では大きな移動を重ねなくても、部屋と浴場から季節に触れられます。花巻の米や野菜、白金豚を味わい、行き帰りに賢治の作品や土地を知る。湯治のゆっくりした時間と地域の暮らしが、旅の中でつながります。[B40S2][B40S3][B40S4][B40S8][B40S10]
春から夏は、川と対岸の木々の色を部屋や浴場から眺める時間が楽しめます。館内で湯を選び、休み、食事を取るだけでも、旅の一日が穏やかに進みます。大きな観光施設を巡り尽くす計画より、川辺に泊まることそのものへ目を向ける過ごし方です。宿の周りを歩くときも、公開される道の範囲とその日の路面に合わせて、短い散策を選びます。
秋は紅葉の色と、山菜やきのこ、花巻の米や野菜が食の話題になります。宿は花巻の食材や三陸の海の幸を用いると紹介していますが、毎日の献立を固定せず、訪れた季節の料理として楽しみます。山の中の温泉でも食卓は里と海へつながっています。湯を上がって食事を待つ時間に、食材が来た場所へ少し思いを広げると、土地の輪郭が増します。
雪の季節は、湯と部屋で過ごす時間を長く取る旅が似合います。移動を控えめにして本を開き、宿に残る作家の部屋の話から、花巻の記念館へ関心を広げることもできます。賢治記念館は温泉とは別の場所で、科学や農、芸術へ広がる活動を知る施設です。天候と道に合わせて行き帰りの予定を選ぶと、湯治と文学の両方に無理なく触れられます。[B40S2][B40S3][B40S4][B40S8][B40S10]
川音と緑を、部屋と湯から
川辺に泊まり、湯を選び、部屋で休む時間へ。公開される周辺の道を短く歩き、移動を重ねない滞在も楽しめます。[B40S2][B40S3][B40S4]
紅葉と里の食卓
豊沢川沿いの色と、米や野菜、きのこなど季節の食へ。決まった料理の提供とはせず、訪れた時の献立を味わいます。[B40S2][B40S3][B40S8]
湯と読書に時間を使う
移動に余裕を持ち、部屋と湯で休む季節。文学に触れ、行き帰りの道に合わせて花巻の公開施設を訪ねる旅も考えられます。[B40S2][B40S4][B40S10]
A WALK BETWEEN BATHS
湯の前後に、もうひと歩き。
本館の建築を読む館内の道
- 唐破風の玄関
- 案内される共用部
- 川を見る客室
宿の利用案内に沿って、玄関と廊下、部屋の構成を味わいます。宿泊中の客室へ勝手に入らず、自分の滞在の中で建物の形を知る行程です。[B40S1][B40S4]
白猿の湯と湯上がりの場所
- 当日の浴場案内
- 白猿の湯
- 湯上がり処
利用できる時間と体に合う浴場を選び、石段と吹き抜けの空間へ。入浴後に休む場所も含め、湯を急いで巡り尽くさない館内の過ごし方です。[B40S1][B40S3]
花巻で賢治の世界を知る寄り道
- 宮沢賢治記念館
- 開館中の展示
- 周辺の公開範囲
温泉とは離れた場所の旅として、行き帰りに組みます。作品と科学、芸術、農へ広がる活動を知り、宿で開く本の世界を深めます。[B40S10]
TASTE OF THE REGION
花巻の白金豚
宿の日帰りの食事案内にも登場する地域の豚肉。食事の営業や提供条件はその時の案内で選び、温泉の食卓から花巻の畜産へ目を向けられます。[B40S3][B40S8]
TASTE OF THE REGION
花巻の米と野菜
宿が地域の食材として紹介する米や野菜、山菜、きのこ。山の湯宿の料理を里で育てる人の仕事へつなげて楽しみます。[B40S2][B40S8]
TASTE OF THE REGION
わんこそば
客のペースで椀にそばを供する、花巻のおもてなしの郷土料理。温泉の常設メニューとせず、市内の食の寄り道として紹介します。[B40S9]
開花や展示、見学の予定に合わせて、散策先を組み合わせてみてください。共同浴場や山道などの利用案内は、訪問前に公式サイトでご確認いただけます。写真は、それぞれの撮影時点の記録です。
06 / PRESERVING THE HERITAGE
登録の二棟を起点に、使う条件を揃える
鉛の保全は、登録された本館と白猿の湯の価値を資料と現地で読むことから始まります。文化財の手続、建築と防火、温泉の利用、営業承継は別に工程へ。自然公園も県立の区域と地種区分を計画地で照合し、市文化財課、生活環境課、中部保健所へ具体的な図面をつなぎます。[B40S1][B40S3][B40S5][B40S6][B40S7][B40S11]
市文化財課の資料を入口に、登録された二棟の図面と改修履歴、写真を揃えます。文化財の登録と建築基準の扱いを一つにせず、構造、防火、避難、浴室の設備を調べます。既存不適格と違反状態も分け、保存する部材と更新する機能を工事の範囲へ落とします。市生活環境課が示す花巻温泉郷県立自然公園の区域図も、計画地と重ねて読む資料になります。
旅館業の譲渡は、中部保健所へ効力発生前の承継を相談します。県は、一部だけの譲渡や大幅な変更などでは新規許可が必要な場合もあると案内しています。温泉利用と源泉・配管の権利は別に揃え、浴槽や利用者の変更を図面で示します。日帰り入浴、食事の営業、清掃と湯守の役割も含め、契約で継ぐものと手続で整えるものを対応させます。[B40S1][B40S3][B40S5][B40S6][B40S7][B40S11]
登録二棟の価値を記録する
本館と白猿の湯の登録内容、図面と部材、空間を市文化財課の資料から整理します。対象となる二棟と他の施設の履歴を分け、保存と更新の範囲を決めます。[B40S1][B40S4]
- 登録対象と建築図
- 外観・内部の記録
- 修理・変更履歴
安全と既存建築の状態を調べる
確認・検査関係図書と工事履歴、構造や避難、設備を調べます。既存不適格と違反状態を分け、登録文化財の手続と建築の条件を並べます。[B40S1][B40S5]
- 建築関係図書
- 構造・防火・設備調査
- 工事範囲と文化財相談
県立自然公園の区域を重ねる
花巻市は県立自然公園の許可・届出を案内しています。市生活環境課の区域図と計画地を照合し、地種区分や工事に応じて手続を分けます。[B40S6][B40S7]
- 地番と公園区域図
- 地種区分と変更内容
- 市生活環境課への図面相談
五源泉と浴場の関係を揃える
源泉と浴場の供給図、利用許可と分析書、土地・配管の契約を集めます。温泉利用は営業承継と別に、許可名義と契約の変更手続、今後の供給条件を整理します。[B40S3][B40S5][B40S11]
- 源泉・配管の系統図
- 利用許可と分析書
- 土地・供給の契約
中部保健所と承継を組み立てる
譲渡の前に既存許可と図面、対象棟、改修案を示します。一部譲渡や大幅変更は新規許可の場合もあるため、営業の範囲を揃えて工程を決めます。[B40S5][B40S11]
- 譲渡対象と効力発生日
- 既存許可と図面控え
- 飲食・日帰り等の手続
深い浴槽と湯守の仕事を継ぐ
浴場ごとの清掃、湯の状態、石段や床、入替の案内を記録します。維持する部材と更新設備を分け、利用者の動線と湯守の作業を一緒に整えます。[B40S1][B40S3]
- 湯・清掃・点検記録
- 浴槽と動線の点検
- 利用案内と担当分担
07 / MORE VALUE, WITH MEMORY
深い湯と湯治の時間を、次の滞在へ
白猿の湯と本館の空間を守る案、湯治のゆっくりした滞在を整える案、部材と設備を段階的に更新する案。鉛の価値を継ぐ提案は、古さを一律に残すことだけではありません。登録対象の魅力と現在の利用、人員と維持費を重ね、安全と休む心地よさが続く規模を比べます。[B40S1][B40S2][B40S3][B40S4][B40S5]
白猿の湯の空間は、深い浴槽だけでなく石段、床と壁、上部の広がりで成り立ちます。再生を考える際は、先に空間を記録し、設備更新の方法を比べる案が考えられます。本館も、川に面する客室と中廊下の構成を読みながら、必要な安全や使いやすさを整えます。文化財の価値を伝える短い案内があると、泊まる人が建物の良さに気づく手がかりになります。
湯治部の過ごし方を生かす案では、共同設備の維持、食事の選択、休む場所と清掃の分担を調べます。長く泊まれば自動的に事業が安定するとはせず、受け入れる日数と人員を合わせる提案です。改修は雨仕舞や給排水、構造の調査から順序を決め、休業中の固定費と再開後の仕事を一つの資金計画へ置きます。文学や食の紹介も、無理のない運営の中で育てます。[B40S1][B40S2][B40S3][B40S4][B40S5]
MODEL 01
白猿の空間を守る滞在
浴槽と石段、吹き抜けを一体で記録し、本館の玄関や川を見る客室と合わせて価値を伝える案。安全と設備の調査を先行し、更新方法を比較します。[B40S1][B40S3][B40S4]
MODEL 02
湯治のゆっくりした時間を整える
共同設備と休む場所、食事や清掃の分担を読み、長く泊まる過ごし方を考える提案。受け入れる日数と人員、湯と文学の案内を無理のない規模へ揃えます。[B40S2][B40S3][B40S4]
MODEL 03
登録建物と設備の段階更新
雨仕舞と構造、給排水や温泉設備の調査から順序を付ける案。登録二棟と他の棟を分け、文化財・建築・営業の工程と休業中の資金を一緒に検討します。[B40S1][B40S5][B40S6][B40S11]
改修費と、続けるための資金。
文化財の修理、一般の客室更新、浴場と給排水の設備を分けて見積もります。本館と浴室棟、別館や湯治部の工事が営業へ及ぼす範囲を整理し、休業中の固定費と再開準備、人員を保つ費用まで資金繰りに置きます。
融資や支援制度は、事業者と工事の対象、文化財や営業の手続、支払の時期を揃えて比較します。登録されたことを理由に補助金の交付や融資を約束せず、利用できる条件と負担を調べます。湯守と修理を継続できる収支から、投資の順番を決めます。[B40S1][B40S3][B40S5][B40S6][B40S11]
設備資金・運転資金、事業の対象、組合等の条件により融資制度は異なります。実際の費用と営業計画をそろえ、融資・補助金の募集条件と支払時期を確かめて資金繰りを組み立てます。[NAT05][NAT06]
08 / MARKET & RELATED GUIDES
花巻温泉郷の中で、鉛に泊まる理由を読む
岩手県の宿泊市場と、花巻温泉郷、鉛の一軒宿の利用は対象が異なります。鉛では立居浴と木造建築、湯治、文学を目的とする滞在を分けて考えます。日帰りの湯の利用を客室の売上へ直結させず、部屋の設備や食事の形、季節と人員から、実際に受け入れられる需要を見ます。[B40S1][B40S3][B40S4][B40S5][B40S8]
花巻温泉郷には性格の異なる温泉地があり、鉛の宿の動きを県全体の数字だけでは説明できません。文化財の登録を知って訪れる人、白猿の湯を目的にする人、湯治の時間を選ぶ人では、滞在の長さも必要な設備も違います。日帰りと宿泊を分け、実際の客室の利用、食事の選択、季節による変化から、この宿で休む理由を読み取ります。
部屋には洗面やトイレの有無があり、木造本館と別館、湯治部の提供内容も異なります。販売する部屋を一つの単価や稼働へまとめる前に、どの過ごし方をどの人員で支えるかを考えます。清掃と厨房、浴場管理、文化財の修理を継続できる費用を置くと、売上を伸ばすことだけでは見えない運営の規模が分かります。川辺の環境を守ることも計画の一部です。[B40S1][B40S3][B40S4][B40S5][B40S8]
| 対象 | 延べ宿泊者数 | 外国人延べ宿泊者数 | 外国人構成比 | リゾートホテル客室稼働率 |
|---|---|---|---|---|
| 岩手県全域 | 5,551,600人泊 | 449,750人泊 | 8.1% | 41.5% |
外国人構成比は外国人延べ宿泊者数÷全体から算出。いずれも都道府県全域の統計で、この温泉地単独の集計や個別施設の売上・稼働率を示すものではありません。[MK01]
岩手県全域の、
月別の宿泊者数。
県全域の季節変動を、その宿の客層や営業日、月別の販売実績と重ねます。地域全体の動きと個別の宿の運営を行き来しながら、滞在と事業の計画を考えます。
岩手県の宿泊市場特集へ →岩手県の月別数値を表で確認する
| 月 | 人泊 |
|---|---|
| 1月 | 433,810人泊 |
| 2月 | 415,290人泊 |
| 3月 | 429,360人泊 |
| 4月 | 427,850人泊 |
| 5月 | 462,630人泊 |
| 6月 | 441,110人泊 |
| 7月 | 503,130人泊 |
| 8月 | 627,000人泊 |
| 9月 | 466,520人泊 |
| 10月 | 503,630人泊 |
| 11月 | 442,720人泊 |
| 12月 | 398,540人泊 |
09 / QUESTIONS
深い湯舟と、使われる文化財の問い
白猿の湯の利用、本館の登録、開湯の伝承、旅館業を継ぐ手続。鉛を知るには、体験と資料の両方を見ると理解が深まります。古い建物という印象で全てを同じ条件にせず、登録された棟と現在の部屋、温泉と営業の権利を分けます。旅でも継承でも、具体的な対象から考える温泉です。[B40S1][B40S2][B40S3][B40S4][B40S5][B40S6][B40S11]
鉛の建物はすべて国重要文化財ですか。
2026年2月10日に国の登録有形文化財となったのは、藤三旅館本館と白猿の湯の二棟です。改修ではこの登録範囲と、他の棟を含めた建築・防火上の条件を図面で整理します。[B40S1][B40S4]
白猿の湯は普通の浅い浴槽と同じですか。
立って入る深い岩風呂です。市は深さ約1.3メートル、宿は平均1.25メートルと紹介しています。利用時間と体に合う入り方を選び、無理な入浴をしない計画にします。[B40S1][B40S3]
編集:ジャパンリアルター株式会社 / 堤 誠之プロフィール / TSUNAGUの想い / 代表者note ↗
出典・写真・編集について
本文・統計の出典
- [B40S1] 花巻市|藤三旅館本館と白猿の湯の国登録
2026年2月10日登録、本館と浴室棟の年代・構造・価値。
- [B40S10] 花巻市|宮沢賢治記念館の概要
賢治の作品、科学・芸術・農などの活動を知る展示。
- [B40S11] 岩手県中部保健所|申請や届出に関するご案内
旅館や公衆浴場、温泉等の申請の案内。
- [B40S2] 藤三旅館|宿の歴史と由来
白猿の伝承、田宮虎彦と宮沢賢治、花巻の食材、会社の沿革。
- [B40S3] 藤三旅館|温泉・日帰り温泉
五源泉と四浴場、泉質・泉温の紹介、湯守、浴場ごとの利用。
- [B40S4] 藤三旅館|お部屋
本館、鉄筋の別館、湯治部の異なる部屋と設備。
- [B40S5] 岩手県|事業譲渡に関する手続きの整備
譲渡前の旅館業承継承認、変更内容の相談、中部保健所の管轄。
- [B40S6] 花巻市|国定公園・県立自然公園
花巻温泉郷県立自然公園の区域図と、市への権限移譲・申請区分。
- [B40S7] 岩手県|国定公園・県立自然公園区域図
花巻温泉郷を含む公園区域図の公表。
- [B40S8] 花巻観光協会|花巻へいこう
鉛の文学、花巻の白金豚、米や雑穀等の地域の食。
- [B40S9] 花巻観光協会|花巻わんこそば番付
客のペースで味わう、おもてなしの郷土料理の背景。
- [MK01] 観光庁|宿泊旅行統計調査・2025年確定値
都道府県全域の2025年年計・月別データです。各温泉地や個別宿の実績ではありません。
- [NAT02] 国土交通省|既存建築物の活用の促進
既存建築物の現況調査、改修と活用のためのガイドライン・制度資料を掲載しています。
- [NAT03] e-Gov法令検索|文化財保護法
文化財の指定・登録、保存、現状変更と所有者変更などに関する法律の本文です。
- [NAT04] 環境省|国立公園における届出・申請
区域と行為に応じて必要となる自然公園法上の許可・届出を案内しています。
- [NAT05] 日本政策金融公庫|一般貸付(生活衛生貸付)
生活衛生関係営業の設備資金等について、対象と条件を案内しています。
- [NAT06] 日本政策金融公庫|振興事業貸付
認定振興計画を持つ組合の組合員を対象とする融資と必要な証明を案内しています。
確認日:2026年10月29日。伝承、史料、分析値、建築・保存の記録と、編集上の再生提案を分けて記述しています。
写真の撮影地・利用条件
- 鉛温泉・藤三旅館の木造建築
Namari Onsen Fujisan Ryokan.jpg
掬茶 / CC BY-SA 4.0
撮影日:2026-05-17 13:22:18
WebP変換・サイズ調整・表示枠による切り取り。元写真の利用条件を確認する ↗ - 鉛温泉・藤三旅館の唐破風の玄関
Namari spa Fujisann ryokan 2008.jpg
Soica2001 ( talk ) / Public domain
撮影日:2008-09-15
WebP変換・サイズ調整・表示枠による切り取り。元写真の利用条件を確認する ↗ - 鉛温泉・心の刻十三月の外観
Namari Onsen 13Gatsu.jpg
掬茶 / CC BY-SA 4.0
撮影日:2026-05-17 13:24:30
WebP変換・サイズ調整・表示枠による切り取り。元写真の利用条件を確認する ↗
写真は各配布元の利用条件に従って掲載しています。撮影時点の景観・設備であり、現在の営業状況や、紹介施設が売却対象であることを示すものではありません。