明治 — 避暑地のはじまり
宿場町に、夏の居場所を。
1886年、カナダ生まれの宣教師A・C・ショーが軽井沢を訪れ、避暑に適した土地として紹介しました。1888年には別荘を構え、友人たちの滞在も広がります。華やかな社交の舞台になる前に、自然の中で簡素に暮らす山荘があった。その原点は、いまの別荘選びにも通じます。[1][2]

TSUNAGU — VILLA & RESORT STORIES / 03
長野県軽井沢町・群馬県北軽井沢周辺
木陰の小径、苔の庭、窓辺で過ごす午後。
避暑地に育まれた文化と、家を手入れする知恵を、
これからの別荘の暮らしにつなぎます。
避暑の山荘と、文人の庭
六つのエリアと、四季の休日
手入れ・再生・次の使い方
01 — A HOUSE IN THE WOODS
鳥の声で目を覚まし、庭に椅子を出す。町でパンや野菜を買い、午後は本を読んで過ごす。軽井沢の別荘には、名所を巡る旅とは少し違う、その土地の一日を自分の暮らしにする楽しみがあります。
同じ「軽井沢」という名前でも、旧軽井沢の木陰、追分の旧道、南側に広がる庭のある家、浅間山を越えた北軽井沢では、風景も家との付き合い方も変わります。静かな環境を大切に受け継いできた場所だからこそ、建物の広さや新しさと一緒に、周囲の森や道、近隣との関わりまで見ておきたいところです。
長く使われていない家にも、窓からの眺め、深い軒、使い込まれた木の表情が残っています。まずは、その家の良さと傷んでいるところを確かめる。自分たちで使い続けるのか、次の持ち主へ託すのか、宿として迎え入れる道があるのか。ここでは、土地の来歴から、その先の判断までをたどります。
掲載写真は地域の風景・文化施設を紹介するものです。写っている建物が売却案件であることを示すものではありません。
02 — THE MAKING OF A SUMMER RETREAT
軽井沢の魅力は、涼しさや交通の便利さだけでは語りきれません。宣教師の簡素な山荘、文人の庭、ホテルでの社交、家族で過ごす夏。違う時代の暮らしが重なり、森の中に町の文化を育ててきました。
明治 — 避暑地のはじまり
1886年、カナダ生まれの宣教師A・C・ショーが軽井沢を訪れ、避暑に適した土地として紹介しました。1888年には別荘を構え、友人たちの滞在も広がります。華やかな社交の舞台になる前に、自然の中で簡素に暮らす山荘があった。その原点は、いまの別荘選びにも通じます。[1][2]
明治後期〜大正 — 建築と社交
1906年に営業を始めた三笠ホテルでは、洋風の建築と設備の中で人々が集いました。大正期には分譲地が広がり、ゴルフやテニスも滞在の楽しみとして根づきます。家の中だけで完結せず、町で人と会い、体を動かす。別荘地の暮らしには、そんな豊かさも加わりました。[4][5][2]
昭和初期 — 文人と大学村
室生犀星は1931年に建てた軽井沢の別荘で夏を過ごし、堀辰雄は追分に暮らしました。浅間山北麓では1928年に法政大学村が開村。北軽井沢にも、自然を大切にする共同生活の文化が受け継がれています。二つの地域には、それぞれの歴史があります。[6][7][8]
戦後〜現在 — 使い方を受け継ぐ
戦後は別荘や企業・学校の保養施設が広がり、滞在の形も多様になりました。いま、古い家を受け継ぐときには、当時の風情と、冬の快適さや日々の管理をどう両立させるかが課題になります。建物を直すことと、無理なく使い続ける仕組みを整えることを、一緒に考えたい時期です。[2]

旧三笠ホテルでは、耐震補強を含む保存修理を経て、2025年10月に一般公開が再開されました。文化財の修理は個別の別荘とは条件が異なりますが、古い建物の魅力と安全性を一緒に考えるうえで、見ておきたい場所です。[4]
苔庭を眺める位置、光を取り込む窓、雨の日にも外を感じられる軒。改修の前に残したいところを言葉と写真にしておくと、設計者や次の持ち主へ、その家らしさを伝えやすくなります。
03 — SIX DIFFERENT WAYS TO STAY
駅や商店街に近い場所、旧道に寄り添う場所、山を越えた高原。まず思い浮かべたいのは、家の外でどう過ごすかです。車での移動、買物、冬の出入りまで含めると、自分に合う場所が見えてきます。
軽井沢町:旧軽井沢・新軽井沢・中軽井沢・南軽井沢・追分など
群馬県長野原町北軽井沢、近接する嬬恋村の浅間高原など
01 / 長野県軽井沢町
旧軽井沢の通りから小径に入ると、店のにぎわいが木々の静けさへと変わります。礼拝堂や文学の記念館を訪ね、喫茶店で休み、家へ帰って庭を見る。町歩きと森の暮らしを行き来できることが、この地域の魅力です。三笠方面では、木造建築や緑に囲まれた道の景色にも目を向けたくなります。[2][3][6][4]
引き継ぐ視点道路の幅、車の出入り、樹木の状態、古い建物の増改築履歴を確認。別荘番号と登記上の地番も照合します。
02 / 長野県軽井沢町
駅周辺を出発点に、買物や食事、スポーツを組み合わせて滞在したい人に向く方面です。日中は外で過ごし、夕方には家族で庭や居間に集まる。暮らしの拠点として考えると、最寄りの店だけでなく、車を置く場所や通勤・通学など普段の動きも大切になります。南側へ足を延ばせば、発地の農の風景も楽しめます。[17][5]
引き継ぐ視点季節の交通量、生活道路と駐車、敷地の排水、建物の向きと日当たりを、利用する時間帯にも確かめます。
03 / 長野県軽井沢町
木立のある家を拠点に、美術館や周辺の店へ出かける滞在を考えられます。窓の外の緑を長く眺めたい人、何度も通いながら庭を育てたい人にも似合う地域です。一方、傾斜や木陰の深さによって、庭や建物の乾き方は変わります。夏に気持ちよく過ごせる家を、冬にどう維持するかまで見ておきたいところです。[14][19]
引き継ぐ視点分譲地ごとの管理規約・道路・水道、通水と水抜きの依頼先、倒木や落ち葉への対応範囲を整理します。
04 / 長野県軽井沢町
追分では、中山道の宿場の記憶と、文人が暮らした町の表情が重なります。堀辰雄文学記念館を訪ね、旧道沿いを歩いたあと、家で本を開く。名所を次々と訪れるより、一つの場所へ通い続けたい人に似合う過ごし方です。西へ広がる森の住まいも、道路や周辺の家との距離によって雰囲気が異なります。[7]
引き継ぐ視点住所は軽井沢町か、隣接する御代田町などかを確認。景観に関する協定や分譲地の取り決めは敷地ごとに調べます。
05 / 群馬県長野原町
北軽井沢の大学村は、1928年から続く共同生活の場。家にこもって読書をしたり、木立の道を歩いたりと、自然の中で過ごす時間を大切にしてきました。村の憲章にも、自然や水を大切にすること、静かな暮らしを守ることが掲げられています。建物と一緒に、こうした場の考え方を受け継ぐ楽しみがあります。[8][9]
引き継ぐ視点大学村の憲章には営利利用を控える趣旨もあります。宿泊事業の検討では、地域名だけで判断せず、管理者と敷地の条件を具体的に確かめます。
06 / 群馬県長野原町・嬬恋村方面
北軽井沢から周辺へ出かけると、牧場や高原の畑、浅間山北麓の地形を楽しめます。庭で朝食を取り、昼は高原を歩き、帰りに野菜を買う。車を拠点に、家の時間と外遊びを組み合わせたい人に魅力のある方面です。「北軽井沢」と紹介される物件でも長野原町・嬬恋村などにまたがるため、所在地を確かめて検討を進めます。[10][12][18]
引き継ぐ視点私道の除雪、積雪時の駐車、浄化槽と水道、管理拠点までの道を確認。浅間山の火山防災や土地利用の条件も調べます。

04 — DAYS BEYOND YOUR DOOR
一度の旅で巡りきるより、次に来る楽しみを残しておく。別荘が拠点になれば、晴れの日の森、雨の日の美術館、好きな季節のスポーツを、少しずつ暮らしに加えていけます。

WALK / 旧軽井沢
旧軽井沢の店をのぞき、礼拝堂や文学の記念館へ。歩く途中でお茶を飲み、気に入った道を戻るくらいの余白を残すと、町が少しずつ身近になります。住宅や別荘は外からの景色を楽しみ、公開されている施設で建築に触れる散策が似合います。[3][6]
町の公式観光案内へ ↗ART / 中軽井沢・塩沢方面
軽井沢千住博美術館では、作品と建物、周囲の庭をゆっくり味わえます。絵本の森美術館など、興味に合わせて一館を選ぶ日も。展示を見たあとに家で本を開いたり、窓の外の色を眺めたりする時間まで含めて、文化に親しむ休日になります。[14][15]
美術館の公式案内へ ↗SPORTS / 軽井沢
軽井沢では大正期からゴルフ場の整備が進み、テニスとともに避暑地の暮らしを彩ってきました。いまの滞在では、軽井沢72ゴルフなどの利用条件に合うコースを選び、一日をプレーに使う楽しみも。同行者とは、美術館や買物など別々の過ごし方を組み合わせられます。[5][16]
ゴルフ場の公式案内へ ↗NATURE / 白糸の滝・雲場池
白糸の滝では幾筋もの水が落ちる姿を、雲場池では水面に映る木々を楽しめます。同じ景色でも、新緑と紅葉では印象が変わるもの。家からの往復に無理のない範囲で、気に入った場所へ何度も通えることが、拠点を持つ良さです。[13]
四季の過ごし方を読む ↓HIGHLAND / 北軽井沢
浅間牧場の開放されている範囲を歩き、旧北軽井沢駅舎に立ち寄る。草軽電鉄が軽井沢と草津を結んでいた時代を知ると、北麓の別荘地が育った背景も身近になります。火山がつくった地形は、浅間山北麓ジオパークの解説と一緒に見ると、景色に奥行きが加わります。[10][11][12]
浅間山北麓ジオパークへ ↗AT HOME / 家族と愛犬
本を読む椅子、靴を脱いで上がるデッキ、犬の足を洗う小さな水場。遠くへ出かけない日にも、その家を好きになる場所をつくれます。屋外設備は、滑りや転落、夜の照明、声やにおいの届く範囲まで考えると、家族にも近隣にも心地よい居場所になります。
家の魅力を育てる改修へ ↓05 — GARDENS, BOOKS & THE TABLE
室生犀星記念館は、1931年に建てられた別荘を改修したもの。犀星は亡くなる前年まで毎夏ここで過ごし、多くの作家と交流しました。家と庭がひと続きになった空間では、滞在の豊かさが広さだけでは決まらないことを感じます。[6]
追分の堀辰雄文学記念館には、晩年を過ごした住居や書庫が残ります。原稿や書簡を読み、旧道を歩き、自分の家でまた一冊を開く。こうした文化の近さも、軽井沢に拠点を持つ魅力です。北軽井沢の大学村には、学びと共同生活を大切にしてきた別の系譜があります。[7][8][9]

06 — A YEAR WITH THE HOUSE
夏に気に入った家を、秋や冬にも訪ねてみる。日当たりや道の様子、使える部屋の範囲が変わると、必要な手入れも見えてきます。年間の過ごし方から考えると、設備への投資にも順序がつきます。

通水後の漏れ、屋根や雨樋、庭木を確かめる季節。冬を越えた家の状態を見ながら、窓を開けて、今年の滞在を始めます。
朝の散歩や庭での食事を中心に。にぎわう日には車の移動を減らし、家の近くを歩く楽しみも持っておきたいところです。
落ち葉の処理や屋外の点検、使わない期間の水抜きを計画。管理会社や工事店とは、作業内容と日程を早めに揃えます。
暖房と凍結対策、道路の除雪、室内の温度差を確認。夏だけ使う家か、冬も通う家かによって、必要な設備を選びます。
水抜きや通水の方法は設備ごとに異なります。たとえば中軽井沢の管理事業者は、凍結防止のための水抜きと、来荘前の作業予約を案内しています。購入時には、前の所有者がどう冬を越していたかを聞き、給湯器・配管・凍結防止帯の扱いを図面や手順書に残しておくと安心です。[19][20]
07 — REPAIR BEFORE REDECORATING
壁紙や家具を選ぶ前に、雨水がどこから入り、湿気がどこにたまり、冬にどこが冷えるかを見る。見えない部分を整えてから、残したい意匠に手を入れると、改修のやり直しを減らしやすくなります。
雨染みのある天井だけでなく、屋根や取り合い、落ち葉で詰まった雨樋まで確認します。雨水の入口が残ったまま内装を直すと、また傷むおそれがあります。過去の漏水と修理の履歴があれば、写真と一緒に設計者へ渡します。
床の傾きや柔らかい箇所、木部の腐朽、蟻害、床下の換気と湿気を調べます。デッキや手すりは、表面の塗装だけでなく支える部材まで。補修で残せる部分と、交換が必要な部分を分けて見積もります。
通水して漏れや排水を調べ、冬季の停止方法を確認します。私設水道の費用、浄化槽の点検・清掃・検査の記録も引継ぎ資料に。温泉を受けている区画では、供給契約と浴室設備を別々に確認します。
窓だけ、暖房だけを新しくするのではなく、壁や床の断熱、結露、換気、電気の容量を合わせて考えます。家全体を通年仕様にする案と、冬に使う部屋を絞って整える案を比べると、利用頻度に合う投資を選びやすくなります。
枝や根と建物の距離、倒木の懸念、擁壁の亀裂、斜面の水の流れを確認します。樹木は風景の一部なので、伐採や造成は町の手続や協定も含めて計画。工事車両の進入や資材を置く場所まで、現地で確かめます。
既存図面、確認済証・検査済証、増築の履歴と現況を照合し、改修に必要な手続を整理します。2025年4月以降は、木造2階建て住宅などで大規模な修繕・模様替を行う際の建築確認にも注意が必要です。用途変更の面積だけで判断せず、建物と工事の内容に沿って計画します。[26]
08 — THE HOUSE AND ITS AGREEMENTS
売買価格だけでは、持ち続ける費用は分かりません。道路や水道、温泉、庭の手入れ、冬の巡回。誰が何を担い、どこから費用がかかるかを揃えると、購入後の暮らしも事業計画も具体的になります。
| 確認すること | 資料の例 | 費用・引継ぎの着眼点 |
|---|---|---|
| 所有権・借地・接道 | 登記、公図、測量図、借地契約、道路の資料 | 対象範囲と境界、通行・掘削の承諾、借地の譲渡や更新条件。別荘番号と地番の照合。 |
| 分譲地・景観の取り決め | 管理規約、自然保護協定、建築協定、過去の承認書 | 宿泊・賃貸の扱い、建築・外構・伐採の手続、工事の時期や車両の制限。 |
| 管理費・未払金 | 請求書、管理委託契約、作業記録 | 基本管理に含む仕事と別料金の作業、未払金、名義変更時の精算、将来の更新負担。 |
| 水道・排水・温泉 | 供給契約、設備図、点検や清掃の記録 | 温泉がある場合の名義変更・更新・休止条件、供給停止時の扱い。水量や設備の状態。 |
| 冬季管理・保険 | 水抜き・通水・除雪契約、保険証券 | 敷地内まで除雪するか、作業予約と緊急対応、空き家・宿泊営業など利用方法に合う補償。 |
町や分譲地の基準は、家をどう使い、どんな工事をするかにも関わります。軽井沢町では自然保護のための土地利用手続が設けられています。管理契約の名義変更と行政の手続は、それぞれの窓口へ確認し、売買の条件に反映します。[21][19]
09 — SELL, KEEP OR WELCOME GUESTS
大切な家の引継ぎ方は、一つではありません。別荘として使う人へ渡す、二拠点の暮らしに整える、宿泊施設として再生する。まず場所と契約に合う選択肢を揃え、そのうえで修繕と運営の費用を比べます。
01 / 別荘・住宅として
庭や建築の趣を大切にする買主へ、現況で引き継ぐ方法です。傷みや設備の状態を伝え、買主の好みに合わせた改修を前提に条件を整えます。先に大きな工事をする場合は、費用を売却価格でどこまで回収できるかも比べます。
02 / 自分たちの拠点として
家族の別荘、仕事と休息の拠点、法人の保養施設など。雨漏りや設備の不具合から手を入れ、使いながら居間や寝室を整える方法もあります。維持管理を続けられる予算と、通う頻度の釣り合いを見ていきます。
03 / 条件を満たす宿泊施設として
一棟貸しや小規模宿を検討する場合は、法令、町の基準、分譲地のルール、管理体制を順に確認します。清掃や冬季対応まで担える運営者と、定員や料金、必要な工事を具体化。取得後に残る収支で判断します。
LOCATION MATTERS
軽井沢町は、町内全域で民泊施設の設置を認めない取扱基準を公表しています。また、町の基準でいう「貸別荘」は不特定の人へ1か月以上賃貸する戸建住宅を指し、区域の制限や事前協議などが設けられています。計画する利用方法に応じて、町と長野県の担当窓口へ確認します。[22]
住宅宿泊事業は年間180日以内の制度で、住宅の要件や管理の義務があります。旅館業を営む場合は営業許可が必要です。群馬県の手続に加え、所在地の町村と管理者に確認。大学村のように共同体の理念を掲げる場所では、その土地の考え方も含めて引継ぎ方を相談します。[23][24][25][8]
宿泊施設への転用では、建築・消防・水道や排水などの条件も合わせて整理します。吾妻保健福祉事務所は、2026年6月から延床200㎡以下の建物にも建築基準法上の適合状況報告書を求める旨を案内しています。小さな別荘でも、図面と現況に基づく確認から始めることが大切です。[24]
10 — MORE VALUE, WITH THE HOUSE
古い家の価値を育てる改修は、新しい設備を足すことから始まるとは限りません。窓からの庭がよく見えるようにする。寒い部屋を心地よくする。手入れしやすい水回りに整える。その家を好きになる理由を、使い続けられる形にします。

既存の窓や梁、軒の深さを生かし、家具と照明、断熱・暖房を整える。大きく間取りを変える前に、視線と居場所を見直すと、家の良さが伝わりやすくなります。
食材を置く場所、冷蔵庫、調理台、食器と片付け。家族利用でも一棟貸しでも、台所が使いやすければ滞在の幅が広がります。営業で食事を提供する場合は、必要な衛生管理や許可も確認します。
木陰や苔を大切にしながら、足元、排水、手すり、夜の明かりを整える。ドッグランやサウナを考える場合も、工事費に加え、安全・排水・清掃と近隣への配慮を計画に含めます。
鍵の管理、漏水や温度の確認、定期巡回、作業記録を組み合わせる。宿泊利用では予約・決済の電子化と、現場で動く清掃・緊急対応の両方を揃えます。設備を入れたあとの担当者まで決めておきます。
宿泊活用では、売上の想定から清掃・リネン、OTA手数料、運営委託料、光熱費、管理費、保険・税金、修繕への備えを差し引きます。除雪や水抜き、不在時の巡回、家具・設備の更新も忘れずに。オーナー自身が使う日と販売できる日を分け、季節ごとの稼働で試算します。
事業用に取得する中古建物の減価償却は、構造や経過年数、取得後の資本的支出などによって扱いが異なります。建物価格と工事の内訳を整理し、税理士と確認したうえで計画に織り込みます。[27]
11 — BEFORE THE NEXT OWNER ARRIVES
雨が強い日の様子、水抜きの順序、手入れを頼んでいた人。長く使ってきた家には、図面だけでは伝わらない情報があります。売却や活用の相談では、分かるところから揃えていけば大丈夫です。
所在地・地番、建物の現況、権利と管理契約、修繕履歴を整理。手元にない資料は、管理者や関係窓口で確認する項目を分けます。
現況売却、使い続けるための修繕、条件を満たす宿泊活用について、費用・期間・役割を比較。買主や運営者の計画にも合う形を考えます。
名義変更、費用の精算、鍵、設備の説明、冬季の作業、清掃や巡回の担当を揃えます。宿泊事業では、許認可と運営契約の引継ぎも個別に確認します。
片付けや改修にまとまった費用を出す前に、家の状態と、残したいものをお聞かせください。把握している不具合も共有すると、買主が改修計画を立てやすくなります。
見学の日の印象に加え、雨や冬、長く留守にする期間を思い浮かべてみてください。取得価格と、これから必要な修繕・維持・運営費用を揃えて検討します。
12 — READ, COMPARE & PLAN
周辺の温泉や高原を訪ねる。契約の言葉を調べる。修繕や収支を計算する。気になるところから、TSUNAGUの特集へ進めます。
13 — QUESTIONS & ANSWERS
所在地に応じた確認が必要です。軽井沢町は、町内全域で民泊施設の設置を認めない取扱基準を公表しています。1か月以上の賃貸を行う貸別荘にも町の基準があります。民泊、旅館業、住宅としての賃貸について、計画する使い方と敷地の条件を整理し、町と県の担当窓口へ確認します。
北軽井沢は主に群馬県長野原町の地域で、近隣の嬬恋村も含めて紹介されることがあります。軽井沢町の基準とは管轄が異なります。群馬県の制度、町村の土地利用、分譲地の規約、管理体制を合わせて確認します。大学村のように独自の理念や取り決めを持つ場所もあります。
屋根や外壁からの雨水、床下や土台の状態、給排水と凍結対策を先に確認します。そのうえで断熱・暖房、庭木や擁壁、デッキなどを調べます。図面と修繕履歴を揃え、建築士や設備の専門家と、急ぐ工事と後から行える工事を分けて計画します。
現況のまま引き継ぐ案と、売主が工事を行う案を、費用・売却条件・期間で比較します。買主が自分の好みに合わせて改修したい場合もあります。把握している不具合や残置物を伝え、工事や処分を始める前に、どの状態で引き渡すかを相談できます。
温泉供給の有無や契約条件は区画ごとに異なります。契約上の地位の引継ぎ、名義変更料、更新、基本料、休止・再開、設備の管理範囲を供給者に確認します。宿泊施設として利用する場合は、供給契約に加え、利用形態に応じた行政上の手続も整理します。
清掃・リネン、予約サイトの手数料、運営委託料、光熱費、管理費、税金・保険に加え、修繕や設備更新への備えを見込みます。高原の家では除雪、水抜き・通水、不在時の巡回も検討します。オーナー利用日と販売可能日を分け、季節ごとの稼働を想定して試算します。
分かる範囲の所在地と、いまの状態から相談できます。登記、建物の図面、管理費の請求書、温泉や水道の契約など、手元にある資料を整理します。不足するものは管理者や関係窓口への確認事項を分け、現況売却と活用の選択肢を考えます。
14 — TSUNAGU, THE NEXT CHAPTER
庭や建物に残る、好きだったところ。使わなくなった理由。直したいところ。売る・引き継ぐ・活かす道を、家と土地の条件に合わせて整理します。
CONSULTATION — JAPAN REALTOR
不動産業界21年目。一棟収益不動産や宿泊施設の売買・事業再生に携わり、自ら旅館法人3社の代表として再生・運営に関わってきました。空き別荘や保養所の現況売却から、宿泊活用の可能性まで、建物・契約・運営の条件を整理します。
宅地建物取引業:ジャパンリアルター株式会社/東京都知事(2)第104145号
編集・構成:TSUNAGU編集部(ジャパンリアルター株式会社)。編集確認日:2026年11月1日。官公庁・自治体・観光協会・施設運営者・管理団体等の公表資料をもとに、別荘地の歴史と滞在の魅力、建物の手入れ・保存活用・売却・事業承継の視点から編集した専門特集です。掲載写真や地名は、個別施設が売却募集中であることを示すものではありません。営業・利用条件や個別の法令・契約は、各公式情報、管理者、管轄窓口でご確認ください。
写真はそれぞれの撮影時点の景観・建築を伝えるものです。表示枠に合わせたトリミングがあります。原写真の色調変更・合成・生成は行っていません。
[01] 軽井沢町・ショーハウス記念館。避暑地の原点となった別荘を復元した建物。
撮影:Daderot / File:Shaw house - Karuizawa, Japan - DSC01931.JPG / CC0
撮影日・期間:29 August 2015。配信:5472×3648px。原画像をそのまま収録。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
[02] ショーハウス記念館の室内。木の壁や窓辺に、簡素な山荘の暮らしをしのぶ。
撮影:Daderot / File:Interior of Shaw house - Karuizawa, Japan - DSC01936.JPG / CC0
撮影日・期間:29 August 2015。配信:5472×3648px。原画像をそのまま収録。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
[03] 長野原町北軽井沢・観光協会とふるさと館。浅間山北麓の旅の入口。
撮影:Qurren / File:Kita-karuizawa Tourist Association.jpg / CC BY-SA 4.0
撮影日・期間:2018-09-16。配信:5472×3648px。原画像をそのまま収録。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
[04] 軽井沢町・旧三笠ホテル。2007年撮影、保存修理前の外観。
撮影:663highland / File:Old mikasa hotel02s3872.jpg / CC BY-SA 4.0
撮影日・期間:2007-09-22。配信:1920×1285px。原画像をそのまま収録。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
[05] 旧三笠ホテルの天井と照明。2012年撮影、保存修理前の室内意匠。
撮影:osami / File:Old mikasa hotel1210L1.jpg / Public domain
撮影日・期間:2012-10-26。配信:1920×1440px。原画像をそのまま収録。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
[06] 軽井沢町・雲場池。森を映す水面と、池のほとりの散策。
撮影:663highland / File:Kumoba-ike03s2048.jpg / CC BY 2.5
撮影日・期間:2005-06-05。配信:1920×1280px。原画像をそのまま収録。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。
[07] 軽井沢町・新緑の白糸の滝。湧き水が幾筋にも分かれて落ちる森の風景。
撮影:Ken_Lee / 軽井沢へ避暑に行こう / CC BY 4.0
撮影日・期間:2022-05-31 12:38:00 +0900。配信:1920×1280px。原画像をそのまま収録。表示枠でトリミング。合成・生成は行っていません。